先週、『レッドクリフ』を観たと
電話で弟に話したら、
「なんでトウキョウソナタを観ない?」
と言われたのを思い出して、新宿の映画館へ。
隣の席に座ったお客さんが、なんと
大学時代のゼミ仲間だった。3〜4年ぶり?
長井くんの落ち着いたトーン、懐かしすぎます。
昨日からの偶然力、引き続き。
香川照之演じる父と、次男坊との
口論のシーンに、自分の父と弟を重ねてみた。
うちの父はあそこまでダメじゃないけど、
おかしな時期があったのは確かで、弟は
凝りもせずに反論(反抗ではない)して
よく叩かれていた。
家族なんて不協和音そのものだろう。
よく続いてると不思議に思う。奇跡に近い。
映画の中の家族も、壊れそうで、でもまた
「ただいま」と扉を開ける。そこに修復の
努力や葛藤、絆のようなほとばしるものはない。
それぞれが勝手に家を出て、勝手に生きて、
勝手に戻ってくる。
だけれども無関心というわけでもなく、
互いの存在や「痛み」は認識している。
うまく言えないけれど、愛おしい映画だと思った。
ときどき垣間見える黒沢作品のユーモアが、今回は
いつになく「救い」として機能している気がした。
弟に感謝。