大琳派展 〜継承と変奏〜

東京国立博物館にて大琳派展を鑑賞。

病み上がり(風邪引き中)にはこたえる人混み。
20分待ちの行列は覚悟の上の最終日…曇り空。
人垣の奥に見る尾形光琳はそれでもなおまぶしい。

展覧会の最大の見どころである、
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一の
4つの「風神雷神図」を同時に鑑賞できる箇所は、
さすがに黒山の人だかり。
離れたところから全体を一望したかったけど、叶わず。

去年、京都に行ったときに建仁寺で観た
宗達のオリジナルが観られたのは収穫。
彼に一等賞をあげたい(凄みが違う)。

うれしい出会いもあった。
酒井抱一。他とは異なる渋みのある色、
大胆な構成に息を呑み、釘付けになる。

京都発のバッキバキな金色世界とは真逆の色合いと
ぺたんこの平面構成に、なぜか無限の空間を感じる。


草花の細密描写と大胆な川の流れにとぼけた緊張感があって、目に心地いい。
展覧会場を離れたくない、と思った。
 
 
それにしても、超満員のお客さんたちは
思い思いの感想をぺちゃくちゃ語り合い、
その話がいちいち面白い。

ご年配の方であれば博識を披露してくれるし、
女子高生風の4人組は鈴木其一の夏秋渓流図屏風を観て
「ディズニーランドのアトラクションの壁みたい!」
「わかるー、なんかペンキっぽいよね!」
と言っていた。なるほど、言われてみれば。

200年前の芸術の前に、色んな人たちがいる。
音声ガイドなんて必要ない、好きに観ればいい。


大昔の作品たちなのに、愛されてるなぁ。


投稿者: tacrow

伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年 武蔵野美術大学 造形学部映像学科卒業。デジタル系広告制作会社を経て、2017年〜広告会社にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職