ワイエス展

アンドリュー・ワイエス展に行く。

『ミレイ展』『大琳派展』に引き続き、
美術の教科書で親しんだ作品の鑑賞。
ふらっと出れば観に行ける東京が好き。

まず、会場に設置された挨拶を読んで驚いた。
ワイエスさん、ご存命なのだ。91歳。
失礼ながら、歴史上の巨匠と思いこんでいた。

琳派展のごった煮展示とは対照的な、
ひとりの作家の変遷を追うシンプルな構成。
 

 
展覧会のポスターにもなっている「火打ち石」に
足が止まる。数点の「火打ち石のための習作」にも。

この、同じモチーフを何枚もエスキースしていく流れ、
かたちづくる過程が、創作を追体験するようで愉しい。

YouTube HD


YouTubeが16:9になって、HD画質に対応した。

動画をダウンロードし、iPhoneに転送。
おおおおぉぉぉぉ、iPhoneでもHD画質!

さ、仕事仕事…。

大琳派展 〜継承と変奏〜

東京国立博物館にて大琳派展を鑑賞。

病み上がり(風邪引き中)にはこたえる人混み。
20分待ちの行列は覚悟の上の最終日…曇り空。
人垣の奥に見る尾形光琳はそれでもなおまぶしい。

展覧会の最大の見どころである、
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一の
4つの「風神雷神図」を同時に鑑賞できる箇所は、
さすがに黒山の人だかり。
離れたところから全体を一望したかったけど、叶わず。

去年、京都に行ったときに建仁寺で観た
宗達のオリジナルが観られたのは収穫。
彼に一等賞をあげたい(凄みが違う)。

うれしい出会いもあった。
酒井抱一。他とは異なる渋みのある色、
大胆な構成に息を呑み、釘付けになる。

京都発のバッキバキな金色世界とは真逆の色合いと
ぺたんこの平面構成に、なぜか無限の空間を感じる。


草花の細密描写と大胆な川の流れにとぼけた緊張感があって、目に心地いい。
展覧会場を離れたくない、と思った。
 
 
それにしても、超満員のお客さんたちは
思い思いの感想をぺちゃくちゃ語り合い、
その話がいちいち面白い。

ご年配の方であれば博識を披露してくれるし、
女子高生風の4人組は鈴木其一の夏秋渓流図屏風を観て
「ディズニーランドのアトラクションの壁みたい!」
「わかるー、なんかペンキっぽいよね!」
と言っていた。なるほど、言われてみれば。

200年前の芸術の前に、色んな人たちがいる。
音声ガイドなんて必要ない、好きに観ればいい。


大昔の作品たちなのに、愛されてるなぁ。

撮れない日

  写真は「生き物」みたいに繊細で揺らぎやすいので、
  撮るときは意識が開いてないとだめなんです。
  ちょっとでも精神的にぐらついていたり、
  及び腰だったり、思い切りが悪かったりすると、
  写真に出てしまう。
  そういう日は、写真が撮れない日です。

ほぼ日刊イトイ新聞 – 大竹昭子さん、写真のたのしさ、教えてください。
より。
 
 
思い切りの悪い僕はぜんぜん写真家じゃないけれど、
よく分かる。
 
 
先日、駅の改札を通ろうとしたら、
ふだんは駅員さんがいるはずの窓口に黄色い
帽子を被った小学生たちがすし詰め状態(!)。

社会科見学なのだろう、メモ帳片手に
駅員さんの説明に聞き入っている。

まるでネロ少年がルーベンスの絵を見るかのような
無垢なまなざしを一身に受けて、たまらず苦笑する駅員さん。
横で若い女の先生が申し訳なさそうに立っている。

そんな奇っ怪な光景にも目もくれず
改札を通り過ぎる人々は、定刻通りに
来る電車に乗ることで頭がいっぱいだ。

僕はといえば、ガラス一枚を隔てていつもの
改札と黄色い異物が混在するこの状態を発見し、

「撮らなきゃ!」

と思ったが後の祭り。

日常のレールに乗っかった僕も
改札へと引きずり込まれ、そのまま朝の
ラッシュへと溶け込んでしまった。

何で引き返さなかったんだ?
でも、引き返すのも違うような気がする。
そのとき、カメラは鞄の中にあった。

最初からカメラを持っていなかった時点で、
どうにも抗えない。そういう出会いだった。

僕の好きな写真家なら押さえていただろう。

Good night cafe

衝撃のBUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!を観た(した)木曜の夜、
盟友・コニ氏と代々木上原に移動し、Fireking cafe
ああでもなく、こうでもなく、語り合う。

武道館の感想はもちろん、

浪人時代に苦楽を共にした第二の故郷・立川への心配、
先日のコニ氏の展示の僕からの率直な感想、
別の友人の展示に抱いたちょっと残念な部分、
それでも作っていくしかないよねという総括。

だいたい考えていることがふつうに通じる。
伝えたかったことを一気に言葉にして投げたら、
どの球もみごとに返してくれて爽快だった。

恋人か!と後で彼女に突っ込まれなかったらシャレにならない。
(本当にキモイらしい)

なにかを作りつづけるにはお金がかかる。
場所もいる。時間もかかる。人のお手伝いも必要だ。
常に謙虚に、真摯にとり組む彼なら、大丈夫だと思った。

気づいたら終電の時間もとっくに過ぎて、
奥の席にいたおぎやはぎもアンガールズ・田中も帰った後で。
ダウンライトのカフェは人を饒舌にさせる。

必然の11.06

ロッキング・オンの渋谷陽一によるBUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!評。

客の9割が男なのに驚く。勝手に4割くらいが女の子のイメージを持っていた。改めてアイドルなんだと確認。でも革命的なアイドルである事も再確認。

これほど自我が相対化され、ナルシズムが無化されたアイドルはかつて存在した事がない。桑田佳祐が30年トップを走り続けて到達した境地に、何故19才の女の子が立てたのか分からない。

小学生時代から、売れないアイドルとして積み重ねたキャリアが強くしたのだろうか。しかし、普通なら人を歪めてしまうキャリアの中で、健全でいられた事こそが謎である。僕は、彼女達の知性が、こうした奇跡を起こしたのだ、と思っている。

新曲紹介のMC。「中田さんに見捨てられなかったから、ここまでこれたんだよね。これって偶然だよね。でも、必然だと思いたいよね。だから、ここで皆に会えているのも、偶然じゃなくて必然なんだよ。必然なんだよ」

アイドルが語る言葉として、これ以上のものを僕は聞いた事がない。

 

RO69 :: ブログ :: 渋谷陽一の社長はつらいよ
より抜粋。

 

完全にハマってる自分。至極納得共感同意。
くぅっ、わかってるね!と肩を叩きたい(失礼)。

 


こんな風景にも動じない。むしろ許す。
(アイドルグループ・NEWSの加藤くんのポスターです)

BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!

Perfume 日本武道館ワンマンライヴ「BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!」
アリーナ席で参戦!!!!(またしても盟友・kofumeと)


新曲「Dream Fighter」もいち早く生で観た!
 かしゆかのご両親が目の前にいた!
  のっちのお母さんも観た!(激似)
   掟ポルシェさんも間近で拝んだ!
    木村カエラもいた!らしい。見てない!

3人の超絶パフォーマンスを2時間30分堪能した!!!

ウェーブもあり、会場全体がものすごい一体感。
あ〜ちゃん風にいえば、ちょ、これやばいっしょ。

コニ氏のブログにも熱く書かれているけど、
「届きたい対象が数10メートル先に実際にいる」幸福感に満たされました。

こんなに好きだったっけ?と笑っちゃうほど、
ジャンプして、手を挙げて、アンコールを叫んで。

 

ライヴハウス武道館、がそこにはありました。

 

【セットリスト】

コンピューターシティ
edge
エレクトロ・ワールド
– MC –
plastic smile
love the world
マカロニ
– MC –
Baby cruising Love
Take me Take me
Butterfly
GAME
シークレットシークレット
パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
– MC –
セラミックガール
ジェニーはご機嫌ななめ
チョコレイト・ディスコ
ポリリズム
Puppy love

Dream Fighter
Perfume
wonder2

ファイト!

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=G-ga8SfbtEo&hl=ja_JP&fs=1&rel=0]

あの名曲は実話から生まれたのですね。
鳥肌が立ちました。
———————————————–

みゆきさん こんばんは

毎日たのしく聴いています。

わたしは中学をでて すぐに働いて2年になる17歳のおんなのこです。

この間、わたしの勤めている店で、

店の人がわたしのことを

「あのこは中卒だから事務はまかせられない。」

と言っていたのを聞いてしまいました。
 
 
 
わたしくやしかった。

くやしくてくやしくて泣きたかった。

中卒のどこが悪いと言いたかった。

わたしだって高校行きたかった。

だけど家のこと考えたら、私立に行くなんて言えなかったし、

高校に入る自信もなかった 。

なのにこんなふうに言われるなんて ヒドイ。

ごめんなさい 愚痴を書いてしまって。

また お便りします。
 
 
 
ペンネーム「わたしだって高校行きたかった。」

GAME DVD


Perfume First Tour 『GAME』のDVDを鑑賞。
ラスト2曲の中に自分の腕が入ってる!という事実。
どれだかさっぱり分からんけど。

ハイクオリティ・ハイパフォーマンス。

ライヴ映像としては宇多田ヒカルや陽水のそれとは
比較にならないほどしょぼい構成&音質なんだけど、
6月の興奮が蘇るようで、とりあえず3回見た。

完璧な計算でつくられた楽園ですよ、これは。
 
 
 
ちなみに壁に貼っているポスターは
欲しくてたまらない46インチBRAVIA。
30万円(無理!)。

「こんな虚しいもの、お願いだから剥がして!」
と彼女はものすごく恥じているようだけど、気にしない。

ジョン・エヴァレット・ミレイ展

ジョン・エヴァレット・ミレイ展を観た。

19世紀の英国を代表する画家、
ジョン・エヴァレット・ミレイ(1829-96年)の
10代から晩年までの広い範囲の作品により、
画業の全容を紹介する本格的な回顧展。
(Bunkamuraのサイトより)
 
 
代表作「オフィーリア」しか
知らずに行ってみたら、ほかにも
ゾクゾクッとくる作品がいくつもあって。

妻や娘たちをモデルに描く
女性のまなざし、背景の色彩、細密描写。

井上雄彦のマンガを見て言うように、
ミレイの絵に「うまいなー!」と思ってしまう。
笑みをたたえるようで、徹底して無表情。いい。

そしてオフィーリア。

まさか日本で観られるとは。
しばし、立ちつくす。

RADIOHEAD | JAPAN TOUR 2008

4年ぶりの生レディオヘッドは、
最前列から2番目という奇跡の場所で観戦。

打ち身がたくさんできました。

 

開演早々はぐれてしまった彼女は、ファンでもないのに僕に付き合わされてモッシュに飲み込まれ、靴が左右とも行方不明になってしまい。

雨の中、裸足で近くのイトー・ヨーカドーまで歩きました。

安物の靴を買って帰宅。

全身の汗をアリーナに吸い取られました。

 

興奮でうまく書けません。
このツアーが日本公演最後になるやも、という噂(?)が嘘であってほしい!

IMG_5231

【セットリスト】

15 step
airbag
just
there there
all i need
pyramid song
weird fishes / arpeggi
the gloaming
myxomatosis
faust arp
knives out
nude
optimistic
jigsaw falling into place
idioteque
fake plastic trees
bodysnatchers

like spinning plates
videotape
paranoid android
reckoner
everything in its right place

go slowly
my iron lung
how to disappear completely

21:10 ダークナイトを見た

m_thedarkknightクリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』、観た。

今年ナンバーワンの作品かもしれない!

話は文字通りダークだけど、スカッとします。
「映画を観た!」というカタルシスにおいて。

 

ヒース・レジャー扮するジョーカーがいい!

この人の狂気に満ちた振る舞いは、目的を持たず
見返りを求めない今時の“悪”を見事に現している。
映画の完成を前に急逝したことが残念至極。

そしてバットマンシリーズと言えば
ティム・バートンのきもかわいいゴシック様式な
イメージが濃厚だけど、こと今作はシリアス路線。

長年続き、愛されているアメコミキャラを
ここまでドラマチックに見応えのある内容に
料理した監督はすごい。

 

久しぶりに一級品を観た満足感を抱き、
いやあ、映画って本当にいいもんですね。
と酔いしれながら眠りにつきました。

奥歯に刺さった金魚の小骨が取れた気分。

ダークナイト
ダークナイト : 今度のバットマン「ダークナイト」はココが新しい!

23:30 ポニョを見た

「崖の上のポニョ」、について。

彼女に付き合う形で観に行きました。
うーん。な感じです。もやっとしてます。

 

最後まで誰にも感情移入できず、ただただ

・洪水の中、お母さんが5歳児に留守番を強要したり
・住民の反対を押し切って嵐の中を暴走運転したり・・・
・俳優が下手すぎだったり(一茂は意外と上手い)

にハラハラというか、腹が立ちました。

 

これは子どもを軸にしたファンタジーなんだ、と思っても、
その物語自体に大きな起伏があるわけでもなく、なぜこれが
大ヒットなのか理解できませんでした。つまんなかったです。

「宮崎アニメを批判するのはなんとなく刺されそうだけど・・・」
という前置きで、僕を映画館に連れて行った当人も首をかしげつつ

「私だめだったわ、ポニョ。これは私がダメなのかなぁ」

いやいやいや、そんなことないよ!
共感しあえたのはむしろ唯一の救い。

映画評論家の町山さん
「『夢』を撮った往年の黒澤明のボケっぷりが
 ポニョの宮崎駿にも見て取れる、ヤバイかも」
と言ってたけども、うん確かに。

 

“お口直し”に『ダークナイト』観てきます。

若神子よ永遠なれ

ここ最近の同居人の日課といえば、
終電で帰って、晩ごはん食べて、午前3時まで
ニコ動でアニメ『ビックリマン』を観ること。

 

だったのだが。

 

全75話中、折り返し地点の36話まで
ワクワクドキドキしながら観ていた動画たちが
ある日突然、バッサリと落とされてしまった。

ニコ動で侵害動画を削除 MADも(ITmedia News)

ドワンゴは7月2日、子会社ニワンゴが運営するニコニコ動画上に投稿された動画のうち、映像関連の業界3団体加盟企業の著作権を侵害するコンテンツを削除すると発表。
ユーザーが別のコンテンツを加えて編集したいわゆる「MAD動画」も削除するとしている

 

たぶんきっと、この処置を
受けての結果だと思われる。

「権利者の申し立てにより削除されました」

        ・
        ・
        ・

「はぁ!?天聖門がやっと開いたのに!?」
「もうこれから何もいいことなんてない」
「生きる糧を無くした」

恨み節を放つ彼女の目には涙が。

 

オアシス天如、オーロラ王神、如面菩薩、
明星クィーン、ダム神、レスQ天女、ポンプ大帝、
クリスタル天子、聖母マンマ、一見尚神、
昇皇王、水墨法師の12天使が勢揃いし、いよいよ
第37話「はるかな次界へ」とつづくはずだったのにね。

 

ただ、著作権を考えれば当然の処置です。
今までタダで観られていたのが不思議なくらい。

でも、正直言ってニコ動の魅力は減退。
TSUTAYAでレンタルしろよって話だけど。
TSUTAYAには朗報?

応援団長・佐々木宏

ggg(銀座グラフィックギャラリー)にて、

『がんばれニッポン、を
 広告してきたんだそう言えば、俺。
 応援団長佐々木●宏』展

を観る。

 

シンプルで強いアイデア。
見る人へ鮮烈な印象を残す数々のTVCMや新聞広告など
メジャーな広告キャンペーンを次々に世に送り出し、
ヒットを連発するクリエイティブディレクター、佐々木宏。

今回の展覧会では、広告一筋30年、CD佐々木宏のこれまでの
仕事を通し、キャンペーン広告の進行や創造過程、その中で
果たすクリエイティブディレクターの役割、広告が果たす効果、
広告という仕事の面白さや魅力をご紹介します。

数多くのTVCM映像、新聞やポスターなどのグラフィックにより、
表現・検証するとともに、企業や商品を応援することを通じ、
それがニッポンの応援にもなり、ニッポンのブランド活性にも
なっているという視点でプレゼンテーションしていきます。

 

いやあ、面白かった!

一見大げさな展覧会タイトルは、観ているうちに
まったく大げさとも言えない気になってくる。

この人の手がけるCM、グラフィック、コミュニケーションは
どれも一篇の「作品」と呼べる水準なのに、機能する「広告」
であることが大前提で、バランス感覚が卓越している。

浜崎あゆみが歌うBOSSも、LIVE/中国も、そうだ京都、も、SMAPも、
ぜんぶ日本の応援コマーシャルになっているんだ!という15秒回答集。
分かりやすいところではTSUBAKIとSoftBankの犬のお父さん。最強。

アイデアは最終的には人柄、人間力に結実する!とは恩師N島信也氏の
お言葉だが、佐々木さんの人柄が伝わる文章にすっかり魅せらた。

 

大学の先輩(現デザイナー)が話してくれたことも思い出した。

佐々木さんのプレゼンって、他がものすごくダメに
 見えるプレゼンテーションなんだって。怖いよね‥‥

SoftBankの「=」、
ANA「ニューヨークへ、行こう。」、
資生堂TSUBAKI「日本の女性は、美しい。」。

競合他社以上に大きな概念、メッセージを「ずっと以前からあった」
かのように投げかけ、他を寄せつけない。
なるほど、怖い。

 

帰り道、ギャラリーG8で『JAGDA新人賞受賞作家作品展2008』も鑑賞。
世界のKitchenから」も「UNO」も、同年代の人の仕事なんだなぁ。