29歳の卒業式

 

センター街を通ろうとしたら、え?なぜか青森。
青森山田学園の生徒さんたちが練り歩いてました。楽しそう。

 

その3時間前、4月からほぼ毎週通っていた、宣伝会議コピーライター養成講座の卒業式に出席。

前日にあった卒業制作課題の講評会では、約300人の受講生のなかから、4位入賞しました。うれしすなぁ。
正直、ベスト10狙いだったので目標は一応達成です。

そんな良きこともあったため、調子に乗ってお酒を口にしてしまい、そのあと吐いてしまいました。死ぬかと。

 

「みなさんは何もできません。
 みなさん、自分の才能におおいに勘違いしてください」

これ、一生忘れないかもしれない、先生からの贈る言葉。
何もできないからこそ、おおいに勘違いして、進む。

それなら得意だ。

 

もうひとつおめでたいこと。
今日は母の55回目の誕生日でした。

いつまでもきれいな手を、と思い、ちょっといいマニキュアとハンドクリームを贈りました。

前田知巳さんの「広告の未来」

先日、「宝島」の広告や「UNIQLO」のトータルコンセプトワーク、「amadana」「キリン」ほか数多の広告コピーを手がけているコピーライター・クリエイティブディレクター、前田知巳さんの講義を受講しました。

前田さんとは、幸運にも以前にお仕事をご一緒させていただいたことがあります。僕らWebチームは残念ながらフィニッシュ前に撤退することになったのですが、まさに目の前でトップクリエイターの仕事を垣間見る、貴重な経験でした。その日々を思い出しつつ‥‥

 

この日の講義タイトルは『広告の未来』

仕事で「なるほど!」と唸りたくなるコピーをどんどん発していた前田さんが、何を考えて取り組んでいるのか?混沌とする(と言われている)広告の今と未来をどう見つめているのか?

以下、その発言を僕なりに起こしました。

 

“前田知巳さんの「広告の未来」” の続きを読む

1,900円の一生もの

一生たいせつにしたくなる本と出会えました。

『幸福を見つめるコピー』
著:岩崎俊一(→ Amazon

出会いのきっかけをくれたTwitterに、
一方的とはいえつぶやいてくれた方に感謝。

 

じつは、読みかけの本がたんまりあります。
電車通勤が片道11分なので、読書もままなりません。
情けないことに、時間をつくることに時間を費やしています。

いやしかし、めくるだけで
ドキドキするフレーズが目に飛び込んでくる。
シルバーウィークは読書ウィーク決定。

またゆっくり感想が書けるように、
まずは目の前のことをがんばらねば。

 

それではみなさん、ごきげんよう。

ハート提出

〆切を守れない人は、
 次から打席に立つチャンスを
 永遠に失うということです

 

サントリー伊右衛門やソニー、ユニクロなどを手がけるCMディレクター・中島信也さんから5月に聴いた内容をメモします。

ちなみに信也さんはムサビの大先輩&先生でもあります。

 

ns

 

一流になるための極意は、何やと思う?
 ふっふっふ、それはな、“提出”することやねん」

なんてシンプル!でもって当然!

でも、それが一定のレベルを超えて、コンスタントに、期日以内に提出できるってこと?
僕はしばしば、その難しさに直面しています。

 

「“提出”はすべての始まりやね」

「トップクリエイターも“提出”をして人に見てきてもらったんやね」

「大事なのは、“提出”することで次の打席に立たせてもらえるっちゅーこと。打席に立てんとホームランなんて打たれへんがな」

プロとは、次の仕事を呼び込める人のことやねん」

「プロは、つぎ頑張ればいいや、なんてないねん。地獄やねん

なるほど‥‥地獄‥‥。

「“提出”した次に、こいつオモロイぞと思ってもらえるかどうかや」

「オモロイ奴かどーかは、目立つかどーかとちゃうねん。
 “提出”したものに光るものがあるかどーか、これや」

提出もしてないのに自分が面白いなんて思い込むのは負け犬の遠吠えよりも始末が悪いってことですね?

「よーするに、ハート提出!ハートのある提出をするこっちゃ」

「〆切を守る。ハート提出する。宿題やない。ぜんぶ自分のためや

 

ははぁーーーーーっ!!!

朝のリレー

「こういうコピーを書きなさい」
って、

かんたんに言ってくれるなぁ。

 

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=zdamOuoDuDc&hl=ja&fs=1&rel=0&hd=1]

 

カムチャッカの若者が

きりんの夢を見ているとき

メキシコの娘は

朝もやの中でバスを待っている

ニューヨークの少女が

ほほえみながら寝がえりをうつとき

ローマの少年は

柱頭を染める朝陽にウインクする

この地球では

いつもどこかで朝がはじまっている

 

ぼくらは朝をリレーするのだ

経度から経度へと

そうしていわば交替で地球を守る

眠る前のひととき耳をすますと

どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる

それはあなたの送った朝を

誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

谷川俊太郎 『朝のリレー』

 

今日は選挙ですね。
ぎりぎりで投票に行きます。
なんせ家の目の前でやっているので。

User benefit

はじめて見たとき、意味が分かりませんでした。

 


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右下に小さく書かれたコピー、

「WIDE-ANGLE LENSES」

ワイドアングルレンズの単眼鏡。

 


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単眼鏡の機能性(つまりファクト)を見せずに
使用して得られる悦び(ベネフィット)を描く。
その方が逆にファクトの威力を想起させますね。

(細かい話だけど、女の子が2人ってのが
 妙にリアリティがあって効いてるなぁ。上手い!)

大原麗子さんの訃報を知って

にっぽんの女優・大原麗子さんの訃報に
驚きとかなしみ、ひとことで言うと虚無感。

YouTubeで過去のCMやドラマを見ました。
もういないけど、若き日の姿が残ってる。

でも、夏に孤独死なんて、かなしすぎます。
「死後2週間以上経過」と言われた報道はどうやら間違いで「きれいな状態」だったそうだけど‥‥。

 

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=f2MsT_KHJ0M&hl=ja&fs=1&]

 

サントリーはぶれないなぁ。

檀れい小雪のCMにも見られる「酒と女房と留守の夫」というトライアングルは、大原さんの「すこし愛して、ながく愛して。」が原点だったんじゃないかな(トライアングルってサッポロだけど)。

大原さんは、待つ人のまま、ひっそりと。
考えただけでかなしい。

いい声。もう聞けないんだ。

8月のiPhone

渋谷~赤坂~豊洲を主に地下鉄で
行き来する僕の肌感覚でしかないですが、
ここ1ヶ月ほどで、iPhoneを使う人が
急激に増えているような気がしてなりません。

 

駅のホームでも、電車の中でも、数メートルおきに
iPhoneの画面をタッチするユーザーを見かけます。
1車両に必ず自分以外にひとりはいる計算。

地上に出ても、ビジネスマンだけでなく若い女性が
キラキラのラメをケースに貼って愛用しているさまを
目撃することが何度もありました。

かつて白いイヤフォンがちらほらと街中で見られるように
なってから雪だるま式にiPodが普及していったように、
今、iPhoneがようやく東京でも至るところで見受けられる
ようになり、それがさらに拡がりを見せているんじゃないか?
と思わずにはいられません。

ふつーの携帯だと差が分からないけど、iPhoneなら
もしかしたらiPod touchかもしれないという疑惑は
あるものの、誰が見てもiPhoneとして認知されます。
それはつまり、存在自体が広告になってるってことで。

端末が3GSに進化して、バッテリーにも不満がなくなり
スピードも体感レベルで速くなったことの恩恵が、ようやく
コアユーザー以下のビギナー層にも浸透してきたのかなと
予想してます。ふつうにマップとかボイスメモとか便利だし。

 

ハイブリッドカーも、最近よく街で目にします。
「いろはす」を飲む人もけっこう見かける。
「FREITAG」を持ってる人はちょっと減ってる。
どれも僕の周りの東京に限った話かもしれませんが。

 

広告やニュースで知る「新発売」よりも、やっぱり
実際に誰かが使ってる機会を何度も目にすることの方が
よっぽど印象に残る、って当たり前のことを改めて実感する
今日この頃です。

チャンネルはそのまま。

「チャンネルはそのまま」を
広告するのに、ここまでやっちゃうセンス。
大好きだ。

 

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=Jd-9RHFlnTc&hl=ja&fs=1&]

「永遠に埋めておきましょう」

 

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=OrGdpVexpVc&hl=ja&fs=1&]

「すぐ取れるような場所だと、ぜんぜん意味がないんです」

 

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=bYEoZfc0fUo&hl=ja&fs=1&]

「ぜんぶ包んじゃうんだねえ!!」「うんっ」

 

10年くらい前に、新幹線のCMで
クルマを使うスキー客に向けたものがありました。

スキー場までの雪道でタイヤにチェーンをはめる運転手の男。
「まだっすかー?やっぱ新幹線だったんじゃないっすかねー」と
手伝おうともせず文句しか言わない後輩(?)。「手伝えよ!」と怒る
先輩。面倒くさそうに外に降りた後輩がクルマに手を置いた次の瞬間、
雪道でバランスを崩し、そのまま崖に転落して爆発、で、悪びれない
後輩「やっぱ新幹線だったんじゃないっすかねぇ」というオチでしたが、
自動車メーカーからのクレームであっさりお蔵入りになったそうです。

これ

テレ玉のセンスはお蔵入りにならないでほしいなぁ
と思いましたが、すでにYouTubeで上がってるので、
もう大丈夫か。

埼玉県人じゃないけど、テレ玉が一発で好きになりました。

訃報:三度目のハタチ

6月22日、
コピーライターの眞木準さんが
急性心筋梗塞により逝去されました。
享年60歳。

デザイナーの友人であり先輩から知らせを
受けたとき、まだネット検索でも情報がなく、
まるで信じられませんでしたが、

宣伝会議のWebサイトを見て、
本当であると受け止めました。

つい先日、講義でお会いしたばかりだったのに。
「今日の話をきけば突然コピーが書けるようになります」
なんて、言ってくださったのに。

 

とても、残念です。
心から御冥福をお祈りします。

 

でっかいどお。北海道(全日空)
トースト娘ができあがる。(全日空)
カンビールの空カンと破れた恋は、お近くの屑かごへ。(サントリー)
あんたも発展途上人。(サントリー)
十歳にして愛を知った。(ライオンファイル)
ボーヤハント。(ビクター)
恋を何年、休んでますか。(伊勢丹)
何人まで愛せるか。(伊勢丹)
四十才は二度目のハタチ。(伊勢丹)
ホンダ買うボーイ。(ホンダ/CR‐V)
踊れるバーバリー。(三陽商会/バーバリー・ブルーレーベル)
和イスキー(サントリー/膳)
ワンモアビジン。(資生堂)
六本人、生まれる。(森ビル/六本木ヒルズオープン)
家では、スローにん。(ミサワホーム)
アエラ(朝日新聞WEEKLY ネーミング)

 

ありがとうございました。

エアコンのホンシツ

リビングの隣、寝室にあるエアコンをつけると、
ちょうどリビングで作業をするからだの右半分が
涼しくなります。

からだを境に、左右で気温が違う。
こんなこと、科学以外になし得ないんだなぁ
と思ってみたり。

 

「自分の部屋の温度を自分で決められるんですよ!」

某番組で、オードリーの若林が売れて初めて
自宅に導入したというエアコンについて
「熱く」語っていたのがとても印象的でした。

 

「太陽が沈んでも真昼のように明るく過ごせるんですよ!」
「川に行ったり井戸を掘ったりしなくても水が出るんですよ!」
「道さえあれば、座ったままでどこへでも行けるんですよ!」
「文字や画像、映像までが世界中の人に瞬時に送れるんですよ!」

こんな驚きを持ちながら生活している人なんて、
今の日本には99.99%いないでしょう。

 

「Thousand songs in your pocket」

初代iPod nano(4GB)のコピーです。
1,000曲があなたのポケットへ。

コピーは、スペックを語ってもシズらない。ソソらない。
驚きのある商品なら、その吃驚を最短距離で表す「言い換え」を探す。
この場合なら、「4GB→1,000曲」と「サイズ→ポケット」。

 

「自分の部屋の温度を自分で決められるんですよ!」

これを今そのまま語る家電メーカーはさすがにいないけれど、
改めて、驚きの目でモノゴトを見ることが出来るかどうかが、
クリエイティブの筋力の差に大きく関わってきそうな気がする。

今はじめて世に出たと仮定して、
エアコンをどうコピーに落とそうか。

等身大∞ミニチュア

 

お台場に立ったガンダム、等身大。

 

アニメ「機動戦士ガンダム」の放送30周年を記念して企画された、高さ18メートルの“原寸大”ガンダム像建設が大詰めを迎えている。東京・お台場「潮風公園」の現場では、完成に向け細かい作業が進んでおり、公園の林の中に立つ雄姿が目を引いている。

(毎日新聞より / 写真含む)

 

これ、普通にすごいことだと思います。
意外と精巧だから、組み立ての作業員が
肩に乗っているところなんて妙にリアル。

 

ふと思ったのは、

本来ガンプラとして親しまれてきた、
ミニチュアであるはずの等身大ガンダム。
それを、ミニチュア模型のように街を撮る本城直季さんが
お台場の殺風景な建物ごと撮影したらどう見えるか‥‥。

 

 

よりいっそう精密なジオラマのように見えるんだろうな。
わざわざ等身大に作っておきながら、ミニチュア風に撮る。
贅沢な逆転現象ってやつです。

UNIQLO CALENDARでやってほしかったなぁ。

UNIQLO CALENDAR

ユニクロがカレンダーを公開していました。
例によってシャレオツです。

 

四季の映像、音楽、商品カタログが
融合した新感覚カレンダー

だそうです。

 

 

ミニチュア模型風のムービーを見ているだけでも
楽しいですが、ムービーをクリックすると、その
シーンで商品がフォトモザイクのように現れます。

※この仕組みに気づかない人も多いかもしれません。
そこはあまり問題視してないようにも見えます。

 

肝である映像は、写真家の本城直季さんの
テイストに非常に近いように見えます。
写真は「精巧なミニチュアに見える!」って
だけで驚きましたが、動画の早回しになって
よりコミカルな印象を受けます。

 

天気も出るあたりは、梅雨時にぴったりかもしれません。

 

格安衣装メーカーのユニクロがこういうコンテンツを
ローンチすること自体に何の疑問も違和感も感じないことに
いちばん驚きました。

 

▼UNIQLO CALENDAR
http://www.uniqlo.com/calendar/

この気持ちよさは、

ソニーのブルーレイ、
のスクリーンセーバーが面白いです。

sony

好きなキーワードを入力すると、自動でそのキーワードをWeb検索。
検索結果のテキストや画像などにモーションを付けて表示する。

これが、

「ソニーのブルーレイなら
 気になるワードをいれるだけで
 番組を自動で探してどんどん録画」

という機能訴求を表現している、ってことらしい。

 

試しにPerfumeと入れてみると‥‥
す、すげえ。大量のPerfumeがワサワサワサワサ‥‥!
動画(YouTube)まで現れるのには感動すら覚えました。
(むしろ商品の性格を考えると動画が正しいですね)

 

ただ、会社の先輩の反応は「イマイチ」。
そのココロは、

「なんか商品に落ちきっていないとゆーか。
ソニーじゃなくても言えることじゃん」

いやいや、それは誤解ですよ先輩。
おまかせ・まる録はソニーの独自機能です。

「じゃあ、そのことが強く伝わってないんじゃない?」

ソニーのブルーレイなら、って言ってるんですけど、
たしかにサラリと言い過ぎて損してるかもしれません。

 

「ソニーのブルーレイなら
 気になるワードをいれるだけで
 番組を自動で探してどんどん録画」
          ↓
「それが<X-おまかせ・まる録>。」
          ↓
「この気持ちよさをあなたのPCで体験してみませんか?」

 

という一連の流れの、ラストの一歩手前かラストで

「この気持ちよさは、ソニーだけ。」

って言っていればかなり変わったんじゃないかなぁ?
なんてことを思ったりしました。
落とすコピーを付けてあげたい。

でもそれは「END」のないスクリーンセーバーにとって蛇足でしかないなぁ。
“繰り返すこのポリリズム”にこそ価値ある媒体だからなぁ。

スクリーンセーバーの機能や演出自体は
とっても“気持ちいい”ので、久々にヒットです。
自分の好きなものを入力することでより深く
体験できるところが上手いなぁと感心しました。

こんな感じで。

sony02

sony03

sony04

まんまと宣伝要員っぽいエントリーになってしまいました。
(もちろん、こんな仕事がしたいですが僕は無関係です)