龍馬伝

大河ドラマ『龍馬伝』、一週遅れでやっと見られました。
すごいよNHK。画がいわゆる時代劇の嘘くささのかけらもない。

糸井重里さんの感想を一部引用させてもらいます。

 

2回観ただけで、いろいろなことを思いましたが、
やっぱり「ヨゴシ」の質量がハンパじゃないです。
血と汗というやつは、じつはなかなか見せにくいもので、
過剰に見せつけるような演出をしたら、
観ている人がばかばかしくなってしまいます。
しかし、『龍馬伝』は、ホコリと、泥と、訛りです。
このドラマの画面を見ていると、
ずっと泥んこ遊びをしているかのような気分になります。
どろどろのぐっちゃんぐっちゃんです。
ばんばん舞い立つホコリに咳き込んでしまいそうです。
早口の土佐訛りは、聞き取れないところもあります。
でも、それが、アニメっぽさをかき消してくれるんです。

ほぼ日刊イトイ新聞より)

 

はい、その通りのことを僕も思いました。
床も服も髪の毛も、砂ぼこりにまみれている!
その中で龍馬や弥太郎や武市さんが動いている。

実際には、コーンスターチ(トウモロコシの粉末)を
頭から被って、扇風機でまき散らしているらしいです。
目も開けられないような状況で二枚目俳優が泥まみれに
なって殴られている姿は、もう俳優じゃなくて龍馬にしか
見えませんでした。いまDVDで『新選組!』も平行して
観ているので、江口洋介と福山雅治の龍馬がごっちゃに
なりがちですが。

 

もうひとつ、ドラマ演出家・大根仁さんのブログも一部引用。

 

美術班のセット・オープンセットの素晴らしさに惹かれっぱなしだった。所謂【汚し】という、舞台に生活感・リアリズムを加味させるテクニックがまあ凄い!!
土佐篇がこんなにすごいことになってるんだから江戸や京都の町並みは本当にテレビドラマ・映画問わず時代劇史上最高の美術ワークが観られるかもしれないなあ。

大根仁のページより)

 

美術がすごいからドラマもすごいってことになるの?
と言われれば、僕はテレビの人間じゃないので分かりませんが、
いやきっとすごいでしょう。見れば分かる、みたいな気迫が
画面からびんびん伝わってくるんです。痛快です。

一年間も楽しみなものを見つけられた!
これは嬉しいことです。


投稿者: tacrow

伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年 武蔵野美術大学 造形学部映像学科卒業。デジタル系広告制作会社を経て、2017年〜広告会社にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職