映像の中のプロジェクションマッピング

先日、東京駅で行われたイベントで初めてプロジェクションマッピングを見た話を書きましたが、その直後にTwitterで話題になっていた動画がこちら。

 

[vimeo http://www.vimeo.com/45569479 w=580&h=326]

 

実はもう2ヶ月も前に公開された作品で、「なんでまた今になって取り上げられてるんだろう?」と思いましたが、きっと東京駅の件でプロジェクションマッピングという手法自体に注目が集まり、再度話題になったのかと思います。

 

巨大建築など、投影するスクリーンのフォルムと質感を借りて新たな世界を描き出すタイプのプロジェクションマッピングがオーソドックスなもの(3Dプロジェクションマッピング)だとすれば、何もない立方体の中に世界を映して自由な角度で箱庭を映し出すこれは応用編の2Dプロジェクションマッピングと言えるのではないでしょうか。

そこで思い出されるのが、ミシェル・ゴンドリー監督のこの作品。

 

 

かつてのアバンギャルド過ぎた日々を引きずる男の心象風景。それが、雑然とした家そのものをスクリーンにして、文字通り「現実とだぶって」いるところを見せてくれます。

手法は3Dタイプですが、部屋という立方体の中で展開するさまはWillowの箱庭PV(1個目の映像)にも影響を与えているんじゃないか?と思ったりもします。

 

[vimeo http://www.vimeo.com/46309947 w=580&h=326]

 

こちらはそのWillowの箱庭PV(って称することにしますw)のメイキングムービー。

“物理的には何もないセット”の中でいかに自然の物理法則に沿った動きをしているかのように見せる演技の試行錯誤が微笑ましいです。いや、演じるボーカルの人は超大変だな!と畏敬の念すら覚えます。

 

ここで(というか本編映像でも)ひとつ、このミュージックビデオの発明だと気づくのが、ベルトコンベアの存在。この床に埋め込まれた装置があることで、真っ白な箱の中にいながらにして外へ出て、歩き、階段を駆け下り、さまざまなシーンと遭遇することが自然な動作で行えています。

そこで思い出されるのが、ジョナサン・グレイザー監督の名作。

 

 

1997年、当時僕は高校2年生でしたが、その年のMTVビデオミュージックアワードで4部門受賞するほどのインパクトがあったこの作品の見どころは、なんといってもスライドする床とそれに翻弄されることなく動き回るJey Keyの身のこなし(実際には床ではなく壁が動いているそうですが)。

部屋という限られた空間が、動く舞台装置によって無限の広がりを見せる‥‥という意味では、Willowの箱庭PVと非常に似たものを感じます。どちらも茶室のような限られた空間に宇宙的な広がりを見いだす「茶の湯」の世界観を想起させると言ったら言い過ぎかな。

 

最後に、「何もない立方体に世界を映して自由な角度で箱庭を映し出す」タイプのプロジェクションマッピングの素晴らしいCMとそのメイキングを貼っておきます。

このCMは商品である靴とそれを履く人以外のモチーフをすべて映写しています。2009年のキャンペーン。なので手法としてはべつに新しくはないんですよね。あとはプロットと描き方がどれだけ秀逸か。

まあ、手法の新旧で評価を決めることほど愚かなこともないと思いますし。ただこの2009年のクリエイティブは2012年の日本のテレビで流してもじゅうぶん話題になる強さがあります。

 

[vimeo http://www.vimeo.com/22142342 w=580&h=326]

 

気が狂いそうなほど緻密な作業だけど楽しそうだなぁ。

PaperHeart

10月になってしまいました。

2012年終了のカウントダウン開始。

まだまだ暑い日がつづきますが。

この時代のこの国の天候の転向についていけてない自分がいます。

 

PaperHeart

細田守監督のアニメーション『時をかける少女』ファンによるオマージュでしょうか。調べてみると、なんとロシアの方による自主制作だとか。オリジナルは夏の印象が強いですが、これはまさに10月にぴったりなトーン。めちゃくちゃ上手いです。

しゅっ、しゅたっ、ぱんっ。

こういうアニメーションを見ると

日本に生まれてよかったなって思いますね。

アニメーションの動きというのは振り付けなんですね。言ってみれば。

 

そして、

いかにアニメーション上の(あるいはマンガの)
決まり事と気持ちよさがぼくらの脳内にすり込まれているかが
よくわかります。

女子高生がパンをくわえたら遅刻しているから走る、のはもちろん、こうジャンプしたらこう着地して埃が舞うよね、とか。モーションもルール化してインプット、ストックしているんじゃないかと思います。

だからといってそのストックを引っ張り出して再構成できる人は一握りなのですが。

ただ、気持ちのいいアニメーションをつくれる人はストックが膨大にある。だから説得力が半端ないです。
しゅっ、しゅたっ、ぱんっ。が頭の中にあるから作れる。

沖縄へ。2012

ぼくが旅に出る理由は だいたい100個くらいあって〜♪

9月8日(土)〜10日(月)にかけて、社員旅行に行ってきました。

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高い空、
碧い海、
置いてきた日常と〆切。

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旅の目的地は沖縄本島と慶良間諸島。

初めはすこし戸惑いもありました。

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入社して1ヶ月なのに、いいんだろうか?と。

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でも

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そんな遠慮は

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那覇空港から出るシャトルバスの中に捨ててきました。

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むしろ顔と名前が一致しかかってきたこの時期だからこそ

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ぐっと近くなれるイベントがあってよかった。

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東京に戻ったら、
かつお節のように舞う日焼け跡の皮をめくりながら、
ますますいい仕事ができそうです。

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本心はもちろん、戻りたくないよ!

ニューヨーク旅行記 Vol.7

だいぶ間をあけてしまったニューヨーク旅行記を再開。

ようやくVol.7ですが日付的には4日目、7月18日の朝から。
SOHOに行ったときのお話です。

 

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渡米する前にマリエの『another sky』(旅番組)で見たcafe Habanaの焼きトウモロコシが完璧に脳裏にプリントアウトされていて、しかも今回の旅で大活躍だったエッセイ『ニューヨークおしゃべりノート』でも魅力的に紹介されていたので、こりゃ行くしかない!

 

NYのおしゃれスポットSOHOへ出向いた目的はファッションでもアートでもなく、チーズがたっぷり乗った焼きトウモロコシでした。熱で溶けかかった粉チーズとチリパウダーのしょっぱさがトウモロコシ本来の甘みとちょうどよく絡み合い、口の中にふんわり広がります。う、旨すぎる!

 

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一緒に頼んだタコスもうまい。

 

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ウェイトレスさんはまったく愛想がないけれど、それもまた「ぽい」と肯定的に捉えてNo problem。
2つで$15で、$20札を出してもお釣りが来ないのはチップ代ってことね?と肯定的に捉えてNo problem。

 

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SOHOは歴史的建造物の残る地区というだけあって、歩いているだけで楽しい。日本でいえば京都のような感じかもしれません。あ、でもギャラリーとブティック(COACHやDior、miumiuなどの路面店)が点在している感じは代官山っぽい。

 

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木漏れ日が気持ちいい。返す返すも一人旅なのが残念。

 

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壁のラクガキ?もおしゃれ。

 

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空き店舗もアーティスティック(?)。

 

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ここでも『THE DARK KNIGHT RISES』が、赤煉瓦の上にペンキで。

 

ひとしきり散策したらニュー・ミュージアムへ。

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日本人の建築家ユニットSANNAがデザインした建物がまず鑑賞品として見応えアリ。歴史的な建物とは一線を画すデザイン、館内の色使いも蛍光色が大胆にあしらわれていてカッコイイです。

展示のなかでは、風船がただ風に押し上げられて腰の高さぐらいに留まっている作品が気になりました。

 

すぐ近くのチャイナ・タウンも散策。そのまた隣のリトル・イタリーまで行けば映画『LEON』の世界を堪能できたんでしょうが、そろそろ足が棒になってきたのでおとなしく地下鉄へ。

SOHOの中心部(?)、Prince Street駅に引き返し、そこからすぐのApple Storeに立ち寄ってみました。

 

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郵便局の跡地にオープンした店舗らしく、もともとの石造りとApple Storeらしいガラスのコントラストがステキ。しかも大きなドアを押し開けて店内に入ると、天井が吹き抜けになってる!置いてある商品は日本と同じラインナップなのに何この高揚感。

 

天井もガラスで、外観の重厚さとは打って変わって開放感たっぷりの店内。
天井もガラスで、外観の重厚さとは打って変わって開放感たっぷりの店内。

 

IMG_1274と、そこに立て看板が。

えっ!?

クリス・コルファー来店!?

しかも明日!!

処女作の児童書を朗読しに来る?!!

 

クリストファー・ポール・コルファー(英語: Christopher Paul “Chris” Colfer、1990年5月27日 – )はアメリカ合衆国出身の俳優、歌手、脚本家、作家である。米国フォックス放送で放送中のドラマ『グリー』のカート・ハメル役で知られる。役での演技が高く評価され、2011年の第68回ゴールデングローブ賞において最優秀助演男優賞を受賞した。 同年に米国タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出される。

(Wikipediaより)

 

『Glee』のカートが明日ここに来るんかい!

シーズン1、シーズン2とBlu-rayを買ったほどハマってるドラマの人気俳優に明日会える!ってことです。前日にあった、ブロードウェイで米倉涼子と遭遇したことも霞むほどの奇跡!

 

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というわけで、つづく。
次回はカートを至近距離で拝んできた件について。

ニューヨーク旅行記 Vol.6

今回は、ブロードウェイで女優・米倉涼子と遭遇した話。

 

ナショナル9.11メモリアル(追悼記念公園)の近くを歩いたあとは、地下鉄でサウスフェリー駅まで移動。スタテンアイランド・フェリー乗り場から、乗車賃が無料のフェリーに乗って自由の女神を見物します。

どんどん小さくなってゆくマンハッタンの街並み。新しいWTCビルも早くもNYの顔になりつつあります。

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じつは自由の女神を見ることは予定に入ってなかったのだけど、前述の「学生時代にNY旅行に行った友達」からTwitterで

「WTCに来てるんだったらフェリーに乗って自由の女神も見るといいよ」

と教えてもらい、素直に従いました。
でも女神の足下に行く便ではなく海から眺めるだけのフェリーを選択。

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フェリーでただ往復するだけでもじゅうぶん楽しめます。映画『ダークナイト』のフェリーのシーンを思い出しつつ‥‥(厨二病的ツアー続行中)。

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この風景は『グランド・セフト・オート4』で見た。ゲームも映画もリアルも“ない交ぜ”になる街。

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市庁舎のCity Storeでおみやげを購入。この建築デザインは圧巻。

 

日が暮れてからは、初日に立てた旅の計画のひとつ、ブロードウェイミュージカルへ。

当日券が格安で販売されるTKTS(チケッツ)に並んでみるものの、とくに目当ての作品があるわけでもなかったので、映画で見たことのある『CHICAGO』をチョイス。2階席で$80でした。半額でもこの値段。

– 8:00 pm

だいぶ慣れた地下鉄で家族連れに路線を聞かれて「あー、それならあっちですよ」と答えられるほどになって油断していたのか、アンバサダー・シアターへ向かったつもりの路線を間違えてしまいました。三鷹から吉祥寺に行きたかったのに中央特快に乗って中野まで行ってしまうレベルの大ミス!結局、開演後10分の遅刻。

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チケットを提示して入れたものの、大柄な黒人女性のスタッフは「これだから観光客は」と言わんばかりのあきれ顔。指示されるままに劇場の最後列からショーを見ていたら、突如「Come here.」。ミュージカルシーンが終わったと同時にそっと座席へ案内されます。大柄な黒人女性の背中をすり足で追って行くと‥‥

あれ?2階席じゃなくて1階だよ?しかも前から‥‥5列目!?これ、プレミアシートじゃない?いいの?

「いいから座れ!」

暗がりの客席で、大柄な黒人女性の目と口の動きが確実にそう訴えていました。はいはいはい。なんだか知らんけどラッキー!

 

2時間半におよぶ『CHICAGO』を前列ど真ん中で観劇。最高!ブラボー!みんな芸達者!(当たり前)

幕間の休憩時間中に「これは日本版でロキシー(主人公)をやってる米倉涼子も観た方がいいよな〜」なんていらぬお節介が頭をよぎりながら(←本当)後ろに振り向くと、斜め後ろに

米倉涼子!!!!!!!!!

まさにロキシーと見まごうばかりのセクシーな黒いドレスに身を包んだ女優・米倉涼子が、隣の女性と「やばい!すごい!」を連発していました。

‥‥こんなことってあるか?
かつて赤坂で少女時代に会ったときと同じくらいの、“出来すぎた遭遇”。しかもアメリカで。あとで知ったことですが、米倉涼子もこのアンバサダー・シアターで『CHICAGO』を演じたらしい。『情熱大陸』でやってました。

最高のショーを堪能したあと、先に席を立った米倉さんがさっきまで座っていたシートに座ってから劇場を出ました。あとでFacebookに書き込んだら「Japanese HENTAI」と言われました。I know.

大好きな女優さんってわけでもないのですが、やっぱりドキドキするもんですね。
どこでもいいので、いつか深津絵里さんとお会いしたいです。

 

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そんなこんなで、外に出るとミッドナイト・タイムズスクエア。

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やる気のない偽ミッキー。

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胴まわりが怪しいアイアンマン。
素材で言うならダンボールマン。

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夜もたまらぬ『THE DARK KNIGHT RISES』。

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くらくらしながらホテルにチェックイン。
ロキシーと摩天楼にすっかり心を奪われたまま、眠りにつきました。

Vol.07へつづく

ニューヨーク旅行記 Vol.5

ニューヨーク3日目。

オーガニック系のチェーン・PRETで腹ごしらえ。サッパリしてておいしい。一人旅なのでごはんはとにかく質素に!お金をかけない!

とりあえずお店に入ったらまっ先に「For here please」(店内で)というクセはつきました。あと、学生時代にNY旅行に行ったことのある友達から

「英語がどんなに正しい文法でも伝わらなくて、おかしいなーと思ったら私の声が小さかったんだよね。だから声を大きくね!」

とアドバイスを受けていたので、気持ち大きめに。たしかにこのアドバイスは正しいと実感すること多し、でした。

 

それにしてももう予定の折り返し地点だなんて!まだ何も見てないよ!と焦りを感じつつ、初めて観光バスに乗車。

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観光都市だけあってバスツアーも充実していて、歩道で係の人からチケットを買ったら48時間以内は乗り降り自由!と書いておきながら実際は1回しか乗らなかった。もったいないことをした‥‥(しかも$45と高い)。

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座ったまま移動する乗り物ってステキ。

タイムズスクエアからスタートして、ダウンタウン(南)へ。

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目にする広告といえば『THE DARK KNIGHT RISES』かSAMSUNGのGALAXYばかり。自動車のビルボードも目立っていたのはヒュンダイ。日本ブランドの存在感は工業・エレクトロニクス系ではなく無印良品やユニクロなどの衣料・生活用品系でしか感じられなかったのが興味深いです。ここをブランドのオリンピック会場と捉えると、日本企業の代表選手は変わってきているのだなーと。

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あれ?座席が‥‥

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ガチャピン?

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1902年の建設当時はこれでも世界で一番高かったというフラットアイアン・ビルからSOHOを抜けて、いよいよロウアー・マンハッタンへ。ワールド・トレード・センタービル跡地がある場所です。

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来年完成予定の新しいWTCビル。の後ろを飛行機が横切る。もちろん飛行機は飛びつづける。

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たぶん新WTCビルを建設しているであろう作業員の人たちにまじって、教会のベンチで休憩。

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つづく。次回はいよいよブロードウェイミュージカルです。

くるり 代々木公演フリーライブ

ニューヨーク旅行記はいったんお休み。

 

7月31日、くるりの新曲発売の前日ということで、代々木公園野外ステージにてフリーライブがあったので行ってきました。

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午前中にたまたまTwitterで知り、へえ〜、いいなーくらいに思ってはいたものの行く予定はとくに立てず、ジムで1時間走って、夕方に訪れた渋谷のタワレコで「あと30分ではじまる」ことを再度知ってチャリで突撃。

CDをフラゲした人1,000人には優待席が設けられていましたが、その外にも大勢のお客さんがすでに新生くるりの登場を今か今かと待ち構えていました。ナタリーの記事によるとその数5,000人。

フリーライブっていいな。生のパフォーマンス目当てに夕方の5時前から陣取る学生さんや、会社帰りに立ち止まるサラリーマン。缶ビール片手に楽しんでいる人も多い。

新曲2曲に加えて、「トレイン・ロック・フェスティバル」、「ばらの花」、「ブレーメン」、9月に出るアルバムから「crab, reactor, future」、「ワンダーフォーゲル」、そして、せっかく東京に来たからと「東京」を披露してくれました。これがフリーだなんて!

夕日のオレンジ色が岸田さんの声をさらに伸びやかなものにしてくれるような、ライブの高揚感をさらに高めてくれます。

 

ニューヨークのセントラルパークでも、夏はさまざまなフリーライブが開催されます。つかの間の贅沢が街に転がっているなんてステキだなぁ。こういう機会がもっと当たり前にあるようになるといいなぁ。働いてたらまず行けなかったでしょうけど。

アンコールで新曲「everybody feels the same」を改めてパフォーマンスしてくれて、お客さんも含む全員で大合唱。everybody feels the same!everybody feels the same!

一瞬で観衆の一体感をつくりあげる音楽と岸田さんの透明感のある声に嫉妬しながら、ジム帰り、PerfumeのツアーTシャツと首からはBerryz工房のタオルという出で立ちでぼくもシャウトしました。

ニューヨーク旅行記 Vol.4

Vol.4なのにまだ2日目です。

セントラルパークに着きました。

ホテル(青いピン)から北へ歩くこと40分(寄り道、食べ歩き含む)。セントラルパークの左にあるのが自然史博物館。右下にはApple Store ニューヨーク5番街店。
ホテル(青いピン)から北へ歩くこと40分(寄り道、食べ歩き含む)。セントラルパークの左にあるのが自然史博物館。右下にはApple Store ニューヨーク5番街店。

昨日とは打って変わっていい天気。

公園内を突っ切る広い道路を、色とりどりの自転車がシャーッと軽い音を立てながら走り抜けます。

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気持ちいいだろうなー。

 

リスも無警戒。
リスも無警戒。

 

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子どもたちからもチップもらえるのかなー?

 

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『レオン』でマチルダが狙撃訓練をするためにジョギング中の要人を撃った、パインバンク・アーチ。ここを越えてベセスダの噴水へ到着。

 

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右に小さく写っているのが『glee』でフィンとレイチェルが再会した橋。と、いちいち何のロケ地だったかに思いを巡らせつつ歩いていたら、うっかりジョン・レノンの追悼碑を追い越して目的のアメリカ自然史博物館へ。

 

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おぉ!『ナイトミュージアム』!!

 

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入っていきなり首の長ーいバロサウルスと肉食のアロサウルスが迎えてくれます。
レプリカではなく本物の骨だとか。

入場券と、『地球の歩き方』でオススメされていたプラネタリウムのチケットを買って入場。子どもの頃から恐竜好きが高じて恐竜の絵ばっかり描いてた人間としては、この景色はもう夢のよう。もともと子ども向けを意識して展示されている博物館らしく、たしかに展示の仕方がサービス精神旺盛です。

旅先の親子の姿は万国共通。
旅先の親子の姿は万国共通。

まぁ、どこの国でも肝心の子どもはNINTENDOに興じてるわけですが。
隣のお父さんはうなだれてるし。

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約3000万年前に生息していた、地球最大の陸生哺乳類(サイ)だそうです。
でかい。

 

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キタ!トリケラトプス!!

小学生(9歳くらい)の時にZOIDSというプラモデル風おもちゃのマッドサンダーを買いました。あれがトリケラトプス型で、当時、好きすぎて庭でジオラマをつくり、リアリティを出すために爆竹をつけて灯油で燃やしてしまいました。どろどろに溶けました。

 

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合掌。

 

広大な自然史博物館は、化石や生物だけでなく人類の文化や歴史にも精通した展示で、46億年の地球史として見ても楽しめるし、収蔵品の2%しか展示されていないという化石や精密なジオラマを造形物として楽しむこともできます。

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ワケもわからず巨大なマラリア蚊とか。

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やたら怖い人形とか。

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実物大のシロナガスクジラとか。
こういう場所で寝転がれる施設の懐の深さ、ステキ。

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ヒグマと子どもとか。実に精巧。子どもは動きます。

 

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生態系とか。

 

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ティラノサウルス・レックスとか!

 

見応えがありすぎてぜんぜん前に進まないうえに館内が広すぎて道に迷ってしまいましたが、オフィシャルのiPhoneアプリで現在地から目的地までガイドしてくれて助かりました。この館内Mapを頼りにプラネタリウムへ。

NASAの監修によるプラネタリウム『JOURNEY TO THE STARS』は、ウーピー・ゴールドバーグのナレーションとともに、朝のセントラルパークのシーンから始まります。太陽が昇りきると同時に、一気に宇宙空間へジャンプ。美しくドラマチックな宇宙の生い立ちは、これまで見たプラネタリウムの概念を覆すほど。

 

おなかいっぱいになって、ふたたびセントラルパークへ。

 

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草野球を眺めるカップルを眺める。

すっかり疲れてしまい、帰りはおとなしく地下鉄に乗って10分ちょっとでホテルへ帰着。ベッドで体力を回復させて翌日に備えます。いったんセーブ。

Vol.05へつづく!

ニューヨーク旅行記 Vol.3

NY滞在2日目。7月16日(月)、朝5時に目覚める。
時差ぼけはないと思ってたのに意外とそうでもないみたい。

眠らない街。
眠らない街。

 

枕元の電気をつけて、旅の前に日本で本を裁断→スキャンしてiPadに入れておいた『地球の歩き方』や『ニューヨークおしゃべりノート』(オススメ!)を開いてぱらぱらめくる。

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あぁ、そういえばまだノープランだったわ。

オリエン資料を読み込むかのように文字を追い、気になった箇所にしおりをつける(といってもi文庫ってアプリ上でしおり登録していく)。そしてまっさらな旅ノートに行きたい場所と住所、行き方、有料の場所は値段を書き出し、1日の行動予定を見える化。

旅のガイドブックをiPadに「自炊」してきたのには理由があります。
それは、どのガイドブックにも「NYの街中でガイドブック片手にぼーっと立っているなんて窃盗犯にとってはいいターゲット!」と書かれていたから。だったらiPadに入れておけばむしろデキル男っぽくていいんじゃね?と。荷物もかさばらないし。

実際、行く先々でものすごく役立ちました。電池の持ちもiPhoneよりずっといいし。Googleマップのリンクも記事に埋め込められたら最強でしょう。そもそも電子書籍が充実してきたらこんなことしなくて済むわけですが。

2日目はまず地理と交通路を頭にたたき込むために、タイムズスクエアを抜けてアッパーウェストサイドのセントラルパークまで歩いて、適当に散策したら自然史博物館へ行こう。そして翌日以降はブロードウェイ・ミュージカルとメトロポリタン美術館とMoMAとSOHOとJazzへ繰り出そう。あとグラウンドゼロにも行っておきたいな。けっこう過密スケジュールだな‥‥zzz‥‥。

 

午前9時、満充電のiPhoneとiPadとこの旅のために買ったCyber-shotをカバンに入れて、いざ自然史博物館へ!

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日本語があると反応してしまう。

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アジア人がいると反応してしまう。

のは最初のうちだけで。

 

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徒歩10分ちょいでタイムズスクエア駅。BATMAN!!!

全米公開の4日前。さすがゴッサムシティ=NYだけあって、どこもかしこも『THE DARK KNIGHT RISES』のビルボード。とにかくデカイ!かっこいい!長辺そろえないとかアリなんだ!!

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縦構図で。デカイ!かっこいい!

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別アングルで。デカイ!かっこいい!

 

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なんて興奮気味にビルボードばかり撮りながら歩いていたら、ひときわカラフルな、テレビでよく見る交差点に出ます。

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『glee』で観た場所!(つくづくミーハー)

[vimeo http://www.vimeo.com/46464345 w=600&h=360]

I Love New York〜♪ まったく一緒だ!(当たり前)

 

何時間いても飽きない場所。ただ、ものすごく暑い‥‥。日本ほど湿気がないとはいえ暑いものは暑い。ホットプレートばりに熱せられた階段から立ち上がり、iPodの曲をgleeのサントラから葉加瀬太郎の『エトピリカ』にセットして一路、北へ。

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「なにも成し遂げていないのにNYのど真ん中で情熱大陸でも聴いてその気になってきてよ」という妻の発案を思い出し、やってみたら本当に「なにかを成し遂げた感」がハンパない。京都でMy favorite thingsを聴くくらいのフィット感。しかし一緒に来られなかったことが本当に悔やまれます。妻には本当に迷惑をかけてきましたからね‥‥とかカメラクルーに向かって話しながら歩きたくなる。

 

途中、SUBWAYで日本の倍ほどはあるターキーブレストを食べて(あのヘルシーが売りのSUBWAYがこのボリューム!)、炎天下の下を歩くこと30分。セントラルパークへ到着。この時点でかなり脚が棒。

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着いたー!Vol.04へつづく!

ニューヨーク旅行記 Vol.2

ニューヨークの中心部、タイムズスクエアからすこし南に下がったところに、HOTEL PENNSYLVANIAはあります。

 

青いピンがホテルのある場所。歩いて10分くらいでブロードウェイ、タイムズスクエア(中央の濃いピンク)へ行ける好立地。
青いピンがホテルのある場所。歩いて10分くらいでブロードウェイ、タイムズスクエア(中央の濃いピンク)へ行ける好立地。

 

hotel-penn見た目は重厚で立派だけどランクは決して高くない、一泊1万円以下の中級ホテル。日本のレビューサイトを見ると「ゴキブリが出る」とか「照明が暗い」とか「冷房壊れてる」とか、わりと酷評のオンパレード。

だけどブロードウェイまで歩いて行ける立地は最高で、どうせ一人だしノープロブレム。覚悟したよりもぜんぜんきれいで、『LEON』でレオンとマチルダが逃亡に使ったホテルよりはずいぶんマシ。

チェックインを済ませたのが夕方だったので、とりあえず荷物を置いて近所を散策。
家から自転車で10分の新宿だって高層ビル群なのに、建物と空を見上げるのが楽しい。ビル影からスパイダーマン出てこい。

 

あ、目の前に‥‥あれは‥‥?

 

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エンパイア・ステート・ビルディング。
ホテルから歩いてすぐでした。

さっそく中に入ってみた。

 

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日が暮れたあとだったけど上に昇ってみた。

 

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右に白く光るのはクライスラービル。
もともとはクルマのクライスラー社が持ってたビルだけど今はアラブのファンドが7割以上の所有権を持っているとか。アール・デコ調のデザインが異彩を放っています。

何時間でも見ていられる。人間のエネルギーが一粒一粒の明かりからふつふつとわき出ているような錯覚を覚えます。なんてパワフル。

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このビルは『アメイジング・スパイダーマン』で観たな。

 

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全体的に、ガラス張りの近代的なビルと1900年代初頭に建てられたネオ・バロック様式のビルとのコントラストが、東京とはちがった奥行きをつくり出します。この生きた歴史のあり方はうらやましいけれど、日本より地震が圧倒的に少ないから許されること。東京駅はぜひとも今後も保護されていってほしいなぁ。

 

不意に、遠くの空で雷鳴が轟きはじめました。

 

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『ゴーストバスターズ』みたい!!

 

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マシュマロマンが現れるぞ‥‥。

 

思いがけずはじまった大自然と摩天楼との光のショーを存分に堪能して、タコスを食べてホテルへ。心配していた英語もタコスのオーダーレベルなら問題なし。ふだんから徹夜生活なのでこれといった時差ぼけもなく就寝。初日としては最高のスタートです。

 

翌日はタイムズスクエアとセントラルパーク、そして自然史博物館へ!
Vol.03へつづく〜。

ニューヨーク旅行記 Vol.1

7月15日(月)〜21日(土)の1週間、単独でニューヨークへ行ってきました!
これから何回かに分けて記録していきます。

そもそものきっかけは、前の会社の上司にそそのかされて。

「エンターテイメントの本場を一度は見た方がいいよ」

わりと他人の発言を鵜呑みにして行動に移す単純野郎です。
何にでも乗っかってみるのがポリシー。

当日の直前まで荷造りもせず、辞めたはずの会社の企画書を書き上げ、旅の計画も立てないままに成田から12時間のフライトを経て‥‥

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I’m in New York!360°Times Square!!

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とりあえず着いた!!!

 

15日の月曜日、15時にJFK国際空港に着いて、空港のカウンターでシャトルバスを予約して待っていたら、こっちだよと手招きする黒人さん。あれ?予約して5分しか経ってないのにもう来た?

と思ったらぜんぜん違うアンオフィシャルな白タクシーの業者でした。おぉこいつに騙されて乗っていたら法外な値段をふっかけられたところだった‥‥。着いて早々、NY観光の洗礼を受けそうに。こえええええ。

実際はこいつに乗り込みます。ぼくの泊まったHOTEL PENNSYLVANIAまではチップ込みで$25。

予約した方のシャトルバスに揺られること1時間。
ラジオから流れるGAGA様がむしろ日本を思い出させる。不思議。

田舎のハイウェイから徐々に都会へ‥‥。

などと想いにふけっていたら、『ロボコップ』や『アメリカン・ビューティー』や『グラン・トリノ』で主人公が住んでいたような寂しげな郊外を抜け、橋を越えるとそこにはコンクリートジャングルが!ゴッサムシティが!(実際、ダークナイトの舞台になっているのはNY)

ばばーん

 

というわけで、空港で道に迷っていた関係で18時にホテルにチェックイン。
つかの間の無計画NY観光がスタートしました。

Vol.02へつづく。

studiousを思い出せ。

CANNES PANTSU 2011

 

去年のカンヌで撮った1枚。
角を曲がったところのアパルトマンでこれ見よがしに干されていた白いパンツ。
南仏の西日に照らされて輝くパンツライオン。

 

博報堂アイ・スタジオを辞めましたBlogを書いて、スタジオというフレーズが過去のエントリーを思い出させてくれました。

 

studious – 創造の磁場

熱中している時ってどういう時かというと、自分がない状態なんですよ。で、自分がないってことほど幸せなことはないんで。ぼく、その幸せな状態を「ステュディオス(studious)」っていう状態だと思うんです。

「ステュディオス」から派生した言葉の「スタディ(study)」は、単に「勉強」って直訳されますが、一般的に「勉強」って言葉ってすごく義務的な語感があると思います。そうじゃないんですよ、本来のstudiousは。夢中になって、のめりこむような状態。たぶんラテン語だと思うんですけど。

たとえば白金スタジオでもナントカスタジオでも、「スタジオ(studio)」ってのは、みんながあるものを撮影する‥‥あるものを作るときにみんな熱中して、みんなが集中して自分を忘れて作る場ですよね。(中略)生き生きしている状態が自分がない状態ってのは変なんですけどね。(中略)Crazyですね。

 

佐藤雅彦さん
(メディアクリエーター、東京芸術大学大学院映像研究科教授、慶應義塾大学環境情報学部特別招聘教授)のことば。

 

同僚によく話してました。「だから俺たちはもっと熱中しなきゃ」と。

転職のご報告

2ヶ月ぶりの更新です。
この2ヶ月、いろんなことがありました。

まず、7月15日〜21日までの1週間にわたるニューヨーク1人旅!

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の前に、順を追って書くことにします。

 

2012年7月12日、6年3ヶ月間プランナーとして勤めてきた博報堂アイ・スタジオを辞めました。

Twitterでぼくをフォローされている方ならご存じだと思いますが、とにかく残業のおおい日々でした。平日は深夜2時3時のタクシー帰宅か、早くて終電。土日もどっちかは丸一日仕事。朝もだいたい8時に起きて昼まで企画書作成。これがデフォルトでした。

Webなどインタラクティブ広告を扱う制作会社なので、業界的な忙しさはあるにせよ、業界の方から見ても「働き過ぎじゃない?」と言われるほどの忙殺っぷりがつづいた6年間でした。

忙しいのは楽しいものをつくるための代償なので、企画が楽しいと思えている間は大丈夫です。

実際、自分が関わっていたチームのみんなは社内でもいちばん生き生きしてるんじゃないの?と思えるほど輝いていました。そういう瞬間まで突き詰められるメンバーがいるからこそ、どうしても帰宅は深夜に及びがちでした。そのこと自体は文化祭前夜っぽくて楽しい。企画が難産になって12時間MTGしたことなんかもいい思い出です。

 

ただ、そうではないことで心が折れそうになることもありました。そりゃ社会人ですから、当然いろいろあります。いろんなクライアント、いろんな事情、いろんな不具合。制作会社としては大所帯の200人超にもなる組織だったから、いろんな人もいます。ですが、いろんないちいちを「いろんな」で片付けます。会社がイヤになって辞めるわけじゃないから。

 

むしろカンヌにも連れて行ってもらい、宣伝会議のコピーライター養成講座にも通わせてもらい、さまざまな仕事上のチャンスをもらい、出会いがあり、きっちり恩返しせずに去ることに申し訳ない気持ちの方が勝っています。恩返し、できてないよなぁ。

カンヌのおもひで。
カンヌのおもひで。

さらに、5年目を迎えた頃から「いろんな」をひとつひとつ分析して上司や役員に意見するようになりました。意見できるようになったと言い換えた方がいいかもしれません。自分をプランナーとして丸4年にわたって育ててくれた元上司から巣立ち、仕事をカタチにしていく中で自信がついてきたんだと思います。

ブレストの仕方について、職場環境について、優秀な人材を留めるアイデアについて、企画力を高める方法について、人材育成について、レポートにまとめて社内共有したり社長に手紙を書いて読み上げたり、とにかく自分の中でグチとして抱え込むのではなく解決策にまで落とし込んで、仲間を巻き込みながら改善していこうと動きました(一度書いた上申書をまず妻に見せたら「代案が書かれていないから却下」と捨てられたのはいまでも鮮明に覚えています)。

その成果が見えたものと見えなかったものの両面がありますが、「いい仕事をする」ことと「いい仕事をするための場をつくる」ことの2つに取り組んだつもり。そして、そのためのアクションを起こす術が身に染みこみつつある時期に。

 

 

賞を目標に据えるのは本末転倒、仕事はクライアントや世の中のため‥‥と考える正論があるのも理解しつつ、自分は超シンプルな目標を立てた方が正論にも応えられると感じています。だからこの超シンプルな指針は自分を動かすのに足るものでした。

しかしこれにはカンヌはじめ数々の賞を獲っている上司の言葉が「蓋」になっていました。

「この会社でカンヌが獲れないんならどこへ行っても獲れない」

と。その通り。

実際はこの発言を受けたのは2011年の頭のことで、それで、やはり転職を考えていた当時、もう1年間がんばることに決めたのでした。

が、自分の力不足でショートリストから外れ、また種まきからはじめることになった今年。組織の問題も改善したくて動きだした時期に

「組織を変えることに自分の時間を費やすな。徹底的に分析をし、理想とする組織へ転職するか自分でつくるかをして、今いる組織を超えた方が早い。人生は短い」

という一説をある本で読み、あ、これだ、と。
わりと他人の発言を鵜呑みにして行動に移す、単純野郎です。何にでも乗っかってみるのがポリシー。

「この会社でカンヌが獲れないんならどこへ行っても獲れない。けれど、この会社で獲らなきゃいけない理由もない」

恩返しできてないと言っておきながらそれはないんじゃない?と自分でも思いますが、時間がない。気づいたらもう32歳。新卒で入ったこの会社から環境を変えずにこのままやっていっていく先の未来は、なんとなく想像がつく。仲間たちとの仕事はほんとうに刺激的で楽しいけれど、自分のさらなるバージョンアップを考えれば、外へ出るにはいいタイミングなんじゃないか。というか、この踏ん切りをどこかでつけないと自分は埋没してしまう。

 

そんな風に考え出した、そろそろ今年のカンヌライオンズの動向が気になり出すころに、昨年の自分が行って見てきたカンヌからの帰り道を思い出しました。

 

 

いま最も勢いのあるインタラクティブ系制作会社のひとつ、BIRDMANの社長、築地ROY良さん。昨年のカンヌで知り合い、成田空港から新宿までのバスの中でたまたま隣同士になって「クリエイターの挑戦する生き方」と「理想的な組織のあり方」についてお話を伺えました。これがほんとうに刺激的だった。創業者がここまで熱く語っているのは、ぼくには新鮮でした。

そんな出会いが忘れられないまま1年ちかくが経ち、Facebookで自分の将来について伺ってみたところ、話はとんとん拍子に進み、いちどランチを挟み、あとは「入社時期はいつにする?」という段階まですべてFacebookで決めるほどになり‥‥

もちろん、Facebook Messageのやりとりの前には前職の会社の上司ともだいぶ話し合いました。こっちは直接。ありがたい言葉をたくさん掛けてくださいました。会社の利益ということではなく「同志として」(←上司談)引き留めていただきました。なんかもうそのことに満足しちゃって、自分もついに引き留められるほどになったのかと思うほどに意志も固まり(天の邪鬼)。最終的には背中を押してもらったと自分では受け止めています。

 

長々と書いてきましたが、元はといえば上記のT上司が僕をカンヌ派遣員に猛烈プッシュしてくれて、行った先で次に入社する会社の社長と出会い、今度は上司の期待をなかば裏切るカタチになってしまい‥‥自分としてはすべて導かれるように進めてきた結果だと思っていますが、はたしてどうなんでしょう。すべてはこの先のがんばりにかかっている。

 

というわけで、どこにでもある平凡な転職です。Facebookでほとんどのことが決まって、履歴書も出さずに内定したことは平凡ではありませんが。

でも、どんな平凡な転職の中にも、人がいます。ぼくの人生に関わってくれた人たちがいます。送り出してくれた人たちにぼくなりの、新しい環境なりの方法で恩返しをしなきゃ。

前の会社の社長は言いました。「自分の中のタイを持て。タイを大切にしろ」と。やりタイ、なりタイ、つくりタイ。鯛のキャラクターまで作っていましたが、この言葉自体には正直でありタイ。

そして。

スマートフォンとタブレットの普及で、まますますインタラクティブな領域と生活者が密着しているこの時代。インタラクティブの制作会社でプランニングの仕事をつづける喜びをさらにつよく噛みしめていきたい。もっと面白いものを作りつづけていきたい。

6年3ヶ月もの間、ありがとうございました。

Youthful days

毎日、楽しいです。

 

ちくりん
ちくりん
高校と予備校と大学の先輩・ちくりんから突然のメッセージ。

「ミスチルの東京ドームLIVEあるんだけど、行かない?」

その日の夜は会社のチームの決起会でしたが、左耳から囁かれるのはMr.Children結成20周年記念のLIVE。余ったチケットの存在。

浪人時代に先輩と耳にタコができるほど聴きまくったアルバム『Atomic Heart』や『深海』、さらに高校時代に衝撃を受けた『デルモ』まで披露されると聞けば、こっちでしょ!というわけで、仕事も早々に切り上げて水道橋へ。

MR.CHILDREN TOUR POPSAURUS 2012

アリーナ席の中央から見える桜井さん!!!
先輩とは2009年のワンマンLIVE以来2度目のミスチルだったので、この人が隣でモノマネを我慢できないのももう経験済みで。「3人で」一緒に歌いました。

さすが『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』のオーディションに残るだけの実力者、手前から重低音とともに聞こえてくる声が至近距離からも飛び込んできます。うますぎてウケる。

 

大満足の後は渋谷へ移動して先輩の行きつけのスナック(!)で初対面のお客さんたちと朝までカラオケ祭り。もちろんミスチルメドレー。大きな声で、声を枯らして、愛されたいと歌っているんだよ。を歌っているんだよ。

 

ついに自らデザイン事務所を立ち上げ、最近はNHKの『えいごであそぼ』という番組のアートディレクションをしているという先輩(有名なお仕事ではGREEEENというバンドのロゴもちくりん作)。

この人のコミュ力は半端なくて、まあまあイケメンでノリがよくてオシャレでイヤミがなくてモノマネのレパートリーが多くてセンスがよくて下ネタが小学生レベルで女子からも男子からもモテて、16歳のときから背中を追ってきた自分としては、スナックで桜井さんの顔マネをしてそこにいる9人のお客さんを爆笑で包み込んだ先輩を見ながら、あぁ、敵わないなと。

(後日、そのスナックで知り合った人と渋谷でカラオケオールしました。もちろんミスチルNight)

 

自分を東京と美大と広告業界へいざなってくれた人。
僕の買ったばかりの雑誌から広末涼子の写真だけを切り抜いて返してきた人。

 

 

この人から僕は、毎日の楽しみ方を教わりました。
きっとこれからも。