コピーの今とこれから_2/3

TCC(東京コピーライターズクラブ)50周年特別企画のトークショー、
『コピーの今とこれから』。レポート、2/3です(初回はこちら)。

クリエイティブディレクター・佐々木宏さんの

「1992年のJR東日本「その先の日本へ。」はCMのど真ん中にある言葉が企画にもなっていると思えた。CMをキャッチフレーズで思い出す」

というお話のつづきから。

 

佐々木さん:「祝!九州」も「MY FIRST AOMORI」も、CMの題名にはなっているけどキャッチフレーズにはなっていないな、っていう。その差は大きいと思います。そこはCMプランナーとコピーライターの確執っていうかね(笑)。これはあんまり言いたくないけど言う流れになったんで言いますけど‥‥。

秋山さん:(笑)

佐々木さん:きっと亡くなられた眞木準さんも同感だと言ってくれると思うんですが‥‥「その先の日本へ。」は、コピーライターの秋山さんが受賞されて、もちろんプランナーも受賞したんですが、眞木準さんがコピーを書いた「東北大陸から」というキャンペーンは、眞木準さんは受賞されなかったんですよね。

佐々木さん:で、その年に岡(康道)くんが獲った2つのCMの2つともコピーは僕が書いたんですけど、僕も受賞しなかったんですよ。

谷山さん:眞木さんのことを言いつつ自分の恨み節じゃないですか(笑)

佐々木さん:いやいや眞木さんも同感だと思ってるはずなんで一応。ま、ほんとに大変なのはCMプランナーで、一行書いたくらいでもらうのは申し訳ないよな、っていう風に納得もしているんですけど、ただ、そんな感じで(スポットを当てる対象が)曖昧になってきたのが一時期のTCCだったんですね。こういうことを露骨に言うのは僕くらいなんですけど。

谷山さん:(笑)

boss佐々木さん:僕、サントリーBOSSの「宇宙人ジョーンズ」のCDもやってるんですけど、今から7年半くらい前に福里(真一)くんにCMプランナーになってもらって、グラフィックの方は(コピーライターの)照井(晶博)くんに入ってもらって。そのときに福里くんがCMのコンテに書いたのが「このすばらしき、ろくでもない世界」というコピーで、すごくいい!と思ったんですね。で、「照井、わるい!こっちで行かせてくれ」と連絡したんです。そしたら照井くんから「それでいいですけど逆さまにした方がいいです」って返事が来て。「ろくでもない世界」だと後味がよくないってことで「このろくでもない、すばらしき世界」になっていたんです。もちろんこの方が全然いいなと。なのでクレジットが出るときは2人の連名になっているんです。それはすごくいいことなんですけど、「宇宙人ジョーンズ」が賞を獲ったときには照井くんは受賞しなかったんですね。逆さまにしたってのはすごく大きなことなんですけど。そういう、ま、ちょっと世知辛い話ですけど、個人的には(賞が)もらえるかもらえないかってのは大事なことで。

谷山さん:(笑)

佐々木さん:毎年TCC賞は欲しいんですね。でもそろそろこの歳になってきたらアナタはもういいでしょう、と言われる。じゃあ何十年も先輩の秋山さんはどうなんだっていう(笑)

谷山さん:それで言うと、僕も澤本(嘉光)さんとやった「ガス・パッ・チョ!」は、僕、受賞してないですよ。

佐々木さん:あるよね。TSUBAKIも「あれは大貫(卓也)さんの仕事なんじゃないの?」とかさ(笑)。大物に持ってかれるというか。新潮文庫の「Yonda?」も獲ってないよね?

谷山さん:獲ってないです。

秋山さん:頭よすぎんじゃないの?

谷山さん:そんなことないです!僕は大貫さんの参謀みたいな役回りが好きなんです。

佐々木さん:その「ガス・パッ・チョ!」のCMプランナーだった澤本は、あるときから「CMの中にタグラインがきちっとあって、その言葉を元にCMが組み上げられているとすごく気持ちがいい」ってことを言い出したんですね。キャッチフレーズを大事にし出したんです。

彼がソフトバンク(の犬のお父さんシリーズ)をやる前にKDDIを僕と一緒にやってて、そのときに彼がマンガみたいなコンテの中に小さく「伝わってる?」って書いてたんです。

佐々木さん:それは通信業界の言葉が氾濫する中で「Just Do It」くらいに実に見事な言葉だと思って、この言葉がすごくいい!って僕は騒いでたんですね。この言葉自体を「すごく機能した言葉だよね」ってTCCは褒めてもいいんじゃないか?と思ったんですけど。

谷山さん:ちなみに、「ガス・パッ・チョ!」を書いたときは澤本さんに「くうねるあそぶ」みたいなコピーを書いてくださいって言われたんですけど、「くうねるあそぶ」みたいなコピーってよくわからないし僕には書けないので「ガス・パッ・チョ!」になったんです。

佐々木さん:日産セフィーロの「くうねるあそぶ」は糸井さんの名作コピーですけど、でも実はあのCMは井上陽水さんが窓を開けて「お元気ですかぁ?失礼しまーす」って言って、それがすごく話題になったんですよ。つまり「くうねるあそぶ」と「お元気ですかぁ?」の合わせ技ですけど、TCC的には「お元気ですかぁ?」に賞を与えるということにはならなかった。だからこれからは、CMのタグラインとCMの中にある言葉の両方を褒めるようになっていったらいいなと。

秋山さん:「くうねるあそぶ」は、何でいいと思った?食う、寝る、遊ぶ。じゃなくて。

谷山さん:句読点がないんですよね。

秋山さん:味もないんですよ。一行でぱっと書かれていて。最初に見たとき、これはすごいなと思った。やっぱり糸井さんはすごいんだよね。きめ細かい。

谷山さん:糸井さんが言ってたのが、「くうねるあそぶ?あ、食う、寝る、遊ぶか!」と、受け手の頭に汗をかかせることで記憶に残させる、と。

 

佐々木さん:僕は「ガス・パッ・チョ!」について話したいんだけど(笑)、最近思うのが、やっぱりライバルが大事って思うんですよ。いまは状況が違うけど、当時は東京電力のオール電化にするか、ガスにするか、っていうね。東電の「SWITCH!」と「ガス・パッ・チョ!」の両方があるというね。そこで面白い表現が生まれてくる。(※ナイキとアディダスもそうだなと思いました)

佐々木さん:それでいうと昔の資生堂とカネボウの夏の対決とかね。小野田隆雄さんが書かれた資生堂の「夏ダカラ、コウナッタ。」とか。

谷山さん:はい。

佐々木さん:その年のカネボウが何だったかは覚えていないんですが、夏の一大バトルだったわけですよ。そういう、ライバルがいる中で、この言葉を流行らせてやろう!とか、売りだそう!とか、わざとらしいくらいやってもいいんじゃないか?と思ってるんですね。そうじゃなくて九州新幹線みたいな感動的なものばかりが獲ると、それはもうクライアントが偉いんじゃないか?とか、九州が偉いんじゃないか?とか思えてくるんです。

 

つづきます!次回、ラスト

アイアンマンで映画の中のインターフェースについて考えてみた。

[vimeo http://www.vimeo.com/13082177 w=600&h=338]

映画『アイアンマン2』より。

さすがアイアンマン!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ

そこにシビれる!あこがれるゥ!

けど、

ひとつ、疑問が。

 

なんで立体ホログラムができて、しかもそれが「紙を丸めるみたいに」手で触れて操作できるのに、主人公トニー・スタークのデスクには「モニタ」があるんだろう?

『アイアンマン2』より
『アイアンマン2』より

モニタを支えるアームもありますし、わりとしっかり画面上のボタンを押しています。しかもデュアルどころかトリプルモニタ。

だけどこれだけ立派な立体ホログラムのシステムがあるなら、物理的なモニタなんて必要ないんじゃないか?と思ったわけです。

 

必要なワケを考えてみました。

1:YouTubeなどの映像やふつうのカラーグラフィックを表示するにはモニタが必要だから(ホログラムに映像が描写されるシーンはない)

2:Webカメラを使うときに必要だから(胸をWebカムで映して見てみるシーン有り)

3:やっぱ物理的にモノがあった方が「そこへ目をやる」動作が習慣付けられて何かといいから

4:仕事してないときにも仕事している風を装えるから

5:タッチパネルの反応も恋しいから

6:インテリア

 

1や2が仕組み的に解決したとしても、僕なら3を理由に置きそうです。

ちなみに、1作目ではアップル製モニタでした。親近感が湧きますね。

初代アイアンマンはMacで作られていた!?
初代アイアンマンはMacで作られていた!?

これを書いていて、さらに別の疑問も湧いてきました。

トニーは、アイアンマンになったときはどうやら視線入力で超合金ボディを操作しているようです。これがまたSFチックでかっこいい。UIという一面だけを切り取れば『スター・ウォーズ』より遙かに進んでる(当たり前ですが)。

視線入力でわりと何でもコントロールできちゃうのなら、なんで部屋の中の3Dホログラムはその機能がないのか?あるいは使わないのか?

理由はきっと‥‥

「かっこいいから。シビれるから」なんでしょう。あ、それ言っちゃう?って感じかもしれませんが、この手のメカや操作系の描写はひたすら「完璧に操るヒーローがかっこよく映る」ため小道具に過ぎないんですよね。知ってます。

映画が公開される時代に応じてインターフェースの描写も変わってきたはず。とはいえ、映画の中の社会が社会の必然性でUIを進化させてきたわけじゃなく「演出家がシーンごとに最適な描写を求めての結果」でしかないわけですから、「視線入力も、触って動かす3Dホログラムも、モニタディスプレイも併存する!」でいいんでしょうね。

 

とまあ、ひとつの映画(シリーズ)を取り上げてそのメカニックやUIを考察するのは楽しい。とくに『アイアンマン』についてはあのボディスーツを着るシーンがシリーズを追うごとに複雑化・小型化しており、その描写だけでも注目されるほど

シリーズ最新作『アイアンマン3』は2013年4月26日公開だそうです。楽しみ!

Telescope

西オーストラリアにある電波望遠鏡たち。

[vimeo http://www.vimeo.com/50121809 w=580&h=326]

 

ヤバイ、かっこいい。

子どもの頃に夢中になった『ウルトラセブン』や『サンダーバード』の基地を思い出させたり、映画『ガタカ』のなんとも言えない寂寥感を感じさせてくれたり。

あと、クッと首を振るさまがPerfumeっぽいと思うのは僕だけでしょうか。

全画面・ヘッドフォン推奨。

Jobs 一周忌に寄せて

10月5日、Appleの元CEO、スティーブ・ジョブズの一周忌でした。
あれからもう1年が経ったとは。AppleのサイトではTOPに追悼ムービーが現れるようになっています。

 

2007年の、iPhoneというマシンが初めて世界に披露されたときのプレゼンテーションを貼っておきます。

http://youtu.be/c_m2F_ph_uU

 

「今日、Appleは3つの革新的な製品を発表します。1つめ、ワイドスクリーンのタッチスクリーン式iPod。2つめ、革命的な携帯電話。3つめ、進化したネット閲覧端末。3つの製品です。

iPod,Phone,and Internet Communicator.

iPod,Phone‥‥もうわかったよね?これらは3つの別々の製品ではありません。This is one device.(これはひとつの製品です)

私たちはこう呼んでいます。iPhone。Appleは電話を再発明します」

 

間違いなく世界を変えた瞬間だったでしょう。僕のいちばん好きなプレゼンムービーです。ジョークも冴え渡っている。

 

スティーブ・ジョブズ。
あなたには未来への地図が見え、向かうべき方角を示してくれるコンパスのような人でした。あなたのいないAppleが心配です。

映像の中のプロジェクションマッピング

先日、東京駅で行われたイベントで初めてプロジェクションマッピングを見た話を書きましたが、その直後にTwitterで話題になっていた動画がこちら。

 

[vimeo http://www.vimeo.com/45569479 w=580&h=326]

 

実はもう2ヶ月も前に公開された作品で、「なんでまた今になって取り上げられてるんだろう?」と思いましたが、きっと東京駅の件でプロジェクションマッピングという手法自体に注目が集まり、再度話題になったのかと思います。

 

巨大建築など、投影するスクリーンのフォルムと質感を借りて新たな世界を描き出すタイプのプロジェクションマッピングがオーソドックスなもの(3Dプロジェクションマッピング)だとすれば、何もない立方体の中に世界を映して自由な角度で箱庭を映し出すこれは応用編の2Dプロジェクションマッピングと言えるのではないでしょうか。

そこで思い出されるのが、ミシェル・ゴンドリー監督のこの作品。

 

 

かつてのアバンギャルド過ぎた日々を引きずる男の心象風景。それが、雑然とした家そのものをスクリーンにして、文字通り「現実とだぶって」いるところを見せてくれます。

手法は3Dタイプですが、部屋という立方体の中で展開するさまはWillowの箱庭PV(1個目の映像)にも影響を与えているんじゃないか?と思ったりもします。

 

[vimeo http://www.vimeo.com/46309947 w=580&h=326]

 

こちらはそのWillowの箱庭PV(って称することにしますw)のメイキングムービー。

“物理的には何もないセット”の中でいかに自然の物理法則に沿った動きをしているかのように見せる演技の試行錯誤が微笑ましいです。いや、演じるボーカルの人は超大変だな!と畏敬の念すら覚えます。

 

ここで(というか本編映像でも)ひとつ、このミュージックビデオの発明だと気づくのが、ベルトコンベアの存在。この床に埋め込まれた装置があることで、真っ白な箱の中にいながらにして外へ出て、歩き、階段を駆け下り、さまざまなシーンと遭遇することが自然な動作で行えています。

そこで思い出されるのが、ジョナサン・グレイザー監督の名作。

 

 

1997年、当時僕は高校2年生でしたが、その年のMTVビデオミュージックアワードで4部門受賞するほどのインパクトがあったこの作品の見どころは、なんといってもスライドする床とそれに翻弄されることなく動き回るJey Keyの身のこなし(実際には床ではなく壁が動いているそうですが)。

部屋という限られた空間が、動く舞台装置によって無限の広がりを見せる‥‥という意味では、Willowの箱庭PVと非常に似たものを感じます。どちらも茶室のような限られた空間に宇宙的な広がりを見いだす「茶の湯」の世界観を想起させると言ったら言い過ぎかな。

 

最後に、「何もない立方体に世界を映して自由な角度で箱庭を映し出す」タイプのプロジェクションマッピングの素晴らしいCMとそのメイキングを貼っておきます。

このCMは商品である靴とそれを履く人以外のモチーフをすべて映写しています。2009年のキャンペーン。なので手法としてはべつに新しくはないんですよね。あとはプロットと描き方がどれだけ秀逸か。

まあ、手法の新旧で評価を決めることほど愚かなこともないと思いますし。ただこの2009年のクリエイティブは2012年の日本のテレビで流してもじゅうぶん話題になる強さがあります。

 

[vimeo http://www.vimeo.com/22142342 w=580&h=326]

 

気が狂いそうなほど緻密な作業だけど楽しそうだなぁ。

PaperHeart

10月になってしまいました。

2012年終了のカウントダウン開始。

まだまだ暑い日がつづきますが。

この時代のこの国の天候の転向についていけてない自分がいます。

 

PaperHeart

細田守監督のアニメーション『時をかける少女』ファンによるオマージュでしょうか。調べてみると、なんとロシアの方による自主制作だとか。オリジナルは夏の印象が強いですが、これはまさに10月にぴったりなトーン。めちゃくちゃ上手いです。

しゅっ、しゅたっ、ぱんっ。

こういうアニメーションを見ると

日本に生まれてよかったなって思いますね。

アニメーションの動きというのは振り付けなんですね。言ってみれば。

 

そして、

いかにアニメーション上の(あるいはマンガの)
決まり事と気持ちよさがぼくらの脳内にすり込まれているかが
よくわかります。

女子高生がパンをくわえたら遅刻しているから走る、のはもちろん、こうジャンプしたらこう着地して埃が舞うよね、とか。モーションもルール化してインプット、ストックしているんじゃないかと思います。

だからといってそのストックを引っ張り出して再構成できる人は一握りなのですが。

ただ、気持ちのいいアニメーションをつくれる人はストックが膨大にある。だから説得力が半端ないです。
しゅっ、しゅたっ、ぱんっ。が頭の中にあるから作れる。

ニューヨーク旅行記 Vol.3

NY滞在2日目。7月16日(月)、朝5時に目覚める。
時差ぼけはないと思ってたのに意外とそうでもないみたい。

眠らない街。
眠らない街。

 

枕元の電気をつけて、旅の前に日本で本を裁断→スキャンしてiPadに入れておいた『地球の歩き方』や『ニューヨークおしゃべりノート』(オススメ!)を開いてぱらぱらめくる。

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あぁ、そういえばまだノープランだったわ。

オリエン資料を読み込むかのように文字を追い、気になった箇所にしおりをつける(といってもi文庫ってアプリ上でしおり登録していく)。そしてまっさらな旅ノートに行きたい場所と住所、行き方、有料の場所は値段を書き出し、1日の行動予定を見える化。

旅のガイドブックをiPadに「自炊」してきたのには理由があります。
それは、どのガイドブックにも「NYの街中でガイドブック片手にぼーっと立っているなんて窃盗犯にとってはいいターゲット!」と書かれていたから。だったらiPadに入れておけばむしろデキル男っぽくていいんじゃね?と。荷物もかさばらないし。

実際、行く先々でものすごく役立ちました。電池の持ちもiPhoneよりずっといいし。Googleマップのリンクも記事に埋め込められたら最強でしょう。そもそも電子書籍が充実してきたらこんなことしなくて済むわけですが。

2日目はまず地理と交通路を頭にたたき込むために、タイムズスクエアを抜けてアッパーウェストサイドのセントラルパークまで歩いて、適当に散策したら自然史博物館へ行こう。そして翌日以降はブロードウェイ・ミュージカルとメトロポリタン美術館とMoMAとSOHOとJazzへ繰り出そう。あとグラウンドゼロにも行っておきたいな。けっこう過密スケジュールだな‥‥zzz‥‥。

 

午前9時、満充電のiPhoneとiPadとこの旅のために買ったCyber-shotをカバンに入れて、いざ自然史博物館へ!

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日本語があると反応してしまう。

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アジア人がいると反応してしまう。

のは最初のうちだけで。

 

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徒歩10分ちょいでタイムズスクエア駅。BATMAN!!!

全米公開の4日前。さすがゴッサムシティ=NYだけあって、どこもかしこも『THE DARK KNIGHT RISES』のビルボード。とにかくデカイ!かっこいい!長辺そろえないとかアリなんだ!!

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縦構図で。デカイ!かっこいい!

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別アングルで。デカイ!かっこいい!

 

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なんて興奮気味にビルボードばかり撮りながら歩いていたら、ひときわカラフルな、テレビでよく見る交差点に出ます。

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『glee』で観た場所!(つくづくミーハー)

[vimeo http://www.vimeo.com/46464345 w=600&h=360]

I Love New York〜♪ まったく一緒だ!(当たり前)

 

何時間いても飽きない場所。ただ、ものすごく暑い‥‥。日本ほど湿気がないとはいえ暑いものは暑い。ホットプレートばりに熱せられた階段から立ち上がり、iPodの曲をgleeのサントラから葉加瀬太郎の『エトピリカ』にセットして一路、北へ。

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「なにも成し遂げていないのにNYのど真ん中で情熱大陸でも聴いてその気になってきてよ」という妻の発案を思い出し、やってみたら本当に「なにかを成し遂げた感」がハンパない。京都でMy favorite thingsを聴くくらいのフィット感。しかし一緒に来られなかったことが本当に悔やまれます。妻には本当に迷惑をかけてきましたからね‥‥とかカメラクルーに向かって話しながら歩きたくなる。

 

途中、SUBWAYで日本の倍ほどはあるターキーブレストを食べて(あのヘルシーが売りのSUBWAYがこのボリューム!)、炎天下の下を歩くこと30分。セントラルパークへ到着。この時点でかなり脚が棒。

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着いたー!Vol.04へつづく!

KAELA WEB TOUR 2012

木村カエラ
「KAELA WEB TOUR 2012」
武道館公演

に行ってきました。

正直、ごめんなさい。完全にナメてました。仕事がたまってたので行くかどうかすら迷ってましたが‥‥

蓋を開けてみると、なんなのこの溢れ出す多幸感。今のところ間違いなく今年No.1 LIVEです。

“KAELA WEB TOUR 2012” の続きを読む

2011:Year In Review by Google

Googleによる(Googleのサービスを通した)2011年を振り返るムービー。

 

 

何度もテレビで見たタイの洪水、トルコ地震、東北の“TSUNAMI”。

今年は東日本大震災、津波、原発に震えた一年でした。
世界を振り返るときには、3.11も数秒で片付けられるのか‥‥。

ビンラディン殺害を報告するオバマ大統領、世界各国でのデモ、ジョブズの死去も大きなニュースでした。

日本からは、なでしこJAPANのFIFA女子ワールドカップ優勝シーンも。

 

忘れられない一年になりそうです。

2011年の末にhungryの話

きのう、深夜にかなりグダグダと書いた駄文の方向性をもっと深く、スパッと言い当ててくれた動画がアップされていたので引用します。

2011年12月4日に行われたmyJapan Conference 2011での広告批評元編集長・東北芸術大学教授 河尻亨一さんのプレゼン。14分少々の動画ですが学生さん向けに分かりやすく、淀みなく話されるのであっという間です(さすが)。

 

テクノロジーとコミュニケーションの融合 次の広告とは?

 

きのう書いた「最近めっきり なんだかなぁの広告」に対して、コミュニケーションとテクノロジー、そしてクリエイションがキーになるという話はしっくり来ます。そのことは今年のカンヌで実際に河尻さんとお酒を飲みながら語ったことでもあるので、あの晩を思い出した気分です。

スパイスのスパイス

発売から1ヶ月近くが経ち今さらな話題ではありますが、Perfumeのニューシングル『スパイス』。PVは類い希なるカット割りだと思うんですよね。

 

ビデオクリップはサカナクション、木村カエラ、RADWIMPS、9mm Parabellum BulletなどのPVを手がける島田大介が監督しており、ガーリーでファンタジックな映像に仕上がっている。

近年のPerfumeのPVはすべて関和亮か児玉裕一が制作しており、島田がPerfume作品に携わるのは今回が初。過去作とひと味違う雰囲気の映像は、多くのファンに新鮮な印象を与えそうだ。

ナタリーより)

 

楽曲から受けるアンビエントテクノやプログレッシブな印象とかそういうのは門外漢なので他の人のレビューに譲るとして、ここまでエッジィな曲がメジャーシーンで発売されることが素直にうれしいです。その思いをさらに深くできるのが今回の島田監督によるPVで、冒頭から圧巻なんです。カット割りが。

 

 

最初、曲のテンポに合わせてテーブルの上の小物が次々とカットインします。

続いて「耳を澄まして」「耳を澄まして」のリフレインも、曲調に合わせるようにあ〜ちゃん、かしゆか、のっちの3人がテンポよく登場。

問題はこの後です。YouTubeでいえば23秒あたり。

スパイス PVより

「目を凝らせばほら」のあ〜ちゃんに重なるように、のっちとかしゆかのカットが一瞬だけインサートします。

続く「目を凝らせばほら」はそつなく進行し、「全てが見えるわ」でまた「ぐちゃっ」と、何に「すがる」でもないカット割りが入ってそのまま淡々と進むのです。

加えて、3人が並んでもいいであろうシーンも「あ〜ちゃん+かしゆか」と「かしゆか+あ〜ちゃん」とを分けて、構図も揃えずに撮ることで、映像に不安定な違和感を作っているように思えてなりません(半分を過ぎたくらいからは普通のつなぎ方になっちゃうのですが)。

スパイス PVより

 

初めて見たとき、「こわっ」と思いました。「ハラハラするわ〜」というか。
映像と音楽の定石である「テンポに合わせたカットバック」を守りながらときどき裏切る。今まで見てきたどのPerfumeとも違ったイメージです。コーラスや和楽器を取り入れた楽曲の新規性を映像にも求めるとこうなる‥‥ということでしょうか。

今までPerfumeのPVをずっと撮り続けて来られた関監督は「万華鏡の中で歌う」とか「型紙の中をすり抜けながら歌う」とか、わりと分かりやすい(記号化されやすい)手法で3人の歌を映像化してきた印象があります。別の監督がやっているから当たり前といえば当たり前ですが、歴然と関監督の延長ではないところが面白い。

思えば、振り付けを担当しているMIKIKOさんによるダンスも、曲のテンポに合わせる振りと歌詞に合わせる振りとを混ぜこぜにしているからPerfume独特の不思議なダンスになるそうです。そのずらし方に似てる気もします。

なんにしても再生直後からの気持ち悪いカットバックと構図の連続は非常にツボで、こういう編集ってちょっとでも気を抜いたらワケが分からないことになると思うので、すごいなと。しっかり「思いがけないワクワク」のスパイスになってる。

 

何が言いたいかというと、1月からのツアーが楽しみだぞ!と。

EARTH

10月の28日から29日にかけて、ISS・国際宇宙ステーションから撮影された地球。

 

 

なんと美しいんでしょう。

これは大画面TVで見たい映像です。
vimeoで公開されているということは、Apple TVを持ってる人はそちらから堪能できますね。

Worldwideということ

ここ最近買ったゲームを思い返すと、
『グランドセフトオート』とか『バトルフィールド』とか、
あきらかに洋ゲー(海外産のゲーム)が増えてきています。

 

バトルフィールド3

 

これ、ムービーパートではなくリアルタイムに描画されているゲーム本編の画面なんですよ。かつては洋ゲー=クソゲーの代名詞でしたから、この20年ほどでグラフィックは恐ろしく進化したわけです。

それってマシンの進化でしょ?と思われるかもしれませんが、そこに国の差が生まれているのです。日本のゲームはここまでリアルに描き切れていません。ムービーパートは美麗だけどゲームパートになると微妙になりがちです。

ゲームの面白さはグラフィックで決まるわけではありませんが、最近の優れた洋ゲーはムービーからゲームに至るまでシームレスでハイテンションな没入感を提供しています。しかもフィールドがものすごく広大で自由。ゲーム本来の、キャラクターを操り、なりきる醍醐味があります。

見逃せないポイントが、ハリウッドの存在

映像としてのリアリティを増すほどに、ゲームは映画の演出を貪欲に取り入れてきました。それ自体は国産ゲームでもメタルギアや鬼武者、FFシリーズなどでも見て取れますが、洋ゲーはついにハリウッドの監督を起用する時代になってきました。『Need For Speed』のトレーラーは『アルマゲドン』『トランスフォーマー』のマイケル・ベイがディレクションしたとか。

 

Need For Speed

 

また、世界中で2,000万本以上を売り上げる『Call of Duty』では『ダークナイト』や『インセプション』のハンス・ジマーが作曲を担当。もちろんフルオーケストラです。

 

こういうハイカロリーな制作費(40億円とも)がかけられたゲームを、制作者たちは本職の軍人から銃の扱いをレクチャーしてもらいながら超リアルに作り込んでいるのです。

それでも見返りがあるのは、ヒット作は全世界で2,000万本以上といわれる世界規模の売上げ(最初の週だけで489億円!)。その点もまさにハリウッド方式。それゆえにオリジナリティの高いゲーム(『塊魂』や『ワンダと巨像』など)は生まれにくい気もしますが。

 

最近、この「世界戦略」が身近に溢れとんなー、と感じることが増えました。
世界で勝負するプロダクトが僕らの生活に浸透してきたなと感じるのです。

たとえばiPhone、
ダイソンの掃除機、
ルンバ、少女時代。
そしてGoogle、Twitter、Facebook、Amazon。

これらには、世界で戦うための高品質とアイデアがあります。
昔は日本がアイデアだけ海外から輸入して品質で後出しじゃんけんをして勝つパターンでしたが、表面的な真似では追いつかないところまで来てしまった印象です。

 

逆に日本発のものが海外で受けている例もたくさんあります。
初音ミクは北米LIVEを成功させていますし、AKBもPerfumeも今やYouTubeを通して世界中にファンが存在します。アニメは言うまでもなく。ハリウッドセレブが買って帰るというウォシュレットもそうでしょう。

ただ、これらはワールドワイドに売り込んでいくことが前提にあったわけではありません。インターネットなどを通して世界に放流されたときに、たまたま「見つけてもらった」もの。よく言えば、その方が「強い」のかもしれません。

 

「日本はそこそこに市場が大きいから海外で勝負しようという狙いがない」とは、K-POPとの比較で言われることです。その点、K-POPは本国の市場人口が圧倒的に小さいので、あらかじめ海外戦略ありきで人材育成すると。だから英語も日本語もスクールでたたき込みますし、売り出す国によって曲調やグループの世界観まで変えます。

このような育成というか助走ありきの海外進出が、日本でも増えてくるんじゃないかと思います。

携帯ゲームの世界ではそれが進行中のようです。グリーの田中社長いわく、ガラケーからスマートフォンへの転換期である今、海外売上比率を8割にすることが目標だと日経で語っていました(ちなみに任天堂の海外売上比率は86%だそう)。会員数6億5,000万人の中国の携帯ゲーム大手と業務提携を結んだのもその一手でしょう。

 

洋ゲーをそれと意識せずプレイしたり、少女時代をふつうにiPhoneで聴いたり、飲み屋でルンバの自慢をするクラスタが必ずいたりする2011年の今、

「日本は1つの市場に過ぎないという認識に変えなければいけない」

と話すグリー・田中社長の言葉はまさにその通り。

家庭用ゲーム機が売れない時代です。冒頭のハリウッド式ゲーム会社もスマートフォンへとプラットフォームを移してくるでしょう。そうなると市場は最初から「世界」です。スマホのアプリに世界進出という考えはありません。「国内・海外」の2軸でもなくて、あらかじめ単一の世界がマーケット。

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の議論が白熱していますが、どのような結果になろうと関税だけで国内市場を守れる仕組み自体が崩壊してきているのだと思います。

じゃあ僕たち日本人がつくるものは外国用にローカライズされているべきか?日本の良さを追求すべきか?‥‥と戦略を練る以前に市場の拡大が激しくて、頭では理解しているつもりでも身体が追いついていないのかもしれません。

 

こうなってくると商品のネーミングの考え方も
変わってくると思いますが、その話はまた今度