ももいろクローバーZ 桃神祭 2015


\はち、はち、はち、はち、でこっぱちー!/
茶畑のシンデレラといえば?
\かなこぉ~~~↑↑/

というわけで8月8日。
あれからもう1週間が経ってしまった。

 

夏休みを取って向かった先は静岡県・エコパスタジアム。7月31日(金)と8月1日(土)の2日間に渡って繰り広げられる『ももいろクローバーZ 桃神祭2015』の開催地だ。

7月31日13時台のエコパスタジアム。最高気温は34℃。
7月31日13時台のエコパスタジアム。最高気温は34℃。

 

両公演ともに「祭り」をコンセプトに行われたもので、ステージに高さ21メートル、幅23メートルにおよぶ巨大な鳥居や、茅の輪、提灯などが設置された。
両公演ともに「祭り」をコンセプトに行われたもので、ステージに高さ21メートル、幅23メートルにおよぶ巨大な鳥居や、茅の輪、提灯などが設置された。

初日公演「御額様ご来臨」に3万5418人、2日目公演「遠州大騒儀」に4万7018人、両日でのべ8万2000人を超えるファンが集結したほか、「遠州大騒儀」公演の日に全国70劇場73スクリーンで行われたライブビューイングには1万4234人が来場した。

ナタリーより)

1日目の公演は「御額様ご来臨(おでこさまごらいりん)」というサブタイトルが付いていたことからも分かる通り、静岡生まれの茶畑のシンデレラ・百田夏菜子をフィーチャーしたLIVE。炎天下、御額様のモニュメントに行列ができている。そんなスタジアム周辺は出店や数々の催しが開かれ、フェス会場と化していた。

Greenエリアで開場前から開かれていた女子プロレスを見逃したのは痛恨の極み。
Greenエリアで開場前から開かれていた女子プロレスを見逃したのは痛恨の極み。

 

胸にずしんと響く和太鼓が気持ちいい「ももクロ和楽器隊」の演奏と共に幕開けした『夢の浮き世に咲いてみな』で会場の熱気はのっけから最高潮。音楽監督・武部聡志率いる「ダウンタウンももクロバンド」や「サムライロックオーケストラ」の生演奏も迫力をブーストさせる。

初日の見所はなんといってもヒャダインVS川上アキラ電流爆破デスマッチ、かと思いきや、開始数分でヒャダインが川上マネをノックアウトし、終始解説席から「ぶっ殺してやりたい」とヒャダインを睨んでいたチーフディレクター・宮本純之介からの“まさかの”和解要請でがっちり握手。壮大な茶番はわりとあっさり終わった。

こうしてももクロ最大のタブー(by清野アナ)は、プロレス、というかとんねるずのコントみたいなノリでまるく収まり、そのままメンバーと合流したヒャダインは、5人とともに『行くぜっ!怪盗少女』を歌いながらメインステージへと戻ってゆく‥‥。

東スタンド1Fの前から2列目(裸のkwkmさんがにゅっと出てきた場所の目の前)から見ていた僕にとっては、このときの6人の、心の底から楽しそうに駆け抜けてゆく姿が最初のハイライトだった。落ちサビで涙に声が詰まるしおりん。ヒャダインは楽しさと照れと感激とがない交ぜになっているのがよく見える。八重歯を光らせて笑っている夏菜子の目も潤んでいる。

全員がうっすら涙を浮かべたあの笑顔は一人の人間に向けられた「おかえりなさい」の笑顔で、僕ら3万5,000人はあの瞬間、ただただ見守るだけだったのかもしれない。完全にあだち充の『みゆき』の最終回ばりにキラキラしていた。あだち先生ほどの画力はない僕はひたすら瞼に焼き付けるしかない。この広大な会場で表情が見えるというのは本当に幸運なことだと思った。

「ゲストの前山田健一さんでしたー!」あーりんの声がスタジアムに響く。それがいかに待ちわびた紹介だったかを、このときになって初めて気づかされる。茶番も感動も、それ自体を目撃することだけに必死になってしまうものだ。ヒャダインこと前山田健一という名前をメンバーがステージで発せられる状況に今日からまたなれたんだ。だったらやっぱり新曲も期待していいんですよね?と思いながら、奥へ消えてゆくヒャダインに手を振りつづけた。

 

直前のリハーサル中に左手を骨折し全治四ヶ月と診断された高城(れに)さんは「鋼の腕を手に入れて戻ってくる!」と宣言していたが、言葉どおり鋼鉄っぽいプロテクターで左腕を吊っての「4対1」のパフォーマンスとなった。しかし踊れないぶん、4人とは別になって僕ら客席によく来てくれる。あーりん推しの自分も、この日の『全力少女』はまさにれにちゃんのことだと思わずにはいられず、涙。

定番になった『ココ☆ナツ』での放水銃による観客への攻撃も、高城さんは一人だけ片手で威力の小さい放水だもんだから、トロッコに乗って、なんとスタンド席に沿うほど近くまで来てやってくれた(そこまで寄らないと水が届かない)。

ナタリーより(Photo by HAJIME KAMIIISAKA+Z)
ナタリーより(Photo by HAJIME KAMIIISAKA+Z)

おかげで目の前のれにちゃんから顔面に水を浴びせられるという、夢のような事件に遭遇することができたのだが、いつもなら歯茎を出してケタケタ笑いながらやる放水でさえも「さあ、この水で熱中症を納めなさい」と民を慈しむような優しい顔をたたえて廻っていた。泉の中からきれいなジャイアンが出せそうな神々しさ。正直、推し変の3文字が浮かんだ瞬間でもあった。

ラストは『灰とダイヤモンド』と『ひとつぶの笑顔で』。『灰ダイ』は作詞・只野菜摘、作曲・前山田健一である。この日を締めくくるにふさわしい曲。

間奏でちょうど自分たちの前に高城さんが立った。歌い出しの「霧が晴れた向こう側」までの3秒間、目が合った。信じられなくて思わずそらしそうになったが、客席から応援と感謝の念を送った(後日「れにちゃんは目を細めるから誰とでも目が合ってるように思っちゃうよねー」とモノノフの友人に一蹴されたけど認めない)。

ふだんの全力からはほど遠いパフォーマンスしかできない高城さん。
だからこそ、他のメンバーのフォーメーションとは違った動きで、今できる全力を示そうとしてくれる。それは西武ドームのファンクラブイベント直前に左足を骨折したあーりんが車いすで客席を巡ってくれたときと同じアプローチで、今まさに逆の立場になったあーりんは、終演の挨拶で感極まる。表舞台では涙を見せることを良しとしない佐々木プロが、この日はれにちゃんを思って存分に号泣した。

「れにちゃんとLIVE一緒にできて良かった」

唯一の、同じ不安を抱えたことのある人の素直な気持ちがあふれ出てくる。顔を覆っても涙は止まらない。そのひと言に高城さんの涙腺も崩壊。もしかしたら、国立競技場の聖火台で流した涙よりも熱い。こういうのにおじさんは弱い。客席から号泣。

さらに、音楽監督・武部さんからの「今回は、れにが頑張ったよな」でとどめの号泣。初日は泣いてばかりのLIVEだった。

 

2日目はアリーナ席C6、センターステージの真ん前だった。

ナタリーより(Photo by HAJIME KAMIIISAKA+Z)
ナタリーより(Photo by HAJIME KAMIIISAKA+Z)

カインドの飛田社長にヘアアレンジをしてもらったり、百田夏菜子のお父さん(御額様にソックリ!)と遭遇したり、スペシャルゲストの舘ひろしさんからレスをもったりと、レアな体験続きであっという間に終わった。2日目は『青春賦』がとくに良かった。

250メートルの外周ステージが敷かれた広大なスタジアムでも圧倒的歌唱力で場内を包み込む小さな巨人・有安杏果。

湿っぽい空気になっても軸足をブレさせずにカラッと仕上げの抜群のMC力でLIVEを牽引する玉井詩織。

腕の負傷という事実以上に満足にパフォーマンスできないことを申し訳なく思いながらも精一杯の思いを届けてくれた高城れに。

かつての自分を重ね合わせ、れにちゃんを思って涙した初日以上に元気よく振り切った『Link Link』を披露する佐々木彩夏。

そんなあーりんの歌い出しにどこからか舞い込んだ黒いアゲハチョウが目の前を行き過ぎ、思わず“うひょ顔”になる百田夏菜子。

5人が全員、こんなにも広いステージでさえも狭い箱でやっているかのごとく濃密な空間を作り上げていた。その体験が、今回の『桃神祭』でのいちばんの収穫だった。万感の思いで観た国立競技場大会とも、これまでのどのLIVEとも違う濃さがあった。なんというか、とても“近い”。とても“豊潤”。

物理的に近い良席を引き当てたこともあるのだろうけど、それよりも表現力の向上と言いたい。

やはり、映画と舞台の経験を経た5人は表現力が格段にパワーアップしていて、歌唱でもパフォーマンスでも、茶番の演技でさえもハッとさせられるほどの吸引力がある。東京に戻って2014年の『桃神祭』のBlu-rayを見直したが、1年で人はこれほども成長するのか?と改めて驚いた。

「紅白出場」や「国立競技場」などへの分かりやすい挑戦(大人たちが築いた壁)ではなく、地味だけどしっかり伝わる「実力の向上」を示してくれることはまた格別なものがある。

 

リーダー・百田さんの「私、言葉のボキャブラリーがほんっと少ないんですけど」と断りながらも「あんまりももクロって闘争心とか競争心とかはないんです。でもみんなの笑顔だけは絶対に譲れない」と語る姿に背筋が伸びる。毎回、この人の挨拶にはすべてを肯定する力があってすごい。リーダーの凱旋LIVEだったのに、今回は終始れにちゃんにスポットが当たりがちで(それは自然な流れだと思うが)、ふつうなら多少でも「今回の主役は私!」と言い放っても良さそうなものだが、確かに本当に闘争心も競争心もないから、どこまでも暖かい。

ただでさえ暑い炎天下に暖かいLIVEをたっぷり堪能させてもらい、すっかりのぼせ上がった。いつの間にか、静岡まで来て良かった‥‥と放心していた。

終演後は47,000人の民族大移動。愛野駅は大混雑で新幹線に乗れないかも?!そんな焦りも川上マネージャーの登場と采配で鎮まり、東海道を突っ切って帰宅。最後までチームももクロの連携を見た2015年の桃神祭だったのでした。

toujinsai_07

さあ 君も一緒に見に行こうよ
終わらない熱狂 始まる国へ
鳥と、魚と、風と、炎と、
そしていま 少女は扉を開けた

(ももいろクローバーZ vs KISS『夢の浮き世に咲いてみな』より)

2日間にわたって絢爛豪華な夢を見させていただき、ありがとうございました。

 

1日目「御額様ご来臨」セットリスト

M00:overture
M01:夢の浮世に咲いてみな
M02:ツヨクツヨク
M03:ピンキージョーンズ
M04:ワニとシャンプー
MC 自己紹介
M05:Chai Maxx ZERO
M06:Chai Maxx
M07:Zの誓い
M08:ココ☆ナツ
M09:仮想ディストピア
茶摘み隊、お祭り隊登場
M10:ももいろ太鼓どどんが節
M11:全力少女
【kwkm vs ヒャダイン】
電流爆破デスマッチ 時間無制限一本勝負
実況:清野茂樹
解説:宮本純乃介
リングアナ:田中ケロ
M12:行くぜっ!怪盗少女 (キーボード:ヒャダイン)
M13:JUMP!!!!!
M14:LinkLink
本編終了

アンコール
M15:渚のラララ (夏菜子ソロ)
清水ミチコ登場
「恋人はサンタクロース」の替え歌で『ももクリ2015』開催発表
12/23(水・祝)・24(木)・25(金) 3DAYS
群馬・軽井沢スノーパークで開催
M16:ニッポン笑顔百景
M17:灰とダイヤモンド
M18:一粒の笑顔で
ダウンタウンももクロバンド・ゲスト出演者 紹介
メンバー挨拶
(終演)

 

2日目「遠州大騒儀」セットリスト

M00:overture
M01:夢の浮世に咲いてみな
M02:全力少女
M03:Rock and Roll All Nite
M04:ワニとシャンプー
MC 自己紹介
M05:LinkLink
M06:サラバ、愛しき悲しみたちよ
M07:Zの誓い
M08:ココ☆ナツ
M09:Chai Maxx
茶摘み隊、お祭り隊登場
M10:ももいろ太鼓どどんが節
M11:泣いてもいいんだよ
ゲスト 舘ひろし登場『泣かないで』
M12:黒い週末
M13:ツヨクツヨク
M14:青春賦
本編終了

アンコール
M15:ピンキージョーンズ
松崎しげる登場
2/17に3rd&4thアルバム同時発売発表
ドームツアー発表
M16:ニッポン笑顔百景
M17:キミノアト
M18:一粒の笑顔で
ダウンタウンももクロバンド・ゲスト出演者 紹介
メンバー挨拶
(桃神祭 終演)


tacrow
伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年:武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業。 同年:博報堂アイ・スタジオにてプランナー/コピーライター職。 2012年〜:株式会社BIRDMANにてインタラクティブプランナー/ディレクター職。 2017年〜:株式会社某広告代理店にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職。 広告と映画と写真とあーりんをこよなく愛する37歳