Happy Up Here

ラジオでかかる洋楽が聞き覚えのあるアレンジで、
「ねえ、この曲すごいRoyksoppっぽくない?」
と彼女に訴えるも、「よくわかんない」。

「えー?すげーRoyksoppっぽい感じだよ」

J-WAVEのサイトでオンエアを検索すると、
「Happy Up Here – Royksopp」ビンゴ!

速攻でiTunes Storeに行き、購入クリック。

 

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=KmcPeuf5aXo&hl=ja&fs=1&rel=0]

春っぽい曲で好き。日産「マーチ」って感じ。

 

午後、青山ブックセンターで
元HAKUHODO DESIGNのデザイナー・佐野研二郎さんの
トークショウ「攻めるデザイン。」に参加。

広告クリエイターの講義やトークショウは大学生の頃から
さんざん耳を傾けメモを取ってきましたが(ミーハーなので)、
学生時代とは言葉の意味するところやリアリティ、重みが
圧っ倒的に違う‥‥染みる‥‥明日から使える‥‥としみじみ。

佐野さんは「プロ」という言葉を一度も使わなかったけど、
確固たるプロ論をアイデアノートと共におしげもなく披露してくれた。

自分のことを何度も「サービス業」と言うその人だからこそ、トークも
サービス溢れる“てんこ盛り”で、デザイナーなのに(失礼)話が上手い。
でも、よく考えたら話の下手なデザイナーってどうなんだろ?ダメか。

 

自分に置き換えてみて、さまざまなシガラミでうまく行かないことも、
今日のトークでやる気再燃‥‥って、単純だけど、まぁいいわ。
燃料になる佐野さんの話はまたいつか。

 

その後、浪人時代からの友だちと新宿で久しぶりのお茶。
病気を患ってたと聞いていたけど、だいぶ元気そうでよかった。

 

帰ったら溜まっている仕事をいくつか。
Happy Up HereをBGMに。

Green Island

渋谷が芝生に覆われている〜!

 

街が緑の芝生に覆われたら?
道が芝生だったら?
人々はどんな風に見えるだろう?
そんな想いからこのプロジェクトがスタートしました。

 

どこであれ、
芝生を見ると
ごろ寝したくなるなぁ。

 

Green Island

人間ども集まれ!

手塚治虫『人間ども集まれ!(完全版)』読了。

 

一見、手塚作品とは思えないタッチの画風。
そして何度も登場する“性(セックス)”のシーン。

いつもと違う‥‥と思いつつページをめくると、

1960年代の作品だが現代でも通用する大きな
テーマ‥‥クローン、差別、戦争‥‥にぶち当たり、
いつも以上の手塚作品にどっぷりハマる。

第3の人間「無性人間」、それを創り出す者たち、
無性人間の“父”であるダメ主人公の織りなすSF巨編。

感情移入しかかった瞬間に死ぬ登場人物たち。
僕はどこまでも突き放され、話に引き込まれる。

 

この完全版には、連載当時のラストシーンと、
単行本化にあたって大きく書き換えられた内容の
2バージョンが収録されていて、180度異なる結末に
クラクラするような衝撃を受けた。

 

どちらが好みかというと‥‥選べない!

 

—-

 

はからずも、昨日ラジオのことを書いたら
昨日発売のBRUTUSがラジオ特集だった。

BRUTUS

これは必読。

小室先生と地獄先生

J-POPを牽引してきた小室哲哉が
逮捕された年の翌年に、

ライブ以外では一切その素性を明かさず、
ジャケットやPVでもその姿を垣間見る事はできない。
音楽メディアのインタビューや写真掲載も拒否している

(Wikipediaより)

という「相対性理論」がiTunes Storeの
アルバムチャートで1位になったというのは

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=R4Ik8-RGUZk&hl=ja&fs=1]

 

[youtube=http://www.youtube.com/v/SHdhn3iPVf8&hl=ja&fs=1]

 

パラダイムシフトを感じずにはいられない。

消えた大陸

約1年前、ある1本の動画に出会っていなければ、僕は
Perfumeにここまで入れ込んではいなかっただろう。

『道夏大陸』

その奇跡の動画が、ついに「ニコニコ動画」から消えた。
社団法人音楽制作者連盟の会員の権利を侵害していたため、
または申し立てがあったために。

【ニコニコ動画】道夏大陸 Perfume篇

モヤモヤとした「ニコ動オワタ」と言いたくなるような
虚無感をどこにぶつければいいのかと思ったりもしたが、
作者さんはかなり冷静に現実を受け止めているご様子。
ブログには、

「勘違いしちゃいけない。俺たちは被害者なんかじゃない」

とも書かれていて、まるで言い聞かせているようで泣ける。
というか、動画よろしく泣かせどころを知った人間だなぁと
僕も冷静になってみる(動画はとうの昔にiPhoneへ入れてるし)。

ともあれ、道夏さんがPerfumeのファン及びセールス拡大に
寄与した貢献は計り知れないものがあると考えていいだろう。

そしてこのムーブメントがニコニコ動画を震源地として全国に
流布したことのインパクトは、ある意味でUNIQLOCKなんかより
ずっと強力なコミュニケーションだったんじゃないかと思う。

仕事の企画書で「○○(商品名)のファン化を狙う」なんて
常套句のように書いている自分が恥ずかしい。アホか、と。

あの動画に出会ってしまったから、横浜にも武道館にも行った。
そのくらい、すばらしい完成度と愛情あふれるパロディ動画だった。
Perfumeの「8年間」を知り、より好きになる最高のツールだった。

数多の動画が権利者の申し立てにより削除されても、道夏大陸だけは
ずっと残っていたし、パーマネントコレクションくらいに思っていた。
権利者さんも出来の良さと貢献度を鑑みて不問にしてるのかとさえ…。
そんなはずはないのだけど。

まさにクオリティチャレンジだったよなぁ。

きっとまた作者の手を離れ、誰かがUPしつづけるに違いない。
ただ、ひたむきに。

 

追記:
1月28日付の作者さんブログのエントリーには、お礼の詩(うた)が。
しかも「40MBのflv.ファイル」に対して。

やはし、プロの仕業だな。

WALL・E/ウォーリー

ピクサーの最新作、『WALL・E/ウォーリー』を観る。

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=TWzNJOfLVJ4&hl=ja&fs=1]

気が遠くなるくらい細密な煙と光の描写にうっとり。
ウォーリーの人間以上に人間くさい挙動がおかしい。

日本のCMだとやたら感動!をアピールしてたけど、
実際には、もちろん感動の叙事詩ではありつつも、
ただ風景を眺めているだけでも気持ちよくなれる映画。

『千と千尋の神隠し』で千尋が銭婆に会いに行く海上の
路面電車のシーンのような、ある想いでもって移動する
ところに、なんだか分からないけどジーンと来てしまった。

ウォーリーとイヴにほぼセリフがないのがいい。
彼の「再起動」でジャーン!というMacの起動音が
鳴るのがいちいちかわいい。

ストーリーは先が読めてしまうけれど、いやいや、
けっこう侮れない映画です。大画面の劇場で観るべし。

何度目かの一刻館


どーん。

お正月に実家で久々に読んだマンガが
改めて今の自分に面白くて、大人買い。

持ち帰ろうとしたら「これは伊藤家の財産だから!」
と弟に猛反対され、仕方なく古本をAmazonで。

写真と同じ愛蔵版の初版が出たのが1992年。
僕がお小遣いをはたいて集め出したのが93年(13歳)。
当時、担任の先生にその面白さを伝導していた気がする。
ちなみに連載開始は僕が生まれた1980年。

中一の春に読んだときは主に浪人〜大学時代の
破天荒なストーリーと変人だらけの人物設定に
心ときめいたものだけど、

28歳の今読むと、自分が最終巻の響子さんとほぼ同い年に
なっている事実に気づかされ、五代くんはリストラに遭い、
それでも愛する響子さんとの結婚に向けて行動していく
後半の展開がリアル。夢中になってしまった。

彼女が、バジル味のポテトチップスを食べながら
バジルと油まみれの手で最終巻から読み始め、思わず激怒。
まず手を洗え!そして1巻から読め!と言い放った。

FINALCUT

10月にさいたまスーパーアリーナで観た
RADIOHEAD | JAPAN TOUR 2008」の
ライヴ映像がWOWOWで放送される(すでに一度放送済み)。

その番組のスペシャルサイトが贅沢で面白い。
 
 
RADIOHEAD | 12 CAMS, CREATE YOUR RAINBOW | WOWOW ONLINE
http://wowow.co.jp/music/radiohead/special/
 
 
12台ものカメラで追った映像を、ユーザーが
自分の好きなタイミングでスイッチングできる。

 横一列に並ぶ12個のサムネイル動画をクリック
          ↓
 プログレスバーに、選択された動画が色で記録される
          ↓
 リプレイで、作成(編集)したムービーが再生される

素材をふんだんに使うとはまさにこのこと。

楽曲の販売ですら、価格設定をユーザーに委ねて
ダウンロード形式にしてしまったRADIOHEADだからこそ、
このサイトの自由自在な企画もより生きてくる。


選択した動画部分の色がならぶ様も
「In Rainbows」のアートワークを
彷彿とさせてニクイ。

天野祐吉×中島信也『広告も変わったねぇ。』出版記念トークショー

『広告も変わったねぇ。』出版記念トークショー
天野祐吉×中島信也の「CMも変わっていくねぇ。」

に参加。青山ブックセンター本店。
約90分間、最前列でメモしながら聞き入った。

 

・「テレビ」という響きに懐かしさすら感じる
・「上から下へ」のテレビが崩壊しつつある
・つよい巨人軍がいるから阪神ファンは熱くなれる
・権力者としてのテレビがあるから批評も成り立った

・テレビは夢も希望もない、身も蓋もないメディア
だからこそ面白い。昭和天皇がほっぺたをポリポリ掻いているところも、災害地で「住民は怒りと不安の声を口々に」とレポートする背後でピースする子どもも映してしまう猥雑なメディア

窓の外に木が生え室内には蔵書がある、というワイドショーお決まりのセットはテレビ側が抱く夢。あんなものはなくていいのに、ないと不安なテレビ局

 

2_nakajima-small

 

・リーマンショックは第二の9.11…広告への影響は年明けから
「軍縮」ならぬ「産縮」、産業の縮小が必要ではないか?
・過剰から適正にソフトランディングする時代へ
・だが、企業は生産か倒産しかしていない。適正化に踏み込めない
給料が半分になっても幸せな社会って描けないだろうか
・麻生内閣、あれはダメ

生活者の空気感に比べて広告はまだ脳天気
・その先を見せる装置がテレビCMだったのに
・ジョーンズ調査員(BOSS)やホワイト家族(SoftBank)はいまの面白いCMの極限ではないか。これを追うことは無理で勝てっこない。若者は別の新しいアプローチを!
眠り薬で催眠させる広告ではなく、目を覚まさせる広告を

・広告は現状へのちょっかいだったから面白い。そのために制作者は買い手視点であること
・だが、いまのCM制作はネガティブチェックの嵐…

サッカーのパブリックビューイングにテレビの新しいカタチ?
・ネットは個人のもの。テレビは生の、みんなのメディア
・ネットによる文化の多層化が進み、豊かになっている面も

2008年後半から激変した(といわれる)世界、温暖化が進む地球環境、日々降り注いでくる常識を疑ってみること

 

どうしても聞きたい質問があったのに、言葉にまとめることが瞬時にできず、断念。上手く言う必要なんてなかったのに。あ〜!一生後悔するなこれ。

それにつけても良書です。

微力ながら広告しておきます。

トウキョウソナタ

先週、『レッドクリフ』を観たと
電話で弟に話したら、

「なんでトウキョウソナタを観ない?」

と言われたのを思い出して、新宿の映画館へ。

隣の席に座ったお客さんが、なんと
大学時代のゼミ仲間だった。3〜4年ぶり?
長井くんの落ち着いたトーン、懐かしすぎます。
昨日からの偶然力、引き続き。

 

香川照之演じる父と、次男坊との
口論のシーンに、自分の父と弟を重ねてみた。

うちの父はあそこまでダメじゃないけど、
おかしな時期があったのは確かで、弟は
凝りもせずに反論(反抗ではない)して
よく叩かれていた。

家族なんて不協和音そのものだろう。
よく続いてると不思議に思う。奇跡に近い。

映画の中の家族も、壊れそうで、でもまた
「ただいま」と扉を開ける。そこに修復の
努力や葛藤、絆のようなほとばしるものはない。

それぞれが勝手に家を出て、勝手に生きて、
勝手に戻ってくる。

だけれども無関心というわけでもなく、
互いの存在や「痛み」は認識している。

うまく言えないけれど、愛おしい映画だと思った。
ときどき垣間見える黒沢作品のユーモアが、今回は
いつになく「救い」として機能している気がした。
 
 
弟に感謝。

明日の神話


渋谷駅の太郎。
麻生じゃない方の。

明日の神話

このオフィシャルサイトでは、

  ポータブルオーディオプレーヤーに
  ダウンロードして、
  壁画の前で岡本敏子の解説を聞こう!

という触れ込みで、
『岡本敏子音声解説』を
データ配布している。

すごくいい企画だと思う。
美術館で展示されていた時も、
渋谷駅で恒久的に展示中の今も、
敏子さんの解説がタダで聞ける。

他の美術館もやるべきだと思う。

琳派展もワイエス展も、500円ほどで
音声解説キットを貸し出していたけれど、
値段や端末の大きさがイヤで借りなかった。
(自由な解釈で観たいという思いもあった)

だけど、その音声解説を『明日の〜』のように
Webサイトからダウンロードできたらちょっと
トクした気分になるし、実物を前にしてでないと
解説の意味は確かめられないのだから、
行く理由がつよくなるんじゃないかな。

そして、相変わらず現地では500円で
レンタルすればいい。美術館に最も足を運ぶ
おばちゃん層はiPod普及率も低いと思われ、
今まで通り収入源になるだろう。

家に帰って、図録をめくりながら聞くというのも
新しい楽しみ方かもしれない。
 
 
いいアイデアだと思うけどなぁ。

女性写真家の梯子

恵比寿に行く。

東京都写真美術館で
日本の新進作家展vol.7「オン・ユア・ボディ」
写真新世紀東京展2008を観る。

まず、「オン・ユア・ボディ」。
今年、木村伊兵衛写真賞を獲った志賀理江子の
作品が他を圧倒する凄みでもって静かに攻撃してくる。
もう、この人の個展でいいじゃないか!と思った。

闇に水揚げされる網と、なにか獣の
皮を剥いだ顔の写真は夢に出てきそう。
いや、夢の中のようでもある。

人々を不安に陥れる志賀さん(同い年!)の作品に最も
安心感があるという、展覧会としてはいびつだった気が。
(高橋ジュンコの映像インスタレーションは酷かった)
 
 
不穏なイメージに酔いながら地下へ移動。
気を取り直して新世紀展を4〜5年ぶりに鑑賞。

今年は優秀賞受賞者に母校の後輩や
ゼミの先生を通じて会ったことのある
元木みゆきさんもいて、薄いなりにも
接点のある人たちの活躍に出くわす。

個人的には元木さんの「ZOE」が良かった。
牛が食肉処理場で“加工”される様を撮った作品。

家畜の屠場へは仕事の取材で行ったばかりで、
彼女の写すものが、取材先で僕が見た景色以上に
せい惨かつユーモラスで興味深かった。でもその
ユーモラスな部分の居場所が定まっていなくて、
元木さんの良さが落ちきっていない気もした。

生意気なことをいえばセレクトでもっと絞り込んでも
いいかなぁと感じたり、合間に入る日本語が意味深で
うるさいなと思ったりもしたけど、力のある写真群に
恐れ入った。“再会”にうれしくなる。

他の人のはだんだんどうでもよくなった。
中には素敵なポートフォリオもあったけれど、
公募展に集まったものだけに、いるだけで疲れる。
僕がトシを取ったということかもしれない。
 
 
恵比寿を出て、品川の原美術館へ。
写真家・米田知子展「終わりは始まり」を鑑賞。

静かな風景の連作に、今日一日、目に飛び込んだ
有象無象のイメージの群れを浄化する思いに駆られる。
洗い流すのは勿体ないけど、ま、いっか。という気に
させられる。イオウ温泉に入った後のシャワーの気分。

友だちに頼まれた図録を買って帰宅。

ちょっといい話

女子高に通う娘が
「夏休み期間中、外出する時は刺激的な服装を慎みなさい」
と学校から指導を受けて帰宅した。

それを受け、娘と母親が刺激的な服装ってなんだろう? 
と具体的な服装のデザインなどについて語り合っていた。

それを聞いていた父親が「セーラー服に決まっているだろう」と言った。
その夜、父親の寝室にセーラー服を着た母親がやってきた。

世界が平和でありますように。
 
 
いい話だ。