いざ、カンヌライオンズ2011。

これまで、このBlog上で

「カンヌ勉強会に行ってきました。」(2011.6.7)

「Future Communica !」(2010.9.8)、
「2009 第56回カンヌ国際広告祭 入賞作品上映会」(2010.2.12)、

もっと遡れば

「そこにある必然」(2008.9.8)

など、カンヌ国際映画祭に関して自分なりに研究(?)し、書いてきましたが、今年、初めてその現場であるフランス・カンヌへやってきました。

 

すでに「2009 第56回カンヌ国際広告祭 入賞作品上映会」のエントリーで博報堂の河野俊哉CDがこんなことを語られていました。

 

「世界各国から集まった広告が、あるひとつの兆候を示していた。金融危機をトリガーとした世界不況によって、広告がのん気に幸せだった時代の終焉を告げていた。

広告は、もう広告でいられなくなった。広告は広告を超えることを要求され、テクノロジーというアダムとイブの樹の実を食べた。多くの価値が価値を持たなくなり、多くの新しい常識が生まれた。Web2.0の意味がやっと明らかにされ、人々が企業とメディアの被支配から解放された。声を持たないピープルが、大きな叫び声をあげた」

 

いま思えば非常に示唆に富んだ内容です。

まさに「もう広告でいられなくなった」カンヌ広告祭は、2011年、その名を

Cannes Lions International Festival of Creativity

に変え、Advertising(広告)という枠を明確に取り払いました。

そしてその変化を名ばかりではなく実際の受賞リストからも、セミナーからも見て取れる内容になっているな、というのが僕の率直な感想です。電通の京井さんも広告の役割は「伝える」から「つなげる」へというレポートをおこしてくださってますが、まさにそれ!です。猫も杓子も「Twitter & Facebook!」であることはたぶん2年前から変わらないんだけど、それはもはや当たり前すぎて、「ソーシャルでこれだけ話題になりました」というアピールは結局のところ広告的考えを脱していない。むしろそこに生じる「つながり」をどう楽しくするか、役立つものにするか、継続的に意味・意義のあるものにするか、を示せているものが賞を得ているように思います。はっきりと方向性を感じます。

で、個別の受賞作を通してもっとそのあたりをえぐってみたいところですが、こちらでは連日いろんな方々と会ってお話しすることに注力することにして、リアルタイムでの速報やまとめは銀河ライターさんにお任せしようかと(汗)。また後ほど(日本で?)がっつりレポートします。

 

canne02

銀河ライター・河尻さんとエントランスでばったり。
河尻さん、速報もまとめもリリースしつつ現地で震災の映像上映も手がけて、さらに日本から来たクリエイターのみなさんに声をかけてパーティーして‥‥すごすぎる。

 

残すところあと2日。とにかく吸収しまくって帰ります。


投稿者: tacrow

伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年 武蔵野美術大学 造形学部映像学科卒業。デジタル系広告制作会社を経て、2017年〜広告会社にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職

「いざ、カンヌライオンズ2011。」への2件のフィードバック

  1. フランスまで行ったの? すごいね! わたしが今インターンしてる会社がカンヌの金賞とったよ〜。Moving Brandsというイギリス資本の会社です。

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