僕等.

今年の夏、アートユニット「ぼくら」の二人、
小西俊也と伊藤拓郎でweb写真展を開きます。

一応、紹介文を考えたのでここに載せます。以下。

ぼくらは僕等へ。

昨年夏に開かれた、「ぼくらEXHIBITION」。生まれや育ち、学校も異なるメンバーで構成されているぼくらは、考え方、表現の方向性も違ったアプローチを備えている。あえて共通したものを探せば「全員メガネをかけている」といったことぐらい。
そんなぼくらは、今年も西東京でなにやらコソコソ。

web写真展、「僕等.」 。
場所を立川からwebに移し、メンバーの内2名で
「僕等.」と称してweb写真を随時アップします。

小西俊也。伊藤拓郎。

ふたりの僕等はデジカメ片手に、西東京を散歩します。
もしかしたら、貴方の街にも現れるかもしれません。
撮られたガゾウは即日アップ。リアルタイムな展示を目指す、僕等初の試みです。
メガネのフレームと、デジカメのピクセルから見えるものだけを頼りに、街を焼き込みます。
いっそう、僕等の各々の違いや、眼のゆく所が表れると信じています。
これはぼくら始まって以来のコラボレートかもしれません。
西東京の街と、僕の視線、僕等の画像。そして、あなたのクリック。
すべてが、ある世界観を構築せんことを願いつつ。

今年、ぼくらは僕等へ。


今年第一弾の展示となります。
詳細は後日書きます。乞うご期待。

たいそうなものじゃございませんが、
西東京アート・マンス2003との連動で、街を撮ってみます。
こうしたイベントを重ねることが、大事だろうと考えてます。
人と人とのつながりを重ねることです。

て言ってもたいしたことは考えてないんで、楽しめたらいいなーと。

最近のポリシー。適当に頑張る。を、体現します。

そうそう、ところで土用の丑の日、うなぎ。美味でした。

残像 – deja vu

 

残像と既視感は似ている。
正確には、似ているだけで、違うもの。
どちらもよく見る。脳の欠陥か。

 

マトリックス・リローデッドを見た。
話は無いが、アクションは拍手。美しい。
美しすぎて痛みが無い。

サブカル包囲網

アニマトリックスを見ました。

世間で話題になっているあのMATRIXを、世界のアニメ作家が集ってオムニバスアニメーションとして作品化したものです。

よりMATRIXの世界観を楽しめるという触れ込みでしたが、
僕はこっちの方が世界観が確立されているんじゃないかと思いました。

本家は本家で、やはり相当の世界観の構築に成功した映画として凄いのですが、
アニマトリックスのよい点は、
やはりアニメーションの可能性を感じさせてくれるところにあります。
アニメでしか出来ないことが、そのまま世界観の構築に繋がっているのです。
こればかりは見てもらわなければ分からないのですが、一見の価値はあります。

MATRIXという映画自体の評価は人それぞれだと思いますが、
僕は都市表現という視点で見るので、わりと好きな部類に入る映画です。
お話はどうでもよくて。

コンピューターの文字を基本に、緑色がマトリックス(虚構)の世界色。
で、現実は青色で構成されています。非常に分かりやすい。
ビジュアルイメージの統一は、色で行うのがもっとも効果的です。

で、次に眼がいくのが雨の使い方です。
監督のウォシャウスキー兄弟はいわばアニヲタですから、その辺の日本のアニメや映画を存分にパクってくれていますが、それでも雨の使い方は素晴らしいの一言。
スプリンクラーのしぶき。土砂降りの雨。濡れた街。
この辺りのよさは「ブレード・ランナー」やフィンチャーの「セブン」「ファイト・クラブ」にも見て取れます。

アニメ故のよさは、そこへ更にCGという技術が入ることによって、
のっぺりとした絵に、無限の奥行きが構成されるというところにあります。
この広がりは実写では出来ない。不可能です。
ともすれば不粋になりがちなCGの、最も効果的な用い方なのではないでしょうか。
画が奥行きを持って迫ってくるのです。
二次元が三次元になるだけで、ぼくらの眼はワクワクするのです。

こういう楽しみ方は、もしかしたら世代によっては理解出来ないかもしれません。

 

そして、ハリウッドでも異色かつ面白い現象といいますか、
このMATRIXという作品のいいところは、実写映画に留まらず
アニメーション、ゲームと、その姿を変えても同じ目線で語られるところです。

つまり、サブカルチャーを包囲する展開、増殖をしているという事です。
これほど自由で遊び心のある展開はないと思うのです。監督してやったり。

「これは現実ではない。僕はここにいない」という永遠のSFテーマは、
見方を変えればただのひきこもりとしか思えないのですが、
その世界観の拡張がものすごくスムーズに行われている。

すべての作品(商品)が、MATRIXの広告として機能しているんです。
サブカル包囲網とは、つまり広告戦略です。
アニメと実写の融合とか、CGのリアリティには興味がないのですが、
ジャンルを越えて渡り合い、広告としても作品としても相乗効果を狙うなんて、
上手いなぁと唸ってしまいます。賢い。

しかもその展開ゆえにアニメが面白くなっている。
いくら「攻殻機動隊」のパクリと言われようが、ここまでやりきったら勝ち。

そんなことを思いました。

昔話と昨日の話

最初の美大受験は惨敗。
浪人時代を立川美術学院(通称・立美)で過ごし、
今の武蔵野美術大学映像学科の自分がいます。

 

ほんと、立美講師の方々には申し訳ないほどさぼってました。
親にも顔向けできないくらい、さぼってました。

さぼって自作自演ビデオを作ったり、写真を撮ったり、
女の子にちょっかいを出してふられたり、美術館に行ったり、
椎名林檎と宇多田ヒカルに会いたい一心で東芝EMIに押し掛けたり、
女の子と朝から弁当作って多摩川でピクニックしたり、
佐内正史とくるりの岸田君のトークを聴きに行ったり、
先輩の浮気疑惑(じゃなくて事実)をもみ消したり、花火見たり。

そういうことで一年が過ぎました。

 

気が付けば偏差値は底辺の35のまま。
偏差値35からの大学受験じゃなくて、偏差値35の大学受験。

そんな僕が武蔵美の受験を終え、立美に帰って最初にやったことは、
なんと英語の勉強でした。遅いっちゅうに。いや、来年のために。

戦友のK君に笑われました。

でも、結果は合格でした。恐いもんです。
英語がどうして通ったのか、未だに謎です。

それ以外は、論文だったり実技はものすごく自信があったので
「これで俺を落としたら武蔵美はバカだ」とか言ってました。
英語の不出来は忘れていました。

でもこういう、立美的には変種の僕は何の参考にもならないどころか
むしろ悪影響なだけなので、新入生用のガイドブックには掲載されませんでした。

 

立美にはほとんど行かなかったけど、立美は好きです。

立美にいなけりゃ受からなかったのも事実だし、
面白い友達にも会えなかったし、ここまで写真好きにはならなかったかもしれません。

ほんと、出会いの場だと思えばいいです。出会い系学校。
実はこのことの方が、合否以上に大切だったりするんだなぁと、しみじみ。

 

問題は課題で、受験が迫ってきた頃は「今日は1位を取ってさっさと帰るぞ!」と言い聞かせた日だけは1番になってました。でも、早く帰らなくてもいい日は「じっくり練るぞ〜」とか思って、低い評価をくらったもんです。なぜか。

短時間が向いてたのかもしれません。だから受験でもささっと出来たのかな。

受験当日の実技試験は、どういうわけか10分くらい余っちゃって、
後ろのS君に話しかけたりしてました。S君はまだ終わってなかったので
相当ウザかったと思います。ごめん。

立美はひとつの財産だと思います。
けど、ほんと課題の点数はひどかった。

一回、先生に「ソレ、捨てた方がいいね」と言われて、
まったくだと思った僕は画用紙を破り捨てました。4点とか。

「五感を全て使って物語を書け」という課題なのに、「聴覚 無し」と
書いて怒られました。ここまでくると馬鹿だな。

 

ま、こういう話はいくらでもあるので、この辺でストップします。

 

ところで昨日も、べーやんと外食。
三日連続です。

チーズフォンデュにオムライスに沖縄風豚の角煮。。。
どれも美味でした。

そもそもは、「エクスペリメントイ」というバンドのライヴを見るために、
渋谷に行ってきたのです。めちゃくちゃかっこよくて、鳥肌が立ちました。
凄かったなぁ。ギターもドラムも、もう壮絶。ため息が出ました。

あんな素敵なバンドを紹介してくれた彼女に感謝です。

Optimistic

キャノンのEOS10Dを買った。

 

ミノルタのαー9を売って。

すこぶる綺麗に撮れる。

デジタルに移行しているように思われるかもしれないが、
ペンタックス67も健在なので、暗室がなくなることは無い。

デジタルだの銀塩だのの区別は無く、写真が楽しい。

 

進級展の構想が固まりつつあります。

内容は企業秘密だけど、写真を2メートルくらいに引き伸ばします。
楽しみだなぁ。ワクワクする。

 

 

バイト明けにべーやん(彼女の友達)とメシを食ってきました。
仕事上がりのカレーはうまかった。

 

 

先日、東写美で荒木展を見てきた。

ものの10分ですべてを見終えた。
それなりに面白いが、昔ほど好きじゃなくなっていた。

ついでに、下でやっている大学生の展示も見た。
ものの5分で見終えた。
二人くらい面白い。残り痛々しい。

 

一緒に見た先生がこんなことをおっしゃった。

「生け花とか書道展を見てるような感じだったね」

これは最近の写真展全てにいえる。

ただ貼ってるだけ。展示してるだけ。

伝統芸能みたいな格式を目指しているのかは知らんが、
つまんないことは確かだ。

 

インクジェットプリンタ、プロジェクタ、いろいろ冒険する隙間はあるだろうに。

そういう機材に走ることを推奨しているわけではないが、印画紙を額装して
そこに置くだけでは、もうぼくらの眼には何も映らないんじゃないかなぁ。
ただの羅列ではね。

難しいけど。

お家芸としての写真。うーん、ちょっと。

There There

明日は病院で診察です。

新橋まで行かなくてはならない。

ささやかな楽しみとして、タクシーに乗るというのがある。

病院まで歩いて間に合わない時、あっけなくヘイ、タクシー。

片道660円のドライブは気持ちいいです。

今頃みんなは学校で授業なんだろうなぁとか思いつつ。

もうひとつ、ささやかな幸せとして、

看護婦さんというのがある。

これは存在だけで十分です。

最初の診察で「気力で歩いてたんですか?」と

聞かれたのが、今でも忘れられません。

 

くるりの「図鑑」を聴いてます。

名盤だと思います。くるりはどれも好きで、

ライヴにも行きました。震えました。

RADIOHEADも好きです。

ライヴにも行きました。泣きました。

新譜「There There」は傑作です。

プロモがまたいいんです。

明日のタクシーの中でも聴くでしょう。

 

診察が終わったら、六本木ヒルズに行きます。

先輩が展覧会を開いてるそうなので。

now and then

今、武蔵美の授業中です。

小林のりお先生の、デジタル写真基礎という授業です。

6月14日は、評論家の大嶋浩さんをお迎えして、
小林先生との対談が催されます。
オープンキャンパスなので、来たい人は来てみるといいかも。
写真を持っていけば講評も受け付けてくれます。

デジタル写真を始めて一年が経ちました。

まだ一年です。銀塩は16からだから、かれこれ七年になります。
そう考えると、デジタルのデの字もまだ知らないのかもしれません。

デジカメを触ると、高校時代のビッグミニと同じ感覚が蘇ります。
小林先生いわく、「撮る」というより「撮れる」ということ。

それこそが、デジタルの醍醐味かなと思います。

 

先週から、課題の関係でうちの暗室が一年ぶりに再開されました。

酢酸のにおいは興奮させてくれます。
DarkRoomの空気はわりと好きです。
けれども、それは飽くまで課題制作でしかなく、

心はデジタルに浸透しています。

なので課題は面白くありません。

教授に認められたものしか評価されないという点も、
モノクロ銀塩への心離れを助長させました。

モノクロが悪いわけでも、銀塩が悪いわけでもありません。

ただ、デジタルの速さが、今は性に合ってるのです。

 

でも、デジタル故のイメージ操作には興味がありません。
それを言えば、モノクロもイメージ操作だらけです。
誰がどう見ても、新宿は森山大道の写真のようには見えないはずです。

僕がデジタルに惹かれるのは、速さと簡便なところです。それだけです。
それ以上のものがこれから発見されていくのかもしれませんが、
今は今の気分で、今の世界を撮りたい。

デの字くらいは知れるかもしれません。

 

椎名林檎のライヴDVDを買った。

小林賢太郎がいい味出してて、買って良かった。

 

工デの小松誠教授とお話する機会があった。

本物の作家だと思った。総じて、今日はいい日でした。

 

あ、30日の話ね。31日もいい日になりそう。

メモ

今、夜更かしして攻殻機動隊を見てるんだけど、
やっぱ面白いです。都市を描ききってる。

アニメーションという虚構を、いかにリアルなものへと
昇華するかは、都市・環境を描ききるというところに
かかってるんじゃないか?と思いました。

そこが嘘を嘘と思わせない最低限のプロットだと。

AKIRAもしかり。ナウシカ(アニメ、マンガとも)しかり。

虚構の都市を描き、その中で生活する登場人物たち。
それにこそ、リアリティを感じます。
キャラクターの魅力以上に。

「耳をすませば」も、そういうリアルを狙って現代の、
しかも実在する街を描いたらしいけど、僕はSFの街の方が
ぞくぞくするようなリアル感を覚えます。なぜだろう。

それには、都市とは何で構成されているかを考える必要があります。

思うに、都市というのはコンクリートで出来ている。
で、アニメの中のコンクリートというのは、見ていると
往々にして湿気にまみれているということに気付きます。

雨に濡れていたり、蒸気を浴びていたり。

この湿気が、コンクリの年月や質感を(セル画にも関わらず)伝えて
くれるんじゃないでしょうかね。それがそのまま都市の量感になる。

都市の存在感です。

さらに蒸気のうごめきは奥行きと動きの演出を高めてくれます。
攻殻機動隊はそれら蒸気や湿り気の演出力を教えてくれます。

そういえば、森山大道・畠山直哉の撮る都市風景も濡れている。

 

話は変わりますが、
AKIRAの舞台はネオ東京ということらしいけど、
僕は攻殻の方が東京らしいんじゃないかと思えます。

「無国籍な都市を描こうとしたら東京に近付いてしまった」という
話を聞いたことがあります。そんでもって、逆にAKIRAの舞台は、
東京というよりはむしろアメリカに近いんじゃないかなぁ。

なぜかはわからないけど。

あなたは
「AKIRAの画は乾いているからアメリカの乾燥地帯ぽいんじゃないか」
と言っていましたが、それもあるでしょう。

加えて、あの衣装。まるでマイケル・ジャクソンです。
80年代的空気が、アメリカ的空気と言ってもいいのかもね。
AKIRAはちっとも未来じゃないよな。それで構わないのだが。

未来都市というものに、僕は
下水のじっとりとした湿り気を感じずにはいられません。
常套手段かもしれませんが、いわゆるツボなんです、きっと。

倦怠

今日は朝からだるい。

肝臓のせいなのかは分からない。

Linkin Parkを聴いている。

まだ朝なので日記に書くことが無いことに気付く。

昨日は国立近代美術館に行ってきた。

牛腸茂雄展。

好きな写真家の一人。

で、展示はまずまず。しかし写真集の方がよく、

いまひとつだったかもしれない。

本をめくるという動作が果たす力を思った。

ぼちぼち家を出なければ。

ドトールでミラノサンドAを食べて、

学校に行こう。

進級展の構想をまとめなくてはならない。

考えることは楽しいが、金がかかりそうだ。