広告批評のファイナルイベント
『クリエイティブ・シンポシオン 2009』「広告のこれから」に行った。
秋山具義、石井うさぎ、伊藤直樹、井村光明、太田麻衣子、荻原ゆか、門田陽、神谷幸之助、黒須美彦、黒田秀樹、小霜和也、権八成裕、斉藤太郎、佐倉康彦、澤本嘉光、鈴木康之、関口現、高崎卓馬、高田雅博、高松聡、谷山雅計、手島領、照井晶博、直川隆久、中治信博、中島信也、中村聖子、中村洋基、中村勇吾、福田敏也、稗田倫広、前田康二、水口克夫、森本千絵、箭内道彦、山崎隆明、横澤宏一郎、吉岡虎太郞、米村浩
(敬称略)
日本の広告界を牽引する40名が一堂に会する3時間‥‥
とあって、ほとんどの方が2言3言しゃべって精いっぱい。
壇上のライトが熱そうで、みなさんツラそう‥‥。
でも、この大所帯でちゃんと笑いを取りながら進行する
中島信也さんと箭内道彦さんの話術、話芸に恐れ入った。
話の内容はともかく(ってのもどうかと思うけど)、今日は
2人の冴え渡る司会っぷりで元が取れたんじゃないかと思う。
広告学校の恩師、コピーライターの神谷さんや佐倉さん、
鈴木先生の言葉に大きく頷いたり、森本千絵さんの作品に
面白みを感じたりして、相当とっちらかった時間の中にも
個人的にヒットする言葉がいくつかあった。
その渦中で、インタラクティブ組と称された面々‥‥
電通の中村洋基さんやGTの伊藤さん、tha中村勇吾さん、
僕の先輩の師匠、777福田敏也さんといった方々はちょっと
場違いな感じを受けたまま終わった。
他の職能の方々の話術が国宝レベルだからだろうけど。
インタラクティブの方々は話が堅い&長い。これって損だなぁと。
ただ、その中でも、勇吾さんの
才能のある若者はiPhoneAPPで儲けたりするので
会社にいるより個人でやった方が割がよかったりもする。
ゆえに会社という組織に縛りつけておくのが自分の仕事‥‥
だけど、個人でも儲けられる仕組みが出来てきているのが今
という話には、なるほどなーと思った。
それに対してではないけれど、別の方が
本当に世の中を変えたいなら、広告なんて(代理業は)やめてメーカーで新商品をつくるか政治家になった方が手っ取り早い
と言っていて、結局、iPhoneのアプリで儲けられる世の中というのも
Appleといういち企業が創り出した流通の仕組みなわけで、これら企業や
政治の持つ仕組みづくりのパワーをいかにいい方に引き出すか。
そのお手伝いをしている上にアプリでも儲けさせてもらってると考えるのが
構造的に正しいのかなと思ったり。いや、どーでもいいか。
モバゲーが注目されるのは、モバゲーの広告キャンペーンを手がけた
伊藤直樹さんがすごいというよりはモバゲー自体が「すごい仕組み」なのかな、とか。
伊藤さんのように「すごい」を伝える側に立てたらいいなと思う。
さらに上の、「すごい」の仕組みづくりから関われたら最高。
でもそこへ行ったらもう「広告」じゃないじゃん、とか。
混沌としたまま、シンポシオンはその名のとおり「自在な放談会」のまま、
天野校長の御礼の言葉をもらい、終わった。
本当に終わっちゃうのかなぁ。
「広告批評の最終号を創刊準備号と言って、もういっぺん
立ち上げたらいいじゃないですか、インタラクティブの
人らもいてることやし。ねえ、天野校長」by 中島信也