『泣いてもいいんだよ』の歌詞を自分ごときが誉め称える無礼をお許しください。

ちょうど書こうと思ってたんだよ!
と唸っちゃいました。

 

(前略)注目したいのは編曲・瀬尾一三である。徳永英明「壊れかけのRADIO」、バンバン「『いちご白書』をもう一度」など、上げればキリがないほどの日本音楽界屈指の編曲家であり、中島とは1988年リリースのアルバム『グッバイガール』以降、ほとんどの楽曲でアレンジを担当する、中島作品に無くてはならない存在である。だが、多くの歌手・アーティストに提供されてきた中島楽曲では、実は瀬尾がアレンジを施した作品は少ないのだ。そんな中、同曲は簡潔な楽曲構成ながらも中島みゆき節とも言える個性とともに、瀬尾の起用が功を奏し、近年のアイドルソングとしては異色な仕上がりになっている。

ももクロ×中島みゆき『泣いてもいいんだよ』の歌詞はなぜ刺さる? 瀬尾アレンジが示す“歌の本質”とは より

そうなんです。
オリコンウィークリーでTOPにもなった、ももいろクローバーZの新曲『泣いてもいいんだよ』の編曲が瀬尾さんというところに、中島みゆきファンはマスオさんばりに両手をピンと伸ばして「えぇっ?!」と背伸びしたはずです。僕もです。

中島みゆき作詞作曲という発表を国立競技場で見たとき、それでも「ももクロ風」にはアレンジされるんだろうなと思っていました。歌詞もいつもの中島調にくらべればいくぶんライトになるのかな、とか、僕、ナメてました。

実際は、ガチ・みゆきソング。

瀬尾さんアレンジのシンセとサックスは20年前から変わらない音で、ふだんのももクロに比べれば転調はおとなしめ。音楽は門外漢なのであくまで素人の印象でしか語れませんが、最近の歌にしてみればずいぶんと「単調」と言えるかもしれません。

そんなみゆきソングのつくり方については清水ミチコさんの解説が素晴らしいのでこちらをご覧ください。

「型どおりだと嗤いなさい〜♪」

 

ちょっと時代がちがうけど、そう、型どおり、シンプル。ゆえにボールド。
ぶっとい歌詞が、ぶっといメロディと歌い回しで展開されます。

近所のJASRACが怖くてワンフレーズずつをちびちびと「引用」するしかないのですが、みゆきさんはやっぱり歌詞が素晴らしい。

「強くなれ 泣かないで」「強くなれ 負けないで」
「大人になれ 泣かないで」「大人になれ 負けないで」

(ももいろクローバーZ『泣いてもいいんだよ』より)

「大人たち(仮にそうします)」からの「逃げ道のない」励ましから始まる冒頭は、その後につづく反抗へのトリガーとして、壮大な瀬尾アレンジとともに幕を開けます。

ただ、単純な反抗ではないのが、中島みゆきイズム。

それが、

「泣き虫な強い奴なんてのが いてもいいんじゃないか」

(同)

こういう奴がじつはいちばん強い奴なんじゃないか?とでも言いたげな。
『泣いてもいいんだよ』というのは「全然今なら泣いてもいいんだよ」と赦しながら、そのぶん「強く泣け」と『夜を往け』ばりに言われているような気にさせられます。

思い返せば

「その船を漕いでゆけ お前の手で漕いでゆけ」

(TOKIO『宙船』 作詞作曲 中島みゆき)

にも現れる、孤独の強さ。

「泣き虫な強い奴」の登場で、ぐっと自己投影したくなる歌になります。
初めて聴く人が、ただの応援歌じゃないぞと思わせられる。

 

つづきます。

「どんな幻滅も 僕たちは超えてゆく
でもその前にひとしきり痛むアンテナも なくはない」

(同)

ここで心を鷲づかみにされた僕。

「なくはない」って、かーっ!
みゆき節だわー、フォークだわー、それ好きなやつだわー。

「一日の中に 1年を詰め込む
急ぎすぎる日々が 欲望を蝕(むしば)む」

(同)

詞と音がさも同時に発さているかのような合致っぷり。
「なくはない」や「蝕む」の言い切りの台詞がメロディにぴったり填まっている。
それが中島みゆきの説得力、中島みゆきの包容力。

そこに歌唱力も加わって三位一体となるのですが、その醍醐味をちょっと感じさせてくれるのは有安さんかも。節回しが曲にすごく合います。

いつか中島みゆきさんご本人の歌唱でも聴いてみたいものです。

 

Sia「Chandelier」

オーストラリア出身のシンガーソングライター、
Sia(シーア)の新曲「Chandelier」。

 

 

MVは公開後5日しか経ってないのに370万ビューを突破。
だって美しいもの。

出演しているのはMaddie Zieglerちゃん11歳。
アメリカの女優、ダンサー、モデルだそうです。

 

『LEON』のマチルダを思い出しました。
『LEON』のマチルダを思い出しました。

 

子どもっぽい表情から大人な仕草まで変化に富む。
子どもっぽい表情から大人な仕草まで変化に富む。

 

予測不可能なダンスと人形のような出で立ち、それを淡々と押さえるカメラワークが美しい。
予測不可能なダンスと人形のような出で立ち、それを淡々と押さえるカメラワークが美しい。

 

映画『ぼくのエリ 200歳の少女』のような妖しさをもつ映像で、好きです。

 

このMVの共同監督も務めたSia自身は
広瀬香美さんに似ています。

“Happy”に乗っかりたい気分づくり

Pharrell Williams – Happy

このWebサイトがクレイジーで気持ちいいんです。

アメリカのシンガーPharrell Williamsの“Happy”という新曲のために公開されているこちらのサイトは24時間ぶっ通しで見せるユニークなプロモーションビデオ。

どんな趣向かというと、およそ4分の曲を24時間ひたすら連続再生でループし、その間一曲毎に毎回違うダンサーがそれぞれのパフォーマンスを見せるというもの。
その場のシチュエーションなどはその時間に対応したものになっており、ユーザーは自由に時間を進めたり戻したりしながらダンサーを次々と切り替えていくことが出来るインタラクティブな造りになっています。

K’confより)

どこをどう切り取ってもカッコイイ
どこをどう切り取ってもカッコイイ

Pharrell_Williams_Happy03

ところどころに出てくる有名人を探すのも楽しく、シンプルなルールでいつまでも見続けられるのは本当に気持ちいい。YouTubeでは再生回数が2億を突破しているとか。

世界各国の都市バージョンも派生しているらしく、たとえばスター・ウォーズ(都市っていうか星じゃん)。

そして4月29日、原宿バージョンも公開されました。

http://youtu.be/rVvUxM0ywrc

出演者は、オープニングを務めたファッションブランド「FIG&VIPER」クリエイティブディレクター植野有砂をはじめ、渋谷区長の桑原敏武やビームス代表取締役社長の設楽洋、ユナイテッドアローズ取締役会長の重松理、SHIMAの奈良裕也、FALINEオーナーのBaby mary、Yusuke Devilといったファッション関係者に加え、二足歩行ロボットのASIMO(アシモ)やプロレスラーの蝶野正洋まで多彩な顔ぶれだ。

Fashionsnap.comより)

すこし前の『恋するフォーチュンクッキー』のような流行り方かも。上手い下手関係なくダンスで繋がれるって、もう見ているだけで幸せ。しかも原宿バージョンは作り手の狙い通りに原宿へ行きたい気分にさせてくれます(ボクの場合、原宿=職場だけど)。つまり観光コマーシャルになってる。

そういう点もふくめて音楽がもつ、人を取り込む力って改めて魅力的。全世界で大ヒットしている『アナと雪の女王』も、冷静に考えたらトンデモなストーリーはお構いなしに音楽でヒットしてる(と思う)けど、素人によるアフレコ動画のアップが流行ってたりするし。素人が真似したくなる、参加したくなる音楽になっていることが流行のポイントなのかな。

気がつけばファレルの『Happy』、絶賛ヘビロテ中です。

Blogなんで自分の好きな曲についてダラダラ書くよ。

http://youtu.be/FzVjxVQgVDs

『Yes-No』(1980年)
オフコース、あぁ、名曲や‥‥。

中学高校と、オーディオマニアの父とフォークソングファンの母に影響されて、中学の入学祝いに買ってもらったKENWOODのコンポで聴きまくったのが、このオフコースと、井上陽水、安全地帯、中島みゆきでした。家に母親のカセットテープがあったから。

高2の夏から友達に勧められてRADIOHEADやBjorkなどへと傾倒していきますが(ハードはMDウォークマン)、田舎の思春期のガキにとっては『Yes-No』がまぶしすぎる原体験。言葉にすると陳腐だけど、日本語の歌詞の奥深さとメロディで描かれるドラマ性に衝撃を受けたものでした。

とくにオフコースと安全地帯は今でもほんとうに素晴らしくて。
声とアレンジが。

『碧い瞳のエリス』(1985年)。
安全地帯、最高や‥‥。

この曲の作詞をされている大御所・松井五郎さんが手がけられた名曲『ふたりの夏物語』。その作曲家・林哲司さんと近年タッグを再び組んで作られた曲があるので、お聴きください。

http://youtu.be/RRlB4lNeY7c

『涙目のアリス』(2012年)
玉井詩織(ももいろクローバーZ)

いいなぁ、80年代トレンディドラマ風のこのマッシュアップも込みで。
(動画作者さんの『ももクロと警察』も秀逸です)

なんなんでしょう、この歌詞とメロディとアレンジから来る王道感。
2012年じゃなくて1985年くらいから歌い継がれてきた名曲のような。

ただ貼りたかっただけのキャプチャ。
ただ貼りたかっただけのキャプチャ。

企画物アルバムの1曲とは思えないクオリティに、アイドルかくありき!と思わず納得してしまう。

そんな80年代J-POPを彷彿とさせるこの曲のピッチを落としたものがこちら。

しおりん、大人や‥‥。
「昔、中山美穂が歌ってて、それがコレなんだよね〜」とサプカルクソ野郎がLP漁りながらこれ見よがしに言ってきたら信じてしまいそう。

玉井さんもいつかこんな落ち着きのあるしっとりとした歌い方をする日が来るのかしら。

脈絡なくつづけます。

『グランドでも廊下でも目立つ君』(2010年)
作詞・作曲 つんく♂

Berryz工房の須藤真麻さんと熊井友理奈さんのデュエット曲。これまた素晴らしい。熊井さんの声とこの曲の透明感はいまいちマッチングしないんじゃないか?と思ったりもしましたが、LIVEで観て謝りたくなりました。かわいく歌う。これに尽きます。オフコースじゃないんだから。

 

まとめられなくなってきたので、無理矢理まとめると、かわいく歌う!& シンセサイザー最高!(違)

というわけで、この人を避けて通ることはできません。
お聴きください。
tofubeats『Don’t Stop The Music』feat.森高千里(2013年)

 

避けて通れない人と組むtofubeatsさんの避けて通れないセンスに注目です。
おしまい。

ビックロ機密文書を探せ!

日本を代表する謎制作集団・SCRAPが新宿東口に謎を仕掛けました。

 

そのお手伝いをしました。

「あの文書が、盗まれた…?」
「あの文書が、盗まれた…?」

ビックロ機密文書を探せ!

9月27日から10月6日まで!
Webサイトから参加登録するか、当日のお買い物レシートで参加できますよー。

今回、サイトはもちろん、企画、このムービー、現場で配られる解答用紙、問題パネル、奪還成功パネル、店員さんの謎バッジなどなど、Webだけでなくイベント用に、ありとあらゆるものを制作させていただきました。

まずは1F受付で解答用紙をGETせよ!
まずは1F受付で解答用紙をGETせよ!
ムービーの音楽は「半沢直樹っぽいシリアス路線で!」とオーダー。会議室のシーンではテーブルをばんばん叩くキャラをしのばせ、雰囲気は『Kiss Kiss Bang Bang』みたいなお洒落シルエットを目指しました。

こういうのは言うと野暮なんだけど、この仕事に関しては「些末なところを徹底する」のが僕の役目と思ってやってます。

もっと根幹の部分はうちのコピーライター・O女史がしっかり見てくれているので、その下で安心して遊んでる感じ。彼女が構成したネタバレサイト(後日公開)もかなりイイ出来です。

この金・土・日で終了してしまいます。新宿にお立ち寄りの方はぜひー!

ビックロ機密文書を探せ!

PACIFIC RIM

遅ればせながら映画『パシフィック・リム』を観てきました。しかも2回。1回目は3D吹き替え、2回目は2D字幕で(3回目は予約したのに寝坊で断念‥‥)。

6月に予告篇をBlogに取り上げたのに、9月まで映画館に足を運ばなかったことをここに謝罪します。いや、ほんとうに素晴らしかった。2D字幕版を最初に鑑賞した妻は翌週に3D吹き替え版をひとりで池袋まで観に行き、その映画館で売られていなかったガイドブックを買うためだけに新宿バルトナインまで行ったそうで、惚れ直しました。ほんと、男心とオタク心をくすぐる素晴らしい出来なのです。

実写で観てみたいものをことごとく実写化してくれた映画。
実写で観てみたいものをことごとく実写化してくれた映画。

 

KAIJU(怪獣)や巨大ロボはCGだけど着ぐるみの重厚感を意識したそうです。

例えば巨大ロボ「イエーガー」を整備する基地はガテン系の男どもでひしめいているんですが、このスタイリッシュとは真逆の油のニオイが漂う雰囲気は『機動警察パトレイバー』ですし、主人公が操るロボの動力源がアレなのは『ジャイアントロボ』と共通ですし、頭部がボディに合体して出撃するシーンは『マジンガーZ』の「パイルダーオン」ですし、ラストシーンは『エヴァ』を彷彿とさせますし、他にも「この設定のモノネタはコレか?!」と言いたくなるシーンが目白押し。

ぼくが特に感動したのは、イエーガーがビルの谷間を闊歩するシーンで流れる音楽。伊福部昭さんの『ゴジラ』のテーマ曲を彷彿とさせる重厚なオーケストラをぶつけてきてるんです。ここでもう涙腺崩壊。

0:53あたりから流れる曲がそれです(この東宝ゴジラ的予告編の出来も最高!)。

余談ですが、VFXスーパーバイザーとしてメイキングに出てくるジョン・ノール氏は兄弟でPhotoshopを開発したことでも有名。さらに余談ですが兄のトーマス・ノール氏からサインもらったことがあります。どこかに行ってしまったけど‥‥。

 

そろそろ劇場公開が終わりそうな『パシフィック・リム』。菊地凛子と芦田愛菜ちゃんの演技も必見。字幕版と吹き替え版のどちらもオススメです。

映画館で観るべき映画でしょう。

中村洋基のクリエイティブ千本ノック!

Webデザインの専門誌『Web Designing』さん主催のワークショップ、中村洋基のクリエイティブ千本ノック!に参加してきました。

 

100人ちかい受講生と、洋基さん、そしてゲストにサントリー酒類の宣伝部の方がでっかい会議室に集まり、「サントリー ザ・プレミアム・モルツのWeb広告を考えよ!」というテーマで進行しました。

8つ(もっとだったかな?)に分かれた6〜8人ほどのチームでブレストをする前に、洋基さんから、「企画で気をつけるといい3つの要素」について。

 

━━━━━━━━━━━━

1:人間のインサイト と 技術のインサイト

よく、広告制作では「インサイトを突くといい」なんて言います。インサイトとは、うちに秘めたる欲求のツボみたいなもので、それを押すといいよーなんて言うけれど、PARTYは(←僕は、だったかも)そのインサイトがヒューマンインサイトとテクニカルインサイトのふたつあると考えていて。

ヒューマンインサイトは、人間の欲求。
テクニカルインサイトは、技術の可能性。

広告コミュニケーションはもともとヒューマンインサイトに則って企画化していくものだけれども、ことデジタル領域においてはテクニカルインサイトがあると他人のアイデアとかぶりにくい。そこが強みなんだから、テクニカルインサイトはバカにできない。

例:ミッシング・チルドレン(中国・Cannes Lions 2013 モバイル部門受賞)

http://youtu.be/B4eqE1GTTEs

中国では毎年2万人以上の子供が誘拐され、ストリートチルドレンになっている。そこで、ストリートチルドレンの写真を撮って送ると児童保護団体のデータベースに登録されている誘拐された子供の写真と顔認識でマッチングするアプリを開発。今までに600人の子供の身元確認ができた。

⇒ヒューマンインサイト(困っている人を助けたい/いいことしたい/子どもは宝、守りたい)
⇒テクニカルインサイト(顔認識/データベース)

━━━━━━━━━━━━

2:NOWISM いまを共有する。

Snap Chat・・・10秒だけ残す写真共有アプリ。
http://gigazine.net/news/20130822-snapchat-review/
今だけを切り取り、その瞬間だけを共有する。これがアメリがで流行ってる。

「いま」の価値が高まっている時代。

音楽でいえば、CDが売れない時代にLIVEの価値が上がっている。

言い換えれば、ストック型⇒フロー型へ。

たとえば、キャンペーンサイトの数が減っている。どうしてか?
何ヶ月もかけて頑張って作っても、今はTwitterに載ると一瞬で洪水に巻き込まれ、終わる時代。昔はもうちょっと息が長かった。今は消費が速すぎて、打ち上げ花火が瞬間すぎることに作り手も広告主も気づいてきたということかもしれない。

そんな中、Red BullのStratos。

2012年10月14日(日)昼 【日本時間 10月15日(月) 早朝】、レッドブル・アスリートのフェリックス・バウムガートナー(オーストリア人、43歳)が、アメリカ合衆国 ニューメキシコ州ロズウェル上空39,014メートルの成層圏からジャンプし、フリーフォールの世界新記録の樹立と、高高度での安全性の発展に向けた情報収集を目的としたミッション、Red Bull Stratos(レッドブル・ストラトス)を成功させました。(公式サイトより)

リアルタイムに2億8000万人が見た。
究極のLIVE体験。

http://youtu.be/7f-K-XnHi9I

 

NOWISMって、もっとシンプルにいえば、「バルス」。

「メディアや企業も参加し、過去最大の規模となったラピュタの“バルス祭り”。秒間14万投稿と世界記録を更新」ITmedia 記事より

 

考えるときのヒントは、「極端にする」ということ。

企画するとき、「お祭りか、継続か」を選ぶ。
今を共有する最高のお祭りをつくるのか、リレーションを築くコミュニケーションをつくるのか、を意識してみる。

━━━━━━━━━━━━

3:ブランド

ブランドとは、ひとことで言えば、名声。

アウディやベンツよりも日本の軽自動車の方が値段も燃費も優れているし日本の路上には適しているんだけれど、それでもベンツを買う人がいる。それはブランドがあるから。

さらにブランドが持っているチカラとは、商品や会社の存在が、人々の幸福に直結するということ。

例:Olympics P&G – Thank You Mom Commercial

http://youtu.be/2V-20Qe4M8Y

 

例:Dove Real Beauty Sketches

 

ブランドのメッセージング⇒生死、家族、美、恋愛、健康、お金・・・全員が共感できることを真ん中に置くと、効く。

他社と差別化することにこだわらない。「他社より優れてます!」「シェアNo.1」じゃなくて、「あなた×生死」「あなた×家族」「あなた×美」「あなた×恋愛」…をつなぐモノ、企業。

真に言うべきことはなにか?アウトプットは強いか?を意識してみよう。

言い換えれば、世界内自己存在意義。

━━━━━━━━━━━━

‥‥この3つのうち、2つでも取り入れられていると強い企画になる。3つとも達成できるといいんだけど、3つ全部というのは難しい。。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

で、ここから課題の説明でした。「サントリー ザ・プレミアム・モルツのWeb広告を考えよ!」

サントリー酒類 Iさまよりオリエン。
洋基さん「Iさんといえば、最近ではトリスハニーのHoney Momentを手掛けた人です」

そうなんです、余談ですが、この日ゲストに招かれたサントリーの宣伝部の方とは、僕がHoney Momentで直接やりとりさせていただいたクライアントの方だったのです。超偶然。そして関わった仕事の名前が出てきて嬉しい。

プレモルの市場動向やコマーシャルについて実際にCMを見ながらご紹介。

ずっと同じ「Shall we dance?」のメロディと矢沢永吉のモノクロCMを続けているように見えて、ちゃんと市場や時代性を見て細やかなメッセージングの調整を行っている、というお話。たとえば、特別な日だけに飲む高級品と捉えられすぎて日常飲みでは売れづらくなったと感じられたら「金曜日はプレモルの日。」というメッセージで日常的にも買いやすくなる土壌をつくる、など。じつはとっても戦略的。

 

と、TVCMをひととおり見てから、Web、インタラクティブを使った広告クリエイティブのブレスト開始。

 

━━━━━【洋基さんよりブレストのルールを提示】━━━━━

★まずはタネでいい。
⇒プレモルあるある or 技術あるある。

★紙に書いて共有しよう。
⇒飛び交うコトバを紙で文字に落としていくと、さらに広がる。

★まずはなんでも出してみよう。
⇒うんこみたいな話から黄金のうんこが生まれることも。

★人のアイデアを否定するのは最後にしよう。
⇒個別に否定・批判していると閉塞してしまう。発言しづらい空気にもなってダメ。
まずはみんなの考えていることをぜーんぶテーブルの上に出しきろう。
セレクトはその後!

★ブレストは楽しく、雑談しながら。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

‥‥今回は初対面の方々とやるブレストだったので、腹の探り合いみたいなところに思いのほか時間を要しました。ブレスト慣れしている人とそうでない人との温度差がハッキリと出てしまったのも反省点。そのぶん、ふだんの会社で気心知れたメンツとブレストできる環境のすばらしさに気づくこともできたかな?

ワークショップの中心である課題企画の提出と講評については、個々の企画について紹介せねばならないので割愛します。ただ、1位になったチームは最初に洋基さんがお話しされた企画のポイント3箇条をすべて網羅していて、学ぶところが多かったです。
ワークショップの中心である課題企画の提出と講評については、個々の企画について紹介せねばならないので割愛します。ただ、1位になったチームは最初に洋基さんがお話しされた企画のポイント3箇条をすべて網羅していて、学ぶところが多かったです。

 

とても無料とは思えないほど充実した時間。この模様は次号のWeb Designing誌に掲載されるそうなので、楽しみです。

SUMMER GLIDER

白馬で会社の同僚たちとパラグライダーしてきました。

 

自分で撮りました。

 

地上700m、海抜1,400mの大空。

 

「飛んだ」というよりは、

 

「泳いだ」と言った方がしっくりくる感覚。

 

魔女宅のキキになった気分を味わえました。

カンヌ2013受賞:THE ANT RALLY

まず基本的なルールとして、カンヌライオンズはチャリティ・非営利機関や公共機関が実施したものはどのカテゴリであってもグランプリ候補にはなれないそうです(知らなかった‥‥)。今年5部門でグランプリをかっさらった『Dumb Ways to Die』をつくったメルボルン鉄道は、1990年代後半より州政府の運営から私鉄に切り替わったので“公共機関”ではなさそうです。へー。

そしてこれらの非営利カテゴリに属するものは全部門をまたいでたった1つだけ「グランプリ・フォー・グッド」として表彰されるとか。

今年その「グランプリ・フォー・グッド」に輝いたのが『THE ANT RALLY』。

WWF(世界自然保護基金)創立50周年に際してドイツのBBDOデュッセルドルフが制作した、アリによる熱帯雨林の環境保護デモ行進。中南米に多く生息する社会性のアリ、ハキリアリの「葉っぱを運ぶ」習性を活かした“極小のビッグアイデア”です。

ケルン動物園で5日間に渡って展示され、ビデオとともに話題になって成功!とのこと。これは実際に見たらきっと写真を撮りたくなるし、子どもたちにも受けそうだし、本当のデモみたいに見える様がチャーミングだし、メッセージは真に迫ってくるものだし、シャレが効いてるし。

ちなみに、ブランデッドコンテンツ&エンターテイメント部門でシルバー、ダイレクト部門でブロンズも獲得したそうです。

 

おなじ「虫」を使ったアイデア(bugvertising)では、こちらも。

 

これは「無視」できないなぁ‥‥。

軍艦島をストリートビュー

長崎県の「軍艦島」がストリートビューで見られる!
Googleさんありがとう!!

 

「軍艦島」という名前で知られている長崎県端島は、長崎港から 19 キロの海上にある小さな半人工島です。1870 年から炭鉱開発が始まり、日本の近代化を支える炭鉱の町として、最盛期には 5000 人以上がこの島で暮らすほどに栄えましたが、1974 年の閉山とともに無人島となりました。

現在、島の一部について上陸が認められていますが、今回は長崎市のご協力により、立入­りが禁止されているエリアを含め島全体を撮影しました。撮影には、バックパック型の撮­影機材トレッカーを用い、約 2 時間程度、島内を歩いて撮影しました。(by Google)

 

Googleマップで「長崎県 端島」と検索‥‥
Googleマップで「長崎県 端島」と検索‥‥
「軍艦島」の名前の由来は、外観が軍艦に似ているから。軍艦を造ってたわけじゃありません。
キターーーーー!!!この3Dモデルで見られるのはGoogle Earthからかな?いや、これは空撮っぽいですね。
人がボール状の360°カメラを背負って地道に撮影‥‥あざす!
人がボール状の360°カメラを背負って地道に撮影‥‥あざす!
ふだんは立ち入り禁止の区域にも踏み込める‥‥!
ふだんは立ち入り禁止の区域にも踏み込める‥‥!

 

なんだか、人類が滅亡したあとの地球に宇宙人が降り立って探査しているかのよう。

ムービーが素晴らしいです。

この探査員(と呼ぶことにする)、オシャレな革靴でずんずん歩くなぁ。

ストリートビューはこちらから。
http://goo.gl/maps/1FDx6

[googlemaps https://maps.google.com/maps?cbp=13,183.79,,0,-4.76&layer=c&panoid=9jXDjJXDiloo0v0YxLG2sA&cbll=32.628689,129.738322&dg=opt&ie=UTF8&t=m&source=embed&ll=32.628429,129.73832&spn=0.000904,0.001564&z=19&output=svembed&w=583&h=400]

 

ついでに写真家が撮影したHDR写真も。
http://blog.livedoor.jp/sekaiminzoku/archives/25331619.html

軍艦島は映画『007 スカイフォール』のロケ地でも使われたそうです。

ちなみに、ももクロの『Z女戦争』のロケ地は、戦隊モノのロケ地としておなじみの旧日本加工紙高萩工場跡(茨城県)だそうです。

パシフィック・リム 予告篇

この夏の最注目映画です。

映画『パシフィック・リム』予告2(字幕版)

監督は『鉄人28号』を見て育ったという日本贔屓のギレルモ・デル・トロ氏。日本贔屓だからトロ。公式サイトのビジュアルはまさに鉄人そのものです。

 

ところで、やっぱアメリカという国は演説の国なんですね。
隊長らしき黒人のたたみかけるような言葉が映画を盛り上げます。
それが日本語になるとどうもパッとしない。けど頑張ってます。

映画『パシフィック・リム』予告2(吹替版)

菊地凛子さん演じるコ・モリ役に林原めぐみさんをはじめ、玄田哲章、古谷徹、三ツ矢雄二、池田秀一、千葉繁、浪川大輔という最強布陣。

近年はハリウッド大作映画の吹き替えでは、新鮮さなどを狙い俳優や女優、タレントを起用するケースも多い。しかし、『パシフィック・リム』では、声優の経験が深い役者を中心に吹き替え陣を組んだことが目を惹く。

「パシフィック・リム」 声優陣に古谷徹、池田秀一、林原めぐみ、三ツ矢雄二ら発表

この一文には激しく賛同します。映画はずっと残る「作品」なのに、プロモーションのためだけにタレント=本職じゃない人を起用するのはほんとうに納得がいかない。配給会社が映画を舐めてどうする。マイケル・F・フォックスを織田裕二がやった20年前に気づくべきだったんです。

こういう悲劇もありますからね。

mariko

パシフィック・リム

カンヌ2013:Perfume!!!

Cannes Lions 2013でPerfumeが驚愕のパフォーマンス!
昨晩23時(日本時間)からの電通さんのセミナー「Happy Hacking」にて披露され、YouTubeのLIVE配信でその一部始終を目撃。いや〜、すごかった!

どなたかが作成されたiPhone 5用壁紙。仕事早い!かっこいい!!
どなたかが作成されたiPhone 5用壁紙。仕事早い!かっこいい!!

 

まだ全受賞作品が出揃っていない段階だが、グローバルサイトは早々とサイバー部門で銀賞(SILVER LION)を受賞しており、会場となったグランドオーディトリアムには世界中から4000人を超えるのクリエイターや広告業界関係者が集結した。(ナタリー:拍手喝采!Perfumeがカンヌ銀賞で驚愕の最先端ライブより)

僕が今回獲れなかったサイバーライオンです。悔しいなぁ‥‥。

 

オープニングのナレーションが流れる中、真っ白な衣装をまとったメンバーに、プロジェクションマッピングの技法を用いて色とりどりのグラフィックが映し出される。衣装のスカートと肩の部分は電動で翼のように広がり、まるで天使のような姿に。生身の人間を全身スクリーンにするという最先端のテクノロジーに、会場中から感嘆のどよめきが起こった。(ナタリーより)
オープニングのナレーションが流れる中、真っ白な衣装をまとったメンバーに、プロジェクションマッピングの技法を用いて色とりどりのグラフィックが映し出される。衣装のスカートと肩の部分は電動で翼のように広がり、まるで天使のような姿に。生身の人間を全身スクリーンにするという最先端のテクノロジーに、会場中から感嘆のどよめきが起こった。(ナタリーより)

近未来ジュディ・オング!
からの、「Spending all my time」のエクステンデッドミックス!!

ビートの効いたイントロとともにメンバーが上に着ていたドレスを颯爽と脱ぐと、下には肩のプリーツが印象的な真っ白な衣装が現れた。3人の動きに合わせて衣装には次々にCGが映し出され、まるで光が踊っているような神秘的な光景となった。(ナタリーより)
ビートの効いたイントロとともにメンバーが上に着ていたドレスを颯爽と脱ぐと、下には肩のプリーツが印象的な真っ白な衣装が現れた。3人の動きに合わせて衣装には次々にCGが映し出され、まるで光が踊っているような神秘的な光景となった。(ナタリーより)

カンヌに行ったのはもう2年前ですが、ひとり黒の直角二等辺三角形ツアーTシャツ着て現地を歩き回っていたあの当時からまさかこんな日が訪れるなんて!今年も行ってたらP.T.A.リストバンドつけて最前列で見守ったのに!歯も磨いたし黒縁メガネで行ったのに!

そのカンヌに行っているうちの社長のTweet。

 

こちらはHotchkissのマユミさんのTweet。

裏山!

なにより真鍋大度さんとチームRhizomatiks、チームPerfumeに拍手と嫉妬です。

(菅野さんとは先日お会いしたばかりなので妙な気分)

 

さあ、このあとは7/5(金) にイギリスで行われるワールドツアーのライブビューイング、秋に3rdアルバム発売、冬に2大ドームツアー!iTunes Storeでも配信が解禁!!怒濤の攻めモードに震える‥‥。

 

カンヌでのパフォーマンスはYouTubeに落ちてますのでどーぞ(消される可能性あり)。
プレゼンテーションも込みのムービーはこちら

 

2007年 新宿Loft~オトノミライ~ より。このコたちがカンヌで…。おめでとう!

カンヌ2013受賞:TXTBKS

Cannnes Lions 2013 モバイル部門のグランプリ『TXTBKS』(フィリピン)をご紹介。

まず、有権者に訴えたいのは、フィリピンの教科書はとっても大きくて重たい!ということであります(『有吉マツコの怒り新党』風に)。

教科書を持ち運ぶのは子どもたちの「重荷」。背骨が変形する被害も!先進国ではタブレットによる教科書が普及しつつあるけど、貧しいフィリピンでは無理‥‥。

この差は歴然!

そこで目を付けたのが、中古のガラケー。通信会社SMARTは、たくさんの使われなくなったガラケーを教科書にすることを企画。

目の付け所がシャープな、リユース。

教科書のデータを入れたSIMカードを各教科ごとにつくり、生徒たちに配布しました。

準備に6ヶ月を費やしたとか。このデザインもいいですね。
それがコレ。
それがコレ。
通学かばんの重さは半分に減り‥‥
通学かばんの重さは半分に減り‥‥
テストの成績は90%向上、出席率も95%にUP!
テストの成績は90%(?)向上、出席率も95%にUP!

次々と成果を生み出すのであります(『怒り新党』の塙風に)。

「あの重さはもう勘弁」
Yeah!
でも今はこれがある!Yeah!

これが今回のモバイル部門のグランプリというのは、一見、わかりにくい気もしました。だって、ツールとしてはたしかにモバイルというハードを用いているけれど、やってることは社会貢献であり、モバイル「部門」なのかなー?と。でも、SIMカードに教科書データを入れるというアクションはやっぱりモバイルを媒介にコミュニケーションしているわけで、穿った見方をしすぎなのかしらん?と思った上で、やはり施策としては超素敵。文句なしに素晴らしい。

ビデオを見るとその素晴らしさがより伝わります。

フィリピン以外の発展途上国でも今すぐやるべき!と思いました。それは先日紹介した「immortal fans」にも言えることで。企業がただ自社のプロモーションをしていればいい時代はとっくに終わって、どれだけ世の中に役立てるかが期待されているのはアタマでは理解していましたが、カンヌは確実にそこへ向かっているんですね。クリエイティビティという翼で。

で、いいものはオリジナリティに溢れていると同時に、「みんなもやりなよ!」とアイデアのシェアを促されているような気になってきます。新しい言語を作っているようなものですね。「朝は『おはよう』と言い合おう」みたいな。というわけで、おやすみなさい。

カンヌ2013受賞:immortal fans

現在開催中のカンヌライオンズ2013のプロモ&アクティベーション部門のグランプリに、ブラジルの臓器ドナー登録を促すキャンペーンが選ばれました。AgencyはOgilvy BrasilとSao Paulo。

審査員の野添剛士さんによるレポ。

死後に臓器提供することへの家族の精神的ハードルというとてつもなく大きな課題に対して、「自分の愛するサッカーチームのファンを増やすためならオレはドナーになるぜ!」という宣言をチームのファンカードにつける。という、とてつもなくシンプルで、世界中で展開可能なアイデアで実現した仕事です。(中略)これがこの記念すべき年のカンヌで世界に知られることで、本当に少し世界を変えられるんじゃないか。そんなことを信じて選んだグランプリです。

SIXメンバーが見たCANNES LIONS 2013レポート(第1回)より

『immortal fans』不死のファン、永遠のファン。
『immortal fans』不死のファン、永遠のファン。

同じチームを応援するファンの間でドナーカードを作る。それは臓器だけでなく魂をバトンするためのドナーカードになる。日本にも「臓器提供意思表示カード」がありますが、そこにこんな熱い意味を込めるなんて、熱狂的なサッカー大国ブラジルらしい施策かもしれません。

51,000人以上がオリジナルのドナーカードを求めた。
51,000人以上がオリジナルのドナーカードを求めた。
それがコレ。
それがコレ。
臓器移植の年間件数も増加。
臓器移植の年間件数も増加(ドナー登録数は54%UP)。
初めて、角膜移植の待機リストが1,047人からゼロに!
初めて、角膜移植の待機リストが1,047人からゼロに!

スポーツの力を、選手やチームではなくサポーターが軸になって別の価値に転用する。「俺が死んでも俺の心臓でお前はチームを応援してくれよな!」と誇らしげに語るファンの姿が目に浮かびます。まさに不死のファン。さながらハッピーなレッドカード。

ファンの結束力をドナー登録に結びつけたこの施策、素晴らしいと思いました。