緋色の研究

今日は今年初の病院です。血を採って参ります。
採血が上手いナースに当たりますように!

生まれてこの方、いったい何本の針を刺してきたんでしょう。
右腕には注射のコブがあります。硬いっす。

でも採血って、これだけでかなりのことが分かるそうで、
「お肉の食べ過ぎですねー」とか、「階段登るとき息切れしない?」とか、
その時その時の状態をズバリと当ててくれます。さすがDr。

初めて今の病院で検査してもらったとき、
ぼくのデータを見た先生とナースは口を揃えて言いました。

「気力で立ってるんですか?」「車イス用意します」
「いきなりですが緊急入院してね帰っちゃダメだよ」

ドラマのようだな!と半ば興奮しながらベンチで待っていると、
今度は「ベッドが空いてない」と告げられました。

「絶対帰るな」と言われた10分後に「ベッド無い」て!!!
ナースは続けました。

「1泊30万のお部屋ならご用意できますが…」

ものすごく申し訳なさそうに言うな!医療はもっと人を選べよ。

 

結局、最初の1週間だけ比較的安めの個室(でも1泊3万!)に入ることが出来ました。
その後の大部屋では、毎夜隣のカーテンから容赦なく襲いかかるイビキ地獄で不眠症に。
しかも2週間の入浴禁止令。

あの当時は日韓ワールドカップだけが楽しみでした。
それすらも遠くの国のことみたく眺めていましたが。

病室の空気は独特の世界だと思います。
見舞いでは分からない真夜中。

2ヶ月もいたので多くの患者の入れ替わりを見る羽目になりました。
企業戦士と呼ばれる人たちは、“初夜”を迎えると、ベッドの上ですすり泣きます。
ショーシャンクでも網走でもないんだよここは。と言ってあげたくなります。

そんな風に男の弱さを見せつけられますが、
翌日からイビキ野郎に変貌するので同情の余地無し。

今でこそ自分がイビキをかくほどにまで元気になりましたが、
検査だけはさぼっちゃいけませんね…。緊張。

メンテナンスフリーでありますように!

 

そして昼。
行ってきました港区某医科大学病院。取ってきましたB型血液。

・・・検査結果はシロ!
「健康そのものですね、このまま様子見で。薬も1錠に減らしましょう」

じゃあここ数日の抜けない疲れは?腕のしびれは?みぞおちの鈍い痛みは??

ただの疲労だったようで。気が抜けました。
自分は幽霊だと思っていたのに「足あるよ」って言われたみたいな。

親に電話で報告したら、
「いかりや長介サンはあんたがいた病院で亡くなったんだって」と
教えてくれました。合掌。次いってみよー。


投稿者: tacrow

伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年 武蔵野美術大学 造形学部映像学科卒業。デジタル系広告制作会社を経て、2017年〜広告会社にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職