長らく、細々とつづけていた(そして今年はまったく停滞していた)Blog活動をnoteに移行しました。
よろしくお願いいたします。
また会いましょう。
お元気で。
あるデジタル系プランナーの日記
長らく、細々とつづけていた(そして今年はまったく停滞していた)Blog活動をnoteに移行しました。
よろしくお願いいたします。
また会いましょう。
お元気で。
2011→2012またぎのジャニーズカウントダウンライブを古いHDDからひっぱり出して妻が見ていた。
三太郎になる前の剛力彩芽と井川遥が出ている某携帯キャリアのCMになんとも言えない気持ちになる。と同時に、三太郎に変わって精神的不安感が世界からひとつ消えていたことを今さらながらに知る。
嵐やキスマイ、若々しいHeySayJUMP、そしてまだメンバー全員が18歳未満でVTRでのパフォーマンスになるSexy Zoneたちがグループの垣根を越えてジャニーズの楽曲を歌い上げる様は毎年ほぼ同じ光景なのに圧巻。SMAPの名曲もカバーするあたりに時代を感じて寂しくなる。
そんな中、この日の目玉的な扱いを受けつつ少年隊の東くんとKinKiの光一くんがマッチさんの「アンダルシアに憧れて」を披露。
「この歌、もはやヒガシばかり歌っててマッチ以上にアンダルシアに憧れてるよね〜」などとテレビ画面と会話している妻が、まさかのマッチご本人登場に歓喜の声を上げる。
どうでもいいけど芸能界でワガママ放題にやってきた自由奔放さが苦手な僕は「結局おいしいところは自分でかっさらう、こういう人だよマッチは」と、どうでもいいのに東京ドームを年始から湧かせる大物アイドルに向かって悪態をついてしまった。おいしいところをかっさらう人種は広告業界に多い。つい重ねてしまった。
そんな小男の旦那に、妻は画面から目をそらすことなくたしなめる。
「仕方ないよ、日本に住んでいる限り地震とマッチはやってくるんだよ」
受け入れよう。
カメラを買いました。
久しぶりの一眼カメラ。
三が日を過ぎて新年の抱負もないし、そんなものは守れた試しがないのだけど、今年は間違いなく写真を撮る。カメラもレンズもカメラバッグまでもお気に入りを買って、ウキウキしてるんだ。遊び倒すんだ。 #α6500 pic.twitter.com/tFA0cNsnT1
— tacrow (@tacrooow) January 5, 2017
で、せっかくなので毎日撮ろうと、日々持ち歩いています。
撮った写真をアップするTumblrも開設しました。
まあ、このカメラを買う前に持っていたRX100などで撮った写真も混ざっていますが。
学生時代は映像学科の写真専攻で毎日撮っていた写真。
あの頃は若さに任せて瞬発力と関係性だけで撮っていたような気がします。
そういう写真も好きですが、学生だったからこそ撮れていたものだという自覚もある。今も同じようには撮れません。
あれから15年くらい経って、今はようやく自分自身で色温度や絞りやレンズを「決めて」撮影しています。何でもっと学生時代に習得してこなかったんだろう?と思いますが、若者はシャッターを切るだけでじゅうぶん面白い(と自分が思える)写真が撮れたのだから仕方ない。シャッターを押せば何かが写る、そのシンプルさに惹かれて始めたのだし。
写真は撮るもの好きですが、それ以上に観るのが好きです。
僭越ながら(まったくもって)、最近とくに気になる3名を紹介させていただきます。
母校の武蔵美でも教鞭をとられている坂口トモユキさんの「きょうのしゃしん」。
© Tomoyuki Sakaguchi 2014–2017 (きょうのしゃしんより)
いわゆるスナップ写真ですが、晴れでも曇りでも夜でも「坂口さんのライティング」があるかのような、嘘みたいな光。つくりこまれた世界ではないのにどうして。
一見ラフに撮っているみたいな屋外でも四角いフレームの中で構図がきっちり組まれているから、絵画のような「整った嘘っぽさ」になるのかな?黒沢清監督の映画みたいに見えるときもあるし、メロディと歌詞がびしっと噛み合う中島みゆきの歌のような。隅々にまで目がゆきとどいた丁寧さに狂気を感じてしまい、クセになります。
2人目。石田祐規さんです。
どんな被写体にもこの距離感になれるのかな。
だとしたら写真家はやはりスマホやInstagramがいくら普及しようが生業として存在し続けるな、と納得させられるパワー。この人自身に興味が湧いてしまう。湧かざるをえない。インタビューがまた面白い。
写真ってステージを持ち運びできる演劇だと僕は思っててカメラを向けると人は影響を受けて演技をはじめてしまう、それを僕は撮るんだけど友人や彼女は了承してくれて僕と付き合ってくれているんだろうなって思うんだよ、だから怒られた事はないしみんな覚悟ができているんだなって思うんだよね。僕はそういう危なさがすごく好きなんだよね、だから写真をやっていたいと思うんだよね。
大量の写真を浴びに、いつか個展に行ってみたいです。
最後は、2015年に『第40回木村伊兵衛写真賞』を受賞した写真家・石川竜一さん。
©Ryuichi Ishikawa (CINRAより)
と書こうかと思ったけど、昨年、石川竜一という稀代の写真家を知り、展覧会で衝撃を受け、写真集を買い、言葉を失いました。僕の中で2016年は「シン・ゴジラ」と「永い言い訳」と「石川竜一」に出会えて最高に良かった1年でした。
で、最後に紹介するのは石川竜一さんではちょっと重たいので、そうではなくて、いくしゅんさん。
©いくしゅん (若き写真家が見る歪んだ世界 vol.12いくしゅん | VICE JAPANより)
2015年に刊行された写真集『ですよねー』にも収録されているこの犬とのすれちがい、たまりません。絶対に言葉を交わしてる。
この人が撮る犬、猫、鹿、ネズミ、蛙、なんならキティちゃんまでもすげーおっさんぽい。逆に人間は動物っぽい。ミミズだってオケラだってアメンボだってみんなみんな生きているんだなと。友達申請していいんだなと思わせてくれる何かがあります。
日常に転がるユーモアを絶妙なタイミングで切り取った、と言えばそれまでですが、じゃあ素人さんが偶然撮った『VOW(バウ)』的な投稿写真と同様かといえば、そうでもなく。意図して「面白い」の琴線(というか筋繊維?)に反応するものだけを撮ろうとする執念深さが気持ちのいいリズムをつくり出します。同い年なんだよなー。同級生にいたら絶対友達になりたい。
最近、Instagramを見ていると、日常的に絵日記感覚や食リポとして使っている人と、ハイキートーンで美しい写真をひたすらにUPし続ける人とに二分されてきた感があります。そのどちらも否定するものではありませんが、ここで紹介させてもらった3名(いや4名か)は、どちらでもない写真を撮られる方。友達に紹介したい気持ちでまとめてみました。
自分の写真も不定期に更新していきます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
前回のBlog更新から1年が経ってしまった。
この1年、とにかくエンタメ方面で充実していた。
そのぶん、お金もものすごくつぎ込んでしまったわけですが。
ざっと振り返ってみます。
2015年12月、男性限定公演であることに女性団体が噛みついて話題になってしまった、ももいろクローバーZ『男祭り2015 in 太宰府』に参戦。
続いて12月24日、極寒の軽井沢スノーパークで開催された「ももいろクリスマス2015 ~Beautiful Survivors~」。
明けて2016年1月はSMAP解散報道やらベッキー&ゲスの極み乙女。の不倫報道に沸くのを横目に、ジャニーズ発の小説家・NEWSの加藤シゲアキくん原作、行定勲監督の『ピンクとグレー』で芸能界の闇と菅田将暉くんの怪演に憧れる。
2月から4月にかけては再びももクロ。
北海道から福岡まで全国5大ドームで繰り広げられたドームツアー『DOME TREK2016 AMARANTHUS/白金の夜明け』全9公演、全部参戦しました。
名古屋は手羽先と味噌カツ、北海道は味噌ラーメン、大阪たこ焼き串揚げ豚まん、福岡もつ煮、埼玉はとくに無し。どの旅も楽しかったなぁ。
しおりんのピアノ演奏に度肝を抜かれたことが強烈に印象的だったツアーでしたが、皆公演を重ねるごとに著しい成長を遂げ、最後の西武ドーム公演は集大成と呼ぶにふさわしい内容でした。
とくに感慨深かったのは地元民が多かった北海道。LIVEのセットリストが前半アルバム曲、後半いつもの定番曲ときれいに分かれていたのですが、サーカス団が出てくる絢爛豪華な前半が終わったところで後ろの席の初参戦さんが「いや〜!すごい!すごいですね!」と素直な感想を力いっぱい吐き出すと、連れてきたであろうモノノフのお友達が
「ふっふっふ‥‥、ここからですよ」。
次の瞬間、暗転して始まるオーバーチュア!会場中のモノノフによる“うりゃおい”の大合唱。「え〜!?まだあるんですかあああぁぁ?!」のけぞる初心者さん。絵に描いたようなリアクションは周囲を和ませました。
‥‥って、この調子で1年を振り返ってたら大長編になってしまう。
ちょうど仕事も大きな案件(※)が立て続けに公開された時期で、平日は深夜帰宅、土日はももクロ遠征と家庭を全く顧みない生活を続けていたところ、4月6日から6月20日までの2ヶ月少々、妻から一言も口を聞いてくれない日々を過ごすことに。
全面的に自分が悪い。仕事のせいにはできない。ましてやあーりんのせいでもない。ひたすら謝罪をさせていただき、こうして、まだ生きております。
6月下旬から落ち着いた日々を取り戻し、『レヴェナント』、『ズートピア』、『デッドプール』、『エクスマキナ』、『疑惑のチャンピオン』と、毎週末映画三昧。
妻に誘われて観た『セトウツミ』もよかった。
そして2016年夏の話題作『シン・ゴジラ』、『君の名は。』、をリピート鑑賞し、『怒り』、『永い言い訳』へと突き進んでいくわけですが、この4本の破壊力たるや。
『シン・ゴジラ』、『怒り』、『永い言い訳』についてはいずれ、個別に感想をポストしておきたい。
前後しますが8月13日、14日、日産スタジアムでの『ももいろクローバーZ 桃神祭2016』に参戦。
深く沈み込んで己を見つめ直したくなる傑作映画、色めき立ち喉を枯らすまで声援を投げつけるLIVE、いっぺんに振り返るのはちょっと無謀だったかもしれません。
Blogに記録しなくても日々は流れる。書くほどでもない日々が9割。残り1割は、誰かの胸打つ作品に出会ったとき。それはちょっと寂しい。もうすこし、丁寧に日々を見つめていきたい。
9月19日、母の誕生日でもありますが、ももクロのアイドル、あーりんこと佐々木彩夏さんの初のソロコンサートでした。
あーりんのやりたかったことを全てやりきった『AYAKA-NATION』。エンターテインメントを吸収することが自分を生かしてくれていると痛烈に感じたLIVEでした。
2016年はまだ残り2ヶ月少々あるけれど、「鑑賞」という点では充実した1年でした。仕事もやりきった。
走り抜けたタイミングで現れた宇多田ヒカル8年半ぶりのアルバム『Fantome』。
両手でも抱えきれない まばゆい風景の数々を ありがとう
(宇多田ヒカル「花束を君に」より)
\はち、はち、はち、はち、でこっぱちー!/
茶畑のシンデレラといえば?
\かなこぉ~~~↑↑/
というわけで8月8日。
あれからもう1週間が経ってしまった。
夏休みを取って向かった先は静岡県・エコパスタジアム。7月31日(金)と8月1日(土)の2日間に渡って繰り広げられる『ももいろクローバーZ 桃神祭2015』の開催地だ。
初日公演「御額様ご来臨」に3万5418人、2日目公演「遠州大騒儀」に4万7018人、両日でのべ8万2000人を超えるファンが集結したほか、「遠州大騒儀」公演の日に全国70劇場73スクリーンで行われたライブビューイングには1万4234人が来場した。
(ナタリーより)
1日目の公演は「御額様ご来臨(おでこさまごらいりん)」というサブタイトルが付いていたことからも分かる通り、静岡生まれの茶畑のシンデレラ・百田夏菜子をフィーチャーしたLIVE。炎天下、御額様のモニュメントに行列ができている。そんなスタジアム周辺は出店や数々の催しが開かれ、フェス会場と化していた。
静岡の宝❤️❤️❤️BU かなこっこぉ⤴️ 御額様BU❤️ #toujin2015 #御額様 pic.twitter.com/S0qUvjDqBt
— ももりこぶたZ (@momorikobuta517) August 1, 2015
胸にずしんと響く和太鼓が気持ちいい「ももクロ和楽器隊」の演奏と共に幕開けした『夢の浮き世に咲いてみな』で会場の熱気はのっけから最高潮。音楽監督・武部聡志率いる「ダウンタウンももクロバンド」や「サムライロックオーケストラ」の生演奏も迫力をブーストさせる。
初日の見所はなんといってもヒャダインVS川上アキラ電流爆破デスマッチ、かと思いきや、開始数分でヒャダインが川上マネをノックアウトし、終始解説席から「ぶっ殺してやりたい」とヒャダインを睨んでいたチーフディレクター・宮本純之介からの“まさかの”和解要請でがっちり握手。壮大な茶番はわりとあっさり終わった。
こうしてももクロ最大のタブー(by清野アナ)は、プロレス、というかとんねるずのコントみたいなノリでまるく収まり、そのままメンバーと合流したヒャダインは、5人とともに『行くぜっ!怪盗少女』を歌いながらメインステージへと戻ってゆく‥‥。
東スタンド1Fの前から2列目(裸のkwkmさんがにゅっと出てきた場所の目の前)から見ていた僕にとっては、このときの6人の、心の底から楽しそうに駆け抜けてゆく姿が最初のハイライトだった。落ちサビで涙に声が詰まるしおりん。ヒャダインは楽しさと照れと感激とがない交ぜになっているのがよく見える。八重歯を光らせて笑っている夏菜子の目も潤んでいる。
全員がうっすら涙を浮かべたあの笑顔は一人の人間に向けられた「おかえりなさい」の笑顔で、僕ら3万5,000人はあの瞬間、ただただ見守るだけだったのかもしれない。完全にあだち充の『みゆき』の最終回ばりにキラキラしていた。あだち先生ほどの画力はない僕はひたすら瞼に焼き付けるしかない。この広大な会場で表情が見えるというのは本当に幸運なことだと思った。
「ゲストの前山田健一さんでしたー!」あーりんの声がスタジアムに響く。それがいかに待ちわびた紹介だったかを、このときになって初めて気づかされる。茶番も感動も、それ自体を目撃することだけに必死になってしまうものだ。ヒャダインこと前山田健一という名前をメンバーがステージで発せられる状況に今日からまたなれたんだ。だったらやっぱり新曲も期待していいんですよね?と思いながら、奥へ消えてゆくヒャダインに手を振りつづけた。
直前のリハーサル中に左手を骨折し全治四ヶ月と診断された高城(れに)さんは「鋼の腕を手に入れて戻ってくる!」と宣言していたが、言葉どおり鋼鉄っぽいプロテクターで左腕を吊っての「4対1」のパフォーマンスとなった。しかし踊れないぶん、4人とは別になって僕ら客席によく来てくれる。あーりん推しの自分も、この日の『全力少女』はまさにれにちゃんのことだと思わずにはいられず、涙。
定番になった『ココ☆ナツ』での放水銃による観客への攻撃も、高城さんは一人だけ片手で威力の小さい放水だもんだから、トロッコに乗って、なんとスタンド席に沿うほど近くまで来てやってくれた(そこまで寄らないと水が届かない)。
おかげで目の前のれにちゃんから顔面に水を浴びせられるという、夢のような事件に遭遇することができたのだが、いつもなら歯茎を出してケタケタ笑いながらやる放水でさえも「さあ、この水で熱中症を納めなさい」と民を慈しむような優しい顔をたたえて廻っていた。泉の中からきれいなジャイアンが出せそうな神々しさ。正直、推し変の3文字が浮かんだ瞬間でもあった。
ラストは『灰とダイヤモンド』と『ひとつぶの笑顔で』。『灰ダイ』は作詞・只野菜摘、作曲・前山田健一である。この日を締めくくるにふさわしい曲。
間奏でちょうど自分たちの前に高城さんが立った。歌い出しの「霧が晴れた向こう側」までの3秒間、目が合った。信じられなくて思わずそらしそうになったが、客席から応援と感謝の念を送った(後日「れにちゃんは目を細めるから誰とでも目が合ってるように思っちゃうよねー」とモノノフの友人に一蹴されたけど認めない)。
ふだんの全力からはほど遠いパフォーマンスしかできない高城さん。
だからこそ、他のメンバーのフォーメーションとは違った動きで、今できる全力を示そうとしてくれる。それは西武ドームのファンクラブイベント直前に左足を骨折したあーりんが車いすで客席を巡ってくれたときと同じアプローチで、今まさに逆の立場になったあーりんは、終演の挨拶で感極まる。表舞台では涙を見せることを良しとしない佐々木プロが、この日はれにちゃんを思って存分に号泣した。
「れにちゃんとLIVE一緒にできて良かった」
唯一の、同じ不安を抱えたことのある人の素直な気持ちがあふれ出てくる。顔を覆っても涙は止まらない。そのひと言に高城さんの涙腺も崩壊。もしかしたら、国立競技場の聖火台で流した涙よりも熱い。こういうのにおじさんは弱い。客席から号泣。
さらに、音楽監督・武部さんからの「今回は、れにが頑張ったよな」でとどめの号泣。初日は泣いてばかりのLIVEだった。
2日目はアリーナ席C6、センターステージの真ん前だった。
カインドの飛田社長にヘアアレンジをしてもらったり、百田夏菜子のお父さん(御額様にソックリ!)と遭遇したり、スペシャルゲストの舘ひろしさんからレスをもったりと、レアな体験続きであっという間に終わった。2日目は『青春賦』がとくに良かった。
250メートルの外周ステージが敷かれた広大なスタジアムでも圧倒的歌唱力で場内を包み込む小さな巨人・有安杏果。
湿っぽい空気になっても軸足をブレさせずにカラッと仕上げの抜群のMC力でLIVEを牽引する玉井詩織。
腕の負傷という事実以上に満足にパフォーマンスできないことを申し訳なく思いながらも精一杯の思いを届けてくれた高城れに。
かつての自分を重ね合わせ、れにちゃんを思って涙した初日以上に元気よく振り切った『Link Link』を披露する佐々木彩夏。
そんなあーりんの歌い出しにどこからか舞い込んだ黒いアゲハチョウが目の前を行き過ぎ、思わず“うひょ顔”になる百田夏菜子。
5人が全員、こんなにも広いステージでさえも狭い箱でやっているかのごとく濃密な空間を作り上げていた。その体験が、今回の『桃神祭』でのいちばんの収穫だった。万感の思いで観た国立競技場大会とも、これまでのどのLIVEとも違う濃さがあった。なんというか、とても“近い”。とても“豊潤”。
物理的に近い良席を引き当てたこともあるのだろうけど、それよりも表現力の向上と言いたい。
やはり、映画と舞台の経験を経た5人は表現力が格段にパワーアップしていて、歌唱でもパフォーマンスでも、茶番の演技でさえもハッとさせられるほどの吸引力がある。東京に戻って2014年の『桃神祭』のBlu-rayを見直したが、1年で人はこれほども成長するのか?と改めて驚いた。
「紅白出場」や「国立競技場」などへの分かりやすい挑戦(大人たちが築いた壁)ではなく、地味だけどしっかり伝わる「実力の向上」を示してくれることはまた格別なものがある。
リーダー・百田さんの「私、言葉のボキャブラリーがほんっと少ないんですけど」と断りながらも「あんまりももクロって闘争心とか競争心とかはないんです。でもみんなの笑顔だけは絶対に譲れない」と語る姿に背筋が伸びる。毎回、この人の挨拶にはすべてを肯定する力があってすごい。リーダーの凱旋LIVEだったのに、今回は終始れにちゃんにスポットが当たりがちで(それは自然な流れだと思うが)、ふつうなら多少でも「今回の主役は私!」と言い放っても良さそうなものだが、確かに本当に闘争心も競争心もないから、どこまでも暖かい。
ただでさえ暑い炎天下に暖かいLIVEをたっぷり堪能させてもらい、すっかりのぼせ上がった。いつの間にか、静岡まで来て良かった‥‥と放心していた。
終演後は47,000人の民族大移動。愛野駅は大混雑で新幹線に乗れないかも?!そんな焦りも川上マネージャーの登場と采配で鎮まり、東海道を突っ切って帰宅。最後までチームももクロの連携を見た2015年の桃神祭だったのでした。
さあ 君も一緒に見に行こうよ
終わらない熱狂 始まる国へ
鳥と、魚と、風と、炎と、
そしていま 少女は扉を開けた(ももいろクローバーZ vs KISS『夢の浮き世に咲いてみな』より)
2日間にわたって絢爛豪華な夢を見させていただき、ありがとうございました。
1日目「御額様ご来臨」セットリスト
M00:overture
M01:夢の浮世に咲いてみな
M02:ツヨクツヨク
M03:ピンキージョーンズ
M04:ワニとシャンプー
MC 自己紹介
M05:Chai Maxx ZERO
M06:Chai Maxx
M07:Zの誓い
M08:ココ☆ナツ
M09:仮想ディストピア
茶摘み隊、お祭り隊登場
M10:ももいろ太鼓どどんが節
M11:全力少女
【kwkm vs ヒャダイン】
電流爆破デスマッチ 時間無制限一本勝負
実況:清野茂樹
解説:宮本純乃介
リングアナ:田中ケロ
M12:行くぜっ!怪盗少女 (キーボード:ヒャダイン)
M13:JUMP!!!!!
M14:LinkLink
本編終了アンコール
M15:渚のラララ (夏菜子ソロ)
清水ミチコ登場
「恋人はサンタクロース」の替え歌で『ももクリ2015』開催発表
12/23(水・祝)・24(木)・25(金) 3DAYS
群馬・軽井沢スノーパークで開催
M16:ニッポン笑顔百景
M17:灰とダイヤモンド
M18:一粒の笑顔で
ダウンタウンももクロバンド・ゲスト出演者 紹介
メンバー挨拶
(終演)
2日目「遠州大騒儀」セットリスト
M00:overture
M01:夢の浮世に咲いてみな
M02:全力少女
M03:Rock and Roll All Nite
M04:ワニとシャンプー
MC 自己紹介
M05:LinkLink
M06:サラバ、愛しき悲しみたちよ
M07:Zの誓い
M08:ココ☆ナツ
M09:Chai Maxx
茶摘み隊、お祭り隊登場
M10:ももいろ太鼓どどんが節
M11:泣いてもいいんだよ
ゲスト 舘ひろし登場『泣かないで』
M12:黒い週末
M13:ツヨクツヨク
M14:青春賦
本編終了アンコール
M15:ピンキージョーンズ
松崎しげる登場
2/17に3rd&4thアルバム同時発売発表
ドームツアー発表
M16:ニッポン笑顔百景
M17:キミノアト
M18:一粒の笑顔で
ダウンタウンももクロバンド・ゲスト出演者 紹介
メンバー挨拶
(桃神祭 終演)
毎年6月は「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」の季節。広告クリエイティブの未来を占う貴重な見本市として注目する時期ですが、海を越えてTwitterから届くのは「レッドカーペットでSEX」の写真。
Mad respect for this couple having blatant sex on the #CannesLions red carpet just now. pic.twitter.com/JVgVYIsC8z
— David Griner (@griner) June 23, 2015
ちなみにこの写真はアメリカの広告専門メディア「ADWEEK」のエディター、デヴィッド・グライナー氏がiPhoneで撮影したものらしい。
果たして今年のカンヌは何が起きていたのか?
個人的に気になったものをピックアップしてみます。
先進的な施策に与えられる「TITANIUM AND INTEGRATED部門」のGOLD受賞、『CONTRIBUTING COMPANIES』。
https://youtu.be/Wv5b4jwABiw
サメがビーチに来たことを教えてくれるデバイスです。
え、それだけ?それだけ。
でもひと言で書けるシンプルなアイデア。
提供しているのはOptusというオーストラリア第2の通信会社らしいです。
続いて「DIRECT部門」でGOLDを受賞したこちら。
「MARC DORCEL」という、ヨーロッパで人気のポルノビデオサイトが行った無料視聴サービスで、その名も『Hands off』。触るな!って意味ですね。
エロ動画を無料で見られる代わりに、指定のキーを押しっぱなしにしていないといけない。
つまり、「手を使えない」。使いたければ有料で、というわけです。
ケースフィルムを見る前にその秀逸なアイデアを聞いた僕は、真っ先に「手以外の方法でキーボードを押さえられたらアウトじゃん」と思っちゃいましたが、浅はかでした。
男どもの涙ぐましい努力の跡も、プロモーションの一環として見られているわけです。
中には足の指でキーを押さえる写真もありましたが、制作者はきっと足の指が届くか届かないかギリギリのキーを指定しているのだと思います。そこにドラマがあるから。そうに違いない。
最後に、「PROMO AND ACTIVATION部門」や「DESIGN部門」でGRAND PRIXを受賞したVOLVO UKの『Lifepaint』をご紹介。カンヌウォッチをしている方なら、どれももう何度も目にしてきたかと思いますが‥‥。
イギリスでは、毎年19,000件もの自転車を巻き込んだ交通事故があるそうです。多すぎ(と思ったら日本は毎年60万件の自転車事故があり、500人以上が死んでいるらしい)。
で、それを減少させるべく、VOLVOが「吹きつけると反射材になるスプレー」を開発したと。あまりに反響があり世界展開も考えていると。
いや、そんな商品は昔からあっただろう?という声もあるそうで、物議を醸したそうですが、広告じゃなくてプロダクトを開発してブランドイメージを高めているところがカンヌ的にGREATなのでしょう。たぶん。
自転車通勤をしている身として、ふつうに欲しいし、VOLVOが自動車のことじゃなくて自転車乗りのこと(ひいては交通社会のこと)を考えてくれていると思うと、ちょっと他とちがうイイ会社だなと思っちゃう。別に東急ハンズで同じ商品が売られていてもおかしくないけど、それだとメッセージにならない。VOLVOが出したことに意味があったのかもしれません。
これらの事例ひとつひとつを見て「上手いなー」とか「さすが」とか、過去事例で似たのがあるぞ!とか、思うことは多々あるものですが、個々の事例が大事ってわけでもないのかも。
今年はとくに、それぞれの事例から技術的な先進性を感じ取ることは難しい。過去の受賞作の応用みたいなものも多かった気がします。
けれど、
実際に人命がサメの脅威から守られたならば。
実際に動画サイトのアクセスが増えたならば。
実際に自転車と自動車の事故が減ったならば。
そんなGoodな話はない。
‥‥技術的な先進性よりもアイデアとフィージビリティを見ているのかな?
現地に行っていた、元Adobeの太田禎一さんのレポートを引用させてもらいます。
カンヌもエージェンシーも「広告屋がクリエイティビティを活用して広告っぽいことをやる」的なところからとっくに離れ、「いかに社会を良くするか」という新しいルールでゲームを始めているのだということです。
このような「ゲームルールの変更」には良い点と悪い点のどちらもあると思っていますが、少なくともAKQAやR/GAに代表される「先進的」なクリエイティブエージェンシーが自らを再構築しながらブランドと社会のために貢献できる組織に進化していこうと舵を切っているのは事実です。
そのなかにあっても当然クリエイティビティーとテクノロジーは欠かすことのできないものなのですが、そこに期待される役割が以前のような「すごい」「かっこいい」「心に残る」ではなく、「社会的問題の解決」「ビジネスとしての継続性とスケール性」「多くの人をどう動かして成果につなげるのか」といった方向にシフトしているという印象を受けました。
(カンヌライオンズに見えた「ゲームルール」の変更とは〜フリーエバンジェリスト 太田禎一氏 現地レポートより)
いわゆる「ソーシャルグッド」が語られだしたのは僕がカンヌに行った2011年頃からだと記憶していますが、それでも「すごい」「かっこいい」「心に残る」は決して劣勢ではなく、むしろいつもレッドカーペットの中心に座していました。
2011年「TITANIUM AND INTEGRATED部門」GRAND PRIX『DECODE』
https://vimeo.com/28741040
昨年の「TITANIUM AND INTEGRATED部門」GRAND PRIXを獲った『Sound of Honda/Ayrton Senna 1989』だって「すごい」「かっこいい」「心に残る」の最たるものだと思います。
https://youtu.be/_0ZTPCoQ4jI
こういった、存在自体が奇跡的で怪物的な仕事(言い換えれば、クラフトが優れた仕事)よりも、等身大な解決策で、かつ即効性のあるケーススタディの方に注目が向かっているのかな?
‥‥だとすれば、それも素晴らしいけど、「企業の外側にある問題を見つける競争」になるのは気持ち悪い。余計なお節介合戦になりそうな気もするから(過去の受賞作で「自殺の名所を“癒やしの場所”に置き換えることで自殺数を減少させた」というのがあったけど、その後、むしろ自殺の名所と認知されすぎて増加に転じた、なんてニュースを見た。今はググってもソースが出てこない。あれはガセだったのかなぁ)。
ブランドの内側に流れるヘリテージや商品の周辺にある欲望を丁寧かつ大胆に描いて引きつけることだって、まだまだできることが沢山あるんだろうな。そういう意味で『Hands off』はやられました。カンヌにお茶目があって安心した。
どっちにしても、そこにソーシャルという無視できないほどの影響力があって、どんな風に目にかけてもらえるか。
「思考は等身大、広げ方はでっかく」ということなのかな。
でも、「クラフト」への揺り戻しも絶対にあると思う。
後半、だいぶ散文的になりましたが、いっそう励みます!
WILL SEE YOU IN THE MORNING!
鮮烈な体験をBlogに残すことは、弔いに似ている。
『マッドマックス』の感想が書けたので、やっと他のことも書けます。
7月5日(日曜)、SUZUKIハスラーのオーナーさんが招待される、ももいろクローバーZのLIVEのために山梨県は富士急ハイランドに行ってきました。
LIVE前にアトラクションを乗りまくるつもりで、朝6時半に新宿駅に集合して特急で2時間。
4,000名の招待されたオーナーと、6,000人のチケットを買って来たモノノフが相まみえる‥‥と聞いていましたが、実際は大半がモノノフだったのかな。この日ばかりは園内のお客さんが異様にカラフルでした。モノノフではない推定4歳児よ、そんな奈良美智の画みたいな奇異な目でこっち見んな。
LIVEまでの待ち時間に絶叫マシーンのハシゴをしていたのですが、FUJIYAMAに並んでいたら、夏菜子としおりんと杏果がFUJIYAMAに乗り込んだ!という情報がちょうど僕らから見えない位置で舞い込み、場内騒然。目と鼻の先で絶好の機会を逃しはしましたが、ももクロも富士急ハイランドも楽しかったー。
ところで、なんですでに商品を買ったオーナーをわんさか集めてLIVEするんだろう?オーナーはももクロのLIVE目当てにクルマを買ったりはせんだろうに。これがSUZUKIハスラーのプロモーションになってるのかな?
と思ったりもしましたが、断然なってました。
時速172kmでスタートダッシュするアホみたいな絶叫マシーン・ドドンパに乗って「What a lovely day!!!」と叫んでいたら、眼下の駐車場に色とりどりのハスラーがずらーっと見えるではありませんか。
何百台もの実車がこの地を目指して走ってきたことを思うと、道中の対向車ドライバーは「なんだか同じクルマをよく見るけど、売れてんだなー、かわいいなー」と思うかもしれない。この宣伝効果はけっこうバカにできないかも。
そして僕ら非オーナーは遊園地からLIVE会場へ向かう途中の駐車場を抜ける間に「もし自分が買うなら何色がいい?」とか「なんで黄色がないんだろー?」とか会話してるのです。
てことは、招待されているオーナーのため、というのは表の目的で、裏の目的はその周辺にあるってことか。
時速172kmのスリルから一転、コースのてっぺんで壮大な罠にかかっている自分を客観視。次の瞬間にまた絶叫したのでした。
What a lovely day!!!
What a lovely day!!!
水森亜土が怖かった。ぷっぷくぷー。
公開から半月以上が過ぎ、それでもなお「観なきゃヤバい」との声が駆け巡る映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。観ました?え、観てない?じゃあ、田中泰延さんのエンタメ新党は読みました?読んだらこんなBlogなど閉じてさっさと映画館へ走ってください。
と書いてしまうと終わっちゃうので、エンジンを冷やしてレビューします。
3D IMAXもMX 4Dも「問題の火種はどうやら主人公のアイアンマンでは?」と話題の『アベンジャーズ』に取って代わられ、早くも夏映画に交代しかけている昨今。こんな大作が6月20日から公開されていたなんて、完全にノーマークでした。
勢い余って2回観ました。
全編を通してカーチェイス‥‥というかもはや鋼鉄チェイスの疾走感に度肝を抜かれますが、完成に至るまでは何度も頓挫しかけたようです。
2003年5月にアフリカのナミビアにあるナミブ砂漠にて撮影し、2005年頃に公開予定を目指していた。準備はすでに出来ていたが、しかしイラク戦争による世界情勢の不安により、映画で使われる多くの巨大な乗り物や撮影機材などを運ぶのに、アメリカや各国が出荷制限の強化などを行った為、撮影延長を余儀なくされた。
またオーストラリアドルの価格の上昇によるオーストラリア経済の不安定も増し、映画の製作費の調達が困難になっていた。その結果、撮影延長のみならず、映画制作が出来にくくなってしまった。
当初撮影を予定していたオーストラリアで大雨が降ってしまい砂漠に花がたくさん咲いてしまったんだのは大変だったな(笑)。これでは撮影に使えないということでロケをナミビアに移して8ヶ月間の撮影を敢行し、そのあとシドニーへ帰ってきてセットを作り、スタジオ撮影や追加撮影を行った。つまり撮影は足掛け1年半もかかったんだ。
(『マッドマックス』のイカれた改造車を創造した男に直撃!今回も撮影中に死者が出た? – ハードワーカーズより)
確かにお花畑では撮れないし、CGセットでもこの迫力は出なかったはず。執念の作品です。
どうしても「ノンストップカーアクション」で引きつけるタイプの映画であると思われがちな本作、それは一方から見れば間違いないのですが、他方、マックスは主役というよりは「物語に巻き込まれた通りすがりの男」。高倉健です。で、本当の主人公はスキンヘッドの女性戦士・フュリオサ。この人はナウシカです。『風の谷のナウシカ』をハリウッドが撮ったらこうなるんじゃないか。彼女の闘争の物語に泣いちゃいました。
シリーズの創始者でもあるジョージ・ミラー監督(御年70歳)はこう語っています。
『マッドマックス/怒りのデス・ロード』で私は、映画全体を一つの長いチェイスとして描こうと思ったわけだが、主人公たちがなぜ戦っているかといえば、それは「人間らしくあること」のためだ。モノとか財宝のために戦っているわけではない。本作にも「財宝」は出てくるが、それは人——〈ワイヴズ〉だ。荒廃した地で、唯一健康な女たちだからね。その〈ワイヴズ〉の存在があるからこそ、女戦士が出てくる必然性が生じる。男であってはいけない。だって、「男が別の男から女を奪おうとする」というのでは話の意味が全然違ってしまうからだ。女戦士が、(隷属状態にある)女たちの逃亡を手助けし、マックスはそれに巻き込まれる。
(TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフルより)
ここから少しネタバレです。
物語中盤、オートバイに乗る女性の一団「鉄馬の女たち」がマックスやフュリオサの仲間になります。その中にメリッサ(Keeper of the Seeds / 種を持つ者)というお婆さんがいるのですが、彼女がワイヴスの一人に植物の種を見せて
「どこに植えても芽は出なかった」
と嘆くシーンがあります。枯れ果てた大地で、それでもどこかに芽吹く土地があるのではないか?と思うと捨てられない。だから大事に鞄にしまってある。
まったく別のシーンで、移動中、次なる戦いに備えて銃の弾を込めるところでワイヴスの一人が言います。
「弾は種よ。命を奪う種。植えられたら、死ぬしかない」
それからしばらくして戦闘シーンになり、メリッサが渾身の力を込めて敵の目にライフルの銃弾をめり込ませます。植物の種が入ったかばんを胸に抱えたまま。彼女は結局、死の種を植えることしかできなかった。けれどそのことでフュリオサの命を守り、植物の種は若いワイヴスに受け継がれる。
別に映画の中でこの「種」が象徴的に描かれていることはないのですが、ひとつのセリフで意味が繋がることにいちいち感動してしまいます。
マックスの「輸血」という行為も、命を繋げるだけでなくフュリオサと交わるという意味で象徴的です。O型だから何型にも適合するし!O型すごいな!ヒャッハー!!
残念ながらIMAX上映は終わってしまいましたが、今からでも劇場で観るべき映画です。2010年代、『ダークナイト』、『インターステラー』、『ゴーン・ガール』‥‥歴史に残る大作・名作がコンスタントに出て、それらをスクリーンで享受できることがうれしい。
まさに、「What a lovely day!!!」。
ゴールデンウィークあたりから、ベランダで家庭菜園を始めた。苗で買ってきたキュウリとプチトマトとバジルを育て、朝顔を種から植えて毎日水やりをしている。
有機肥料を与えたばっかりにウジがわいて小バエが大量発生したり、キュウリの葉はすぐにうどんこ病にやられちゃうのでベニカX(殺虫殺菌剤)を噴霧したり、日々学びの連続。
ある休日の午後、妻の友達がやってきて我がベランダを見てくれた。
その人は家庭菜園の先輩で、けっこうな品種を育てた経験者だと言う。以前はソーシャルゲームの開発会社に勤めていた彼女いわく、
「植物育てるの楽しいですよねー。とくにこの時期は水をやったらそのぶん成長するし、世話をしたらすぐにレスポンスがあるから!もう、リアル ヘイ・デイですよね〜」
リアル、ヘイ・デイ。
それはもはや、いろいろ逆転しちゃってるけど、自分がはまっているのは農ゲーだったのか!と思ったらものすごく合点がいったのでした。
あぁ、確かにそうだわ‥‥。別にキュウリやプチトマトが食べたくて育ててるわけじゃないし、朝顔は食べられないし。でも何かを育てるのって楽しい。そのために支柱を買い足したりガーデニングの本を読みあさったり害虫駆除したり、やってることはゲームだわ。
だったら、全国のマンションでベランダ菜園をやってる僕みたいな人間を対象にしたリアル ヘイ・デイじゃなくてベランダガーデナー向けのSNSサービスって作り上げられないかな?
初心者って右も左もわからずに育ててるけど、諸先輩方のBlogを読んだりNHK『趣味の園芸』を見たりして勉強するんじゃなくて、インスタにハッシュタグつきで写真投稿するだけで育成状況や栽培日数なんかがグラフ化されて‥‥。あるいは体調管理すべき“カラダ”が自分以外にもうひとつ増えるわけだから、植物の健康状態をApple WATCHとシンクさせて‥‥。
いや、待てよ。
Apple WATCHって持ってないからよく分かってないかもしれないけど、首輪か何かでペットの静脈とシンクさせて、自分のペットの健康状態とか気持ちとかがどこでもわかるデバイスにできたら、いいんじゃない?自分の健康にはまったく興味ないけど、愛する者の健康状態は気になるんじゃないか。
要するに、リアルたまごっち、か。そっちの方が脈がありそうだな(ふたつの意味で)。
「苔玉って知ってます?苔をまんまるにしたやつで‥‥」
あ、左の棚に並べてるやつ?
「あっ、もうやってる!ズブズブですね〜」
そう、ズブズブなのです。
でも、ほんと発見が多くて楽しい。
ネイチャーアクアリウムにだけは手を出すまい、と思っている今日この頃。
はたしてBlog投稿がスムーズにできるのか?テスト投稿。
画像もふくめてテストです。
がしかし。
2行書いただけで「あぁ、これはダメかも」と思い始めている自分を無視することができません。
キーの打刻タッチはとても良い。キー配列と変換のタイミングは慣れだと思う。
だけど決定的に何かが違う。
Blogの投稿プレビューが頻繁にできないのです。
BlogツールのWordpressアプリがそういう仕様だからしょうがないのだけれど、
掲載される際のイメージがすぐ見えてこない。
↓
アウトプットの定着イメージが見えてこない。
↓
不安。
編集画面で書いていることがただ表示画面に変わるだけのことなんだけど、それだけのことの“確認の往復”がものすごく大事なプロセスだったんだ、と気づかされました。
人によってそれぞれだと思いますが、僕は、文章を書くことはデッサンにすごく似ていると思っていて。書いては離れて全体を見て、構図に狂いがないか?陰影は正しいか?質感は出ているか?見ていて気持ちがいいか?をチェックしまくりながら書きます。1回の投稿に20回は見直します。それができないApp版のWordpressは苦しい‥‥。
道具って何かを生み出すための文字通り「道具」でしかなくて、アウトプットさえ良ければどんな道具でもいいはず、弘法は筆を選ばず。なんだけど、自分の定めた手順やお気に入りの方法が使えないストレスは澱のように溜るのです。これならキー打刻タッチは最悪だけどPC画面で編集できるMacBookの方がいいなぁ。高いけど。
冬に風邪を引いてから未だに咳だけが残っている。
ゲホゲホ言い出したら止まらないんだけど、これが自宅や睡眠時は何ともなくて、休日の今日も一度も咳をしていない。どうやら会社にいるとき、しかも、クライアントとの電話対応のときに発症する!
「これ以上の仕様変更は…ゲホゲホ、スケジュールに…ゲホゲホ、影響…ゲホゲホしまゲホすのゲホゲホで、一度社内でゲホゲホ検討さゲせてホいたゲホきましてゲホゲホ折り返しご連絡ゲホゲホいたしまホ」
あー、これは心理的なものにいつの間にか置き換わってるな、と思って調べたら、ありました。
心因性咳嗽(しんいんせいがいそう)
ストレスや不安が原因で出る咳で、治療薬は抗不安剤だって?!それは不要だと思うけど、ほんと、電話で代理店の人やクライアントと話すときに咳が止まらなくなってつらい。
まるで言葉が喉を通る間に粉々に砕かれるような、そんな感覚。言わせまいと体が邪魔する。
10年ほど昔、両親が熟年離婚しかけたときに「自分はもう大人やし、どっちでもいいよ〜」と静観を決めこんでいたのに、背中に帯状疱疹ができて。母に電話で話したら「雅子さまと同じ病気になるなんて、高貴なお人やねー。あんたも意外と繊細ね」と笑われ離婚もなくなったんだけど、心的ストレスって思いのほか体に出るんだなとその時思ったのです。
今回の咳もそれかなぁ?とここまで書いてたら喉がヒリヒリしてきた。起こしちゃった?
まずはこちらをご覧ください。
OK GOの新しいMV?と思ったら、中国のRed Starという家具店のコマーシャルだそうです。
だまし絵のアプローチで思い出されるコマーシャルといえば、これ。
https://youtu.be/UelJZG_bF98
ロンドンのCMプロダクションgourgiosのクリス・パルマー監督が2013年に作った、HONDAのコマーシャルです。翌年、カンヌのフィルム・クラフト部門でゴールド受賞。画面全体に漂う品の良さが好きです。
日本のLEXUSがまんまパクった?という疑いが持たれた記憶も新しい。
映像に見るトリックアートの面白みって、「そうなってたのか!」というトリッキーな楽しみはもうだいたい終わっていて(ネタバレしてて)、あとはドミノ倒しのように「仕掛けを矢継ぎ早に出して最後までやりきった達成感」を味わうところまで来ているんですね、とっくに。
快感よりも達成感を味わう、というか。
何度も見られるYouTubeの功罪かもしれません。
で、HONDAのCMは好きだけど冒頭のOK GOのCM(やLEXUS)にはさほど感動しませんでした。うーん、なぜだろう?
考えてみると、手法に対して「どや!」と迫られている印象があるんです、個人的に。
大昔のMVになりますがJamiroquaiの『Virtual Insanity』にはそんなことは思いませんでした。今見ても、お見事。HONDAのCMはこの仲間ですね。これを出来杉君タイプと名付けます。
トリッキーな手法という意味で思い出されるサカナクションの『アルクアラウンド』はカメラワークのがんばり(精度の低さとも言えますがアナログな良さ!)がチャーミングで、達成感を追体験していました。OK GOの数多のMVたちも「仕組みの中で人間が体を張ってがんばる系」で、こういう映像をのび太タイプと仮定します。
・・・って考えると、Red Starは出来すぎてもないし汗をかいてる感じもない、スネ夫っぽい。
たぶん、ぱっと見でネタがわからない技をひとつでも仕込んでいたら、その印象はまったく違ったものになったと思います。それが何なのか、僕も思いつかないのですが。
手法で勝負する人たちには、見る側はどんどん欲しがるものだな。
いちCMとして素晴らしい仕事と思いながらも、OK GOなんだからもっと!という気持ちが植え付けられてしまったのでしょう。そう考えるとミシェル・ゴンドリーという人の偉大さに思いを馳せたくなります。
それにしても、ようやくOK GOのうち3人が識別できるようになってきました。
個人の感想です。
※おまけ
これはのび太くんタイプで好き!
2012年12月の『ほぼ日刊イトイ新聞』に載っていた「今日のダーリン」がとても印象的で、メモっていました。蔵出し。
昔、広告代理店の、「すっごく優秀」だと、
よく人に言われている営業マンに聞いたことがあります。
「いい営業って‥‥営業の極意ってあるんですか?」
そうしたら、その人は、迷わずに答えましたよ。
「とにかく、いることだと思います」
はぁ‥‥とにかくいる?
「誰でも、用事って、大事であろうがなかろうが、
そこにいる人に頼むものなんです。
いつでもそこにいるやつになれば、
やっぱり仕事を頼んでもらえるんですよね」
じぶんの能力のおかげじゃないというわけです。
誰でもできることをしているんだと、言ってます。
でも、これはうそや冗談じゃないと、つくづく思います。
「とにかく、そこにいる」
おもしろい相談が持ち上がっている場所に、いる。
困ったなぁとうんうん苦しんでいる場所にも、いる。
誰かと誰かが出会って、なにか起こりそうな場にいる。
孤独でさみしいような場面にも、そっといる。
いい考えが浮かんだ場所にも、聞いている立場でいる。
手が足りない場所には、もちろんいる。
いたら、なんでも頼みます。
頼んだことをやってくれたら、信頼が生まれます。
困った場面にいてくれたら、ありがたいと思われます。
そういうことを無数にくり返していると、
「いい仕事だから、あいつにやらせよう」となります。
それが、「営業の極意」なのだと、
言った営業マンのことを、ぼくは
すごいもんだなぁと思ったものでした。
「そんなに相手の都合に寄り添っていて、いいのか?」
と、思われるのかもしれませんが、
スポーツの選手が必死の練習をしているのと比べたら、
「とにかく、そこにいる」ということを、
本気で実行している人がいても、おかしくはありません。
これ、実際にやり続けるのは、簡単じゃないものです。
そして、やり続けては少しずつ期待に応えていたら、
いつのまにか、いろいろできるようになってますよね。今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
毎日届けていれば、いつか、あなたにも会えているものね。
逆のことがすぐ問題化されることくらいは、わかります。
「困ったときに、いない」
最悪ですね。
でも、その最悪を僕らは・・・・って一般化しちゃいけませんね。僕は、やりがちだったりすると思うんです。僕の場合は、不在だとすればももクロのライヴに出かけちゃってるときでしょうか。人生の優先事項がそうなっているので。だからこそ「困ったとき」が起きないように、その芽を摘んでおく努力を惜しみません。
自分の作業や人への指示は完璧に終えておくこと。
不在になる時間帯をあらかじめ予告しておくこと。
何か問題が起きたときの対処法を伝えておくこと。
どうしてもヤバいときには戻る覚悟を決めること。
糸井さんの話はそんな小粒な話じゃなくて「とにかく、いる」ことの非凡さと、その先にある大きな信頼感を書いてくれていて、不器用な自分にとっては勇気のわく話だったりします。
いたら、なんでも頼みます。
頼んだことをやってくれたら、信頼が生まれます。
困った場面にいてくれたら、ありがたいと思われます。
そういうことを無数にくり返していると、
「いい仕事だから、あいつにやらせよう」となります。
昔、自分やデザイナーさんが土日に出社しているときに、作業のないディレクターさんまで会社に出てきていることが不思議でした。
「○○さん、今日は用事ないですよね?」
「うん、いいのいいの」
その人は平日に自分の作業を終えているので、タクシー精算をしたり、本を読んだり、ネットサーフィンしたり。
ふとした時に、その人に声をかけていたことを忘れていました。
「○○さん、これってどうしたらいいと思います?」
もちろん、チームの仲間なのですぐ相談に乗ってくれます。
あれは、いてくれてたんだ。
そんなことを、転職してから自分もディレクターの立場になって知ることとなり、常に誰かが土日に作業の時は自分も出社するってわけじゃないけれど、「とにかく、そこにいる」を実行しよう!と決めて、現場にいるようにすることが増えたのは事実です。
『ハウス・オブ・カード』第一話。
主人公フランク(ケヴィン・スペイシー)はホワイトハウス入りを目指す下院議員。 大統領候補ウォーカー(ミシェル・ギル)を応援しており、彼が当選したあかつきには国務長官のポストをもらう約束をしていた。 しかし、大統領に当選したウォーカーはフランクを裏切り、フランクのホワイトハウス入りの夢は無残に散ってしまう。
耐えがたい屈辱を味わったフランクは、どんな手を使ってでも必ずホワイトハウスに入ってみせると心に誓う。 利用できるものはすべて利用するしたたかさと、邪魔者には容赦しない残酷さ、3歩先をいく聡明な頭脳を武器にフランクは這い上がっていく。
一方、フランクの妻クレア(ロビン・ライト)もNPO法人「クリーン・ウォーター」の代表を務めるキャリア・ウーマンであり、夫と同様、目的のためであれば手段を選ばない性格である。 各々の欲望が絡み合う熾烈な駆け引きの末に、最後に笑うのは誰なのか。
(Wikipediaより)
人生最大の裏切りに遭った日の深夜、たばこをふかし、冷静さを取り戻したフランクは大統領への復讐を誓う。「それでいい。付き合うわ」と優しく接する妻がコーヒーを手渡し、言う。
「スーツを用意したわ。紺色のよ」
それは大統領選でも着ていた勝負の色。
そこでケヴィン・スペイシーのこの一言。
「愛してる。私の生存に必要な女だ」
部屋から去ってゆくフランクが、妻(というよりは我々視聴者)に向けてさらりと告白する。完全なるパートナー。この「私の生存に必要な女だ」にシビれた。
僕にとっても奥さんはまさにそれで、この人に支えてもらわないと僕の生存は立ち行かなくなる。精神的に。この人を支えよう!じゃなくて、支えてもらわないと死ぬ!と思って結婚にこぎ着けたのが偽らざる事実。だからとってもリアルな台詞だった。自分の場合はだいぶダサいのが悲しい。
そして日々はドラマじゃないので、そんなクサい台詞は決して言わない。
では、僕にとってあーりんは何なんだろうか?
Twitterでフォローしているももクロ関連アカウントが、鬼才、デヴィッド・フィンチャー監督がメガホンを執るドラマの視聴中でもあーりんのBlog更新を教えてくれる。ちょうどこの台詞に感銘を受けていた頃に通知が来た。huluを一時停止。
そこにはこの顔である。
思わずにやける。
生存に必要?いや大半がピクセルでしかお目にかかれないし。けれどその画面からさえ伝わる圧に人生が潤う。好きすぎて苦しい。「それはそれ、これはこれ」とはなんて便利な言葉なんだろう。もはや親戚だったらいいのに。4月は福岡遠征だ。私の人生を圧迫する?いや、潤す人。
今朝の奥さんはプロレスラーのイベントの参加券をゲットしに神保町へ行き、帰宅して何本かの試合とHey! Say! JUMPのDVDを見て、山田さま主演の『暗殺教室』を観に出かけた。僕が彼女の生存に必要な男なのかは怖くて聞けない。
お留守番中に観る『ハウス・オブ・カード 野望の階段』、じわじわと、面白い。