珍しく朝の8時半に
一番乗りで教室に入りました。
けど、いくら待っても誰も来る気配がない。
おっかしいなーと思って研究室へ。
あの、今日ってもしかして休講ですか?
「うん、そだよ」
がっくし。
頑張って徹夜を乗り切って来たのに…。
このまま帰るのも癪だし、4年生のカノジョに紛れて
なんとなく卒業制作展の場所取り会議に参加しました。
他学科の人と説明を受け、
作品の場所の確保も無事終えて、外のベンチで休憩。
カップのコーヒーからは湯気が立ち上り、
冬季限定のコアラのマーチはほどよい甘さで。
午前中の校庭は木漏れ日と落ち葉がいい感じに揺れていました。
と、ベンチの手すりに不安定に置いたカップへ伸ばした
彼女の手が、勢い余って ばしゃーん。
茶色の液体が僕のスニーカーをビショビショに濡らしました。
広がる湯気。漂う香り。固まる二人。
被害者:「もう!うっわー、絶対こんな
斜めのとこに置いたらこぼすと思ってたよ俺は!」
加害者:「お、すごい、予知!」
もう何も返す言葉もなくて、肩から力が抜けました。