少女時代 FIRST JAPAN TOUR

少女時代 〜GIRLS’ GENERATION〜
FIRST JAPAN TOUR in さいたまスーパーアリーナ

に行ってきました!
(※写真は昨年夏のLIVEやPVを混ぜたものです。興奮をお伝えしたくて‥‥)

 

今や説明不要のK-POPガールズ・グループ、少女時代。

あの赤坂での衝撃的な“生遭遇”から8ヶ月。
ついにLIVEに来ちゃった、というわりと軽いミーハー感覚で挑みましたが、いい意味で裏切られました。

ここからはネタバレ要素を含みます。

 

友だちとステージの右側3階から観ました。
全体が見渡せる、いい席だったと思います。

まず、開始3秒で虜になる派手なオープニングムービー。メンバーの名前と顔がスローモーションとスモークを多用した映像から現れるたびに、会場から割れんばかりの黄色い声援が飛び交います。野太い男の声じゃなくて、女子の甲高い歓声ばかり。女性客の多さに圧倒されました。

やがて花道中央に設置された巨大なジュエリーボックスのような装置から現れる9人。その周りを囲うベールが剥がされるさまや壁に映る影を自分の分身としてダンスする姿は、僕にはPerfumeのドーム公演(儀式や10人のかしゆか)を思い出させました。

 

  ↑
こんな感じ。

驚いたのは、花道ステージの四隅にいた4人がワイヤーでスーっと上空へと昇る舞台装置。ポンチ絵では伝わりづらいですが、首を吊ってるわけじゃないです。‥‥奥さんが買ってくるジャニーズのDVDでしか見たことのない状況に、思わず拍手!

折れてしまいそうに細いボディがステージ全体を迫力で包み込む、趣向を凝らした演出のオンパレード。きっと、その源流はBeyonceやMadonnaのイリュージョン的なLIVE演出にあるんじゃないかなと思いますが、これについてはまた別の機会に詳しく書きます。

 

さて、夕方5時に始まったLIVEは終わったのが夜8時で、その間MCは2回だけ。あとはずっと9人揃ってか、もしくはピン+バックダンサー(!)によるパフォーマンスという3時間もの大作でした。出たばかりのアルバムや韓国でヒットした曲からだけでなく、ピアノの弾き語りやMadonnaのカバー(4 Minutes!)もあり、ニューアルバムを引っさげたツアーを超えて少女時代のTVプログラムを観覧しているような錯覚さえ覚えました。

 

そんな彼女たちの所属事務所・S.M.エンタテイメントの社長インタビューが興味深かったので(ちょっと長いですが)転載します。

 

(質問:日本市場の魅力は?)

まず市場が大きい。そこはやはり魅力です。かつ、日本はやっぱり先進国なんですよ。数字上はもはやそうでなくとも、感覚的には、アジアのトップはやはり日本なんです。

今はたまたま韓国の歌手が目立って韓国が今にも日本に追いつきそうに見えるかもしれませんが、私から見ても、音楽の分野ではまだまだ日本が上ですし、文化というものはやっぱり先進国で花開いたものがやっぱり優位なんです。そういう意味で日本でヒットすることはとても重要です。

ただ、日本は内需があまりに大きすぎて、商品が日本国内のためだけのものになりすぎているように感じます。(中略)

すごく進んだ国なので、凝った高度なものは作るのですが、それがアジア全域で売れるものなのかどうかというとそうではない。これは、家電製品なんかでもそうですよね。進んでいるものが日本には確かに多いですが、マーケットを意識することは非常に大事だと思っています。

 

頭をよぎるのは、日本メーカーを抜き去り薄型TVシェア全米No.1まで上り詰めた韓国のSAMSUNG。S.M.エンタテイメントも同様に、業界の地図を世界規模で塗り替えることを、「国文化に依らないプロダクト」を武器に目論んでいる。逆にMade in JAPANを武器に、地名が名前になっているAKB48との方向性の違いが鮮明で面白いです。

 

(とすると、日本で売れるということは、ひとつのブランディングとして重要だということですか?)

よりマクロな視点で見ていくと、やはり重要なのはアジア全体のマーケットなんです。私たちの夢は、アジアのマーケットでナンバーワンになることであって、日本でナンバーワンになることではありません。別の言い方をするなら、アジアが世界最大のマーケットになることが私たちには大事なことなんです。

私の夢は、日本のランキングに常に韓国人の歌手が入っていて、韓国のランキングにも日本の歌手が入っていて、中国のランキングに韓国や日本の歌手が常に入っているような状況になることなんです。こうした状況をもってアジアマーケットがひとつになったとみなすならば、その瞬間、アジア市場は世界最大なんですよ。アメリカの5倍の規模です。

(GQ JAPAN アジア市場をひとつにする「アイドル」の作り方より)

 

ただ、、社長は「鍛え抜いたスーパープロダクト」として送り出しているのかもしれませんが、実はこの日のLIVEでもメンバー同士で振り付けがぶつかったり、マイクの音がなかなか出なかったりと、いくらかミスも目につきました。ツアー中に改善していく程度のことだとは思いますが。

むしろメンバーの一人(Yuna)が「ちょっとミスあったかな~?」と振り返る正直さと素朴さに感心。カタコトの日本語だから見守りたくなるというのは、少なからずあります。バッキバキの洋楽ROCKテイストもカワイイ系も歌いこなす両局面と、そこにカタコトの日本語MCが挟み込まれる「かっこかわいい」のバランスが、日本ではとても上手くいっているように感じました。‥‥なんだかすごい上から目線ですね。でもリアルに「上から」観ていてそんな風に微笑ましく感じたのです。

 

すっかり満たされた3時間。
僕の座席からは、退場後に舞台の袖で泣くメンバーが双眼鏡越しに見えました(ああいうの見ちゃうと気持ちが「応援」にシフトするから、自分の中でのカテゴリーは「アイドル」になるんでしょうね)。

できるものなら、去年の自分に「握手もしてもらっとけ!」と助言したい。
今までいろーーんなLIVEを観てきましたが、こんなに楽しいのは久しぶりでした。

 

~セットリスト~

1.GENIE – JPN
2.you-aholic
3.MR.TAXI
4.I’m In Love With A HERO
5.Let It Rain
6.Snowy Wish – JPN
7.Etude – KOR
8.Kissing You – KOR
9.Oh (HOUSE Version) – KOR
10.Amost (Jessica)
11.Lady Marmalade (TaeYeon & Tiffany)
12.THREE
13.Don’t Stop The Music (HyoYeon)
14.The Great Escape
15.Bad Girl
16.Run Devil Run – JPN
17.Beautiful Stranger
18.Hoot (Rock Version) – JPN
19.If (YuRi)
20.4minutes (YoonA)
21.Stuff Like That There (SeoHyun)
22.Sway Tndud (SooYoung)
23.Danny Boy
24.Complete – KOR
25.My Child – KOR
26.NaengMyun – KOR
27.Hahaha Song – KOR
28.Gee – JPN
29.Born To Be A Lady
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30.Into the New World – KOR
31.Way To Go – KOR
32.Fantastic – JPN


投稿者: tacrow

伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年 武蔵野美術大学 造形学部映像学科卒業。デジタル系広告制作会社を経て、2017年〜広告会社にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職