コマーシャル博覧会 vol.01

ACC(全日本シーエム放送連盟)の創立50周年記念イベント、

ACC創立50周年記念 『コマーシャル博覧会』
~CMの過去・現在・未来~

に参加してきました。

目玉は、日本のCM草創期からの数々の名作CMを見ながらその歴史を紐解く特別講演。講師は僕の大学の恩師でありCMプランナーという職種を築いてきたといっても過言ではないクリエイティブディレクター・小田桐昭さん。

 

odagiri

 

まず、小田桐さんのカンヌ広告祭でグランプリを獲られたCMをご紹介。

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=kZhrkocKTGM&fs=1&hl=ja_JP&rel=0]

30年前に放送されていたものですが、今でも通じる高いクオリティ。未だに、奥さんと「どうやって撮ったんだろうね?」なんて話し合います(奥さんも受講生でした)。

他には

https://youtu.be/9-ZOrTRKokc

第二のハネムーン、「フルムーン」。
当時のインパクトは相当だったと推察されます。あの巨乳は(巨乳という言葉もない時代でしたが)、先生曰く「狙い」だったそうです。

 

小田桐先生の講義を聴くのは5年ぶり。いくつか、会場でメモした内容(小田桐さんのお話)をカギカッコで、それに対して思ったことをその下に書いていきます。

 

小田桐さん:
「小田桐といいます。50年に近いクリエイター人生は、CMの50年と共に歩んできました」

日本のTVCMはCMソングから始まりました。三木鶏郎の時代‥‥」

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=Xuan2_L5G8c&fs=1&hl=ja_JP&rel=0]

 

大人のユーモアと洒落。寿屋宣伝部を彩った人たち。それは、商品を売るというよりも、ウイスキー文化を売るクリエイティブでした」

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=BbSk1s7hH50&fs=1&hl=ja_JP&rel=0]

 

「ウイスキー文化を売る」という言葉に、先日読み終えたばかりの佐藤達郎さん(博報堂DYメディアパートナーズ クリエイティブディレクター)の著書『教えて!カンヌ国際広告祭』に書かれていた「BRAND WILLという考え方」を思い出しました。

 

こういった「カテゴリーの価値に対するブランドの意志=WILLの表明」を中心とした広告コミュニケーションを、「BRAND WILL(ブランド・ウィル)中心型広告コミュニケーション」と名づけたいと思う。ブランドは商品と言い換えてもいい。また、WILLとは意志であり志であり志向性だともいえる。

(『教えて!カンヌ国際広告祭』P178より)

 

商品自体が新しいカテゴリーを開拓し、受け手に新しい生活を与えていた高度成長期の日本のTVCMと、商品メリットが細分化され受け手の目が肥えた現代でもなお評価されるカンヌの受賞CMたち。このふたつのコマーシャルが持つ表現、アプローチに「文化=意志=WILL」を売るという共通項があるんじゃないか?と思ったのです。図らずも。

 

「トリスは人気のキャラクター。柳原良平さんデザイン。アニメーションといえばディズニーのフルアニメーション全盛でしたが、リミテッドアニメーションと音楽が大人の洒落をうまく表現していた。音楽は、いずみたくさんなど、三木鶏郎門下生たち」

アンクルトリスは2010年の現在も生き生きと動いています。

http://youtu.be/kqN23ycyme4

トリスもだいぶかわいくなりましたね。

 

‥‥と、ここまで書いてきて、またしても長文になったので3回に分けることに。続きはこちら

Really ?!

Really: New Windows Phone 7 Official Ad

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=EHlN21ebeak&fs=1&hl=ja_JP&rel=0]

んー、まぁ、僕もこんな感じですね、実際(iPhoneだけど)。

我が家では「Really?!」じゃなくて「Stop!」と言われます。

 

ここまで来るとさすがにヤバイですね(今でもヤバイかも)。

ヴァージン

『007 / ゴールデンアイ』のオープニング。
この演歌調の歌唱と女性の艶めかしいシルエットが毎回楽しみで、本編は見てないけどオープニングだけは知っている作品もいくつかあるほどです。

 

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=brJ_MRpmHQ8&fs=1&hl=ja_JP&rel=0]

 

007のオープニングにはいくつかお約束があって、なぜかピストルからは炎がスローリーに飛び出してきます(きっと射精のメタファーなんだろうなと中学生ながらに思っていましたが今でもそう思います)。女性の腰のくびれはなぜか砂漠の丘になっていて小さい男(ジェームズ・ボンド)が用心しながら歩いたり、なぜか最後はセクシーな女性がカクテルの中に浸かってこちらを見つめていたりします。

そんな007にオマージュを捧げるような、ヴァージンアトランティック航空のCMがこちら。

 

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=Hbib-A6NpW8&fs=1&hl=ja_JP&rel=0]

いいなぁ。本系に劣らないクオリティ。

 

ヴァージンアトランティック航空のCMは1年前にも紹介しましたが、共通するのは「赤い大人の色香」と「世界観の緻密な描写クオリティ」。子どもの頃に見たら「大人になったらヴァージンに乗ってモテたい!」とか強烈に思うかもしれません(バカだから)。別の意味でANAの「夢見るヒコーキ」も、子どもの頃に見たら飛行機に乗る大人に憧れるだろうなぁ。あ、昔のJR東海の牧瀬里穂らが出ていた『シンデレラ・エクスプレス』も同じかもしれない。でっかい乗り物には、いくつになっても夢を見させてほしいです。

Future Communica ! Vol.04

Vol.01からVol.03まで2010年のカンヌ受賞作を振り返ってきた、「Future Communica !」。“銀河ライター”主宰の河尻亨一(@kawajiring)さんと、コミュニケーション・デザイナー 岸勇希(@yukixcom)さんの対談です。

最後となるVol.04は、

「岸さんの仕事から辿る、コミュニケーション・デザインとは」

“Future Communica ! Vol.04” の続きを読む

Future Communica ! Vol.01

『広告批評』の元編集長であり、“銀河ライター”を主宰する河尻亨一(@kawajiring)さんと、コミュニケーション・デザイナーの岸勇希(@yukixcom)さん。おふたりの対談に出席しました。テーマはカンヌ広告祭。

 

Future Communica ! -cannes lions 2010を超えて-
2010年9月8日 19時~22時 at 3331 Arts Chiyoda

 

岸さんの著書、『コミュニケーションをデザインするための本』はちょうど読み終えたばかりだったので、コミュニケーション・デザイナーが語るカンヌ広告祭というよりも、著書やTwitterでの発言から受けるキレモノな印象の岸さんがカンヌをどう斬るか?に注目して臨んだセミナー。結果は、その期待を大きく上回るものでした。

 

  1. 広告業界の現状と、2010年にカンヌが示した潮流

  2. カンヌ広告祭の事例と、審査員・岸さんの見たコト

  3. 岸さんの仕事から辿る、コミュニケーション・デザインとは

 

お話は、振り返ってみたらこの三部構成で進められていました。

 

広告業界の現状と、2010年にカンヌが示した潮流

岸さん:
「広告業界への不満が多い。カンヌも、まっとうな評価を下しているか?賞というものはこだわったり狙ったりするものではない。広告は作品でもアートでもなく、クライアントの期待に応えるためのもの。広告祭のサロン的、仲良しグループ的な機能も必要ない」

河尻さん:
「吠えてるなぁ(笑)。岸さんてヤンキーですよね?で、そういう人がインタラクティブの世界には必要なんだと思う。オタクのものだったインターネットがマスに届くものに踏み出すには、ヤンキーのパワーが必要なんですよ」

岸さん:
「業界はたしかに変わってきていて、競合相手が広告代理店から秋元康さんや小山薫堂さんになってきている。つまりコミュニケーションそのものが求められる風潮にある。それは、本当に世の中を動かしたものを評価しようという、今年のカンヌが目指してきた新しい動きとも合致する」

河尻さん:
「では、具体的なカンヌの事例を見ていきましょうか」

 

つづきます。

これも「広告」。

精算機の前で見つけた、メトロの小さな親切。

 

 

使う人のお困りごとを
さりげなく解決するプラスα。
(最近、追加されたそうです)

きゅんとしました。
つまり、これも「広告」だと思うのです。

つまり、こういうこと。

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=aNFNY7kREjY&fs=1&hl=ja_JP&rel=0]

Twitterで教えてもらいました。
チリで放送されている、3DテレビのCMだそうです。

 

迫力の!とか、臨場感!とかを
派手にうたっていないですが、
分かりやすいですね。

「ことばに出会う」

『島森路子インタビュー集 2 ことばに出会う』

「広告批評」30年の歴史の中で、島森路子が行なった200余編のインタビューの中から、消えてしまうにはあまりに惜しい24編を選び、上下2冊に集成しました。各界のトップランナーが自在に語る、ぜいたくな「ことばの饗宴」です。

村上春樹   物語はいつも自発的でなければならない

鶴見俊輔   自分を根底から支えるもの

池澤夏樹   反戦の楯としての広告

是枝裕和    「九条」を手がかりに日記を描いた

深澤直人   日常感覚の中にデザインの必然がある

佐藤雅彦   本当に面白いことは何か

浦沢直樹   現実がマンガを追いかけてくる

とんねるず  おれらはニッポンのブルースブラザーズだ

爆笑問題   十年間ケンカしっぱなしです

ラーメンズ  面白いことは向こうにある

横尾忠則   福を呼んでこそ広告だ(展覧会にて)

Amazon

5年とか10年とか前のインタビュー集ですが、今読んでも面白いです。
いや、この混沌とした今だからこそますます面白いともいえます。

で、この本について、書いてみる。

“「ことばに出会う」” の続きを読む

書く、消す、出す。を丁寧に。

ふと思い出して、こんなことをTwitterにつぶやいてみました。

 

コピーライター養成講座に通っていた時、消しゴムや修正ペンを使わずに文字の上から間違い部分を乱暴に塗りつぶして提出する受講生が意外と多かった。ビックリした。自分が講師だったら注意して0点にするなぁ。

 

すると、恩師(@baccano21)から反応がありました。

 

即アウトにしてた。「伝える」ってことをわかってない人に何言っても意味ないから。

 

ひとりでも多くの心を奪いにいくのだから、下手くそな字でも、ゆっくり丁寧に書く人が好きです、僕は。

 

ですよね。

たぶん、ぐじゃぐじゃっと塗りつぶして提出している人たちは、ぎりぎりまで試行錯誤して、よりよいものを出そうとした。だけど、これが履歴書だったら?テストの解答用紙だったら?

紙切れの向こうにはターゲットがいて、履歴書やテストの答案以上に読んでくれるかどうかもわからない。

それが広告なのに、講座だから必ず読んでもらえると思い込んでいる。そこには「自分はお金を払っている客だ」という甘えさえ潜んでいるんじゃないか。

 

伝える側に立ちたいなら、丁寧に書く、消す、出す。

まずはここからじゃないかと思います。

これなら僕にもできる。

アイデア名刺2

タミヤの名刺!?

日本の模型メーカー、タミヤで働いていたとしたら、最高にクールな名刺を持つことができたようだ。

最初はプラスチック製のステンシル・カットのように見えるが、よく見ると小さなプラモデル・キットだということがわかる。周りのフレームから文字を取り外して組み立てると、フォーミュラ・ワンの車になったり、戦艦になったり、戦闘機になったりするのだ。

 

WIRED NEWSより。

アイデア名刺

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=zMR_HCN21jk&rel=0&color1=0xb1b1b1&color2=0xd0d0d0&hl=ja_JP&feature=player_embedded&fs=1]

海外の、宅配企業の名刺だそうです。
素敵!