写真生活、ふたたび。


カメラを買いました。
久しぶりの一眼カメラ。

で、せっかくなので毎日撮ろうと、日々持ち歩いています。
撮った写真をアップするTumblrも開設しました。

tacrow-photo

まあ、このカメラを買う前に持っていたRX100などで撮った写真も混ざっていますが。

 

学生時代は映像学科の写真専攻で毎日撮っていた写真。
あの頃は若さに任せて瞬発力と関係性だけで撮っていたような気がします。

そういう写真も好きですが、学生だったからこそ撮れていたものだという自覚もある。今も同じようには撮れません。

あれから15年くらい経って、今はようやく自分自身で色温度や絞りやレンズを「決めて」撮影しています。何でもっと学生時代に習得してこなかったんだろう?と思いますが、若者はシャッターを切るだけでじゅうぶん面白い(と自分が思える)写真が撮れたのだから仕方ない。シャッターを押せば何かが写る、そのシンプルさに惹かれて始めたのだし。

 

写真は撮るもの好きですが、それ以上に観るのが好きです。
僭越ながら(まったくもって)、最近とくに気になる3名を紹介させていただきます。

母校の武蔵美でも教鞭をとられている坂口トモユキさんの「きょうのしゃしん」。

© Tomoyuki Sakaguchi
© Tomoyuki Sakaguchi 2014–2017 (きょうのしゃしんより)

いわゆるスナップ写真ですが、晴れでも曇りでも夜でも「坂口さんのライティング」があるかのような、嘘みたいな光。つくりこまれた世界ではないのにどうして。

一見ラフに撮っているみたいな屋外でも四角いフレームの中で構図がきっちり組まれているから、絵画のような「整った嘘っぽさ」になるのかな?黒沢清監督の映画みたいに見えるときもあるし、メロディと歌詞がびしっと噛み合う中島みゆきの歌のような。隅々にまで目がゆきとどいた丁寧さに狂気を感じてしまい、クセになります。

 

2人目。石田祐規さんです。

ご本人のサイトにあるプレスキット(!)より

どんな被写体にもこの距離感になれるのかな。
だとしたら写真家はやはりスマホやInstagramがいくら普及しようが生業として存在し続けるな、と納得させられるパワー。この人自身に興味が湧いてしまう。湧かざるをえない。インタビューがまた面白い。

写真ってステージを持ち運びできる演劇だと僕は思っててカメラを向けると人は影響を受けて演技をはじめてしまう、それを僕は撮るんだけど友人や彼女は了承してくれて僕と付き合ってくれているんだろうなって思うんだよ、だから怒られた事はないしみんな覚悟ができているんだなって思うんだよね。僕はそういう危なさがすごく好きなんだよね、だから写真をやっていたいと思うんだよね。

BUG MAGAZINE インタビューより)

大量の写真を浴びに、いつか個展に行ってみたいです。

 

最後は、2015年に『第40回木村伊兵衛写真賞』を受賞した写真家・石川竜一さん。


©Ryuichi Ishikawa (CINRAより)

と書こうかと思ったけど、昨年、石川竜一という稀代の写真家を知り、展覧会で衝撃を受け、写真集を買い、言葉を失いました。僕の中で2016年は「シン・ゴジラ」と「永い言い訳」と「石川竜一」に出会えて最高に良かった1年でした。

で、最後に紹介するのは石川竜一さんではちょっと重たいので、そうではなくて、いくしゅんさん。

いくしゅん
©いくしゅん (若き写真家が見る歪んだ世界 vol.12いくしゅん | VICE JAPANより)

2015年に刊行された写真集『ですよねー』にも収録されているこの犬とのすれちがい、たまりません。絶対に言葉を交わしてる。

この人が撮る犬、猫、鹿、ネズミ、蛙、なんならキティちゃんまでもすげーおっさんぽい。逆に人間は動物っぽい。ミミズだってオケラだってアメンボだってみんなみんな生きているんだなと。友達申請していいんだなと思わせてくれる何かがあります。

日常に転がるユーモアを絶妙なタイミングで切り取った、と言えばそれまでですが、じゃあ素人さんが偶然撮った『VOW(バウ)』的な投稿写真と同様かといえば、そうでもなく。意図して「面白い」の琴線(というか筋繊維?)に反応するものだけを撮ろうとする執念深さが気持ちのいいリズムをつくり出します。同い年なんだよなー。同級生にいたら絶対友達になりたい。

 

最近、Instagramを見ていると、日常的に絵日記感覚や食リポとして使っている人と、ハイキートーンで美しい写真をひたすらにUPし続ける人とに二分されてきた感があります。そのどちらも否定するものではありませんが、ここで紹介させてもらった3名(いや4名か)は、どちらでもない写真を撮られる方。友達に紹介したい気持ちでまとめてみました。

自分の写真も不定期に更新していきます。
本年もどうぞよろしくお願いします。


tacrow
伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年:武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業。 同年:博報堂アイ・スタジオにてプランナー/コピーライター職。 2012年〜:株式会社BIRDMANにてインタラクティブプランナー/ディレクター職。 2017年〜:株式会社某広告代理店にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職。 広告と映画と写真とあーりんをこよなく愛する37歳