糸井重里と鈴木敏夫の「生きろ。」を巡る往復書簡

1997年公開時のポスター。映画館で4回観た。
映画館で4回観た。
1997年公開の映画『もののけ姫』のキャッチフレーズ「生きろ。」

とても力強いこのコピーをはじめ、「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」(魔女の宅急便)、「4歳と14歳で、生きようと思った」(火垂るの墓)など数々の宮崎駿アニメのコピーを手がけてきた糸井重里さん。

そんなコピーライター・糸井重里と、スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫さんとの「生きろ」を巡るやりとりが面白かったので書き起こしました。

ドキュメンタリー『もののけ姫はこうして生まれた。』より

 

ナレーション(以下 Na):鈴木プロデューサーは、絵コンテの重要箇所を書き取り、宣伝に応用しようとする。映画の結末がまだどうなるか分からないまま、映画のイメージを決定するコピーづくりに着手する。

e382b9e382afe383aae383bce383b3e382b7e383a7e38383e38388-2013-06-16-1-36-27

鈴木敏夫プロデューサー(以下 鈴木):彼(宮崎駿)自身、そりゃ確かにラストシーンまだ分かってないですけどね、ラストまで話は(※脚本は制作と同時に進行していた)。とはいえ、まあなにしろ20年、僕は一緒にやってきましたんでね。そういうことで言えば、やろうとしていることに関しては、なんとなくは分かってたんですよね。

で、それを言葉にする作業ってのが必要なわけですよね。それで僕はそういうときに「糸井さんの力を借りたいんだ」と。ということで毎回ね、僕としては「こういう話なんだ」と。「さあ、コピーつくってください」と。「そのひとつのコピーが関係各自、みんなを支配するから」って。それでまあ、糸井さんにお願いしに行って、例の「生きろ」っていう言葉が出てくるんですけどね。ま、今回だけは糸井さんもそうとう苦労して(笑)。僕はいつも糸井さんからはねえ、「鈴木さんの仕事はありがたい」って言われてたんですよ。なんでかつったら、糸井さんが一回ポンっと出してくれるとね、僕だいたい一回で決めてきたんですよね。ところが今回は、なんと50本くらい書いていただくというね(笑)。

Na:その、苦闘の跡が浮かび上がる、ふたりのFAXでのやりとり。

mononoke02

鈴木敏夫のFAX:糸井重里様。コピーの一日も早い完成を 首を長くして待っています。3月21日。

 

糸井重里のFAX:6月4日。鈴木さま。いくら映画の進行が父として進まぬ状態だからといって、私までのんびりとしては池ませんでしたよね。やっぱり難しかったんです。(誤字は原文ママ)

mononoke04

おそろしいか。
愛しいか。

mononoke03

本当は「おとろしい」の方がいいと思ったんですが、辞書に出てこないのであきら目ました。

おまえには
オレがいる。

惚れたぞ。

ひたむきと
けなげの
スペクタクル。

アカンかったら またやりなおします。日本語フリーハンドワープロの調子が悪くて誤字が多くてすみません。

 

鈴木FAX:前略 糸井重里様

mononoke051再考を!

宮崎も「ちがう」というし、小生もちがうと思いました。小生が気になっていた台詞はこれです。「そなたは、美しい‥‥」これ、宮崎駿が言っているという気もするのですが、如何でせう。この前糸井さんが「カッコイイとは、こういうことさ」も「タヌキだってがんばってるんだよォ」も、宮さんが言っているというのを思い出した次第。

 

6月18日。

糸井FAX:鈴木敏夫様
ちがうボタンを押しまくってしまいました。もののけ姫の観客の顔が、いつもより見えなかったので、柄にも無く悩んでしまったわけのように思えます。AとBが、私の考えた結論です。

A
だいじなものは、有りますか。

B
昔々は、今の今。

その他に、

おまえは、まぶしい。

死ぬのと、生きるの、どっちが好きだ。mononoke06

死ぬなっ。

それでもいい。私と共に生きてくれ。

ハッピー?

迷走する巨人(ファン)糸井重里

 

6月25日。

mononoke07

糸井FAX:もののけノイローゼです。
どうも他の仕事は進んでも、『もののけ姫』になると、く、く、苦しくなるのです。『もののけ』というキャッチーな言葉が良すぎるのかしら?「もーののけー!」というようなコピーでも本当は成立するようにも思いつつ、三度目の答案用紙を提出します。

悪からでも善からでも、おまえを守る。

弓を誰にひく?!

あなたは、何を守る?!

なぜ、俺は生まれてきた。

 

7月10日。

糸井FAX:すいません、鈴木さんの原稿を読んで、また、もっと混乱してしまいました。今回はなんだかきついのです。1、作品の思想を表現し、2、集客を促す‥‥というふたつの目的が必須なのはわかるのですが、1の目的をズバリ表現しきることは難しい気がします。

生きろ。

LIFE IS LIFE !

化けものだらけ。

神々は、なつかない。

森には、おそろしい神々がいる。

暴と愛の嵐。

人間がいなきゃよかったのか。

わからなくっても、生きろ!

 

mononoke08

 

鈴木FAX:前略 糸井重里さま

生きろ。ぼくは凄くよいと思いました。
たった3つの文字なのに、そこに込められた時代性。イケルと思いました。宮さんも「近い!」とひと言。

 

鈴木FAX「生きろ。」
この力強いコピーだと。宮さんもついに納得しました。迷い道に誘ったりしてスミマセンでした。これで前に進めます。

 

Na:もうひとつの悩める闘いが終わったのは、7月7日のことであった。

 

owari

「生きろ。」と書かれたポスターが初めて出たとき、そのたった3文字に世間は驚きました。そして「たった3文字でコピー書いてお金もらえるなんて」と言う人も中にはいました。

でもちょうどこの『もののけ姫はこうして生まれた。』の中で、山犬モロに声を当てた美輪明宏さんがモロの生も死もあわせ持つ奥深さを表現する際にこんなことを言っています。

「構造が三重四重になってるから、突き詰めるとシンプルになるのよ。スポーン!と。七色の太陽光線が重なると白になるようにね」

たった3文字の「生きろ。」もそういうこと。で、その突き詰める過程にこんな茨の道があったのか、と。あの糸井さんもスルッと出ないことがあるんだと知って、ちょっと安心、したら、ダメなんでしょうね。

清水幹太、BIRDMAN、コバヤシタケルが明かす、Intel「PUSH for Ultrabook」の舞台裏

ぼくらの仕事を、white-screen.jpさんにインタビューしていただきました。
激動の65日間を余すところなく語ったのはこの天才たち。

世界中から5万人が参加! 清水幹太、BIRDMAN、コバヤシタケルが明かす、Intelのキャンペーン「PUSH for Ultrabook」の舞台裏!!

 

読んでいただければわかりますが、やっぱり凄い案件に関わってたんだなと。

 

push03

 

そもそも自社にこの装置を作っちゃうこと自体がクレイジーだと思う。

 

push

 

しかも24時間回すとか…。

 

push

 

GWを挟む24時間休みなしのブロック詰めの当番(通称 蟹工船)では、スタッフのみんなにずいぶん無理強いをしたり、自分が強行突破した場面もありました。

 

push08

 

が、アイデアを絵空事に終わらせず次々と形にしてゆく天才たちによって完成・更新されてゆくこのとんでもない装置。最後まで全員で“運転”することができたのは心底うれしい。

 

push09

 

目の前で起きていることは魔法か?そんな気持ちで見守っていました。

 

push04

 

自分を振り返ってみれば、至らないところも多々ありました。

 

push06

 

もっともっと役に立つ人間にならないと。

 

push02

 

そう思います。

 

psh01

 

ぼくに魔法は使えなくても。

 

吉高由里子「Honey Moment」

はちみつの入ったトリス、TORYS HONEYを片手にまどろむ女優・吉高由里子さんを被写体に“うごく写真集”をつくりました。

honey01

じかんよ、とまれ。高画質スーパースロー吉高由里子 | Honey Moment – サントリー トリスハニー

吉高サンの何気ない日常をハイスピードカメラで撮影し、1,000分の1秒~2,000分の1秒の超スロー映像で構成。トリスハニーが表現する”甘いひと時”がまるで永遠の時間のように感じられる内容で、吉高サンがベッドに倒れ込んだり、会話をしたり、物憂げな表情を見せたりとさまざまなシチュエーションの映像を4秒ごとにランダムで映し出してます。

“吉高由里子「Honey Moment」” の続きを読む

Cannes Lions 2013プレ勉強会

6月です。カンヌライオンズの季節が近づいてきました。

cl13-logo-homepage

今年はPerfumeがゲストパフォーマーとして出る!という、広告関係者視点ではなくPerfumeファンクラブ会員としても俄然注目のイベントになりそうですが、その前にちゃんと(?)賞レースにあがってきそうなものをピックアップして好き勝手に予測しようぜ!ってことで、6月7日(金)、Cannes Lions 2013プレ勉強会に行ってきました。

『広告批評』元編集長の河尻亨一さん主宰、ゲストは毎年恒例・kiramekiの石井義樹さんによるプレ勉強会。副題は「今年は工作系(メイカーズ)来んじゃね?」。今回で4度目の開催だそうで、僕にとっては3回目の参加です‥‥が、仕事の関係で大幅に遅刻。それでも最後にプロジェクターに映し出されたスライドに感銘を受けたので、行った甲斐はありました。その話は最後に書くとして。

いくつかピックアップします。

 

http://youtu.be/kKTamH__xuQ

イギリスの公共テレビ局 チャンネル4によるパラリンピックのコマーシャル。勝負師の顔にゾクゾクする。あまり馴染みのなかった彼らの競技を見てみたいと思う。多民族で形成されているからでしょうか、身体障害者への理解は欧米の方が進んでいる気がします。

 

http://youtu.be/YRB0i9-AUQs

学校の唯一無二の美女、スーザン・グレン。ただひたすら彼女をありったけの美辞麗句で荒唐無稽に称えるナレーション。

「『コミックのヒーローを魅了するヒロイントップ10』のライター達は、スーザン・グレンみたいなヒロインを作り出したいと願ったに違いない。スーザンが近くにいると僕の震度計は8を記録し、彼女の周りの女たちはたちまちゴブリンみたいになる」

そして「If I could do it again, I’d do it differently.」(もしもう一度やり直せるなら、今度は別のやり方にする)と現在の男(なんとジャック・バウワーasキーファー・サザーランド!)が語り終える。そして、AXEとともにFear no Susan Glenn.(スーザン・グレンなんて怖くない)。

男が惚れるヒロインと、男が憧れるヒーローのサンドイッチ。すばらしい!

 

https://youtu.be/DAAYSBfxkqQ

悪魔に魂を売らなくても手が届く値段のメルセデスですよ。

この悪魔が『スパイダーマン』シリーズでグリーン・ゴブリンを怪演したウィレム・デフォーってのがいい。昨年、同じスーパーボウル枠のCMでクライスラーがクリント・イーストウッドを起用して話題になりましたが、ハリウッドスターの説得力はすさまじい。

http://youtu.be/T1c3AXZkYeU

 

クルマ続きで。

http://youtu.be/ANhmS6QLd5Q

「Audiに乗って自信が持てた」
いいパパだなぁ。親子で乗ってカッコイイのって、Audiかもなぁ。と思わせてくれるCM。

 

『Smoking Kid』

路上でタバコを吸う喫煙者に、少年や少女が駆け寄って「ライターを貸して下さい」とお願いをする。すると喫煙者は必ず「え?」といった反応を示し、「タバコは健康によくないんだよ?」や「寿命が縮まるんだよ?」などと、子どもたちに対して優しく説明をし始める。タバコがどのように体によくないのは、理解しているのである。そして子どもたちは「じゃあ、なんであなたはタバコを吸っているの?」と逆に問いかけつつ、そっと手紙を喫煙者に渡す。そこには「あなたは私の心配をしてくれた。でも、なぜ自分自身への心配はしないの?」と書かれているのである。

(ロケットニュース24「タイの禁煙プロモーションCMが心にガツンとくると世界中で話題に」より)

これは見てて辛くなりました。ただ、「効く」だろうなぁ。

 

コカコーラ『Small World Machines – Bringing India & Pakistan Together』

第二次大戦による分裂以降、対立が続くインドとパキスタンを結ぶベンディングマシーンをコカコーラが提供。これは取り組み自体もさることながら、プレゼンテーションビデオが素晴らしい。本当にこんな風にハッピーな風景が生まれたのかはちょっと懐疑的ですが。絶対ダンスする人いるよな(とか思っちゃう)。

参照:対立関係の続くインドとパキスタンの国民がコカ・コーラ社のキャンペーンで笑顔に / 世界にも感動を与える

余談ですが、BGMの「Go Do」はプレゼンビデオによく多用されますね。

 

Ram Trucks『Super Bowl Commercial “Farmer”』

「だから神は8日目に農夫をつくった」という言葉がつづく、農作業用トラック会社のCM。重厚なHDR写真はよく見ると微妙に視差を生む角度をつけていたり雲が流れたり、見る者を引き込む細かな演出がされています。ナレーションはPaul Harveyというアメリカの有名なラジオパーソナリティ(2009年に90歳で没)による演説だそうです。

 

http://youtu.be/ev-R0tsreBw

メトロ・トレインズ・メルボルン『Dumb Ways to Die』

オーストラリアの鉄道会社による事故防止啓蒙ビデオ。Dumb Ways to Dieとは「おバカな死に方集」。コミカルな死に方に笑って見てしまうけれど、実際、こういうマヌケな死に方が後を絶たないらしい。ソーシャルで流行る「キャラクター」「歌」「シンプルなメッセージ」が三拍子揃ってて、ACの『あいさつの魔法』を思い出しました。毒っけは比べものになりませんが。

ちなみに、カンヌの前哨戦ともいわれるOne Showでグランプリを受賞。

参照:かわいいキャラが歌に乗せて死にまくるメルボルン鉄道公式のアニメムービー「Dumb Ways to Die」 – GIGAZINE

 

Dove『Real Beauty Sketches』

Doveによると、世界中の女性の4%しか自分のことを美しいと思っておらず、一方でDoveはポジティブな自尊心を築き、女性たちのポテンシャルを最大限まで引き出すことにコミットしているため、女性たちに重要なことを伝えたいという想いからこのビデオを作成するに至ったとしている。そしてその伝えたいとても重要なこととは…

“You are more beautiful than you think. ―あなたはあなたが思っている以上に美しい。”

心に触れるDoveのブランドプロモーションビデオ Real Beauty Sketches [動画]より)

自分のネガティブな証言によって描かれた肖像と、他人のプレーンな証言によって描かれた肖像。シンプルだけどこれほど説得力のあるものもない。拍手したくなるムービーです。

 

さて、ここからは、「今年は工作系(メイカーズ)来んじゃね?」という副題にのっとって、なんか作っちゃった系のプロモーションたちを。

 

『The Popinator』

ポップコーンで有名なお菓子メーカーが「ポップコーンプロジェクト」を展開。「Pop!」の掛け声に反応する“ポップコーン投げマシーン”を開発しちゃいました。

 

[vimeo http://www.vimeo.com/46975682 w=580&h=326]

『Super Angry Birds – a Tangible Controller』

世界中で人気の「アングリーバード」にリアルなコントローラーを作っちゃいました!手作り感満載だけど楽しそう。3人くらいで綱引き状になってて200インチくらいのスクリーンでやったら盛り上がりそうですね。

 

[vimeo http://www.vimeo.com/62678151 w=580&h=326]

『The Most Powerful Arm』

筋肉が急速に衰える筋ジストロフィーへの寄付を訴えるメッセージ。筋ジストロフィー症の女性が呼びかける言葉をロボットアームがたどたどしく書き起こします。キャンペーンサイトに行って寄付すると、このロボットアームが署名してくれるようです。10日間で20,000人分のサインが集まったとか。

 

他にもいろんな事例が紹介されたようですが、最後にスクリーンに映し出されたショットがこちら。

cannes_studypng

80歳代のおばあちゃんが勝手に修復作業してとんでもない仕上がりになったキリストのフレスコ画。世界中でパロディが生まれ、遊び尽くされました。しかもスペイン南部にあるこの教会は一躍観光名所となり、入場料を取り始めたら“作者”のおばあちゃんと訴訟問題に発展したとか。

河尻さんいわく「意図して広告にしようと企んだものではないけれど、これだけ世界中で話題になるような出来事をどうやって作り出すか、注目せざるを得ない」と。

ちょうど僕も先日、うちの社長に「今年印象に残ったプロモーション教えて」と訊かれ、Googleの「World Wide Maze」や「キリンのどごし 夢のドリーム」や「リアル脱出ゲームTV」や「TOKYO CITY SYMPHONY」や手前味噌ですがIntelの「PUSH for Ultrabook」が思い出されましたが、どれにも勝って印象深いのはこれ(↓)でした。

makankousappou

女子高生がTwitterに投稿したことで大流行した「マカンコウサッポウ」。これも「おばあちゃんのフレスコ画」と同じく、プロモーションじゃない。けれど日本を飛び越え世界中でこの遊びが流行し、北米のカプコンが「波動拳コンテスト」を開催するまでに至りました。

USカプコンのフットワークの軽さは見習うものがあります。折しも日本では『ドラゴンボール』の映画版が公開中だったので「映画のプロモーションか?」とも囁かれましたが、そういった形跡は見られませんでしたし、もし実際にそうだとしたらここまで流行らなかったでしょう。USカプコンは後乗りだったから良かったのかも。そこがなんとも難しいところで、「広告だとわかった途端に冷める気持ち」とどう寄り添いつつ、面白いものを仕掛けるか?おばあちゃんや女子高生の純粋さがあればこその流行に勝負を挑まないと。そのためには、動機の純粋さではなくメッセージの純粋さが求められるのかな?言葉にすると陳腐だけど。

 

それにしても、アメリカのスーパーボウル枠で放映されるCMでほぼ埋まってしまうフィルム部門の注目作。映像の派手さではなくメッセージの普遍性、人間賛歌で評価が高いものが多いのは最近の風潮でしょうか。どれも心に沁みます。

そして、どうしても工作系といえばおバカな方向で魅力を発揮しがちですが、メッセージを乗せる領域に手を伸ばしている『The Most Powerful Arm』も印象的でした。テクニカルなことやSNSで下支えしながら、確実に誰かの笑顔をふやす仕事がしたい。そう思いました。

クリント・イーストウッドが昨年訴えた「ハーフタイム」=癒やしの時間は、まだ世界的につづいているのかもしれません。だからこそ今「効く」ことを考えたいなと。今年のカンヌライオンズは6月16日から22日まで。僕は日本から見守ります‥‥。

 

おまけ参照:

アドフェスト2013まとめ
(河尻さん編集)

Cannes Lions 2013 Prediction
(Pinterestで予想している人のまとめ)

絶対に負けられないTo Do List

2013年6月4日、ワールドカップアジア最終予選第7戦でオーストラリアと1-1で引き分け、5大会連続出場の切符を手に入れた日本代表。本田のPKは会社で見守りました。

試合終了とともにお仕事も終了し、家路につくために原宿駅前を歩いていると。足下に1枚の紙きれが飛び込んできました。何だろう?

拾い上げてみると‥‥。

 

harajuku

 

「BLUE」のスペルミスやイラストが微笑ましい。
このコの行く末が気になってしょうがなくなりました。

「ふえほしい」と「借用書」とボンボンを持った笑顔のイラストが並ぶTo Do、どこまで達成できたのだろう?

DACADE

10年前の先輩

Blogを書き始めて今日で10年が経ちました。

初めて書いた日のエントリー

まだまだ未熟です。

分からないことと知らないことが混在しています。

分からないことを明らかにするために、日記を書くことにしました。

(中略)

生きている間のことを、書こうと思う。

(2003年5月28日付「webという海の中で」より)

な、何?この意味深な日記は‥‥。

10年前の学校

無理もない、と思います。

だって、死の淵から蘇ったばかりの23歳、2回目の大学3年生、自分の体が自分でないような幽体離脱感がつづく日々だったのだから。

10年前のいとこ

詳しくは「2003→2013 生きてます。」に書きましたが、あれから10年間の足跡が、断片的にでも自分の言葉と写真と落書きと趣味全開のYouTubeリンクなどで残っているというのは、いいものです。

5年前は赤坂サカスで働いてたんだなぁ、とか。2009年にゼクシィを買ったけど結婚するのはその1年後にお預けなんだよな、とか。その程度ですが。

10年前は夫婦

有名な話ですが、あのGACKTは「10年後の自分はどうなっていると思いますか?」という質問に

まぶしくて見えない。

と答えたとか(何年前に?)。

自分では、あまり歳を取ったとは思ってなくて。全身がまぶしくなるようなオーラをまとうほどの成長もないですし、頭皮がまぶしくなるほどの後退も今のところないので、生きてるだけで丸儲け、と思って日々を生きています。

 

10年前の妻

私とTumblrたんの甘い日々

元からこの世界は地獄だ 強い者が弱い者を食らう 親切なくらい分かりやすい世界…
元からこの世界は地獄だ 強い者が弱い者を食らう 親切なくらい分かりやすい世界…

Wikipediaによると「メディアミックスブログサービス」というなんとも難解な定義が付けられているTumblr(たんぶらー)が、米Yahoo!に11億ドルで買収されました(しかも現金払い!)。

タイムラインを流れる、フォローした人たちからの画像や音声、テキストから「これは」と思ったものを好きにReblog(Retweetのようなもの)するだけの簡単なお仕事。
僕のTumblrはもちろん僕好みのものしかないので、自分のお気に入りの貝殻しか入っていない宝箱みたいなもんです。

2013年4月にReblogしたものたち。 http://tacrow.tumblr.com/archive
2013年4月にReblogしたものたち。 http://tacrow.tumblr.com/archive

 

買収のニュースが駆け巡ると、Twitterでは「Tumblrご臨終」「R.I.P」「Tumblr 2007 – 2013」などとツイートする人々が散見されましたが、自分もそのひとりです。

なぜこの買収が「死んだ」と揶揄されるかは、人気の高かった写真共有サービスflickrを買収してその魅力を台無しにした「前科」があるから。詳しくは「米国 Yahoo!、Tumblr を10億ドルで買収 ― Flickr 買収失敗の教訓は活かされるのか?」に書かれているとおり。

学生時代に作ったflickrは、気づいたらYahoo!と統合されてYahoo! IDがないとログインできなくなって、ついに入れなくなっちゃいました。2005年から更新されない、ラピュタを護る孤独なロボットのように、ただ居るだけ‥‥。新たにアカウントを作りましたが、昔の賑わいはもうありませんでした。

そんなYahoo!のことだからTumblrも改悪されるんじゃねーの?!と思われるのは仕方ない。flickrもTumblrもそれだけ熱心な愛用者がいる(いた)ということです。それは先日書いたSoundCloudと同じく、単一機能のサービスで、目的と設計が超シンプルだから。

本質を変えずにいてほしいと願うばかりです。

 

関連記事
米Yahooが Tumblr買収を正式発表、「ダメにしないことを約束」。カープCEO続投で独立運営

米ヤフー、Tumblr買収で「台無しにしないからね」

SoundCloudいいよね話

SoundCloud(サウンドクラウド)という音楽のシェアサービスがいつ頃から浸透したのか分からないほどに、気づいたら自然と愛用していました。僕はもっぱら聴く側ですが。

2008年にスタートした音楽共有サービス『SOUNDCLOUD』。
サービス名やロゴが非常にシンプルで分かりやすく、2012年7月現在、多くのミュージシャンや音楽ファンに受け入れられつつあります。
(中略)
「最近注目されている」と言っても、サービスそのものは目新しい部分はありません。ただ、既存の有名なWEBサービス、SNSの良いところを上手く掛け合わせ、音楽を主体としたサービスへと昇華しているところがSOUNDCLOUDの大きな特徴です。

無償でアカウント登録をし「リスナー」として楽しむ場合、まず気になる他のユーザーをフォローするところからスタートします。

フォローしなくともアップロードされた音楽を楽しむ事は可能ですが、音楽的嗜好性を軸にしたサービスのため、気になるユーザーをどんどんフォローしていき、Twitterと同じようにタイムラインを作っていくと、このサービスの面白さが掴みやすいと思います。

SOUNDCLOUDがユーザーに受け入れられた理由とは?

好きな人をフォローすると、その人がアップロードした音楽を楽しめる。モノによってはダウンロードもできる。楽曲をオリジナルのままアップロードしてまるっと聴けるよ、という怪しい方向性もたまにありますが、本当に音楽やアーティストのファンが作った「REMIX」が多くアップロード、シェアされているように見受けられます。くるりの岸田さんも作曲途中の楽曲をSoundCloudに公開してたような。

ほんと、どんな曲でもREMIXする人がいて、カッコイイ。

[soundcloud url=”http://api.soundcloud.com/tracks/46047459″ params=”” width=” 100%” height=”166″ iframe=”true” /]

 

[soundcloud url=”http://api.soundcloud.com/tracks/12674022″ params=”” width=” 100%” height=”166″ iframe=”true” /]

 

[soundcloud url=”http://api.soundcloud.com/tracks/23991656″ params=”” width=” 100%” height=”166″ iframe=”true” /]

 

[soundcloud url=”http://api.soundcloud.com/tracks/68552044″ params=”” width=” 100%” height=”166″ iframe=”true” /]

 

[soundcloud url=”http://api.soundcloud.com/tracks/89255029″ params=”” width=” 100%” height=”166″ iframe=”true” /]

 

こういう、ひとつの機能に特化したサービスが好きです。ユーザーじゃないけどpixivも近いのかな。世界にはセンスのある人がこんなにもいたのか!と、世界中のセンスをあぶり出すサービスとでも言えそうです。

細かい操作性もすばらしくて。楽曲を再生中にSoundCloud内の別ページに移動しても、次の曲を再生しない限り、再生中の曲は途切れることなく聴き続けられる。このシームレス感が気持ちよさを作り上げています。なんと上に並べたものも同様の操作性が担保されてます。すごい。

 

オススメのSoundがあれば教えてください。

SoundCloud – My likes

LOST CHILD × 575

[soundcloud url=”http://api.soundcloud.com/tracks/88991228″ params=”” width=” 100%” height=”166″ iframe=”true” /]

ももいろクローバーZ『LOST CHILD』とPerfume『575』のREMIX。

どっちも大好きな曲なので、こんな風に合うなんて。

ももクロのREMIXを多く手がけるYKOYKOさんのREMIXはジャケットにも要注目です。

これとか。

[soundcloud url=”http://api.soundcloud.com/tracks/83480805″ params=”” width=” 100%” height=”166″ iframe=”true” /]

YKOYKO™

「先のことなど」

5月5日の『ほぼ日』の「今日のダーリン」より。

・『私がオバさんになっても』という歌を歌ってたとき、
 森高千里さんが想像していた「オバさん」の年齢を、
 おそらく現実の森高千里さんは、超えてしまった。

 ビートルズは、まだじぶんたちが20代のころに、
 『When I’m Sixty-Four』という曲をつくった。
 ずっと先だということの表現としての64歳を、
 追い抜いてしまった。
 その年齢までたどり着かなかったビートルもいるが、
 「ずっと先」は、もう過去のことになっている。

 「いつまでも」とか「ずっと」とかいうことばは、
 口先で言うのは簡単だけれど、あんがい2年とか3年、
 せいぜい10年くらいを意味しているかもしれない。
 そう考えた人たちが、それじゃいやだ、と。
 できるかぎり正直な「いつまでも」を、
 具体的に提示したのが、これらの歌のコンセプトだ。
 つくったときには、時間がどんな速度で過ぎていくのか、
 本人たちは知らなかったのである。
 「30歳以上を信じるな」ということばがあった。
 実にスカッとした、思いきりのいいことばだ。
 しかし、これを読んでいる30歳以上の方々なら、
 とっくにおわかりのことだと思うけれど、
 「30歳以上を信じるな」と言ったとたんに30歳になる。
 まさか、小学生とかはこういうことを言わないだろう。
 いちばん、こういうことを言うのは20代の若い人たちだ。
 だから、10年も経たず、あっという間に、その
 「信じちゃいけない年」の人になってしまうのだ。

 光陰は矢の如しである。
 想像もしてなかった年齢に、すぐなっちゃう。
 想像もしてなかった土地でも人間は暮らせるように、
 想像もしてなかったじぶんとして、人は生きられる。
 ただ、なんとなく想像してなかったので、勝手がちがう。
 64歳を過ぎたポール・マッカートニーは、
 ステージで『When I’m Sixty-Four』を歌うけれど、
 歌われている主人公と、じぶんを重ねてない気がする。
 森高千里さんは、あの歌を、どんなふうに歌うかなぁ。
 無理にまとめてみよう。
 つまり、その、「先のことなどわからないものさ」。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「こどもの日」、祝われている期間は、あんがい短いのさ。

MOVIE to MUSIC

 

アイアンマン1〜3のシーンをふんだんに使ったREMIX作品。
ちゃんとメインテーマを要所に組み込んでいるところがファン心理をくすぐります。

同じ方が作った、ダークナイトのジョーカーのシーンを集めたREMIX。

 

これまたメインテーマをベースにまとめられており、超クール!
『ファイト・クラブ』のサントラにも主人公のセリフをちりばめた曲が入ってたのを思い出しました。

 

コレ。
タイラーはアメコミのヒーローじゃないけど、かなり近しい存在かもしれません。僕の中では。

PUSH for Ultrabook™

最近のお仕事です。

PUSH for Ultrabook™ – Play now to win an Ultrabook.
http://www.intel.com/push

PARTY川村真司さん清水幹太さんとの案件。
push

この超Coolな装置、千駄ヶ谷の弊社にあるんです。
連日連夜、裏でブロックを詰めてます。

psh01

24時間、ひとが支えるゲーム。
終わる頃には、強くなっている気がします。

ももクロと警察(改)

http://youtu.be/6_qEQcIeyJY

Twitterで知った『労働賛歌』のパロディ動画。

あまりにも素晴らしい出来で、こんなことをつぶやいてました。

 

すると、なんと‥‥!

 

 

作者さんからレスいただきましたw

 

あぁ、やっぱりコレだ。
パロディCMがパロディ動画の元になってるって面白いなぁ。

 

余談ですが、先月の西武ドーム初日(僕にとっては初のももクロLIVE)のラストが『労働賛歌』で、楽曲の良さを改めて実感。
生演奏よかった!

Listen to Jazz and Rain

最近のお気に入りです。

スクリーンショット 2013-04-07 21.32.38

「Listen to Jazz and Rain」は雨の音とともにジャズが聴けるサイトです。サイトにアクセスすると雨の音が小さく聞こえてきます。SoundCloudのプレーヤーが埋め込まれており、再生するとジャズが聴こえてきます。集中したいときに使えそうですね。

ライフハッカーより)

雨音だけでも、イイ感じです。

多少の雑音が適度な集中力を保つ、といいますが、カフェなどで仕事をするとき、隣のお客さんの会話が妙に面白くて聞き耳を立ててしまう。仕事が進まなくなる。面白すぎて文字起こししてしまうことさえある。いかんいかん。

そんなときにこのサイトへ。
雨音がちょうどよく会話をかき消してくれます。

そうまでして外で仕事していたいか?って感じですが、していたいのです。

jazzandrain.com