さて、前回からかなり間を置いての
「CREATIVE KITCHEN」まとめVol.02。
世界の広告はいま。今年のカンヌ100連発!
岸 勇希氏(電通) × 木村 健太郎氏(博報堂ケトル)
× 嶋 浩一郎氏(博報堂ケトル) × 樋口 景一氏(電通)
・手元のメモ帳だけを頼りに記述します。
・口調などは僕の記憶から成るフィクションです。
・再現をやめて、個人的に刺さった部分だけを抽出します。
嶋さん:
「今年のカンヌでPR部門の審査員をしました。カンヌはたくさんの部門ごとにメディア産業、PR産業、広告産業同士のバトルがある。メディアライオンならメディア産業、PRライオンならPR産業界での」
樋口さん:
「メディア部門の審査をしました。そんな中でも今年は各部門ごとの“色”が出た。そしてどれだけたくさんのことを大きく変えたか?が審査される」
木村さん:
「インテグレート、テクノロジー、あとやっぱりSNSが絡んでくることはもはや当然で、標準。(木村さんは2007年プロモ部門審査員)」
岸さん:
「僕は2010年にサイバー部門で審査員をしたけど、ごめんなさい、カンヌというか広告賞にはあまり興味がない(※)。カンヌで受賞した事例から学ぶことは大いに意味があると思うけれど、カンヌというもの自体はどうでもいいというか、大事なのは心を動かされたひとつ事例を愛し、徹底的に分析すること」
「レコメンドライオンという部門を作りたい。東京スカイツリーってすごいプロダクトだと思うし、24時間テレビなんて、あんなチャリティー番組世界中探してもない。日本には(世界には)『すげぇ!』と世界が感嘆するものがゴロゴロ転がっている。AKB48なんてすごいコミュニケーションデザイン」
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以前、同じく河尻さん主宰のFuture Communica !でも疑問を投げかけていらっしゃったのを思い出しました。鑑賞者ではなく同じプレーヤーとして徹底的にデコンストラクション。
木村さん:
「カンヌはフィルム、ラジオ、プレス、アウトドア、デザイン、サイバー、PR、チタニウム、アウトドア、プロモ、インテグレート、ダイレクト、メディア‥‥今やこれほど沢山の部門がある。その中でも革新的なアイデアに贈られるチタニウム部門を中心に見ていけば面白さがある」
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近年のカンヌの作品と評価の変遷を辿りながら、その年々の作品をピックアップ(端折りながら書きます)。
LYNX JET(2006年メディア・ライオン グランプリ)
http://youtu.be/hky7wN2QGko
木村さん:
「インテグレートキャンペーンの先駆け。リアル風フェイク。この年は日本ではナイキコスプレが誕生した年でもある」
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2006年といえば僕が新卒でWebプランナーになった初年度。ブロガーをどう巻き込むかが課題だった
木村さん:
「2008年はデジタルテクノロジーが(カンヌで)開花した年。UNIQLOCKがチタニウムとサイバーでグランプリを獲り、アメリカのケーブルテレビ局HBOのVOYEURも高評価を得た年でしたね」
HBO VOYEUR(2008年アウトドア部門 グランプリ)
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HBOが放送する各ドラマでの悲喜こもごもを「のぞき見する(VOYEUR)」アウトドアコンテンツ。サイトも好きでした。アウトドアで見たかったなぁ
木村さん:
「2010年。TwelpforceというBESTBUY(アメリカの量販店)でのTwitterを使ったキャンペーンが話題をさらった」
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この事例についても岸さんのコメントがすべてを物語ってると思います。
木村さん:
「続いてゲータレードのREPLAY」
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15年前の高校のアメフトの因縁の勝負を、大人になった当時のメンバーたちが再び集まり「ゲータレードを飲みながら」対決への道を進むドキュメンタリー。テレビ番組にまで成長したビッグキャンペーン
木村さん:
「普遍的欲求への回帰。リアルなストーリーがコンテンツ化された。リアルと言えばハイネケンのAuditoriumも」
Heineken Italia – auditorium(2010年 PR部門、アウトドア部門)
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サッカーフリークの男性陣が彼女や奥さんに無理矢理「クラシックの夕べ」に誘われ、ACミランの試合が見られない!と思ったら‥‥。ハイネケンが仕掛ける壮大なドッキリ企画
???:
「コンテンツ化するために、お客様のお時間をいただきます!という覚悟と工夫をもって作っている」
「プロモーションとコンテンツの違い。コンテンツはお客さんが見たいと思って動かしていくもの」
「ハイネケンの素晴らしさはスポンサードの価値を高めたこと。タイム広告だけではないメディアの使い方、テレビの取り込み方を提示している。つまり、別の業界と繋がってメディア価値を高めた」
そして2011年。
岸さん:
「僕が好きなのはTONTINEっていう枕メーカーの事例。枕に賞味期限をつけたアイデアがすごい!枕には無数の雑菌が潜んでいるのにいつまでも使い続けるのですか?と語りかけ、枕の鮮度という気づきで恐怖訴求から解決までを描き、売上げ30%アップさせた。広告をつくるのではなくソリューションをつくって市場のルールを変えた。」
TONTINE(夜には夜の、朝には朝のCMを打った)
木村さん:
「カンヌはもともと“作品”が多かった。ワークしなくてもアイデアの品評会として成り立ってる面があった。それが今年はアイデアもすごいがリザルト(結果)がある、課題の解決があるものへの評価が多かった。健全化し、真のインターナショナルになった。いわゆるアワード用CMもまだまだあるけれど、それよりも世の中に本当に必要なものや欲されるものが賞を獲った」
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人の意識を変え
価値を変え
行動を変えるそういうクリエイティブを評価する。と。
今日はここまで。気が向いたときにつづきを書きます。