カンヌ勉強会 2014 – フィルム系


2014年も6月に入り関東は梅雨に突入‥‥と同時に広告業界ではCannes Lionsの季節の到来でもあります。

今年は6月15日〜21日に開催。
今年は6月15日〜21日に開催。

今年も銀河ライター 河尻亨一さん(編集者)とキラメキ 石井義樹さん(CMプロデューサー)によるチョイスで「今年のカンヌ」を予想するプレ勉強会が開かれました。キラメキのオフィスでワインあけながら4、5人でやってた頃がちょっと懐かしい、100人規模の大きなイベント(しかも場所は京橋の東京スクエアガーデン)になっててびっくり。

 

以下にまとめてみましたが、「10 over 9」原口さんのNAVERまとめも分かりやすい&内容はほぼ一緒なので、そちらもオススメです。僕は僕で感想や他の事例も折り込みつつ書いてみます。

NAVERまとめ:前編(フィルム、フィルムクラフト部門への予想)
NAVERまとめ:後編(ダイレクト、PR、プロモ、デザイン、サイバー、モバイル、アウトドア、チタニウムなどへの予想)

 

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予想しにくい
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One Show、Newyork Festivalがあったものの、今年はCLIOが秋に移動しちゃったので予想しにくい。また、昨年が60周年ということもあり総じてレベルが高かったので今年は揺り戻しで低いかも。今年突然出した作品がダークホース的に受賞しちゃうかもしれない。

 

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クルマのコマーシャルが面白い
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▼ Volvo Trucks – The Epic Split feat. Van Damme (Live Test 6)

One Showグランプリ

石井:今年のグランプリ候補はこれなのかなー。他に強いCMがあまりないから。「最後にオチと意味がわかる」という、昔からのカンヌの(広告の)文法。圧倒的なクオリティ。英語がわからなくても、ボルボのトラックのスタビリティが優れていることを言ってるんだなーというのは伝わってくる。いわゆるLIVE TEST(実証広告)。

じつは6つあるシリーズのひとつで、これのティザーがまたイイ。

ヴァンダムのうろたえっぷりがカワイイ。
河尻:メイキングじゃなくてティザーなんですね。

 

▼ Volvo truck dynamic steering

これもOne Show獲ってる。

河尻:オチはバレるものだから最初から伝える。
実験、テスト的な作品。やってみた系、エクストリーム系
それをいかに広告ぽく見せないか。エンタメですらある。

【COMMENT】
そういえば昔、Googleも「SPEED TEST」(※)で湧かせましたが、実証広告ってバカバカしく極限に挑戦するというだけで笑えるし、男子小学生っぽいノリにその企業を好きになってしまいそうになる。Volvoはエンヤの品も無駄にあって、ディレクターの料理が素晴らしい。無駄に掛ける美学、の贅沢さ。

※Google – SPEED TESTS

 

▼ Honda – Illusions

石井:初っぱなでネタのからくりが分かっても騙されっぷりが気持ちいいからシェアされていく。シェアされることを意識して作っている。ロンドンのCMプロダクションgourgiosのクリス・パルマー監督(カンヌ常連)による仕事。近年多い流れとして、トップクラスの監督やカメラマンと制作費を使って、YouTubeでバズることを意図している。

たとえばthe mill(※)という世界有数のプロダクションが、どこまでが実写かを分からせないくらいのクオリティで映像をつくってYouTubeで爆発的にシェアされる時代。

【COMMENT】
the millがつくったCMで最近話題になったモノといえば、NIKEの「Winner Stays」。

お金かかってますね。贅沢さにアッパレ。

 

▼ Honda – Hands

石井:明らかにカンヌを取ろうと思ってる感がありますけどね(笑)。
ホンダの名作「The Cog」(※)からの流れを汲んだ「ナット1個からはじまるモノづくり精神」を手のひらで見せていくというシンプルさ。これまでの海外の作品が詰まってる、オマージュみたいな作品。

【COMMENT】
※The Cog(2003年)

古さを一切感じさせない。

 

▼ フォルクスワーゲン – Wings

スーパーボウルのCM。

 

▼ Chrysler and Bob Dylan Super Bowl Commercial

一昨年のクリント・イーストウッド(※)からのシリーズ。
今回はボブ・ディラン。アメリカの車づくりは最高であるというメッセージ。

※It’s halftime in America(実際、スーパーボールのハーフタイムに放送された)

 

▼ Video Bob Dylan
http://video.bobdylan.com/
撮影した物をTVみたいにザッピングでき、like a rolling stoneのように見られる。

 

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感動!
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▼ Apple Holiday

石井:個人的に好きなのはコレ。
One Show獲ってますね。感動系。カンヌでも何か獲るんじゃないかなと思ってる。
監督はランス・アコード。

ランス・アコードといえば‥‥これも。

 

▼ P&G Thank You, Mom

ソチ・オリンピックのP&Gの広告。
ロンドンオリンピックの続編。当時もゴールドを獲得。家庭用品をずっと作っているブランドとしてストレートなメッセージ。

ランス・アコードは元々カメラマンで、『マルコヴィッチの穴』や『ロスト・イン・トランスレーション』の撮影監督。VWの『the Force』(2011年)で監督として名前が売れた。長尺の編集が上手い。

 

▼ Google We’re All Storytellers

検索が可能性を拓くというGoogleならではのCM。

 

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笑い!
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▼ Old Spice シリーズ

良いにおいになった息子がモテるからナイスじゃない、けどつけたらモテるという話。
グランプリじゃなくてシルバーあたりを獲りそう。

 

▼ Budweiser Super Bowl XLVIII Commercial — “Puppy Love”

河尻:子犬と馬の話がアメリカ人は好きなんでしょうね。
カンヌって笑いのCMの殿堂みたいなとこがあった。今は違うけど。

 

▼ 2014 Super Bowl XLVIII Ad “Ian Up For Whatever”

パーフェクトなことばっかり起きるビールが「BUD LIGHT」というメッセージ。素人を使ったドッキリ企画だが、賛否両論あった。

 

冒頭でも言われていましたが、総じて今年は小粒な印象だそうです。それは昨年がカンヌ創立60周年記念で気合いの入ったCMが多く見られた分の揺り戻しか?という話も出ていましたが、フタを開けてみなければ分かりません。というわけで、明日は河尻さんパートの「ダイレクト、PR、プロモ、デザイン、サイバー、モバイル、アウトドア、チタニウムなどへの予想」をまとめてみます。明日につづく。


tacrow
伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年:武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業。 同年:博報堂アイ・スタジオにてプランナー/コピーライター職。 2012年〜:株式会社BIRDMANにてインタラクティブプランナー/ディレクター職。 2017年〜:株式会社某広告代理店にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職。 広告と映画と写真とあーりんをこよなく愛する37歳