アートディレクター・石岡瑛子氏のレクチャーに参加した。
午後4時~、六本木ヒルズ49階。満員御礼。
石岡瑛子
グラフィックデザイナー、アートディレクターとして資生堂、パルコ、角川書店などの広告キャンペーンを成功に導き、1970年代にセンセーションを巻き起こす。1980年代に入ってN.Yに活動の拠点を移し、映画、演劇、オペラから展覧会、ミュージックビデオ、サーカス、そしてオリンピックまで、幅広いプロジェクトの創り手として国際的に活躍。アカデミー賞、グラミー賞、ニューヨーク批評家協会賞、カンヌ国際映画祭芸術貢献賞など、国際的な賞を多数受賞。1992年、ニューヨーク・アートディレクターズクラブ名誉殊勲賞により殿堂入り。2002年、紫褒褒章受賞。作品集に「EIKO BY EIKO」「EIKO ON STAGE」。
(略歴より抜粋)
第一部:映画『MISHIMA』鑑賞
第二部:レクチャー(進行・小池一子)
かつて、大学でもこれほどパワフルで刺激的な講義を受けたことはないと言っても過言ではないと思う。素晴らしかった。
Timeless,
Originality,
Revolutionaly
普遍的、
独創的、
革新的であるために心がけること。
自分ひとりの力と数百人の能力を掛け合わせること。
女はダメだと言わせない、
日本人はダメだと言わせない、
年寄りはダメだと言わせない。
そう心に掲げてデビューから今まで走ってこられたという。闘争の歴史。
ご本人から語られたエピソードは一冊の本にまとめられている。
極めて個人的な情熱に端を発するアーティスティックな仕事でありながら、広告や映画といったショービジネスを「デザイン」する。
そんな石岡さんのお仕事の中で僕が最も惹きつけられたのが、ソルトレイク冬季オリンピックのコスチュームデザイン。
スピードスケート用の、肌に密着したレーシングウェア。
石岡さんはこれを
「1,000分の1秒を争う人が着るものだから、当然、機能性も重視されるけれど、闘争心を着るという側面もあるに違いないと考えました。だからガッツポーズをした瞬間が最も美しく見えるデザインにしたんです」
と説明してくれた。
このスーツを着たカトリオーナ選手は金メダルを取り、『TIME』の表紙を飾った。
そこには、深紅のスーツに身を包み拳を突き上げるアスリートの姿があった。
完璧なデザインというものがあるかどうか僕には分からないけど、完璧を見た思いだった。