つづきの話のプロローグ

きのうUPしたエントリーが思わぬところで褒められ、ちょっとうれしい。久々に長文を書いた気がします。

やはり、物騒な話なのでここまではっきり書くことは長らくためらわれました。10年もかかってしまった。

駅のホームから飛び降りてなお生きている。
20歳を過ぎていましたが、その経験は以後の人格形成に大きな影響を与えました。
僕の中では「第二の人生」は22歳からなのです。

 

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自分の意思ではなくても人は死に吸い寄せられ、行動を起こしてしまうことがある。黒沢清の映画のようなことは起こりうる。

支離滅裂な行動はすべて自分が過去に見てきた映像をバックボーンに瞬時にストーリー化される。『ファイト・クラブ』、『ウルトラマン』、『エヴァンゲリオン』、NHKのニュース映像。どんな錯乱状態でも人はストックされたイメージからストーリーを作り出して行動する。脳内イメージは映像との親和性があまりにも高すぎて、ストックムービーに取り込まれがち。

 

20日間の混迷から覚醒した日の夕方、母が押す車いすで病院の駐車場へ出た。ケータイの暗証番号は覚えていた。大学に通う彼女(いまの妻)に電話して生還を報告。長い夢の中で、死んでいたことすら気づけなかった自分だけど。

「いまこっちでは月が見えるよ」「こっちも見える」と会話して嗚咽した。
恐ろしく強力な薬によって見せられていた悪夢から解放されたことの実感と喜び。
彼女も泣いている。ぜんぶ憶えている。

 

「健康第一」ほど人によって重みの異なる言葉もないと思います。


投稿者: tacrow

伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年:武蔵野美術大学 造形学部映像学科卒業 2006年:(株)博報堂アイ・スタジオにてプランナー/コピーライター職 2012年:(株)BIRDMANにてプランナー/ディレクター職 2017年:(株)某広告代理店にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職(現職) デジタルガジェット、広告、映画、Netflix、写真、ももクロのあーりんを愛してやまない37歳