聞き耳

いま、家の近くの、深夜もやっているカフェで
ノートPCを開いて残業中です。
ここをデフォルトの仕事場にできたらどんなに幸せか。

適度に雑音がある方が集中できるタチで、
浪人時代は学科の勉強にモスバーガーへ
通い詰めだったのを思い出します。
オニオンリング食べながらマンガ読んでたけど。

 

それにしても、今夜の左隣にいるお客は声がでかい。

40代とおぼしき、頭皮の寂しい感じではあるけれど
金髪に染めた物静かな男性と、20代前半か?本日の
主役です!みたいによく声の通る目の大きな女性。
よく言えば小西真奈美に似ている。とくに声が。

その女性のしゃべる内容が尋常じゃない。

 

「あの子自殺しかけたの!でもってね‥‥」
「今日の演技、イマイチじゃない?あ、でも‥‥」
「泣いてる役者いたよね?そのくらいで泣く!?(笑)でね‥‥」
「ほんっとバカだよねー、あれじゃお客さんも‥‥」

 

女優さんなんだろうか。
美人ではあるけれど(小西真奈美風の)。

すごい巻き舌&大声で気になるワードを連発するのだが、
うん?うん?と聞き耳立てたくなるような「見出し」だけ
大きな声で発して、その後の声が急に小さくなる。うぅ。

応対する男性の淡々とした風情に、大人力を見る。
彼もうるさかったらここが魚民になるところだ。

しっかし、話の全貌がまったく見えん。
これは‥‥仕事に集中できないぞ。


投稿者: tacrow

伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年 武蔵野美術大学 造形学部映像学科卒業。デジタル系広告制作会社を経て、2017年〜広告会社にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職