SUMMER GLIDER

白馬で会社の同僚たちとパラグライダーしてきました。

 

自分で撮りました。

 

地上700m、海抜1,400mの大空。

 

「飛んだ」というよりは、

 

「泳いだ」と言った方がしっくりくる感覚。

 

魔女宅のキキになった気分を味わえました。

インタビューされました

縁あって、CINRA.netさんにインタビューしていただきました

cinra

我ながらよくここまで喋ったな。死に直面したときの話や、転職の話仕事の話などてんこ盛りです。

大学で僕にCMの奥深さを教えてくださった小田桐昭先生のことを語れたのがうれしかった。

まだまだ半端モノですが、こんな僕を取り上げてくださったCINRA.netさん、ありがとうございました。

西東京のメモリー

今日、7月14日は3度目の結婚記念日。
1週間前に思い立って箱根の旅館を予約して、
付き合って13年目にして初(!)の二人旅を敢行した。

その2週間前、僕は立川にいた。

これも急に思い立って、
1999年に上京してから7年間を過ごした
立川を気まぐれに歩き、当時ヘビロテしていた
ミスチルの『Atomic Heart』や
くるりの『東京』を
iPodで聴きながら思い出を散策。

立川は妻と出会った美術予備校がある。
立ち寄ってみたけどあいにく日曜で閉まっていた。

予備校から6年通った大学、
そして新卒入社してからの半年間の
あわせて7年半住んでいたアパートに向かった。
かつて以上に掃除が行き届いていないこと以外は
何も変わっていなかった。

友達がふざけて鍵で書いた玄関前のラクガキもそのままだった。

 

ラクガキはやめましょう。
ラクガキはやめましょう。

 

街は駅前を中心にデパートや駅ビルが新たに建ち並び、
その代わりに薄汚い雑居ビルや違法駐輪の一帯が整理され、
ずいぶん都会になっていた。

帰り際、よく通っていた定食屋で
メンチカツを食べようと思ったけど、
店じまいされていた。

自分が訪れるよりもずっと前にそうなっていたんだろう。
なのに、突然来て、勝手に感傷的になっているのが
なんだか身勝手な気がした。

第二の故郷は、ほんとうの故郷とちがって
帰るべき家も寄るべき友人も何もない。
あるのは自分の記憶と友達が残したラクガキだけ。

 

それに比べて旅は気軽でした。
新しい場所は辿るべき感傷コースがない。
観るものすべてが新しい。

 

ロープウェイから見下ろす大涌谷(おおわくだに)の温泉地帯。
ロープウェイから見下ろす大涌谷(おおわくだに)の温泉地帯。

 

無計画に宿だけ取って
ロマンスカーで行った箱根は
妻のジャニーズ好きがおおいに役だった。

ケーブルカーからロープウェイに乗り、さらに船で
芦ノ湖を南下し、観光らしい観光を楽しめたが、
すべてHey!Say!JUMPのバラエティ番組で
八乙女くんと藪くんと石原良純が訪れたコースらしい。

デブとは言わないが出不精の妻を旅に連れ出すには、
ジャニーズの旅番組を見せてからにすればいいんだ!と
結婚4年目にして学んだ。

彼女は旅先でも自分の好きなものを追っかけている。

 

僕は何を追っかけて立川まで行ったんだろう。

シャワー読書ノススメ

もう2年以上も前になりますが、iPadの購入と同時に本格的な“自炊”をしようと、本の裁断機スキャナを買いました。

けっこう本格的な裁断機とスキャナ
けっこう本格的な裁断機とスキャナ

これで書棚を占拠していた文庫やハードカバー、雑誌などありとあらゆる本をバッサバッサ裁断し、スキャナでPDF化してiPadに転送する‥‥という作業を、一時期延々と繰り返してました。最初は「大切な本を切り刻むなんて」と躊躇する気持ちがよぎりますが、「欲しいのは本というモノではなく書かれてあるコトだ」と割り切って進めます。

ワイド判の『ナウシカ』。コマ割りが小さいのでこのサイズでこそ楽しめる。
もちろん、モノとして取っておきたい本は裁断しませんし、むしろ「これはいつでもどこでも読みたい」と思うものは率先してデータ化していきました。

まだ自炊歴が浅かった頃は、『風の谷のナウシカ』(原作マンガ)を自炊したらiPadのサイズになって原本よりも縮小されて読みづらくなったため、裁断後に紙の本を買い直すというバカみたいな失敗も経験しました。

 

さて、そんな自炊作業をつづけていると、PDF化したあとのバラバラになった「紙の本だった紙たち」はもう用済み。なのでゴミ箱に直行することになり、すぐ紙の山であふれます。

ついさっきまで「本」として機能していた。
とはいえほとんど本棚の肥やしになっていた。
バラになったことで久しぶりに日の目を見る「本だったものたち」。

その中から1ページを手に取ると、ついつい床にしゃがんで読みふけってしまう自分に気づきました。

「これって読む前に捨てるの、もったいなくない?」

だからデータ化したんでしょ。ていうかすでに読んだものでしょ?

「そうだけど、紙の本で読んでも自炊で読んでもこの“自炊の残骸”で読んでも、書かれてあるコトを読んでいるという意味じゃ一緒だし、どうせ捨てるならもういっぺん読んでみてもいい気が‥‥」

そこで一計を案じました。

分断された紙たちをファイルボックスに収納するようにしたのです。
で、それを脱衣所に置きました

この中に裁断した紙の束をごそっと突っ込みます。
この中に裁断した紙の束をごそっと突っ込みます。

 

はい、ようやくタイトルの「シャワー読書ノススメ」です。

1:入浴時、ファイルボックスに突っ込んでおいた紙を何枚か抜き取ります。

2:シャワーでバスルームの壁を濡らし、持っていた紙を壁に貼り付けます。

3:頭や身体を洗いながら、読みます。

濡れた壁にペタペタ

この方法で、今まで何冊もの本を読破しました。全裸で。

とくに雑誌で起こることですが、発見だったのは、今まで読み飛ばしていたページも必然的に読むようになり新たな出会いが生まれること。

入浴時にはなにも吟味せずにただファイルボックスに入っていた紙を取ってくるだけですから、自分の意思は反映できません。さらに壁に貼るとそのページしか読めないので、面白そうかどうかは関係なく読む体勢になります。それによって、こんなに面白い連載があったのか!とか、この人の文体素敵だな、とか、本来あるべき読書体験のたのしさに浸かれるのです。

つまり、これまでいかに読み飛ばしていたか?ということに気づくきっかけを与えてくれました。高校生の頃に買った養老孟司さんの『唯脳論』や佐藤雅彦さんの『考えの整頓』など短編コラムはちょうどいい長さで、面白すぎて長風呂してしまったり。

シャワー読書は、買った本を改めて立ち読みの状態に戻し、その本と出会った頃まで巻き戻してくれる体験なのです。そして、ちびちびとではあるけれど、しっかり最後まで読破できる。これまでの読書体験が1時間ドラマだとしたら、シャワー読書は朝の連続テレビ小説サイズといえるかもしれません。

入浴中の短い時間に読書の助走をつけて、そのあとも気になったらiPadでつづきを読んだり、翌日も浴室で読んだり。Webギョーカイ人ぽく言うなら、レスポンシブ読書術ってところでしょうか。

入浴中についついシャンプーボトルに書かれた成分表を読んでしまうような活字中毒の方にお薦めの読書術です。

カンヌ2013受賞:THE ANT RALLY

まず基本的なルールとして、カンヌライオンズはチャリティ・非営利機関や公共機関が実施したものはどのカテゴリであってもグランプリ候補にはなれないそうです(知らなかった‥‥)。今年5部門でグランプリをかっさらった『Dumb Ways to Die』をつくったメルボルン鉄道は、1990年代後半より州政府の運営から私鉄に切り替わったので“公共機関”ではなさそうです。へー。

そしてこれらの非営利カテゴリに属するものは全部門をまたいでたった1つだけ「グランプリ・フォー・グッド」として表彰されるとか。

今年その「グランプリ・フォー・グッド」に輝いたのが『THE ANT RALLY』。

WWF(世界自然保護基金)創立50周年に際してドイツのBBDOデュッセルドルフが制作した、アリによる熱帯雨林の環境保護デモ行進。中南米に多く生息する社会性のアリ、ハキリアリの「葉っぱを運ぶ」習性を活かした“極小のビッグアイデア”です。

ケルン動物園で5日間に渡って展示され、ビデオとともに話題になって成功!とのこと。これは実際に見たらきっと写真を撮りたくなるし、子どもたちにも受けそうだし、本当のデモみたいに見える様がチャーミングだし、メッセージは真に迫ってくるものだし、シャレが効いてるし。

ちなみに、ブランデッドコンテンツ&エンターテイメント部門でシルバー、ダイレクト部門でブロンズも獲得したそうです。

 

おなじ「虫」を使ったアイデア(bugvertising)では、こちらも。

 

これは「無視」できないなぁ‥‥。

潜水艦ポセイドン号からのパーリー

大人気イベント「リアル脱出ゲーム」を手掛けるSCRAPさんの創立5周年記念パーティーに行ってきました。

会場はZepp Tokyo。そう、ここは7月19日から始まる『潜水艦ポセイドン号からの脱出』の舞台!というわけで、『潜水艦ポセイドン号からの脱出』のデバッグ公演込みのパーティーでした。

realdasshutsu

SCRAPさんとはお仕事で『REGAME』の制作をお手伝いさせてもらったり(これは僕は関わってないです)、僕がお手伝いさせてもらったものでは某旅行情報サイトのタイアップキャンペーンで『消えた琉球王朝の王印を探せ!』というコンテンツを作ったりしました。

今回は同僚と社長の7人で出向き、3人と4人の2チームに分かれて、それぞれ初対面の人たちと組んでひと組6人のチームを形成。SCRAP代表・加藤隆生さんの流ちょうな挨拶とプロローグが始まり、気分はすっかり謎解きモードに。5周年記念パーティーはいったん忘れてヒント探しと謎解きに奔走します(実際は走っちゃダメなので早歩き)。

ヴィレッジヴァンガードの店員さんらと組んだ僕らは、脳みそが破裂しそうになりながらも「脱出」は成功!詳しいことはおろか詳しくないことまで書いてしまうとネタバレになってしまうので一切書けませんが、ちょっと詰まっても誰かのひらめきと連携プレーで謎の扉が開かれていくさまは本当に痛快。

協力することが楽しさを2倍にも3倍にも膨らませてくれる。それがリアル脱出ゲームの醍醐味なんだなーと改めて実感しました。ま、僕は足を引っ張らないように助手に徹していただけですが。

SCRAPの社員の皆々さま。別名、鬼才クイズ作成集団。

会場にはテレビの取材も入ってましたし、たくさんのお花が並んでいました。何より感動したのは、加藤さんの社員紹介。これ自体がまたこの日だけの「加藤隆生を暗殺した犯人は誰だ!?」という謎解きになっていて、ビールをあけていた僕らはアルコールを言い訳に惨敗でした。ははは。

 

さて、そんな話題沸騰のリアル脱出ゲームですが、今度の日曜日にテレビで参加できます!SCRAPさんが仕掛け、弊社がお手伝いしている『リアル脱出ゲームTV × Xperia™『人工衛星爆弾ヲ解除セヨ』がTBS系で7月1日24時からスタート。

 

僕は制作に関わっていないので、当日、まっさらな状態で楽しもうと思います。

 

そしてそして、『潜水艦ポセイドン号からの脱出』も超楽しかった!
こちらは僕らが体験した昨日よりもさらに良くなるそう。

 

これから体験する方が羨ましいです。
http://realdgame.jp/zepptour2/

最初から最後まで謎に翻弄されるパーティーでした。SCRAPの皆さま、5周年おめでとうございます。

軍艦島をストリートビュー

長崎県の「軍艦島」がストリートビューで見られる!
Googleさんありがとう!!

 

「軍艦島」という名前で知られている長崎県端島は、長崎港から 19 キロの海上にある小さな半人工島です。1870 年から炭鉱開発が始まり、日本の近代化を支える炭鉱の町として、最盛期には 5000 人以上がこの島で暮らすほどに栄えましたが、1974 年の閉山とともに無人島となりました。

現在、島の一部について上陸が認められていますが、今回は長崎市のご協力により、立入­りが禁止されているエリアを含め島全体を撮影しました。撮影には、バックパック型の撮­影機材トレッカーを用い、約 2 時間程度、島内を歩いて撮影しました。(by Google)

 

Googleマップで「長崎県 端島」と検索‥‥
Googleマップで「長崎県 端島」と検索‥‥
「軍艦島」の名前の由来は、外観が軍艦に似ているから。軍艦を造ってたわけじゃありません。
キターーーーー!!!この3Dモデルで見られるのはGoogle Earthからかな?いや、これは空撮っぽいですね。
人がボール状の360°カメラを背負って地道に撮影‥‥あざす!
人がボール状の360°カメラを背負って地道に撮影‥‥あざす!
ふだんは立ち入り禁止の区域にも踏み込める‥‥!
ふだんは立ち入り禁止の区域にも踏み込める‥‥!

 

なんだか、人類が滅亡したあとの地球に宇宙人が降り立って探査しているかのよう。

ムービーが素晴らしいです。

この探査員(と呼ぶことにする)、オシャレな革靴でずんずん歩くなぁ。

ストリートビューはこちらから。
http://goo.gl/maps/1FDx6

[googlemaps https://maps.google.com/maps?cbp=13,183.79,,0,-4.76&layer=c&panoid=9jXDjJXDiloo0v0YxLG2sA&cbll=32.628689,129.738322&dg=opt&ie=UTF8&t=m&source=embed&ll=32.628429,129.73832&spn=0.000904,0.001564&z=19&output=svembed&w=583&h=400]

 

ついでに写真家が撮影したHDR写真も。
http://blog.livedoor.jp/sekaiminzoku/archives/25331619.html

軍艦島は映画『007 スカイフォール』のロケ地でも使われたそうです。

ちなみに、ももクロの『Z女戦争』のロケ地は、戦隊モノのロケ地としておなじみの旧日本加工紙高萩工場跡(茨城県)だそうです。

Cannes Lions 2013 閉会

先週土曜(6/22)にカンヌライオンズが閉会しました。
日本からウォッチしていた自分なりに大ざっぱに振り返ってみます。

60周年を迎えたクリエイティビティの祭典が閉幕
60周年を迎えたクリエイティビティの祭典が閉幕

今年は開催60周年でレジェンドの年と言われ、いま新しいか?ユニークか?ということと同時に、いやそれ以上に、「この作品・仕事を後世にも残したいかどうか?」がジャッジの基準に掲げられたのではないか?と言われています(というか、現地に行っていたうちの社長が周囲とそういう話をしてたそうです)。まるでMoMaのパーマネントコレクションにふさわしいか?的な視点ですね。それもあってか、全体的に受賞作品(広告を作品と呼ぶのは個人的にはすごく違和感があるのですが、めんどくさいので作品で通します)は社会貢献モノ、人助けモノ=ソーシャル・グッドな作品が目立った年だったように思います。おそらく来年はその方向性を掘り進めたものと揺り戻しでエンタメに振り切ったものの両方がよりぐちゃぐちゃに混在するんじゃないか?と思ってます。というか、そうあってほしいな。

公式Facebookページより
公式Facebookページより

それから、これは日本での話ですが、Perfumeがゲストパフォーマーとして出演したこともあって、一般の方々にも映画祭以外の「もうひとつのカンヌ」が広く知られるきっかけとなりました。NAVERまとめに連日まとめ記事がアップされたり、BlogやFacebook、Twitterでわかりやすく速報してくれる人がいたりして、現地にいなくても何が受賞し、何がトピックとして語られているのかは瞬時に伝わるようになっていますが、その動向が今までより分かりやすくパッケージングする方々が多く現地に行かれているおかげで、広く注目されているなぁと実感します。ま、これも錯覚なんでしょうが。

直接伝わらないとすれば、あの現場特有の熱気でしょうか。あれは行った人にしか味わえない「カンヌ熱」。良くも悪くも、その熱におかされて帰ってくるのが行った人の常です。「やっぱ時代は社会貢献だよ!」とか言ってる人がいたらものすごく警戒しますが。

で、僕の身近では社長が行ってきたのですが、熱よりも冷静さをまとって帰ってきました。それは僕らの主戦場であるサイバーライオンで成果を上げられなかったことがいちばん大きく作用しています。その要因はいくつかあるでしょうが、そのひとつは先に書いた「レジェンド」=広告界の重鎮たちの審査視点がいつもと異なっていたからではないか?と個人的には思います。ことサイバーライオンに関しては。やはり審査員の構成によって結果は大きく変わりますから。

とはいえ、決まった結果にケチつけても覆りようもないですし、受賞作品にはそれぞれ見習うポイントがあるはずです。カンヌは終わったけど僕のカンヌは、というか「いいものをつくる」という思いはこの仕事をしている以上は終わらないので(あれ?熱くなってきたな‥‥)、これからも地道に気になった作品をピックアップして、自分なりの視点と言葉を添えてBlogにアップしていこうと思います。

そう、大事なのはデコンストラクション!ある成功事例を自分なりに分解してインサイトから掘り起こし、アイデアの根源へと潜り込む作業です。そうすることで事例をただ知ったかぶりで終わらせない。誰かの記事と被ったとしても、誰かの言葉をなぞることになったとしても、自分のアタマで考えて自分の手で残すことがあとあとすごく効いてくるんです。英語を音読するような感じ?「ただ聞き流すだけでいいんです」なんて嘘です。この通称「デコン会」を僕は2年前に博報堂で石井うさぎさんや木村健太郎さんらとやらせてもらって、これをやりきらないとカンヌを体験しきったとは言えないなぁと思ったのです。本当は複数人でやるのが効果的なんですが、Blogはどこまでも個人のものなので、ここではひとりでやっていきます。

あと、会期中にプロモ&アクティベーション部門モバイル部門のグランプリをBlogにまとめて気づきましたが、英語の勉強になります。アワード用のムービーは非常にシンプルに作られているので文法的には難しくないのですが、短時間に多くのことを伝えるので早口気味。そこで分からない単語や聞き取れなかったワードを調べていくと英語のボキャブラリが増えます。特殊な言葉すぎて日常では使わないよ、というものもありますが。

‥‥とまあ、2013年のカンヌは終わり、蓋を開ければメルボルン鉄道の「DUMB WAYS TO DIE」がグランプリ5冠という前代未聞の快挙を成し遂げたエポックな年になりましたが、テキスト(教科書ね)としてのカンヌはまだ終わってないのです。

 

そういえば、2011年のカンヌ勉強会で電通の岸勇希さん(ブランデッドコンテンツ&エンターテインメント部門審査員)がこんなことを仰っていました。

「今年は節目の年です!ってこの6年くらい毎年聞いてる気がするんですが、要は、カンヌは自分の中での発見でしかない。金銀銅の色を見るな、自分がどれをいいと思うかを素直に見ろと。賞を伏せてひとつの事例を徹底的に分析すると、その人の血肉になる。あと、たくさん見る。どれがすごい、ではなくて、とにかくたくさんの事例に触れられるんだから、見まくって学べばいい。今は公式サイトでも見られる」

(拙Blog CREATIVE KITCHENに行ってきました。#03 より)

つづく。

 

参考記事:
カンヌライオンズ2013受賞結果出そろう 日本は33のライオン獲得 | AdverTimes(アドタイ)
NAVERまとめ:タグ「カンヌ国際広告祭」
世界最大級の広告祭「カンヌ・ライオン」で注目された日本人

じぇじぇ!?『あまちゃん』を目撃

NHK連続テレビ小説『あまちゃん』、第1回から欠かさず見てます。

一昨日のことです。会社で打ち合わせをしていたら、同業で大学の後輩のYさんから「いま××××(コンビ二名)のとこであまちゃん?の撮影してますよー!」と一報が。

「じぇじぇじぇ!? (‘jjj’) 」

一緒に打ち合わせてた同僚(後輩O)と会社を飛び出しました。

ミーティングしてる場合じゃねえ!!
ミーティングしてる場合じゃねえ!!

 

そこは会社から徒歩5分のコンビニエンスストア前。いました、小雨降る歩道に、エキストラさんたちや小規模なクレーンとカメラ、雨合羽のスタッフさんたちが。「アキちゃんどこかな?」「ユイちゃんもいるのかな?」突っ立っているだけだと完全に邪魔な野次馬だから、「大好きなドラマだし撮影の苦労も知る制作畑の人間だしマナーはわきまえてますよ」という気高き誇り(?)を胸に、コンビニ前をあくまでも歩行者として通り過ぎました。が、アキちゃんはおらず。「いませんね!」「ロケバスの中で待機かな?」「どうします?」「とりあえず一周してコンビニに入ってみよう」‥‥裏道を通ってぐるり。コンビニの中へ。

よし、帰るか。意味もなくお茶を買って出ました。

ドアのすぐ脇で、ショートカットの女の子が雨合羽の人に髪を整えてもらっているところでした。

(じぇじぇじぇじぇ!)

帰るのは中断。雑誌コーナーのすき間から、外にいるアキちゃんこと能年玲奈さんを見守る僕と後輩O。
「大好きなドラマだし撮影の苦労も知る制作畑の人間だしマナーはわきまえてますよ」という気高き誇り(という名の常識)があったので写真に撮ったりはしませんでしたが、会社に戻ってすぐ絵に起こしました。

ミナミの帝王越しに見る北の海女。
ミナミの帝王越しに見る北の海女。

本物はこの1億倍かわいかった。奈落に落ちるらしい東京篇、楽しみです!

どうでもいいですが、雨合羽と夏ばっぱ、似てますね。

パシフィック・リム 予告篇

この夏の最注目映画です。

映画『パシフィック・リム』予告2(字幕版)

監督は『鉄人28号』を見て育ったという日本贔屓のギレルモ・デル・トロ氏。日本贔屓だからトロ。公式サイトのビジュアルはまさに鉄人そのものです。

 

ところで、やっぱアメリカという国は演説の国なんですね。
隊長らしき黒人のたたみかけるような言葉が映画を盛り上げます。
それが日本語になるとどうもパッとしない。けど頑張ってます。

映画『パシフィック・リム』予告2(吹替版)

菊地凛子さん演じるコ・モリ役に林原めぐみさんをはじめ、玄田哲章、古谷徹、三ツ矢雄二、池田秀一、千葉繁、浪川大輔という最強布陣。

近年はハリウッド大作映画の吹き替えでは、新鮮さなどを狙い俳優や女優、タレントを起用するケースも多い。しかし、『パシフィック・リム』では、声優の経験が深い役者を中心に吹き替え陣を組んだことが目を惹く。

「パシフィック・リム」 声優陣に古谷徹、池田秀一、林原めぐみ、三ツ矢雄二ら発表

この一文には激しく賛同します。映画はずっと残る「作品」なのに、プロモーションのためだけにタレント=本職じゃない人を起用するのはほんとうに納得がいかない。配給会社が映画を舐めてどうする。マイケル・F・フォックスを織田裕二がやった20年前に気づくべきだったんです。

こういう悲劇もありますからね。

mariko

パシフィック・リム

カンヌ2013:Perfume!!!

Cannes Lions 2013でPerfumeが驚愕のパフォーマンス!
昨晩23時(日本時間)からの電通さんのセミナー「Happy Hacking」にて披露され、YouTubeのLIVE配信でその一部始終を目撃。いや〜、すごかった!

どなたかが作成されたiPhone 5用壁紙。仕事早い!かっこいい!!
どなたかが作成されたiPhone 5用壁紙。仕事早い!かっこいい!!

 

まだ全受賞作品が出揃っていない段階だが、グローバルサイトは早々とサイバー部門で銀賞(SILVER LION)を受賞しており、会場となったグランドオーディトリアムには世界中から4000人を超えるのクリエイターや広告業界関係者が集結した。(ナタリー:拍手喝采!Perfumeがカンヌ銀賞で驚愕の最先端ライブより)

僕が今回獲れなかったサイバーライオンです。悔しいなぁ‥‥。

 

オープニングのナレーションが流れる中、真っ白な衣装をまとったメンバーに、プロジェクションマッピングの技法を用いて色とりどりのグラフィックが映し出される。衣装のスカートと肩の部分は電動で翼のように広がり、まるで天使のような姿に。生身の人間を全身スクリーンにするという最先端のテクノロジーに、会場中から感嘆のどよめきが起こった。(ナタリーより)
オープニングのナレーションが流れる中、真っ白な衣装をまとったメンバーに、プロジェクションマッピングの技法を用いて色とりどりのグラフィックが映し出される。衣装のスカートと肩の部分は電動で翼のように広がり、まるで天使のような姿に。生身の人間を全身スクリーンにするという最先端のテクノロジーに、会場中から感嘆のどよめきが起こった。(ナタリーより)

近未来ジュディ・オング!
からの、「Spending all my time」のエクステンデッドミックス!!

ビートの効いたイントロとともにメンバーが上に着ていたドレスを颯爽と脱ぐと、下には肩のプリーツが印象的な真っ白な衣装が現れた。3人の動きに合わせて衣装には次々にCGが映し出され、まるで光が踊っているような神秘的な光景となった。(ナタリーより)
ビートの効いたイントロとともにメンバーが上に着ていたドレスを颯爽と脱ぐと、下には肩のプリーツが印象的な真っ白な衣装が現れた。3人の動きに合わせて衣装には次々にCGが映し出され、まるで光が踊っているような神秘的な光景となった。(ナタリーより)

カンヌに行ったのはもう2年前ですが、ひとり黒の直角二等辺三角形ツアーTシャツ着て現地を歩き回っていたあの当時からまさかこんな日が訪れるなんて!今年も行ってたらP.T.A.リストバンドつけて最前列で見守ったのに!歯も磨いたし黒縁メガネで行ったのに!

そのカンヌに行っているうちの社長のTweet。

 

こちらはHotchkissのマユミさんのTweet。

裏山!

なにより真鍋大度さんとチームRhizomatiks、チームPerfumeに拍手と嫉妬です。

(菅野さんとは先日お会いしたばかりなので妙な気分)

 

さあ、このあとは7/5(金) にイギリスで行われるワールドツアーのライブビューイング、秋に3rdアルバム発売、冬に2大ドームツアー!iTunes Storeでも配信が解禁!!怒濤の攻めモードに震える‥‥。

 

カンヌでのパフォーマンスはYouTubeに落ちてますのでどーぞ(消される可能性あり)。
プレゼンテーションも込みのムービーはこちら

 

2007年 新宿Loft~オトノミライ~ より。このコたちがカンヌで…。おめでとう!

カンヌ2013受賞:TXTBKS

Cannnes Lions 2013 モバイル部門のグランプリ『TXTBKS』(フィリピン)をご紹介。

まず、有権者に訴えたいのは、フィリピンの教科書はとっても大きくて重たい!ということであります(『有吉マツコの怒り新党』風に)。

教科書を持ち運ぶのは子どもたちの「重荷」。背骨が変形する被害も!先進国ではタブレットによる教科書が普及しつつあるけど、貧しいフィリピンでは無理‥‥。

この差は歴然!

そこで目を付けたのが、中古のガラケー。通信会社SMARTは、たくさんの使われなくなったガラケーを教科書にすることを企画。

目の付け所がシャープな、リユース。

教科書のデータを入れたSIMカードを各教科ごとにつくり、生徒たちに配布しました。

準備に6ヶ月を費やしたとか。このデザインもいいですね。
それがコレ。
それがコレ。
通学かばんの重さは半分に減り‥‥
通学かばんの重さは半分に減り‥‥
テストの成績は90%向上、出席率も95%にUP!
テストの成績は90%(?)向上、出席率も95%にUP!

次々と成果を生み出すのであります(『怒り新党』の塙風に)。

「あの重さはもう勘弁」
Yeah!
でも今はこれがある!Yeah!

これが今回のモバイル部門のグランプリというのは、一見、わかりにくい気もしました。だって、ツールとしてはたしかにモバイルというハードを用いているけれど、やってることは社会貢献であり、モバイル「部門」なのかなー?と。でも、SIMカードに教科書データを入れるというアクションはやっぱりモバイルを媒介にコミュニケーションしているわけで、穿った見方をしすぎなのかしらん?と思った上で、やはり施策としては超素敵。文句なしに素晴らしい。

ビデオを見るとその素晴らしさがより伝わります。

フィリピン以外の発展途上国でも今すぐやるべき!と思いました。それは先日紹介した「immortal fans」にも言えることで。企業がただ自社のプロモーションをしていればいい時代はとっくに終わって、どれだけ世の中に役立てるかが期待されているのはアタマでは理解していましたが、カンヌは確実にそこへ向かっているんですね。クリエイティビティという翼で。

で、いいものはオリジナリティに溢れていると同時に、「みんなもやりなよ!」とアイデアのシェアを促されているような気になってきます。新しい言語を作っているようなものですね。「朝は『おはよう』と言い合おう」みたいな。というわけで、おやすみなさい。

カンヌ2013受賞:immortal fans

現在開催中のカンヌライオンズ2013のプロモ&アクティベーション部門のグランプリに、ブラジルの臓器ドナー登録を促すキャンペーンが選ばれました。AgencyはOgilvy BrasilとSao Paulo。

審査員の野添剛士さんによるレポ。

死後に臓器提供することへの家族の精神的ハードルというとてつもなく大きな課題に対して、「自分の愛するサッカーチームのファンを増やすためならオレはドナーになるぜ!」という宣言をチームのファンカードにつける。という、とてつもなくシンプルで、世界中で展開可能なアイデアで実現した仕事です。(中略)これがこの記念すべき年のカンヌで世界に知られることで、本当に少し世界を変えられるんじゃないか。そんなことを信じて選んだグランプリです。

SIXメンバーが見たCANNES LIONS 2013レポート(第1回)より

『immortal fans』不死のファン、永遠のファン。
『immortal fans』不死のファン、永遠のファン。

同じチームを応援するファンの間でドナーカードを作る。それは臓器だけでなく魂をバトンするためのドナーカードになる。日本にも「臓器提供意思表示カード」がありますが、そこにこんな熱い意味を込めるなんて、熱狂的なサッカー大国ブラジルらしい施策かもしれません。

51,000人以上がオリジナルのドナーカードを求めた。
51,000人以上がオリジナルのドナーカードを求めた。
それがコレ。
それがコレ。
臓器移植の年間件数も増加。
臓器移植の年間件数も増加(ドナー登録数は54%UP)。
初めて、角膜移植の待機リストが1,047人からゼロに!
初めて、角膜移植の待機リストが1,047人からゼロに!

スポーツの力を、選手やチームではなくサポーターが軸になって別の価値に転用する。「俺が死んでも俺の心臓でお前はチームを応援してくれよな!」と誇らしげに語るファンの姿が目に浮かびます。まさに不死のファン。さながらハッピーなレッドカード。

ファンの結束力をドナー登録に結びつけたこの施策、素晴らしいと思いました。

関根勤の妄想力

博報堂が発行している雑誌『広告』2012年1月号、コメディアン 関根勤さんへのインタビューより。

 

関根は、妄想好きとしても有名だ。

「アイドルとデートする妄想はよくやってたんですけど。最近は、妻にも妄想し始めましたよね。というのは、21年前に、家族で旅行に行った写真が娘の麻里の部屋にあったんですよ。パッと見たら、妻が35で。まあ、35というと本当に若くて、きれいで、女盛りなんですね。アレーッ、何でこんな女盛りの妻を楽しまなかったんだと。毎日眺めたり、抱きしめたり、『きれいだね』って言ったり。僕も37でそこそこ若かったんで、気づかなかったんですね。でも、ここへはもう戻れない。そのとき、ふと、待てよ、と。今の妻のことも、20年後に同じように写真を見て比べてみたら。『ああ、この頃きれいだったな。何で俺はそれを享受しなかったんだろう』って思うと思ったんです。これまでの妄想って、過去ばかりに飛んでいたんですけど、そのとき初めて自分が78歳になりまして、20年後に、未来に飛んだんですよ。自分が78歳になったという妄想で今の妻を見たら、いや、妻は若いし、きれいなんですよ」

 

感動しました。

33歳の僕は2ヶ月後に同い年になる妻を関根さんのように見たことはもちろんなくて。

自分なりに反省して、平日の夜に呼び出し麻布十番でイタリアンに興じたわけです。

というのはこじつけで、たまたま妻の会社の近くにいたから出てきてもらっただけですが。でも、こういう誰にも邪魔されないディナーが平日にあるのは悪くないし、20年後に訪れるかもしれない後悔をすこしは軽減できるかも。なんて。

関根さんは意識して喋っていないかもしれませんが、妄想ってたしかに「亡き女を想う」と書く。たとえ戻ってこない過去も、いったん未来に飛んで想えば、また現在に帰ってこれる。

というのはこじつけで、本当は「妄(みだ)りに想う」って意味だから、好き勝手に想うこと。それを一枚の家族写真から拡げること自体、とっても愛妻家なんだと思う。

そんな関根さんを見習って、ときどき未来に飛んでみよう。