もう至るところで引用(服用?)されている、
宝島社のお正月新聞広告。
とても読み応えアリでした。
昨年、宣伝会議で講義を受け、
その前に一度だけお仕事をご一緒させていただいた、
前田知巳さんのコピーです。
ボディコピーを一部引用させていただきます。
あけましておめでとうございます。しかしながら、「いや、たいしておめでたくなんかないよ」と思われている読者の方も少なくないんじゃないでしょうか。
政治家や専門家は、よく「景気の二番底が来る」と言います。それをまた、メディアがこぞって取りあげる。「この先に行くと底が抜ける」。そう言われれば、人間、前へ進む気も萎えるというものです。
二番底が来る、という言葉は、どこか「外に出ると事故にあうよ」というのに似ている気がします。そう言われたら誰も否定できない。否定できないから、みんな内にこもってじっとする。じっとしてカラダも動かさないから、どんどん元気や精気がなくなっていく。まさしく今の日本はそうではないでしょうか。
そう、今この国が不景気だとしたら、いちばんの原因は、「この国は不景気だ」「この国の将来はダメだ」と必要以上に言い過ぎることだと思う。そうやって出てきた言葉を、悪い意味で現実が追っかけて行く。それこそ心理不況というものです。
(中略)
そして、メディアには問題点を問題点として暴くという権利と責任がある、ということを自覚したうえで、宝島社はあえて言いたい。こういうご時世だからこそ、暗い雰囲気を吹っ飛ばして、人々の気持ちをポジティブにするような「元気になるメディア」としての役割が、メディアには必要なんじゃないか。
景気の二番底が来る、みたいなことばかり並べたところで、なにも生まれることはない。ダメだダメだと言われるより、「できる。」と言われて子どもが育つように、国民も国も、良い部分を指摘され、ほめられてこそ成長していけるのだと思うのです。
日本はうまくいく。と思うことから、日本はうまくいく。
2010年 正月 宝島社
言葉遣いがざっくばらんで、すっと入ってくる。
略した部分では、鳩山さんへの注文もあったり。
もちろん、レトリックに学ぶ部分も大きいけれど、
お正月にどんと新聞で発信されたメッセージそのものに、
勇気づけられる。
いろいろモンダイはあるよ、
でも。
そういうところから、2010年は始めましょうよ。
という気分になれました。