講評


ムサビ映像学科・写真ゼミのモノクロ写真課題。
その全体講評が月曜の朝から行われた。

四月に発表された課題の内容は
「家族の肖像、または自写像」を撮るというものだった。
組み写真で20枚。モノクロ。バライタ紙プリント。
フィルム指定:コダックT-MAX400(iso200で撮影)
最初に言われたのは、「実家住まいの人は家族を、一人暮らしは自分を撮ること」。
もう、そこでおかしいと思うんだけど、話を続ける。

講評は、だいたい教授の「これはいいね」
「これは分からない」のふたことで選別される。
「君のお母さんとの確執が見えるよ」「おじいちゃんとの会話が聞こえる」
といった、写真の話と言うよりは、家庭の話に終始しがち。私写真推奨。

 

「なぜ20枚か」
「なぜT-MAXか」
「なぜ自分を撮るのか」

そういうアプローチがごっそり無いまま、終わってしまった。
ただ、言われた通りにこなすだけ。
自らアプローチする余裕も持たされることなく。
…でも僕らは、貴方のコピーになるつもりはない。

この授業に意味があったとすれば、
自己も他者も含めて、好みで写真を構成しないこと。
別の先生に指摘され、そのことに気付けたことだろう。
分かっていたつもりでも、大事な眼を見失っていた。

あとのことは忘れました。
やっつけ仕事に反省。


投稿者: tacrow

伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年 武蔵野美術大学 造形学部映像学科卒業。デジタル系広告制作会社を経て、2017年〜広告会社にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職