OK GOが出る新CMを見てモヤモヤした


まずはこちらをご覧ください。

OK GOの新しいMV?と思ったら、中国のRed Starという家具店のコマーシャルだそうです。

 

だまし絵のアプローチで思い出されるコマーシャルといえば、これ。

 

 

ロンドンのCMプロダクションgourgiosのクリス・パルマー監督が2013年に作った、HONDAのコマーシャルです。翌年、カンヌのフィルム・クラフト部門でゴールド受賞。画面全体に漂う品の良さが好きです。

 

日本のLEXUSがまんまパクった?という疑いが持たれた記憶も新しい。

ラストのロゴが出る演出もHONDAと一緒。なのにHONDAほど見て得した気分が残らない。
ラストのロゴが出る演出もHONDAと一緒。なのにHONDAほど見て得した気分が残らない。

 

映像に見るトリックアートの面白みって、「そうなってたのか!」というトリッキーな楽しみはもうだいたい終わっていて(ネタバレしてて)、あとはドミノ倒しのように「仕掛けを矢継ぎ早に出して最後までやりきった達成感」を味わうところまで来ているんですね、とっくに。

快感よりも達成感を味わう、というか。
何度も見られるYouTubeの功罪かもしれません。

で、HONDAのCMは好きだけど冒頭のOK GOのCM(やLEXUS)にはさほど感動しませんでした。うーん、なぜだろう?

考えてみると、手法に対して「どや!」と迫られている印象があるんです、個人的に。

大昔のMVになりますがJamiroquaiの『Virtual Insanity』にはそんなことは思いませんでした。今見ても、お見事。HONDAのCMはこの仲間ですね。これを出来杉君タイプと名付けます。

トリッキーな手法という意味で思い出されるサカナクションの『アルクアラウンド』はカメラワークのがんばり(精度の低さとも言えますがアナログな良さ!)がチャーミングで、達成感を追体験していました。OK GOの数多のMVたちも「仕組みの中で人間が体を張ってがんばる系」で、こういう映像をのび太タイプと仮定します。

・・・って考えると、Red Starは出来すぎてもないし汗をかいてる感じもない、スネ夫っぽい。

たぶん、ぱっと見でネタがわからない技をひとつでも仕込んでいたら、その印象はまったく違ったものになったと思います。それが何なのか、僕も思いつかないのですが。

 

手法で勝負する人たちには、見る側はどんどん欲しがるものだな。
いちCMとして素晴らしい仕事と思いながらも、OK GOなんだからもっと!という気持ちが植え付けられてしまったのでしょう。そう考えるとミシェル・ゴンドリーという人の偉大さに思いを馳せたくなります。

 

それにしても、ようやくOK GOのうち3人が識別できるようになってきました。

個人の感想です。

※おまけ

 

これはのび太くんタイプで好き!


tacrow
伊藤 拓郎 / Takuro ITO (April 12, 1980~) 2006年:武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業。 同年:博報堂アイ・スタジオにてプランナー/コピーライター職。 2012年〜:株式会社BIRDMANにてインタラクティブプランナー/ディレクター職。 2017年〜:株式会社某広告代理店にてデジタル・プランナー/コミュニケーション・プランナー職。 広告と映画と写真とあーりんをこよなく愛する37歳