東京企画構想学舎

去る7月4日(日曜)。
外苑前の東北芸術工科大学・サテライトキャンパスにて、
東京企画構想学舎という新しい「学校」のプレ授業というか、
ワークショップと称した説明会に出席しました。

講師はWeb広告界で超有名な
トップクリエイター・伊藤直樹さん。

 

伊藤さんの企画されるお仕事は常に
「フィジカル」な要素があって、
Webという、本来フィジカリティとは
まったく正反対にあるテクノロジーを
汗臭い、呼吸の荒いものに変容して
ぽんと目の前に置いてくれます。

ただ、伊藤さんご自身はWebという
無限のようで限られた海だけを舞台に
プランニングされているのではなく、
ご本人の言葉を拝借すると、

「インテグレーテッド・キャンペーン」

つまり、メディアに囚われずインテグレート(統合)
された俯瞰的な視野で「伝えること」を企画・設計
していくっちゅーことだそうで、そこに重きを置くが故に
「フィジカル」という万人に伝わりやすい要素が
重要になってくるのでしょう。

 

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=uS1exujG3cY&hl=ja_JP&fs=1?rel=0]

伊藤さんの最近のお仕事『NIKE MUSIC SHOE』

 

興味のある方は、著書『「伝わる」のルール』も
読んでみてください。面白いです。

 

で、『東京企画構想学舎』での説明会というか講義。

ひとつひとつのメモを文章に再構成していたら
どえらい時間がかかりそうなので早々に諦めて、
講義の最後に語られた、「アイデアの質」という
項目を書き起こしておこうと思います。

これは、伊藤さんがなにかを企画されるときに
通る、大切にされていることたちだそうです。

 

【代弁する】(ひざポン)
→自分の心のなかにあるモヤモヤを提示してあげる。
 共感(そうそう!)を呼ぶ。眠っているポイントを
 呼び覚ます。広告的に言えばインサイト。

 

【ひねる】(ツイスト)
→ド直球は飽きられる。
 ちょっとツイストするだけで違って見える。

 

【揺さぶる】
→人の心を揺さぶるものは何か?
 コピーだけに負わせる時代ではない。

 

【サプライズ】
→それは、仕組みの新しさ?
 エンディングの美しさ?
 どこにサプライズを忍ばせるか。

 

【浄化する】(カタルシス)
→たとえば映画を見終わった後、スッキリした気持ちになるか?
→見てよかった!と思ってもらうポイントはあるか?

 

【もてなす】
→インターネットは人の能動的な行動(訪ねる)が発生する。
 だから、裏切られたときの反感も強い。
 人の気持ちを裏切らない、もてなしを。

 

【身体性】
→非言語的なもの、
 老若男女が身体で反応するポイントをつくる。

 

冒頭に書いた「フィジカル」も、
要素のひとつでしかないんですね。
とても大事なポイントではあるけれど。

自分がなにかを企画する際にも、
これらに当てはまるか?を見定めてみよう。

 

もうひとつ、興味深いことを仰っていましたが、
それはまた別の機会に書きます。
といって書かないパターンだの。

‥‥いつか。


投稿者: tacrow

伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年 武蔵野美術大学 造形学部映像学科卒業。デジタル系広告制作会社を経て、2017年〜広告会社にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職