あかい靴下

彼女の実家、九州から、
彼女宛てに毛糸のマフラーと
靴下が届いた。

お母さんの手編みなんだとか。

うちの母も手芸が趣味だったな。と思い出す。
ほかにもとにかく多趣味な人で。

たとえば、
畑の野菜で料理する、
焼いた陶器に盛りつける、
撮った写真をあげる、
編んだ靴下を贈る。

仕事もほどほどに、そういう時間を
今も愉しんでもらえたらいいなぁと思う。

 

現実は、そんな時間ないよ、無理無理!
って真っ先に言われそうなほど母は
父との仕事で多忙をきわめている。

彼女が履いた赤い靴下を見ながら、
親に時間をプレゼントできたらなぁ‥‥
なんて思っていたら、実家からみかんが届いた。
甘くておいしい。

子どもはもらってばっかりだ。


投稿者: tacrow

伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年 武蔵野美術大学 造形学部映像学科卒業。デジタル系広告制作会社を経て、2017年〜広告会社にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職