久しぶり神戸の友達から手紙が来た。
彼女は高校時代の同級生で、今は神戸の
芸術工科大学で建築の院生をやっている。
手紙を読んでみると、先日まで1ヶ月ほど入院していたらしい。
特に心配するほどのことも無いよと
書かれてあったが、1ヶ月もの長期入院はフツーじゃない。
自分も経験したことがあるだけに、なんとなく想像はつく。
朝から晩まで、僕は点滴の毎日だった。
思い出してみると、彼女と同じく
僕も大学病院に入院していたので、
大学病院の特異な生活を楽しんでいたように思う。
まずは回診。教授の周りに、多い時で8人ほどの学生が付いて回っていた。
大学生ということは同い年か年下か。そんな人らにじろじろと眺められた。
しかも肝臓の一部を採取する時、「ハイ、肝臓に針を刺す時、
一番痛いのはどの部分でしょーか?」などとクイズを出す教授がいて、
寝ながら殴ってやろうかと思ったものだ(答えはろっ骨)。
看護婦さんも大学出の新人さんだと、
「あたし伊藤さんと同い年なんですよっ」なんてこともあった。
「え?じゃあ1980年生まれ?マジですかー」みたいな。
そのコに髪を洗ってもらった。
で、病棟も充実していて、神戸の彼女の手紙にも
書いてあったけど、僕の病院も、TVはシャープのアクオス。
13インチだけど、これでワールドカップを見て盛り上がった。
普通の病院にも1ヶ月ほど入院したことがあるが、
違いは何と言っても、もてなしの態度だろう。
大学病院はサービスが徹底している。居心地がいい。
後半は点滴が500mLを8本とかで尋常じゃなかったし、
副作用で鬱になって熱が引かなくなって鼻血がひっきりなしに
出て大変だったが、それでも病院食は美味しいし、清潔で、
ナースさんも美人揃いだった(…サービス?)。
ベテランのおばちゃん看護士のスポットでさえ、市原悦子ではなく藤原紀香だった。
彼女の手紙に、こんな下りがあった。
「入院生活って、ある山を越えると(治りかけると)、
社会的に正当な言い訳の出来る引きこもりだと私は思います(私の場合ね)。」
彼女はそう考えて、早めの退院を決意したそうだ。
居心地の良さが怖くなる、それがいかにも彼女らしいと思う。
(そのくらい、大学病院は配慮が行き届いている)
それにしても、未だに手紙のやり取りが
続いている友人がいるというのは貴重。
なにかターニングポイントがあった時に筆を
執りたくなる相手がいるのって、嬉しいことだ。
返事、書きます。
遊びに来ていたいとこが、今日の午前中に新幹線で実家に帰った。
また来るという約束をして帰った。
こっちも今年中に帰郷するからねと告げた。
うなずいて、手を振ってくれました。