最近、アルバムの発売とともにラジオでも耳にしない日はない、やつらの名前は「水曜日のカンパネラ」。
ハウスやテクノに乗せられる意味不明も特徴的な歌詞とボーカルのちょい下手なラップから起こる化学変化が異常なまでの中毒性を生み出す水曜日のカンパネラ。
主演 / 歌唱担当の「コムアイ」・サウンドプロデュースの「Kenmochi Hidefumi」・何でも屋の「Dir.F」から成る3人組ユニット。彼女のラップを耳にして気に掛けないでいるなんて不可能。本格的なエレクトロサウンドから「シャウエッセン」だとか「ソニックブーム」など、どこかで聞いたことある単語が飛び出してくる。また「伝統の作法 魔貫光殺砲」「熟成!72時間製法 お手を拝借パーティーSAY!HO!」など常軌を逸する韻の踏みっぷり。極め付けにコムアイの決して上手くはないラップが妙に耳に残る。とにかく作品のあらゆる部分に罠が仕掛けられているようで、罠に掛かればあっという間に病み付きになってしまう危険な音楽。
(RUSH MUSIC NEWSより)
そう、たとえば『桃太郎』という最新曲。
じーちゃん マウンテン芝をカット
ばーちゃん リバーでウォッシュ はっ!
僕おうちに篭もってゲーム
PCエンジンbyハドソン
http://youtu.be/L18R2zZ7oY4
ボーカルのコムアイちゃんいわく「歌詞に30代ホイホイをちりばめて」いるとのことだけど、うぅ、ど真ん中です(東京都在住 34歳)。これだけでもヤバイのに、さらに畳みかけるように
はい。
キ ヴィ ダーンッ (よっ)
キヴィキヴィ ダーンッ (はい)お に たーいじっ
おにおに たーいじっ
の卓球ぽい振付であっけにとられ、
団子をもらって命を投げ出す物好きなんていない
ペットと一緒に鬼退治とか絶対正気じゃない
犬とサルは仲たがい キジは戦力外
何でもするから鬼が島だけは勘弁してください
の切実な訴えに涙。
「ペットと一緒に鬼退治とか絶対正気じゃない」
メロディのある歌の前に、短歌のような情景を切り取った「歌」や韻を踏んだ「セリフ」として耳に残るんです。そのうえメロディも音もぐにゃぐにゃして耳に残る(このへんを専門的に書けたらロキノンぽいのに残念)し、気の抜けた歌い方も力の抜けた振付も中毒性に拍車をかける。
10月某日、Charisma.comさんの「どっと祭」というイベントに行ってきまして、そこに水曜日のカンパネラさんも出ていまして。それが最初の出会いでした。
『星一徹』という歌で小さなちゃぶ台(あれは発泡スチロール製なんだろうか)を客席に
投げては回収、
投げては回収、
投げては回収、
というパフォーマンスが衝撃的だったのです。
パンクなバンドが客席にダイブするのは知っている(見たことはない)けど、ちゃぶ台を回収しにステージから降りて歌いながら歩き回るシンガーを見るのはもちろん初めてで、しかもその間ボクらお客さんは正座しているんです。『星一徹』だから。
で、10月23日(平日です)、渋谷で対バンライブがありまして、
仕事の合間を縫って行ってきました。
この日はお菓子を入れたバスケット片手に客席の奥までずんずん突き進み、これまた中毒曲『マリー・アントワネット』で
「お菓子を食べればいいじゃない!」
と叫びながらお菓子をばらまいてくれました。
その2週間後の11月5日(平日です)、アルバム『私を鬼ヶ島に連れてって』の発売記念インストアライブ!ふたたび仕事の合間を縫ってお友達と行ってきましたタワーレコード新宿店。
サインもろてきました。
握手しておしゃべりもしてきました。
お菓子とキヴィ団子はもらえませんでした。
SFCの人だって。頭いいんだな。
@tacrooow @pisaki たのしかったー!盛り上げてくれてありがとうございました!めげずにきてね!
— コムアイ KOM_I (@KOM_I) November 5, 2014
すっかり、どっぷり。
かわいくて、先が読めなくて、歌詞に固有名詞がばんばん出てきて、かつての井上陽水やらスチャダラパーやらで大きくなったアラサーおっさんの心を鷲づかみです。日本語で遊びまくってることが、なんというか羨ましい。
「お菓子を食べればいいじゃない!」
ぐうの音も出ない僕は
しっとりもちもちキヴィ団子に手を伸ばす。
「「お菓子を食べればいいじゃない!」ボクが水曜日のカンパネラにはまった理由」への1件のフィードバック
コメントは受け付けていません。