糸井重里と鈴木敏夫の「生きろ。」を巡る往復書簡

1997年公開時のポスター。映画館で4回観た。
映画館で4回観た。
1997年公開の映画『もののけ姫』のキャッチフレーズ「生きろ。」

とても力強いこのコピーをはじめ、「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」(魔女の宅急便)、「4歳と14歳で、生きようと思った」(火垂るの墓)など数々の宮崎駿アニメのコピーを手がけてきた糸井重里さん。

そんなコピーライター・糸井重里と、スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫さんとの「生きろ」を巡るやりとりが面白かったので書き起こしました。

ドキュメンタリー『もののけ姫はこうして生まれた。』より

 

ナレーション(以下 Na):鈴木プロデューサーは、絵コンテの重要箇所を書き取り、宣伝に応用しようとする。映画の結末がまだどうなるか分からないまま、映画のイメージを決定するコピーづくりに着手する。

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鈴木敏夫プロデューサー(以下 鈴木):彼(宮崎駿)自身、そりゃ確かにラストシーンまだ分かってないですけどね、ラストまで話は(※脚本は制作と同時に進行していた)。とはいえ、まあなにしろ20年、僕は一緒にやってきましたんでね。そういうことで言えば、やろうとしていることに関しては、なんとなくは分かってたんですよね。

で、それを言葉にする作業ってのが必要なわけですよね。それで僕はそういうときに「糸井さんの力を借りたいんだ」と。ということで毎回ね、僕としては「こういう話なんだ」と。「さあ、コピーつくってください」と。「そのひとつのコピーが関係各自、みんなを支配するから」って。それでまあ、糸井さんにお願いしに行って、例の「生きろ」っていう言葉が出てくるんですけどね。ま、今回だけは糸井さんもそうとう苦労して(笑)。僕はいつも糸井さんからはねえ、「鈴木さんの仕事はありがたい」って言われてたんですよ。なんでかつったら、糸井さんが一回ポンっと出してくれるとね、僕だいたい一回で決めてきたんですよね。ところが今回は、なんと50本くらい書いていただくというね(笑)。

Na:その、苦闘の跡が浮かび上がる、ふたりのFAXでのやりとり。

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鈴木敏夫のFAX:糸井重里様。コピーの一日も早い完成を 首を長くして待っています。3月21日。

 

糸井重里のFAX:6月4日。鈴木さま。いくら映画の進行が父として進まぬ状態だからといって、私までのんびりとしては池ませんでしたよね。やっぱり難しかったんです。(誤字は原文ママ)

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おそろしいか。
愛しいか。

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本当は「おとろしい」の方がいいと思ったんですが、辞書に出てこないのであきら目ました。

おまえには
オレがいる。

惚れたぞ。

ひたむきと
けなげの
スペクタクル。

アカンかったら またやりなおします。日本語フリーハンドワープロの調子が悪くて誤字が多くてすみません。

 

鈴木FAX:前略 糸井重里様

mononoke051再考を!

宮崎も「ちがう」というし、小生もちがうと思いました。小生が気になっていた台詞はこれです。「そなたは、美しい‥‥」これ、宮崎駿が言っているという気もするのですが、如何でせう。この前糸井さんが「カッコイイとは、こういうことさ」も「タヌキだってがんばってるんだよォ」も、宮さんが言っているというのを思い出した次第。

 

6月18日。

糸井FAX:鈴木敏夫様
ちがうボタンを押しまくってしまいました。もののけ姫の観客の顔が、いつもより見えなかったので、柄にも無く悩んでしまったわけのように思えます。AとBが、私の考えた結論です。

A
だいじなものは、有りますか。

B
昔々は、今の今。

その他に、

おまえは、まぶしい。

死ぬのと、生きるの、どっちが好きだ。mononoke06

死ぬなっ。

それでもいい。私と共に生きてくれ。

ハッピー?

迷走する巨人(ファン)糸井重里

 

6月25日。

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糸井FAX:もののけノイローゼです。
どうも他の仕事は進んでも、『もののけ姫』になると、く、く、苦しくなるのです。『もののけ』というキャッチーな言葉が良すぎるのかしら?「もーののけー!」というようなコピーでも本当は成立するようにも思いつつ、三度目の答案用紙を提出します。

悪からでも善からでも、おまえを守る。

弓を誰にひく?!

あなたは、何を守る?!

なぜ、俺は生まれてきた。

 

7月10日。

糸井FAX:すいません、鈴木さんの原稿を読んで、また、もっと混乱してしまいました。今回はなんだかきついのです。1、作品の思想を表現し、2、集客を促す‥‥というふたつの目的が必須なのはわかるのですが、1の目的をズバリ表現しきることは難しい気がします。

生きろ。

LIFE IS LIFE !

化けものだらけ。

神々は、なつかない。

森には、おそろしい神々がいる。

暴と愛の嵐。

人間がいなきゃよかったのか。

わからなくっても、生きろ!

 

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鈴木FAX:前略 糸井重里さま

生きろ。ぼくは凄くよいと思いました。
たった3つの文字なのに、そこに込められた時代性。イケルと思いました。宮さんも「近い!」とひと言。

 

鈴木FAX「生きろ。」
この力強いコピーだと。宮さんもついに納得しました。迷い道に誘ったりしてスミマセンでした。これで前に進めます。

 

Na:もうひとつの悩める闘いが終わったのは、7月7日のことであった。

 

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「生きろ。」と書かれたポスターが初めて出たとき、そのたった3文字に世間は驚きました。そして「たった3文字でコピー書いてお金もらえるなんて」と言う人も中にはいました。

でもちょうどこの『もののけ姫はこうして生まれた。』の中で、山犬モロに声を当てた美輪明宏さんがモロの生も死もあわせ持つ奥深さを表現する際にこんなことを言っています。

「構造が三重四重になってるから、突き詰めるとシンプルになるのよ。スポーン!と。七色の太陽光線が重なると白になるようにね」

たった3文字の「生きろ。」もそういうこと。で、その突き詰める過程にこんな茨の道があったのか、と。あの糸井さんもスルッと出ないことがあるんだと知って、ちょっと安心、したら、ダメなんでしょうね。

清水幹太、BIRDMAN、コバヤシタケルが明かす、Intel「PUSH for Ultrabook」の舞台裏

ぼくらの仕事を、white-screen.jpさんにインタビューしていただきました。
激動の65日間を余すところなく語ったのはこの天才たち。

世界中から5万人が参加! 清水幹太、BIRDMAN、コバヤシタケルが明かす、Intelのキャンペーン「PUSH for Ultrabook」の舞台裏!!

 

読んでいただければわかりますが、やっぱり凄い案件に関わってたんだなと。

 

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そもそも自社にこの装置を作っちゃうこと自体がクレイジーだと思う。

 

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しかも24時間回すとか…。

 

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GWを挟む24時間休みなしのブロック詰めの当番(通称 蟹工船)では、スタッフのみんなにずいぶん無理強いをしたり、自分が強行突破した場面もありました。

 

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が、アイデアを絵空事に終わらせず次々と形にしてゆく天才たちによって完成・更新されてゆくこのとんでもない装置。最後まで全員で“運転”することができたのは心底うれしい。

 

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目の前で起きていることは魔法か?そんな気持ちで見守っていました。

 

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自分を振り返ってみれば、至らないところも多々ありました。

 

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もっともっと役に立つ人間にならないと。

 

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そう思います。

 

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ぼくに魔法は使えなくても。

 

Cannes Lions 2013プレ勉強会

6月です。カンヌライオンズの季節が近づいてきました。

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今年はPerfumeがゲストパフォーマーとして出る!という、広告関係者視点ではなくPerfumeファンクラブ会員としても俄然注目のイベントになりそうですが、その前にちゃんと(?)賞レースにあがってきそうなものをピックアップして好き勝手に予測しようぜ!ってことで、6月7日(金)、Cannes Lions 2013プレ勉強会に行ってきました。

『広告批評』元編集長の河尻亨一さん主宰、ゲストは毎年恒例・kiramekiの石井義樹さんによるプレ勉強会。副題は「今年は工作系(メイカーズ)来んじゃね?」。今回で4度目の開催だそうで、僕にとっては3回目の参加です‥‥が、仕事の関係で大幅に遅刻。それでも最後にプロジェクターに映し出されたスライドに感銘を受けたので、行った甲斐はありました。その話は最後に書くとして。

いくつかピックアップします。

 

http://youtu.be/kKTamH__xuQ

イギリスの公共テレビ局 チャンネル4によるパラリンピックのコマーシャル。勝負師の顔にゾクゾクする。あまり馴染みのなかった彼らの競技を見てみたいと思う。多民族で形成されているからでしょうか、身体障害者への理解は欧米の方が進んでいる気がします。

 

http://youtu.be/YRB0i9-AUQs

学校の唯一無二の美女、スーザン・グレン。ただひたすら彼女をありったけの美辞麗句で荒唐無稽に称えるナレーション。

「『コミックのヒーローを魅了するヒロイントップ10』のライター達は、スーザン・グレンみたいなヒロインを作り出したいと願ったに違いない。スーザンが近くにいると僕の震度計は8を記録し、彼女の周りの女たちはたちまちゴブリンみたいになる」

そして「If I could do it again, I’d do it differently.」(もしもう一度やり直せるなら、今度は別のやり方にする)と現在の男(なんとジャック・バウワーasキーファー・サザーランド!)が語り終える。そして、AXEとともにFear no Susan Glenn.(スーザン・グレンなんて怖くない)。

男が惚れるヒロインと、男が憧れるヒーローのサンドイッチ。すばらしい!

 

https://youtu.be/DAAYSBfxkqQ

悪魔に魂を売らなくても手が届く値段のメルセデスですよ。

この悪魔が『スパイダーマン』シリーズでグリーン・ゴブリンを怪演したウィレム・デフォーってのがいい。昨年、同じスーパーボウル枠のCMでクライスラーがクリント・イーストウッドを起用して話題になりましたが、ハリウッドスターの説得力はすさまじい。

http://youtu.be/T1c3AXZkYeU

 

クルマ続きで。

http://youtu.be/ANhmS6QLd5Q

「Audiに乗って自信が持てた」
いいパパだなぁ。親子で乗ってカッコイイのって、Audiかもなぁ。と思わせてくれるCM。

 

『Smoking Kid』

路上でタバコを吸う喫煙者に、少年や少女が駆け寄って「ライターを貸して下さい」とお願いをする。すると喫煙者は必ず「え?」といった反応を示し、「タバコは健康によくないんだよ?」や「寿命が縮まるんだよ?」などと、子どもたちに対して優しく説明をし始める。タバコがどのように体によくないのは、理解しているのである。そして子どもたちは「じゃあ、なんであなたはタバコを吸っているの?」と逆に問いかけつつ、そっと手紙を喫煙者に渡す。そこには「あなたは私の心配をしてくれた。でも、なぜ自分自身への心配はしないの?」と書かれているのである。

(ロケットニュース24「タイの禁煙プロモーションCMが心にガツンとくると世界中で話題に」より)

これは見てて辛くなりました。ただ、「効く」だろうなぁ。

 

コカコーラ『Small World Machines – Bringing India & Pakistan Together』

第二次大戦による分裂以降、対立が続くインドとパキスタンを結ぶベンディングマシーンをコカコーラが提供。これは取り組み自体もさることながら、プレゼンテーションビデオが素晴らしい。本当にこんな風にハッピーな風景が生まれたのかはちょっと懐疑的ですが。絶対ダンスする人いるよな(とか思っちゃう)。

参照:対立関係の続くインドとパキスタンの国民がコカ・コーラ社のキャンペーンで笑顔に / 世界にも感動を与える

余談ですが、BGMの「Go Do」はプレゼンビデオによく多用されますね。

 

Ram Trucks『Super Bowl Commercial “Farmer”』

「だから神は8日目に農夫をつくった」という言葉がつづく、農作業用トラック会社のCM。重厚なHDR写真はよく見ると微妙に視差を生む角度をつけていたり雲が流れたり、見る者を引き込む細かな演出がされています。ナレーションはPaul Harveyというアメリカの有名なラジオパーソナリティ(2009年に90歳で没)による演説だそうです。

 

http://youtu.be/ev-R0tsreBw

メトロ・トレインズ・メルボルン『Dumb Ways to Die』

オーストラリアの鉄道会社による事故防止啓蒙ビデオ。Dumb Ways to Dieとは「おバカな死に方集」。コミカルな死に方に笑って見てしまうけれど、実際、こういうマヌケな死に方が後を絶たないらしい。ソーシャルで流行る「キャラクター」「歌」「シンプルなメッセージ」が三拍子揃ってて、ACの『あいさつの魔法』を思い出しました。毒っけは比べものになりませんが。

ちなみに、カンヌの前哨戦ともいわれるOne Showでグランプリを受賞。

参照:かわいいキャラが歌に乗せて死にまくるメルボルン鉄道公式のアニメムービー「Dumb Ways to Die」 – GIGAZINE

 

Dove『Real Beauty Sketches』

Doveによると、世界中の女性の4%しか自分のことを美しいと思っておらず、一方でDoveはポジティブな自尊心を築き、女性たちのポテンシャルを最大限まで引き出すことにコミットしているため、女性たちに重要なことを伝えたいという想いからこのビデオを作成するに至ったとしている。そしてその伝えたいとても重要なこととは…

“You are more beautiful than you think. ―あなたはあなたが思っている以上に美しい。”

心に触れるDoveのブランドプロモーションビデオ Real Beauty Sketches [動画]より)

自分のネガティブな証言によって描かれた肖像と、他人のプレーンな証言によって描かれた肖像。シンプルだけどこれほど説得力のあるものもない。拍手したくなるムービーです。

 

さて、ここからは、「今年は工作系(メイカーズ)来んじゃね?」という副題にのっとって、なんか作っちゃった系のプロモーションたちを。

 

『The Popinator』

ポップコーンで有名なお菓子メーカーが「ポップコーンプロジェクト」を展開。「Pop!」の掛け声に反応する“ポップコーン投げマシーン”を開発しちゃいました。

 

[vimeo http://www.vimeo.com/46975682 w=580&h=326]

『Super Angry Birds – a Tangible Controller』

世界中で人気の「アングリーバード」にリアルなコントローラーを作っちゃいました!手作り感満載だけど楽しそう。3人くらいで綱引き状になってて200インチくらいのスクリーンでやったら盛り上がりそうですね。

 

[vimeo http://www.vimeo.com/62678151 w=580&h=326]

『The Most Powerful Arm』

筋肉が急速に衰える筋ジストロフィーへの寄付を訴えるメッセージ。筋ジストロフィー症の女性が呼びかける言葉をロボットアームがたどたどしく書き起こします。キャンペーンサイトに行って寄付すると、このロボットアームが署名してくれるようです。10日間で20,000人分のサインが集まったとか。

 

他にもいろんな事例が紹介されたようですが、最後にスクリーンに映し出されたショットがこちら。

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80歳代のおばあちゃんが勝手に修復作業してとんでもない仕上がりになったキリストのフレスコ画。世界中でパロディが生まれ、遊び尽くされました。しかもスペイン南部にあるこの教会は一躍観光名所となり、入場料を取り始めたら“作者”のおばあちゃんと訴訟問題に発展したとか。

河尻さんいわく「意図して広告にしようと企んだものではないけれど、これだけ世界中で話題になるような出来事をどうやって作り出すか、注目せざるを得ない」と。

ちょうど僕も先日、うちの社長に「今年印象に残ったプロモーション教えて」と訊かれ、Googleの「World Wide Maze」や「キリンのどごし 夢のドリーム」や「リアル脱出ゲームTV」や「TOKYO CITY SYMPHONY」や手前味噌ですがIntelの「PUSH for Ultrabook」が思い出されましたが、どれにも勝って印象深いのはこれ(↓)でした。

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女子高生がTwitterに投稿したことで大流行した「マカンコウサッポウ」。これも「おばあちゃんのフレスコ画」と同じく、プロモーションじゃない。けれど日本を飛び越え世界中でこの遊びが流行し、北米のカプコンが「波動拳コンテスト」を開催するまでに至りました。

USカプコンのフットワークの軽さは見習うものがあります。折しも日本では『ドラゴンボール』の映画版が公開中だったので「映画のプロモーションか?」とも囁かれましたが、そういった形跡は見られませんでしたし、もし実際にそうだとしたらここまで流行らなかったでしょう。USカプコンは後乗りだったから良かったのかも。そこがなんとも難しいところで、「広告だとわかった途端に冷める気持ち」とどう寄り添いつつ、面白いものを仕掛けるか?おばあちゃんや女子高生の純粋さがあればこその流行に勝負を挑まないと。そのためには、動機の純粋さではなくメッセージの純粋さが求められるのかな?言葉にすると陳腐だけど。

 

それにしても、アメリカのスーパーボウル枠で放映されるCMでほぼ埋まってしまうフィルム部門の注目作。映像の派手さではなくメッセージの普遍性、人間賛歌で評価が高いものが多いのは最近の風潮でしょうか。どれも心に沁みます。

そして、どうしても工作系といえばおバカな方向で魅力を発揮しがちですが、メッセージを乗せる領域に手を伸ばしている『The Most Powerful Arm』も印象的でした。テクニカルなことやSNSで下支えしながら、確実に誰かの笑顔をふやす仕事がしたい。そう思いました。

クリント・イーストウッドが昨年訴えた「ハーフタイム」=癒やしの時間は、まだ世界的につづいているのかもしれません。だからこそ今「効く」ことを考えたいなと。今年のカンヌライオンズは6月16日から22日まで。僕は日本から見守ります‥‥。

 

おまけ参照:

アドフェスト2013まとめ
(河尻さん編集)

Cannes Lions 2013 Prediction
(Pinterestで予想している人のまとめ)

MOVIE to MUSIC

 

アイアンマン1〜3のシーンをふんだんに使ったREMIX作品。
ちゃんとメインテーマを要所に組み込んでいるところがファン心理をくすぐります。

同じ方が作った、ダークナイトのジョーカーのシーンを集めたREMIX。

 

これまたメインテーマをベースにまとめられており、超クール!
『ファイト・クラブ』のサントラにも主人公のセリフをちりばめた曲が入ってたのを思い出しました。

 

コレ。
タイラーはアメコミのヒーローじゃないけど、かなり近しい存在かもしれません。僕の中では。

PUSH for Ultrabook™

最近のお仕事です。

PUSH for Ultrabook™ – Play now to win an Ultrabook.
http://www.intel.com/push

PARTY川村真司さん清水幹太さんとの案件。
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この超Coolな装置、千駄ヶ谷の弊社にあるんです。
連日連夜、裏でブロックを詰めてます。

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24時間、ひとが支えるゲーム。
終わる頃には、強くなっている気がします。

ももクロと警察(改)

http://youtu.be/6_qEQcIeyJY

Twitterで知った『労働賛歌』のパロディ動画。

あまりにも素晴らしい出来で、こんなことをつぶやいてました。

 

すると、なんと‥‥!

 

 

作者さんからレスいただきましたw

 

あぁ、やっぱりコレだ。
パロディCMがパロディ動画の元になってるって面白いなぁ。

 

余談ですが、先月の西武ドーム初日(僕にとっては初のももクロLIVE)のラストが『労働賛歌』で、楽曲の良さを改めて実感。
生演奏よかった!

With My Umbrella

 

顕微鏡から見た夢。

かどうかは知りませんが、そんな気がしたアニメーション。

 

作者の大橋史さん、ほかにも素敵な作品がいっぱい。

 

 

 

「分解」ってクセになる気持ちよさ。

PROMETHEUS UI

まだ観ていない映画ですが。

 

『エイリアン』のリドリー・スコット監督が描いたSF映画『プロメテウス』のUIにフィーチャーした動画。なんだか分かんないけど、かっこいいなぁ。

 

こちらはゲーム『コール オブ デューティ Black Ops 2』のUI。

 

ドラマ『24』やスパイ映画でも同様の画面を見かけますが、現実の世界に下りてこないのは、せわしないUIに人間が追いつけないからでしょうか。

関連リンク:アイアンマンで映画の中のインターフェースについて考えてみた。

クラウド アトラス

映画『クラウド アトラス』を観た。

 

 

一切の前情報なしに映画館のシートに座ると、19世紀から24世紀までの過去・現在・未来をめまぐるしく行き来する6つの物語が繰り広げられた172分間。ピクニックだと思って出かけたら本格的な登山だった‥‥というくらいに体力を消耗したけど、気づけば眼前にいい眺めが広がっていた、みたいな。面白かったです。今のところ今年No.1。

公式サイトに紹介されていたシノプシスがこの映画をずばり言い当てていたので(そりゃそーだ)、そのまま紹介。

 

国や人種、性別の境界線を超えた人間の本質を表現するために、同じ魂を持つ複数の人物を一人で演じるという、俳優の真の実力が問われる大胆かつ画期的なキャスティングが実行された。

トム・ハンクスに続き、
この挑戦を受けて立ったのは、ハル・ベリー、スーザン・サランドン、
ジム・ブロードベントら、アカデミー賞受賞の演技派スターたち。
さらにヒュー・グラント、ヒューゴ・ウィーヴィング、ジム・スタージェス、ベン・ウィショー、韓国が誇る若手女優ペ・ドゥナなど、国際色豊かな豪華キャストが心と力を合わせ、壮大な叙事詩を紡ぎ出した。

ヒューマンドラマ、近未来SF、
アクション、ミステリー、ラブストーリー

—— いま『クラウド アトラス』の称号のもと、
全てのジャンルがひとつになり、
かつてないエンターテインメントを生みだした。
そして映画というジャンルさえも軽々と跳び越えて、
観る者の魂にダイレクトにつながるのは、
「私たちは何のために生きているのか?」という、
人類の永遠の疑問への答え。

天才監督と豪華キャストの手で、
いま、人生の謎が、解けようとしている ——

 

はい、というわけで、この映画は手塚治虫の『火の鳥』だな、と思いました。
(人によっては『マグノリア』だと言う人もいるかもしれません)

「同じ魂を持つ複数の人物を一人で演じるという、大胆かつ画期的なキャスティング」も、ヒゲ親父が時代や設定を超えていくつもの役を一人でこなすような、手塚漫画ではよく見る「スター・システム」。配役によってはかなりギャグに走ってるものもあって、それも狙いだと思いますが、いったいどこを狙ってんだ?とつっこみたくなる要素を入れちゃうあたりも、手塚治虫的な遊びだなぁと思ったりするのです。もっと意味のある演出意図があるのかもしれませんが、もしあったら知りたいなぁ。

また、「6つの物語が交錯する壮大な叙事詩」のようで、直接的には交錯していなかったり、6つ全部が壮大じゃなかったり(2012年パートがいちばんしょぼい)とチャーミングなところもある。観終わってみると、むしろこのアンバランスさ、チャーミングさがこの映画の旨味じゃないか?と思えてきます。

歴史に残る壮大なことや、そうでないこと。その両面を同じ役者、共通のセリフ、あと忘れそうになるけど意味深な共通のあざが繋いでゆく。このあたりをチャーミングと捉えるか支離滅裂と捉えるかで賛否が分かれそうな映画ではあります。

この映画のもうひとつの魅力は、なんといってもペ・ドゥナ演じるクローン人間「ソンミ451」の群を抜いた存在感。是枝裕和監督の『空気人形』でもかなしい人形の役を完璧に演じていたけれど、今回はそれを上回る、厚みのある演技!存在が切ない。思い出すだけでも泣けてくる。

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壮大すぎてともすればついていくのが大変な物語(途中で帰っちゃうカップルもいました)を束ねるのは、『マトリックス』3部作のウォシャウスキー姉弟と『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ監督。数々の映画のオマージュでできた『マトリックス』のさらにオマージュとも取れるシーンも含まれており、あの映画にハマって19にして中2病を再発させた身としてはニヤリとしてしまいます。

くどいですが、手塚治虫先生が生きていたら気に入った映画じゃないかと思います。
小学生の頃に観た『トータル・リコール』(オリジナル版)くらい変な映画。

『クラウド アトラス』公式サイト

好きです。

Everything is remix

1999年に公開され一大ブームを巻き起こした映画『マトリックス』が、どんな映画作品を“Remix”してきたかをまとめた映像。

 

 

編集うまいなー。

監督のウォシャウスキー姉弟(兄は性転換手術をしたとか)は公開時にも「AKIRAや攻殻機動隊の影響は計り知れない」という旨をインタビューで答えていましたが、注目すべきはその再現性。中には「これはちょっと言いがかりだろ」と突っ込みたくなるものもありましたが、こうして並べてみるとやはり映画オタクが作った映画だったことを改めて思い知らされます。きっと頭の中に膨大かつ詳細なライブラリーがあって、そこで文献を漁りながら自分のジャンルの論文を書いている感覚なんだろうな。

 

以前、ももいろクローバーZのプロデュースでおなじみのヒャダインこと前山田健一さんが何かのインタビューで

「僕らはサンプリング世代だと思ってるんです」

的なことを話されていました。「僕ら」とか「世代」とかじゃなくて、自分自身についてだったかな?ちょっとうろ覚えです。

「大量の音楽データ、メロディやアレンジ、ビートが頭の中にストックされていて、そこから組み合わせを考えるだけ」と。『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』などを聴けば、めまぐるしい変調の中にこの人のストックの多さアレンジの妙を垣間見ます。

http://youtu.be/yFMDsBM57SU

そういえば『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督も同じような趣旨のことを話されていたのですが、出典がないものを書くのは危険ですね。でもどこかで読んですごく納得したんです。

「自分にはウルトラマンが原体験としてあった」ということや、ウルトラマンの実相寺監督の「実相寺アングル」が多用されているのは言うに及ばず、最新作の『ヱヴァンゲリオン Q』では自分の過去作品ですらトレースしちゃってますからね(ネタバレになるので分かる人だけ察してください)。トレースという言葉はあえて使いましたが、表現者の魂としてそこにあるのはオマージュだと思います。自分を超えた作品そのものへの。

 

優れたクリエイターほど脳内ライブラリーが豊富で、オタクで、勉強熱心。
もっとインプットしなきゃ、という思いで今日もももクロのPVを見ています(嘘)。

2012→2013

あけましておめでとうございます。

今年のお正月は実家にも帰省せず、東京で夫婦水入らずの日々を過ごしています。

昨年、2012年は自分にとってとても大きな意味のある一年でした。

7月に約6年3ヶ月勤めた会社を辞め、8月からBIRDMANに転職。
コピーとももクロをこよなく愛する後輩のがんばりに助けられ、前職で培った信頼関係も追い風となり、そして舞い込んでくるユニークな案件に刺激され、文字通り生活が一変しました。

夏の社員旅行と冬のケミカル鍋。これだけ見るとすごい遊んでる‥‥。
夏の社員旅行と冬のケミカル鍋。これだけ見るとすごい遊んでる‥‥。

人数が少ないぶん、自分の動きが会社に与える影響力の大きさと責任を実感しながら、日々「頭のスポーツ」をやっています。どこの筋力が弱いのか、どの競技に苦手意識があるのか、自分なりの課題も見えてきました。もっと自分で仕事をつくっていきたい。

 

同じ7月は初の海外ひとり旅も敢行。どこに書いたか忘れましたが、2012年のMyテーマは「旅」だったので、NY旅行と転職というふたつの旅を果たせたことは嬉しい。

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JAZZ、ART、MUSICAL、そして街そのもの‥‥NYで得た刺激はまちがいなく一生モノです。

 

さらに7月25日、この日のことは一生忘れないよ。
PerfumeのMusic Videoにエキストラとして“出演”しました。

 

円形のステージを囲む観客の最前列、しかも、かしゆかの目の前!
この中央ちょい右で人差し指を突き上げているのが僕です。

LIVEにはもう10回以上足を運んでいますが、本当に彼女たちは存在していて、全身で表現してこの熱量をつくり、パッケージ化して全世界に送り届けているんだ。そんな当たり前のことをこの目で目撃できた感動。しかもその一片に参加できた!

またとない機会を与えてくれたチームPerfumeに感謝感謝感謝感謝感謝‥‥。
Perfumeの裏方を垣間見て、関わるスタッフさんたちに嫉妬も覚えました。いつか仕事したいなぁ。

 

まとめのtogetterはこちら

 

去年は7月に充実した出来事が多すぎました。今年はもう少しまんべんなく盛り上がる月をつくりたい。思い出せるようにBlogももうすこしマメに書きたい。本年もよろしくお願いいたします。

UZA

AKB48の『UZA』を買ってみた。かっこいいねコレ。

でも「愛の意味とか分かっているのか?」って歌詞を恋愛禁止のグループに歌われるのはかなり皮肉が利いているな〜と思ったけど、よく考えてみたら、恋愛禁止だからこそ意味の深淵に近いところで悶々としている彼女たちの飢餓感あってこその問い、もしくは自問自答なのかもしれん、と思い返し、秋元深いなぁと感動を覚えたところです。

まるで強制的に餌を流し込まれ良質のフォアグラにされるカモのような感じか。
違うか。

新しい技術による新しい物語のつくりかた by PARTY

「THE PUBLIC」という団体によるセミナー&ワークショップ、

新しい技術による新しい物語のつくりかた by PARTY

の第3回目、川村真司さんの回に参加してきました。
というか、第1回の清水幹太さん、第2回の伊藤直樹さんの回にも出席しているのですが、Blogにアップするのは初めてです。なんとなく。思い立って。

広告、映像、インタラクティブ、エンターテイメント、サイネージなど、あらゆる表現を対象とし、クリエイティブシーンの最先端で活躍するPARTYを講師として、各回、PARTYのメンバーの一名が講師となり、実際に携わっている事例を紹介しながら、実践的なクリエイティブの現場に触れます。(サイトより引用)

川村さんと川村さんのお仕事について、詳しくはこちら

例によって現場でタイプしたメモを元に再構成します。読みやすいように口語調にリライトしていますが正確ではありません。

 

本日のテーマ「作り方から作る」

川村さん:最初、博報堂で3年間CMプランナーをやってました。CM制作も会社もとても楽しかったんですが、当時はCMプランナー=CMというジャンルに活動の幅が制限されてました。今はもっと幅広いと思いますけどね。

で、次第にもっとインテグレーテッドキャンペーン、360度的なアプローチがしたくなって、その思いが強くなり、BBH(イギリスのクリエイティブエージェンシー)へ移りました。日本オフィスの立ち上げを手伝い、シンガポールやロンドンを渡り歩きました。そしてロンドンにいるときに180(オランダのエージェンシー)へ。100人くらいの規模でグローバルなインテグレーテッドキャンペーンをやっている会社でした。しかも、ロンドンでもNYでもなくアムステルダムから。とても刺激的でしたが、ここも3年で辞めました。

思い返せば各社を3年周期で転職してきました。分かったことが1つあって、どこの会社も違うカルチャーを持ってはいますが、仕事の進め方は一緒。要は、大事なのは人とフットワークの軽さなんだなと。そして2011年にクリエイティブラボ・PARTYを設立しました。

 

PARTYだと、非広告、ブランドコミュニケーションも仕事にできます(領域に制限がない)。メインの哲学、行動指針は「クリエイティブ・ラボ」。もっと自由に、実験しながら進められる場にしたいという思いからそう名乗っています。

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コピーの今とこれから_3/3

TCC(東京コピーライターズクラブ)50周年特別企画のトークショー、『コピーの今とこれから』レポート、最終回です。

 

udon谷山さん:今年、「うどん県」っていう言葉が流行語大賞にノミネートされたんですね。でもTCCの新人賞には入らなかった。1票差で落ちちゃったんですよ。おそらく、「うどん県」って上手っぽくないんですね。テクニカルじゃないというか。でも世の中に広がったんですよね。

秋山さん:あれだけ見るとピンとこない。現象として見ないと。レディー・カガの方がまだピンとくるね。

谷山さん:レディー・カガも新人賞に落ちたんです。

秋山さん:あれも入ってないの?

谷山さん:入ってないです。

佐々木さん:うどん県とレディー・カガを落としたのは今年のTCCの汚点‥‥。

谷山さん:そこまで言いますか(笑)

佐々木さん:まちがいなくヒットしたし、話題になりましたからね。今後はいろんな県が「うちもうどん県みたいなのやろうよ」とか言うのが容易に想像できますし。だから来年に敗者復活賞をあげるとか。

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