スラムダンクが一億冊を突破。
漫画『スラムダンク』単行本が一億冊を突破し、
十日の新聞(朝日・毎日・読売・産経・東京・日経)に
大々的な広告が載った。新聞を取っていない僕が
そんな時事ネタを知るはずもなく、久々に会った彼女から
話を聞いて初めて知った。
僕の彼女は週刊誌に全部目を通す人で、
マンガのことなら何でも知ってるよ的な人。
で、作者・井上雄彦のHPに載っているという、
新聞広告のダイジェスト版を見せてくれた。
彼女は「新聞買い占めとくんだった!」と後悔していた。
そういえば先日も、漫画喫茶に行って
「お薦めのマンガない?」とメールしたら、間髪入れず
「スラダン」と返ってきた。デスノートを読んだけど。
その井上先生のHPに行くと、スラダンについての
思い入れを書き込んで人から人へパスしようっていう
コンテンツがあって、『バガボンド』を読んでいる彼女の
傍らで、ぼくは読んだこともないスラムダンクの感想を
デタラメに書いて送信した。
「忘れない、彼等の熱い勇姿を」
すると、バスケの試合をしている花道(このくらいは知ってる)らが
画面上でぎこちない動きを見せ、しばらくして客席が現れた。
そこに、メガネをかけた青年が。
…僕である。
青年にマウスのポインタを乗せると、出た。
「忘れない、彼等の熱い勇姿を」。すかさず彼女に見せると、
かなり本気で罵倒された。
読んだこともないのに適当なこと書くな!
それより子供の頃ジャンプ読まずに育ったなんて非国民め!
スラムダンクも知らずによくいじめられなかったな全く!
とな。
他の観客にもマウスを当てる。
「安西先生最高ですっ!」「11番、僕も付けてます」
「僕にバスケを教えてくれた作品」「リョータLOVE」…etc.
井上雄彦のマンガなら、『リアル』は持ってるんだけど。
「安西先生って誰?11番ってどういう意味?リョータって?」
そう聞いて以来、彼女の目に侮蔑の念が
垣間見えるようになったのは、錯覚ではないと思う。