studiousを思い出せ。

CANNES PANTSU 2011

 

去年のカンヌで撮った1枚。
角を曲がったところのアパルトマンでこれ見よがしに干されていた白いパンツ。
南仏の西日に照らされて輝くパンツライオン。

 

博報堂アイ・スタジオを辞めましたBlogを書いて、スタジオというフレーズが過去のエントリーを思い出させてくれました。

 

studious – 創造の磁場

熱中している時ってどういう時かというと、自分がない状態なんですよ。で、自分がないってことほど幸せなことはないんで。ぼく、その幸せな状態を「ステュディオス(studious)」っていう状態だと思うんです。

「ステュディオス」から派生した言葉の「スタディ(study)」は、単に「勉強」って直訳されますが、一般的に「勉強」って言葉ってすごく義務的な語感があると思います。そうじゃないんですよ、本来のstudiousは。夢中になって、のめりこむような状態。たぶんラテン語だと思うんですけど。

たとえば白金スタジオでもナントカスタジオでも、「スタジオ(studio)」ってのは、みんながあるものを撮影する‥‥あるものを作るときにみんな熱中して、みんなが集中して自分を忘れて作る場ですよね。(中略)生き生きしている状態が自分がない状態ってのは変なんですけどね。(中略)Crazyですね。

 

佐藤雅彦さん
(メディアクリエーター、東京芸術大学大学院映像研究科教授、慶應義塾大学環境情報学部特別招聘教授)のことば。

 

同僚によく話してました。「だから俺たちはもっと熱中しなきゃ」と。

CANNES LIONS 2011 REVIEW #03

しばらく間が空いてしまいましたが、
CANNES LIONS 2011 REVIEW #01
CANNES LIONS 2011 REVIEW #02のつづきです。

 

http://vimeo.com/28741040

 

字幕つけてみました。

革新的なキャンペーンに贈られる、チタニウム&インテグレーテッド部門。

今年はグランプリは「該当作なし」で、代わりにチタニウムLIONっつーことで3作品と、インテグレーテッド部門単体でのグランプリとして、上の『DECODE JAY-Z WITH BING』が選ばれました(アウトドア部門でもグランプリ)。

審査委員長いわく、「この部門でのグランプリとは、圧倒的な新規性が求められる。まさに革新的な」とのことで、まぁそう言われればBestBuyの TwelpForce ほどの新しさはなく、力技で押し切った感は否めません。それにしても桁違いのチカラなわけですが。

個人的に最も注目していたアワードだっただけに、グランプリ該当作なしとのアナウンスにはちょっとガッカリ。

でも『DECODE』は「時を同じくしてJAY-Zが自伝を出す」というタイミングと、「ターゲットである若者とJAY-Zとの親和性」というフィーリングがドンピシャで上手くいった点や、ターゲットの属性として、そこで得た体験を伝播することに長けた(ネタに飢えた)奴らを狙った、そういうアーリー層がキャンペーンを動かす主役としてど真ん中に存在するってことをしっかりと明らかにしてくれた点などは、見ていて気持ちのいいものがあります。ここまでデカデカとやられると。

 

シェアしたがっている人たちに、
シェアしたくなる壮大なネタを用意して、
シェアしたい気持ちを促すデザインの世界で、
シェアしやすいサービス自体を体験してもらう。

うーん、素敵!

 

あと、字幕をつけてみて分かったこととして、単純にムービーの出来が素晴らしい。論旨が明快で早い。ゆえに字幕も読みやすくするのに苦労しました(まだ読みづらい)。ふつうに“番組”として見応えがあり、ぼーっと見ていてもすごさが伝わってきます。しかし、これはエントリー用に作られたムービー。つまり僕らもエントリーすればこのクオリティのビデオと戦うことになるわけで。同業者として見れば焦ります。やばいわ。

 

話は変わって。

 

party6/1に伊藤直樹さん(フィルムクラフト部門審査員)、原野守弘さん、清水幹太さん、中村洋基さん(サイバー部門審査員)、川村真司さんの5人によって設立された新会社「PARTY(パーティー)」。

カンヌの審査員と受賞者で構成されている(!)クリエイティブラボ「PARTY」のパーティーが、彼らの滞在する海沿いのホテル屋上で開かれ、Twitterで告知されていたので、ひとりで行ってみました(伊藤直樹さんから「度胸あるね」と言われつつ)。

 

party02

ロンドンのプロダクション、Stinkとの合同で開かれたパーティーだったためか、初めは日本人同士で名刺交換したり談笑したりしていた会場は徐々に欧米カラーに。7割以上がハイテンションな外国人で溢れかえり、200人のキャパに800人くらいが押し寄せて入場規制まで張られるほどの盛況ぶりに。

僕はといえば、ビデオカメラを回しながら外人さんのダンスを撮ったり撮られたり、カメラ越しのコミュニケーションで場をしのぎつつ(汗)、河尻さんのUstream中継に参加したり、ここまでのカンヌ体験などについておしゃべりしたりと、もしかしたらこの滞在期間で最も濃密(河尻さんいわく「これぞカンヌ」)な体験をしました。

不景気になって日本主催のパーティーは激減したんだとか。でもこういう場で語り明かして問題意識を確認し合えることに、ここまで来る意義があるんじゃないかなと思ったり。

 

おまけ

カンヌのおもひで。
カンヌのおもひで。

 

REVIEW #04へつづく。

っぽいミニチュア

ミニチュアっぽいムービーが
これから増えそうな感じです。

これは、列車をチョイスしてるところがミソ。
色合いもビビッドで、機関車トーマスっぽい。

 

それにしても、キヤノンEOS 5D Mark2は
写真以上に映像界でもてはやされているなぁ。

http://vimeo.com/4946315
※フルスクリーンがお薦め。

デジタルハリネズミ

誕生日プレゼントに、
トイカメラチックなデジカメをもらいました。

 

 

デジタルハリネズミ
www.superheadz.com/digitalharinezumi/

これがけっこういい味出します。

アナログな風合いの絵であることはもちろん、撮影時、
どんな画風(カラーバランス)に転ぶのか、まったく読めない。
しかも液晶モニタは再生のときしか使えないので、
基本的に撮影時は真っ暗。ノーファインダー。

ようするに、「どんな写真になってるんだろう?」
というアナログカメラの緊張感を再現してるんです。
カメラフィルムを模したデザインもGood。

デジカメなのにアナログな絵。
デジカメなのにフィルムの形。
動画も撮れるけど、音は録音できず。

ふつうの用途にはめちゃくちゃ不便なんだけど、
いいです、これ。気に入りました。
いずれサイトにもUPしようと思います。

HD

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=vP4BJVmjZq4&hl=ja&fs=1&rel=0]

これはHDモードで、フルスクリーンにして見るのが正解です。

 

フランス人写真家が撮った東京の空、だそうです。
息をのむ光景が広がります。

 

HDカムが一般にも扱えるようになった3~4年前、
まさに

「定点で街を撮りっぱなしの写真のような動画」

を作って展示しよう!と計画していたことがありました。

当時は映し出すモニタをレンタルするにもお金がなく、
計画はあえなく頓挫したのですが、今やYouTubeでも
細密なクオリティを配信できることに隔世の感を覚えます。

(※このムービーはキヤノンのEOS 5DMk2で撮られたらしい)

 

動画を主とした映像学科にいながら写真(静止画)を
勉強していた身として、動画なのか静止画なのかが
あいまいな部分での遊びを追求していきたい、
というのが僕の当時のスタンスでした。

1,000分の1秒を撮るのが写真なら、
動画を1,000倍のスローで流したらどうだろう?
とか、そんなことばかり考えてました。
そのためには、ハイビジョンの高解像度が必須とも
考えていました。そうしないと絵として持たないから。

ただ、動画で額縁(モニタ)に飾ると、それだけで
見る人は「尺」を意識し、「物語」を期待してしまう。
「これ、いつになったら何かが始まるの?」という構えで
見ようとするのです。それは僕の意図とは違うので、
そうじゃないですよ、と言いたいところですが、言えない。
なので、床面に映して、装置として見せるなんてことも
やりました。懐かしいなぁ。って、それだけの話です。

 

それにしても、かっこいいなぁ。
久々に映像を撮りたくなりました。

PhotoShare

iPhoneで撮った写真をUPして世界に公開、共有できる
App‥‥「Big Canvas PhotoShare」が面白い。

ケータイの強みである「通信」と内蔵カメラによる「撮影」、
エフェクトアプリの「効果」、Big Canvasの「共有」という
“四位一体”でステキアルバムがつくれる(しかも無料で)。

FlickrのiPhone版のような感覚で、世界中からコメントが付く。
はじめて写真サイトをオープンした頃の新鮮な驚きを思い出す。

 

tacrow’s PhotoShare

 

他の人の「人気の写真」を見ると、やっぱり女性の
日常や鏡に映ったセルフポートレイトに人気があるよう。
自分を被写体にできて間が持つというか、成立する女の子がうらやましい。

あぁ、サイトの方も更新してないなぁ。
このAppくらいカンタンに更新できればいいのに。

 

Big Canvas PhotoShare
※クリックするとiTunesが立ち上がります。

QUAD CAMERA

iPhonephoto01

 

iPhoneのトイカメラが面白い。

iPhonecameraiPhoneのへっぽこカメラを逆手にとって、
トイカメラ風な味エフェクトをかけた写真が
連写で撮れちゃいます。

しかも、エフェクトの数はビビッドやハイコン、
モノクロなど5つから選択可能、連写スピードも
自由に設定できてしまう。

ふつうに撮ったら汚くて平板なiPhoneのカメラ。
これさえあれば、退屈な日常も変顔するだけで
なんだか華やぎます。本当です。

フルサイズ一眼レフへの熱が冷めたところに
とっても楽しい玩具がやってきた感じです。

iPod touchを持ってる友だちに勧めといたけど、
そういえばtouchにはカメラがないんだった‥‥。

 

QUAD CAMERA
※クリックするとiTunesが立ち上がります。

Green Island

渋谷が芝生に覆われている〜!

 

街が緑の芝生に覆われたら?
道が芝生だったら?
人々はどんな風に見えるだろう?
そんな想いからこのプロジェクトがスタートしました。

 

どこであれ、
芝生を見ると
ごろ寝したくなるなぁ。

 

Green Island

撮れない日

  写真は「生き物」みたいに繊細で揺らぎやすいので、
  撮るときは意識が開いてないとだめなんです。
  ちょっとでも精神的にぐらついていたり、
  及び腰だったり、思い切りが悪かったりすると、
  写真に出てしまう。
  そういう日は、写真が撮れない日です。

ほぼ日刊イトイ新聞 – 大竹昭子さん、写真のたのしさ、教えてください。
より。
 
 
思い切りの悪い僕はぜんぜん写真家じゃないけれど、
よく分かる。
 
 
先日、駅の改札を通ろうとしたら、
ふだんは駅員さんがいるはずの窓口に黄色い
帽子を被った小学生たちがすし詰め状態(!)。

社会科見学なのだろう、メモ帳片手に
駅員さんの説明に聞き入っている。

まるでネロ少年がルーベンスの絵を見るかのような
無垢なまなざしを一身に受けて、たまらず苦笑する駅員さん。
横で若い女の先生が申し訳なさそうに立っている。

そんな奇っ怪な光景にも目もくれず
改札を通り過ぎる人々は、定刻通りに
来る電車に乗ることで頭がいっぱいだ。

僕はといえば、ガラス一枚を隔てていつもの
改札と黄色い異物が混在するこの状態を発見し、

「撮らなきゃ!」

と思ったが後の祭り。

日常のレールに乗っかった僕も
改札へと引きずり込まれ、そのまま朝の
ラッシュへと溶け込んでしまった。

何で引き返さなかったんだ?
でも、引き返すのも違うような気がする。
そのとき、カメラは鞄の中にあった。

最初からカメラを持っていなかった時点で、
どうにも抗えない。そういう出会いだった。

僕の好きな写真家なら押さえていただろう。

see through

キヤノンから、フルサイズ一眼レフのティザーが発表された。

キヤノンはどこにも「フルサイズ」なんて言ってないけど、
たぶん、というか十中八九、EOS 5Dの後継機だろうよ。

引っ越したばかりで金欠 & 仕事が多忙 & GR2が面白い

の3点セットを理由に、スルーしそう。
分相応に考えても、同じく今秋発売のEOS 50Dでさえ
やっぱりスルー。

 

それは今年の目標でもある。もう9月だけど。