エアコンのホンシツ

リビングの隣、寝室にあるエアコンをつけると、
ちょうどリビングで作業をするからだの右半分が
涼しくなります。

からだを境に、左右で気温が違う。
こんなこと、科学以外になし得ないんだなぁ
と思ってみたり。

 

「自分の部屋の温度を自分で決められるんですよ!」

某番組で、オードリーの若林が売れて初めて
自宅に導入したというエアコンについて
「熱く」語っていたのがとても印象的でした。

 

「太陽が沈んでも真昼のように明るく過ごせるんですよ!」
「川に行ったり井戸を掘ったりしなくても水が出るんですよ!」
「道さえあれば、座ったままでどこへでも行けるんですよ!」
「文字や画像、映像までが世界中の人に瞬時に送れるんですよ!」

こんな驚きを持ちながら生活している人なんて、
今の日本には99.99%いないでしょう。

 

「Thousand songs in your pocket」

初代iPod nano(4GB)のコピーです。
1,000曲があなたのポケットへ。

コピーは、スペックを語ってもシズらない。ソソらない。
驚きのある商品なら、その吃驚を最短距離で表す「言い換え」を探す。
この場合なら、「4GB→1,000曲」と「サイズ→ポケット」。

 

「自分の部屋の温度を自分で決められるんですよ!」

これを今そのまま語る家電メーカーはさすがにいないけれど、
改めて、驚きの目でモノゴトを見ることが出来るかどうかが、
クリエイティブの筋力の差に大きく関わってきそうな気がする。

今はじめて世に出たと仮定して、
エアコンをどうコピーに落とそうか。


投稿者: tacrow

伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年 武蔵野美術大学 造形学部映像学科卒業。デジタル系広告制作会社を経て、2017年〜広告会社にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職