再読「ムーンショット」 デザイン幸福論

2ヶ月ほど前の記事でTwitterでもたくさんRTされていたので読まれた方も多いかと思いますが、改めて自分のBlogに備忘録として記しておきます。

フェラーリのデザインを手がけたことで有名なデインダストリアルデザイナー、奥山清行さんの講演「「ムーンショット」 デザイン幸福論」より。

個人的に2011年11月8日現在で刺さる部分だけをピックアップしましたが、面白いので、読んでない人は全文読んでみてください

 

日本人ほど哲学とか倫理観とか教育レベルとかそういったことの個人の力が高い国というのは、僕は今まで経験したことがなかったのです。ところが、そういう人たちを5人以上集めると、幼稚園みたいなもんでまるでまとまらない。イタリアの方がよっぽどまとまる、アメリカの方がよっぽどまとまるという現実に気がつきまして、ひょっとして日本って団体力ないんじゃないの?っていうことになり、僕の今までの仮説が逆転しました。

皆さん何となく思い当たる節があるんじゃないかと。飲み屋に行くとすごいこと言うんです。仕事終わるとすごいこと言うんです。仕事の最中は黙って何も言わないですね。黙って何も言わないくせに何も考えてないかっていうと、当てると皆さんすばらしいこと言うんです。僕はそれは卑怯だと思いまして、自分が考えていることを、その場で決められた時間の中で他の人とシェアしないのはプロとして犯罪に近いと考えています。イタリアでそれをやると二度と会議に呼ばれません。ところが日本はそれをやって、黙っている方が会議に呼ばれるという、これは悪しき慣習だと思います。

中略

これからは、会社という組織が逆に膨れていくか、どんどん崩壊していくか、その両方がこれからどんどんこの今後の50年間で起こってきます。それで重要になってくるのが、これは日本経済新聞に載せた記事なんですけれども、会社と個人、あるいは自分のキャリア、仕事と個人というバランスシートがあって、日本の特に若い人に強く言いたいんですけれども、勘違いしているのは、若い人が特に勘違いしているのは、自分は会社とか仕事から得るものだけ得て、一番得た時点で次のステップに移っていくのがキャリアアップである、と。実はこれ大きい間違いでして、自分が与えたものと相手からいただいたものの中で、相手にあげた方の大きい場合に、次の仕事につながります。

これはアメリカとかヨーロッパの契約社会で非常に重要な考え方で、得たものよりも与えたものの方が多いことが大切なんです。それでこの人間は優秀であるという名声が広がって、きちんとしたお給料なり、それに対する対価をいただいて、次の仕事をもらうという仕組みを作るのが、実はプロとして非常に大切なこと。なんか高校の話みたいですみません。プロの皆さんを前にして。ただ、非常にその基礎が日本に帰ってきて成り立っていないのでびっくりしました。

中略

例えば100人と1億円があったとします。韓国とかアメリカの企業っていうのはそれを50人ずつふたつのチームに分けて5000万円ずつ与えれば、たいしたことないアイディアでもこれが面白いものになっちゃうんです。そうですよね?50人で5000万あったらば、日本の場合だとものが決められないからまずリサーチしましょうと言って、ひとりずつの100個のアイディアをリサーチしましょう、ということで1つのプロジェクトに100万円与えます。100万円もらってひとりで何しろって言うんですか?

これが今の日本です。優れたアイディアが山ほどあっても、それぞれのアイディアが日の目を見ないのは、1人と100万円を与えられても何の仕事ができるんですか、と。ですから、一番最初にうちの会社はこれをやるんだというヴィジョンを抱いて、ものを決めて、それに従って集中投資をするのが今のものの作り方です。分散投資はこれからの時代は絶対に成立しません。

 

表題にもなっている「いつ来るか分からない15分のために、常に準備をしているのがプロで、来ないかもしれないからと言って準備をしないのがアマチュア」という印象的なエピソードも面白いです。

 

アマチュアというのは実はすばらしいアイディアを持っていて、それでプロよりも非常にいい思いつきをするんですね。プロというのはものを知っているだけに、実は一番保守的です。長年同じことをやっているプロというのは、実はアマチュアよりもインスピレーションという意味でははるかにレベルは低いです。

ところがなぜプロがプロたる仕事ができるのかというと、アマチュアはたった1枚の企画書、1枚の絵、たった1個のアイディアに満足して先に進まない。プロは最初はろくでもないアイディアが出てきて、なかなか会議でもアイディアが出ない。だけどもそれを100回続けて、100個の中から1個を選んで、そういった人間が予算を取って100人集めて、合計1万個の中から1個のアイディアを出すから、いいものが出るのが決まっているというシステムを作るから、プロはプロたり得るのだと信じます。プロというのはシステムで仕事をする人間である、と。

だとすると、俳優の津川雅彦さんが言っていたんですけれども、「若い人は質なんか追うな。質より量だ。量をこなしていれば質なんて自然に付いてくる。それは実は僕ら年を取ったプロであっても全く同じことだ」というふうに言っていました。この質より量というのは非常に重要なことだと思います。頭動かす前に体動かせ、いろいろごちゃごちゃ言う前に数出しなさい、と言うのは実は非常に正しいアドバイスだと思うんです。

いつ来るか分からない15分のために常に準備をしているのがプロ、デザイナー奥山清行による「ムーンショット」デザイン幸福論 – GIGAZINE

Steve Jobs

 

iPhone 4S発表の翌日に舞い込んできた衝撃的な訃報。

「自分が間もなく死んでしまうのだということを思い出すことは、人生における大きな決断をする時に私を支えてくれる一番大切な方法です。周囲からの期待、プライド、失敗したら恥だと思う恐怖感、そういったものは死の前には消え去って、本当に大切なものが見えて来るからです。自分もいつかは死ぬ。それを思い出すことは、失うものなど何もないということを気づかせてくれる最善の方法です」

僕とAppleの出会いは1999年のPower Mac G4でした。通称ポリタンク。

19歳の僕に映像編集と写真編集の楽しみを教えてくれ、人と、世界とつながるきっかけを与えてくれました。
大げさでなく。

その後、iPod、iPhoneを手にしてから、クリエイティブだけじゃない、生活が、ものの見方が変わりました。
多くの人がそうであるように。

なにより、新機種が出ることを毎度毎度楽しみに見守るブランドなんて、他にない。
そう、昨日のように。

 

いま改めてこのスピーチを見返したい。

 

Steve Jobs

世界を変え、私を変えたクレイジーな人。

心よりご冥福をお祈りします。

成功より成長。

(デザイナーだろうが何だろうが)自分でプレゼンをして挫折を味わうことでしか人は伸びない。自分で責任を持つ。だけど挫折=失敗の一歩前で上司が助け船を出して半端に成功しがち。しかも自分の成功だと勘違いする…と、その時点で伸びしろが潰される。アイデアを自分で語って玉砕できた方がいい

自分のTwitterより。

 

8月18日の夜に、インタラクティブ系の広告、キャンペーンを手がける制作会社「BIRDMAN」さんの納涼祭りへ行ってきました。そこでお会いした、PARTYの中村洋基さんが仰っていた言葉をメモしたものです。ご本人はだいぶ酔ってました。

“成功より成長。” の続きを読む

GEOGRAPHIC

会社の元後輩で、グラフィック、
ウェブ、アプリ、ロゴ、など数々の
デザインを世に送り出している
デザイナー、有馬トモユキくんが
GEOGRAPHICというレーベルを
立ち上げたそうで。

GEOGRAPHIC

 

GEOGRAPHIC(ジオグラフィック)は「好奇心のためのエンターテイメント」をテーマに、領域を問わない制作を実践するためのグループです。

メディアの環境が大きく変化してきた状況の中で、改めて良い形で制作を続けることが本来どうあるべきなのか一から考え、それに相応しい価値観を、だれもが手に入れられるほどに身近なものにすることを目指しています。

音楽・デザイン・プログラム・ストーリーテリングなど、異なる知識や背景を持ったメンバーが集まっています。私たちは場所や専門領域も離れたところで活動していますが、そうした事によらない気軽なコミュニケーションが普通のものになった今、こうした形で制作を行うことに大きな意味が出てきたと考えています。

(公式サイトより)

 

「音楽」に限定しないレーベルなんですね。
なるほどー、なんか面白そう。

 

で、

 

[soundcloud url=”http://soundcloud.com/geographic/geog1001-visibility-crossfade”]

 

最初に出す「作品」は、音楽かよ!
visibilityっていうそうです。

サイトもかっこいい。
こないだ久々にバスキュールで会ったときに
「デザインがしたいんです」って
語気を強めて言っていたのを思い出します。

デザイナーなのに改めてそれを宣言するって、
べつに「デザインが好きなんです」ということじゃなくて
「いいデザインを作って世の中をハッピーにしたい」とか
そういうことだと僕は受け止めました。

 

visibility

 

そして彼らの世の中へのアプローチは
まず自分たちの欲しいモノ・コトに正直になることだった。
賛同者がいればうれしいし、一人くらいはいるだろうと。
そんな感覚だと思います。まずその感覚に賛同します。

 

実際、音楽もかっこいいし、
僕には一銭も入りませんが
応援することに決めました。

Amazonでも今日から発売だそうです。
僕には一銭も入りません。

Blogを書く理由

僕のBlogでは、気をつけていることがあります。
それは、僕が書こうとしている内容、世界について
知らない人にもなるべく分かる言葉で説明すること。

 

このBlogは2003年に始めました。
当時23歳の僕は、長い入院期間を経て
大学の休学期間から復学した頃でした。

 

在学中(2004年)の大学。左に見える図書館はリニューアルされてもうない。
在学中(2004年)の大学。左に見える図書館はリニューアルされてもうない。

 

僕の体調を心配した父が、生存確認‥‥
と言えば大げさですが、元気かどうかを
遠い田舎からも確認できる方法として
Blogを書いたらどうか?と勧めてきたのです。
(今はその必要もないほど健康です)

時を同じくして、専攻していた写真コースで
「デジタル写真を発表する場として
個人WebSiteをつくりなさい」という課題が
出され、その時から、長い休眠を挟みつつも投稿を
続けています(その後、映像コースへ鞍替えしますが)。

 

なので、このBlogは今となっては自分の
職種である広告やクリエイティブ、または
ソーシャル、デジタルに関する内容が多いですが、
常に僕の頭には想定読者として郷里の父がいます。

このTwitter、Facebook全盛の時代に
半死半生でも(僕がじゃなくてBlogがね)
続けているのは、そういう理由からです。
親はソーシャルにはいませんから。

 

そして、父にも分かるように書く。
それがこのBlogの裏テーマなんです。

ターゲットに分からない言葉で書くコピーや、
クライアントに理解されない説明の企画書は
ダメでしょう。そういう感覚です。

 

2004年のムサビ2
※写真と本文は関係ありません。

 

実際、うちの母などはあまり
読んでいないようですが、代わりに(?)
母の妹である叔母がわりとチェックしているようで、
母は叔母をRSSとしてBlogに触れています。

えっと、RSSというのはニュースや
ブログなど各種のウェブサイトの更新情報を‥‥

やめておきます。
60を超えてプログラミングもするPCオタクの
父には必要のない話だから。釈迦に説法。
こういうところでだいぶ楽です。

 

いいこともあります。

面白い!と思った広告やキャンペーンを
取り上げるとき、なぜそれが面白いのか?を
親にも伝わるように書こうとするので、
必然的にその企画の旨味をあぶり出す
トレーニングになります。

 

あ、なんでこんなことを書こうと
思ったかというと‥‥忘れました。

最近、TwitterやFacebook経由で読んでくれる人も
徐々に増えてきて、初対面の制作会社の方からも
「Blog読みました」と言われたり(ありがたや)。

そういう同業者や、僕などよりずっと経験を積んだ
方にしてみればこのBlogは読みづらいだろうなぁと
思ったから‥‥かもしれません。
そういう気持ちは常にあります。

ですが、そんな言い訳をするためじゃなかったんだけど、
何だったっけ。本当に忘れてしまいました。あはは。

 

父さん、母さん、たまには東京にも遊びに来てください。

studious – 創造の磁場

先日、インタラクティブを中心とした広告/キャンペーンを得意とする制作会社、BIRDMANさんのFWA webTV(※)を見て思ったこと。
ダラッとモードで書きます。

 

FWA TV
 世界中の素敵サイトを収集しているFWAが
 たまに、きまぐれで(?)世界の制作会社をダダ漏れ中継。
 ユニークなオフィスが見られて楽しい。

 

僕らはサラリーマンだけど、ものをつくるところにいる。
つくるといっても製造・生産ではなくて創造。
だから創造性をとじこめる空気や環境は極力吹き飛ばして、風通しのいい、クリエイティビティを発揮したがってる人を迎え入れる【場づくり】をしないと(と、ワイデンのCDも言ってた )。

そして何よりも、スタッフみんなが【場を維持したい】と思う空気が大事。
週1だったけど、宣伝会議コピーライター養成講座・中村組の空気は最後まで良かった。場はハコとヒトがつくるんだな。

 

オフィスが“かっこいい”のも大切なポイント。

FWA TVに出るBIRDMANさんやワンテンさんのような制作系だけでなく、GoogleやApple、Facebook、ユニクロのオフィスにそれぞれのアイデンティティがあるのも、きっと【場のチカラ】を信じ、各社なりの理念のもとに場ヂカラを理解しているからだろう。

そもそも彼らはサービスや商品をいい感じに提供する【場】=サイト、iPhone、SNS、売り場で成り立っているから、よく分かっている。社員の士気を高め、離職率をへらすための工夫というか礼儀でもある。

つまり単なるおしゃれオフィスって話でもないのだ。それが表面上は「かっこいー」になってるだけで。美意識を持て!ってこと。

 

権威を借りるわけではないけれど、以前、佐藤雅彦さんが仰っていたこと。

 

熱中している時ってどういう時かというと、自分がない状態なんですよ。で、自分がないってことほど幸せなことはないんで。ぼく、その幸せな状態を「ステュディオス(studious)」っていう状態だと思うんです。

「ステュディオス」から派生した言葉の「スタディ(study)」は、単に「勉強」って直訳されますが、一般的に「勉強」って言葉ってすごく義務的な語感があると思います。そうじゃないんですよ、本来のstudiousは。夢中になって、のめりこむような状態。たぶんラテン語だと思うんですけど。

たとえば白金スタジオでもナントカスタジオでも、「スタジオ(studio)」ってのは、みんながあるものを撮影する‥‥あるものを作るときにみんな熱中して、みんなが集中して自分を忘れて作る場ですよね。(中略)生き生きしている状態が自分がない状態ってのは変なんですけどね。(中略)Crazyですね。

 

「熱中する、夢中になる」を意味するstudiousから派生したstudio(スタジオ)は【夢中になる場】だったのか!なんて素敵な言葉なんだと思いました。目から鱗。

あなたの、僕のいる“スタジオ”は、なにかに熱中する場ですか?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

後日、縁あって実際にBIRDMANへお邪魔しましたが、縦長のらせん階段状のオフィスが「創造のるつぼ」に見えました。

いざ、カンヌライオンズ2011。

これまで、このBlog上で

「カンヌ勉強会に行ってきました。」(2011.6.7)

「Future Communica !」(2010.9.8)、
「2009 第56回カンヌ国際広告祭 入賞作品上映会」(2010.2.12)、

もっと遡れば

「そこにある必然」(2008.9.8)

など、カンヌ国際映画祭に関して自分なりに研究(?)し、書いてきましたが、今年、初めてその現場であるフランス・カンヌへやってきました。

 

すでに「2009 第56回カンヌ国際広告祭 入賞作品上映会」のエントリーで博報堂の河野俊哉CDがこんなことを語られていました。

 

「世界各国から集まった広告が、あるひとつの兆候を示していた。金融危機をトリガーとした世界不況によって、広告がのん気に幸せだった時代の終焉を告げていた。

広告は、もう広告でいられなくなった。広告は広告を超えることを要求され、テクノロジーというアダムとイブの樹の実を食べた。多くの価値が価値を持たなくなり、多くの新しい常識が生まれた。Web2.0の意味がやっと明らかにされ、人々が企業とメディアの被支配から解放された。声を持たないピープルが、大きな叫び声をあげた」

 

いま思えば非常に示唆に富んだ内容です。

まさに「もう広告でいられなくなった」カンヌ広告祭は、2011年、その名を

Cannes Lions International Festival of Creativity

に変え、Advertising(広告)という枠を明確に取り払いました。

そしてその変化を名ばかりではなく実際の受賞リストからも、セミナーからも見て取れる内容になっているな、というのが僕の率直な感想です。電通の京井さんも広告の役割は「伝える」から「つなげる」へというレポートをおこしてくださってますが、まさにそれ!です。猫も杓子も「Twitter & Facebook!」であることはたぶん2年前から変わらないんだけど、それはもはや当たり前すぎて、「ソーシャルでこれだけ話題になりました」というアピールは結局のところ広告的考えを脱していない。むしろそこに生じる「つながり」をどう楽しくするか、役立つものにするか、継続的に意味・意義のあるものにするか、を示せているものが賞を得ているように思います。はっきりと方向性を感じます。

で、個別の受賞作を通してもっとそのあたりをえぐってみたいところですが、こちらでは連日いろんな方々と会ってお話しすることに注力することにして、リアルタイムでの速報やまとめは銀河ライターさんにお任せしようかと(汗)。また後ほど(日本で?)がっつりレポートします。

 

canne02

銀河ライター・河尻さんとエントランスでばったり。
河尻さん、速報もまとめもリリースしつつ現地で震災の映像上映も手がけて、さらに日本から来たクリエイターのみなさんに声をかけてパーティーして‥‥すごすぎる。

 

残すところあと2日。とにかく吸収しまくって帰ります。

ILLUSION

まずはこちらの動画をご覧ください。

Beyonce – Who Run The World Girls Performance
At BillBoard Music Awards 2011

 

ブラボー!度肝を抜かれました。パーフェクトです。

 

先日の少女時代 FIRST JAPAN TOURでも、華奢な9人のメンバーがステージを縦横無尽に駆け巡り、僕ら観客の目を愉しませてくれましたが、そこでも「自分の影」と踊るように見えるシーンや、9人の影が文字通り影武者となって本体(本人)から分離して動き出す演出など、非常にトリッキーな仕掛けが満載でした。

 

しかしこのビヨンセのスクリーンを活用したパフォーマンスでまず思い出されるのは、Perfume 東京ドームLIVEでの「10人のかしゆか」です。

“ILLUSION” の続きを読む

Best10

先日から、Blogのサイドバーに
「人気の記事」
というBest10を表示させるようにしました。

 

 

更新がなさすぎて過疎っている当Blogですが、2003年から続いていることもあり、ストックは意外と多い。Best10を表示することで過去に流れ去ってしまった話題もまた誰かの目に触れることができるなら、それは自分にとっても意味があるように思います。

 

それと、これもどうでもいい話ですが、改行の方法というかマイルールを変えました。

かつては『ほぼ日』に従って1行あたり最大27文字で改行することをベースに調整していましたが、iPhoneなどで見たときに、その改行が画面幅の違いによってガタガタにさせ、むしろ読みづらくさせる原因になっていました。Twitterのリンクから来訪する方のことを考えると(まぁ大半は自分だと思いますが)、改行のルールも時代にフィットさせていくべきかなぁということで。

これからも、どうでもいい話をどんどん書きたいと思います。

これも「広告」。

精算機の前で見つけた、メトロの小さな親切。

 

 

使う人のお困りごとを
さりげなく解決するプラスα。
(最近、追加されたそうです)

きゅんとしました。
つまり、これも「広告」だと思うのです。

「ことばに出会う」

『島森路子インタビュー集 2 ことばに出会う』

「広告批評」30年の歴史の中で、島森路子が行なった200余編のインタビューの中から、消えてしまうにはあまりに惜しい24編を選び、上下2冊に集成しました。各界のトップランナーが自在に語る、ぜいたくな「ことばの饗宴」です。

村上春樹   物語はいつも自発的でなければならない

鶴見俊輔   自分を根底から支えるもの

池澤夏樹   反戦の楯としての広告

是枝裕和    「九条」を手がかりに日記を描いた

深澤直人   日常感覚の中にデザインの必然がある

佐藤雅彦   本当に面白いことは何か

浦沢直樹   現実がマンガを追いかけてくる

とんねるず  おれらはニッポンのブルースブラザーズだ

爆笑問題   十年間ケンカしっぱなしです

ラーメンズ  面白いことは向こうにある

横尾忠則   福を呼んでこそ広告だ(展覧会にて)

Amazon

5年とか10年とか前のインタビュー集ですが、今読んでも面白いです。
いや、この混沌とした今だからこそますます面白いともいえます。

で、この本について、書いてみる。

“「ことばに出会う」” の続きを読む

書く、消す、出す。を丁寧に。

ふと思い出して、こんなことをTwitterにつぶやいてみました。

 

コピーライター養成講座に通っていた時、消しゴムや修正ペンを使わずに文字の上から間違い部分を乱暴に塗りつぶして提出する受講生が意外と多かった。ビックリした。自分が講師だったら注意して0点にするなぁ。

 

すると、恩師(@baccano21)から反応がありました。

 

即アウトにしてた。「伝える」ってことをわかってない人に何言っても意味ないから。

 

ひとりでも多くの心を奪いにいくのだから、下手くそな字でも、ゆっくり丁寧に書く人が好きです、僕は。

 

ですよね。

たぶん、ぐじゃぐじゃっと塗りつぶして提出している人たちは、ぎりぎりまで試行錯誤して、よりよいものを出そうとした。だけど、これが履歴書だったら?テストの解答用紙だったら?

紙切れの向こうにはターゲットがいて、履歴書やテストの答案以上に読んでくれるかどうかもわからない。

それが広告なのに、講座だから必ず読んでもらえると思い込んでいる。そこには「自分はお金を払っている客だ」という甘えさえ潜んでいるんじゃないか。

 

伝える側に立ちたいなら、丁寧に書く、消す、出す。

まずはここからじゃないかと思います。

これなら僕にもできる。