CREATIVE KITCHENに行ってきました。#03

「CREATIVE KITCHENに行ってきました。」
Vol.01Vol.02に引き続いての3本目。

 

世界の広告はいま。今年のカンヌ100連発!
岸 勇希氏(電通) × 木村 健太郎氏(博報堂ケトル)
× 嶋 浩一郎氏(博報堂ケトル) × 樋口 景一氏(電通)

 

の続きです。1ヶ月以上前のことを記憶力とメモだけでどうぞ。

 

木村さん:
「賞を獲るためのコツなんてものがあれば僕も知りたいけれど、受賞するものには3つの方向性があると思います」

 1:誰よりも早くやったこと(先駆け)
 2:誰もOKしにくいこと(偉業)
 3:いつ誰がやってもいいけど誰もやらなかったこと(盲点)

Comment→
3番目は「盲点」って言ってたかどうか、うろ覚え。

 

木村さん:
「例えばコカ・コーラのFriendship Machineなんかは3番ですよね」

 

岸さん:
「今年は節目の年です!ってこの6年くらい毎年聞いてる気がするんですが、要は、カンヌは自分の中での発見でしかない。金銀銅の色を見るな、自分がどれをいいと思うかを素直に見ろと。賞を伏せてひとつの事例を徹底的に分析すると、その人の血肉になる。あと、たくさん見る。どれがすごい、ではなくて、とにかくたくさんの事例に触れられるんだから、見まくって学べばいい。今は公式サイトでも見られる」

 

canne01

 

嶋さん:
「ボジョレー・ヌーヴォーも、今年は100年に一度の当たり年です!って毎年言われてるんだよね(笑)。CMは受賞前のショートリストにあるうんこ作品も大量に見るといいよね。世界中の人間の欲望の固まりが見えてくるから」

 

木村さん:
「カンヌがあることの意味‥‥ファッションにパリコレやミラノコレクションがあるように、広告にもそういう場があってもいいと思う。僕はカンヌからいろんなものをもらったから、自分からも何か返したいと思ってます」

岸さん:
「日本に戻って説明会をすると、(他人の偉業を取り扱うが故に)敗北感しか残らないし、要素を(体よく)抽出したことしか切り売りできない」

「日本からカンヌに出したくても、純粋にいいものが出せないこともある。カンヌではシンプルでなければ届かないから。あいまいなものをあいまいなまま扱う勇気を持っていたい。何度も言うが私はプレーヤーでありたい。生産と解釈・批評はちがう」

「批評の眼はやたら新しいものごとに向かいがち。よく聞くのが、『これは新しい!感動した』‥‥新しいから感動するのか?人を感動させるために何かをやって、それが結果的に新しいことだったのなら分かる。新しいものを礼賛しても無意味。だからこれからのカンヌに何を求めるとか、どうなるかとか、興味ない」

Comment→
的なことを仰ってました。発言は前後してるかもしれません。

 

このメニューのメモは以上です。

 

実際にはもっと皆さんまんべんなく話され、100連発!とまでは行かないまでも、もっといろんな事例ムービーを流されていました。ほんと、作品の鑑賞でよかったのは学生まで。カンヌの現地で河尻さんと語り明かした夜を思い出しました。

CREATIVE KITCHENに行ってきました。#02

さて、前回からかなり間を置いての
「CREATIVE KITCHEN」まとめVol.02。

 

世界の広告はいま。今年のカンヌ100連発!

岸 勇希氏(電通) × 木村 健太郎氏(博報堂ケトル)
× 嶋 浩一郎氏(博報堂ケトル) × 樋口 景一氏(電通)

 

・手元のメモ帳だけを頼りに記述します。
・口調などは僕の記憶から成るフィクションです。
・再現をやめて、個人的に刺さった部分だけを抽出します。

 

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コミュニケーションデザイン

土日と体育の日で三連休でしたが、三連勤でした。
連休最終日は会社に泊まり、ぶっつづけの作業で朝を迎えましたが、土曜日の朝から夕方までは宣伝会議の「コミュニケーションデザイン実践講座」というやつに通ってました。

 

コミュニケーションデザイン実践講座

開催日 9月29日(木)、10月8日(土)、10月22日(土)【3日集中】
時間 10:00~17:15
講師
石田茂氏(電通)/岸勇希氏(電通)/木村健太郎氏(博報堂ケトル)

 

座学の講義ではなく、課題が出されてグループで企画を練り企画書を作って全員の前でプレゼンするまでを繰り返しながら、「コミュニケーションデザイン」を「実践」していく講座です。これが面白くて仕方ない。

メディアにとらわれないって、なんて夢が広がるんだろう。夢のままじゃいけないぶん頭使うし大変なんだけど、Webに限定しないってことが自分にとっては快感。年齢も経歴もちがうメンバーが集まってやる共同作業も、僕の班はいい人たちに恵まれたのか、とてもスムーズで楽しい。

 

先日は2回目、電通の岸さんとケトル木村さんによる回でしたが、「本気でやります」の宣言通り、本音がビシバシ飛び交う。詳細は書けないのですが、そんなスリリングな講評会の中でも僕らの班はなかなかの結果を(ひとまずは)出せたと思います。アイデアを評価されるって何よりもうれしいもんですね。自分がプレゼンターだったので喜びもひとしおです。

次回、2週間後の最終回に向けてさらなるブラッシュアップをせねば。

講座が終わって岸さんと名刺交換した際に、「コアアイデアがいいと、枝葉のアイデアも一気に拡がるんです」と言われたのが印象的でした。勝手にシナプスが繋がり合う瞬間というのが、たしかにあった。しかもプレゼンの15分前に。それまでは未完成もいいところで、一気に手直しをしたのでした。PC持っててよかった‥‥。

(他にも印象的な言葉だらけだったけど口外NGなので書けまへん)

 

今の仕事も同じで、ギリギリまでブラッシュアップしてたら連休とかなくなった。
楽しいしやりがいもあるんだけど、そろそろ宣伝会議賞の〆切も気になる季節。

あと、某テレビ番組に夫婦でちょこっと出演します。
10月は濃い一ヶ月になりそうです。

Steve Jobs

 

iPhone 4S発表の翌日に舞い込んできた衝撃的な訃報。

「自分が間もなく死んでしまうのだということを思い出すことは、人生における大きな決断をする時に私を支えてくれる一番大切な方法です。周囲からの期待、プライド、失敗したら恥だと思う恐怖感、そういったものは死の前には消え去って、本当に大切なものが見えて来るからです。自分もいつかは死ぬ。それを思い出すことは、失うものなど何もないということを気づかせてくれる最善の方法です」

僕とAppleの出会いは1999年のPower Mac G4でした。通称ポリタンク。

19歳の僕に映像編集と写真編集の楽しみを教えてくれ、人と、世界とつながるきっかけを与えてくれました。
大げさでなく。

その後、iPod、iPhoneを手にしてから、クリエイティブだけじゃない、生活が、ものの見方が変わりました。
多くの人がそうであるように。

なにより、新機種が出ることを毎度毎度楽しみに見守るブランドなんて、他にない。
そう、昨日のように。

 

いま改めてこのスピーチを見返したい。

 

Steve Jobs

世界を変え、私を変えたクレイジーな人。

心よりご冥福をお祈りします。

加藤貞顕×佐渡島庸平×中村洋基「2010年代のヒット論」

銀河ライター主宰/元「広告批評」編集長の河尻亨一さんよりお誘いメールをいただき、『Creative Kitchen ―ヒトとテックとコトバのレシピ―』に行ってきました。そうそうたるゲストによる複数のプログラムから、個人的に面白かったものをメモしました。
 

気鋭のウェブディレクターと編集者が考える2010年代のヒット論
加藤 貞顕氏(ダイヤモンド社) × 佐渡島 庸平氏(講談社) × 中村 洋基氏(PARTY)

 

加藤さんはあの『もしドラ』を売りに売った仕掛け人。佐渡島さんは『バガボンド』『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』『働きマン』など大ヒット漫画を世に送り出してきたスゴ腕編集マン。1979年生まれってことは僕の1コ上!モデレーターには同じく79年生まれのPARTY・中村洋基さん。

遅れて入ったので、加藤さんのお話はほとんど聞き逃してしまいました。

 

加藤さん:
ベストセラーを分けると、恋愛・青春・家族・健康・お金‥‥の5つのうちのどれかなんです。

もしドラを売るときに意識したことは、読者、書店、メディアの三者とも顧客であるということ。それぞれに効くプロモーションを考えることが大事。メディア向けには、ワールドカップの最中だったから海外遠征中の日本代表にごそっと献本してみたり。「なんか本が大量にあるんですけど何ですか?」って遠征先から聞かれて「チーム論についてお役立ていただければ‥‥」と苦し紛れに話したら「岡田監督(当時)はもう読んでますよ」と!それがきっかけになって原作者と岡田監督との雑誌上での対談に結びついたんです。ゲリラ的ですが功を奏しました。

佐渡島さん:
本は面白いだけじゃ買ってもらえません。面白いかどうかは読まないと分からないから。いかに読む前に面白いと思ってもらうかが勝負なんです。

売れると一口に言っても、10万部売れるのと100万部売れるのとでは意味が違います。10万部は本に書かれていることが好きな人だけが買った数字。対して100万部は興味の無かった人たちも買った数字。広告とか周りのムードに流されて何となく買う人も含まれてくる。だからノイズも多くレビューされる。つまんないとか、くだらないとか。それでも伸びる作家は100万部を目指すし、それで潰れる作家だと思えば10万部の段階でプロモーションをやめます。マンガは毎週出るので長期プロモーションできるんです。その中で考えていきます。

 

Memo →
編集者は作家の能力に合わせた適切な売れ方までデザインする。

 

佐渡島さん:
『宇宙兄弟』の小山宙也さんの才能は、まず自分の意見があること。これがない作家は意外と多い。いちばん大事です。例えば、もともと小山さんは手描きの線に味があった。でもその味がくどすぎて、僕は『定規を使ってください』とお願いして矯正しようとした。それで小山さんは定規を使い始めたけど、細かいギザギザをわざと刻んだ定規にしてきた。そうすればたしかに直線なんだけど、微妙なゆらぎは残る。今でこそフリーハンドでも味を残したきれいな直線が描けるけれど、最初から何でも鵜呑みにする人ではなかったですね。

そして、ゼロからやり直せる人。作品として合格のものを上げてきたときに、「小山さん、これ面白いけど超面白くはないですね」と漠然とした戻しをしたら、まったく違うものを再度持ってきて、ちゃんと前よりずっと面白いものになっていた。ふつうの漫画家はちょっと直すだけです。それなら「ここが限界なのかな」とこちらも引き下がる。でも彼はどんな時もゼロからやり直せる人なんです。

あと、小山さんは編集者の「面白いですね」のニュアンスを嗅ぎ分ける。「ん~、面白いですね‥‥」だと描き直してくる。一度描き上げている時期というのは、その後の入稿やら印刷工場やら流通やら、いろんな人に影響を及ぼすウェイトが高まっている時期なんだけど、彼は最後の最後まで、いい意味で周りを気にしない。振り回されない人なんですね。

中村さん:
面白いなぁ!『ドラゴン桜』はどうだったんですか?

佐渡島さん:
あれはホリエモンにダメモトで贈ってみて、そしたらブログで紹介してくれたんです。その直後に2~3万部動いた。下手したらテレビの情報番組に紹介されるより動いたかもしれない。あと、自分が灘校出身だったので、先生に読んでもらって『灘校教師も読んでいる!』と帯に書いたり、友達のお父さんが京大教授だったので、読んでもらって‥‥(笑)。

僕は編集者になって、最初から自分の好きな作家とだけ仕事をしていきたいと考えました。だけど会社員である以上、そうもいかないから、まず『ドラゴン桜』を売って誰にも何も言われないだけの成果を出して、自分のポジションを作ったんです。

中村さん:
佐渡島さんって超エリートなんですよね。ご自身が灘校から東大出身で。

佐渡島さん:
あのマンガは5巻までは僕の体験談を描いてるんです。僕、日本史は石ノ森章太郎先生の『日本の歴史』しか読んでませんから。

 

Memo →
編集者は作家の個性を尊重しつつ、秋元康ばりに作品のプロデュースと育成もする。

 

佐渡島さんと加藤さんから見た中村さん像

佐渡島さん:
中村さんがやっていることは分かりやすくて、シンプルで、見た目はカッコイイ。それってアプリも小説もマンガも実は一緒で、共通する面が非常に多い気がしています。

加藤さん:
実は私もデジタルコンテンツをメインにしたいと考えていて、ダイヤモンド社を辞めるんです。

(会場ざわつく)

加藤さん:
例えば英単語帳って英語の部分を伏せて読んだり、発音記号を読み取って発音したりしますが、これもデジタル化すればエンタメにできますよね。で、今はそのプラットフォームもみんな持っている(スマホで)。紙の本よりも良くなるコンテンツがまだまだあるんです。

2014年追補:加藤貞顕さんはその後「cakes」を立ち上げ、noteでネットメディア&サービスを確立されました。佐渡島さんも独立され、漫画家・小説家などのクリエイターのエージェント「コルク」を設立。

 

いまだ日本では花開かない電子書籍市場

佐渡島さん:
電子書籍についてはAppleと話したことがあって。僕は、1個のすごいマスターピースを作れば、それによって電子書籍市場も拡がると考えていたんです。ビッグヒットが必要だと。でもAppleの人いわく、違うと。たくさんのコンテンツが揃っている方が市場を作ることになると。1つのヒットは1%のチカラしか持たないんだと言われて、なるほどなと思いました。だからまず有象無象の作品が、Appleの場合だとiBooksに揃う必要があるんです。

Memo →
市場を開拓するには、ビッグヒットの前にロングテールが成立する量が必要。とはいえ量を呼ぶ雪崩を起こすための質もどこかの段階で必要な気も‥‥

 

プログラムその1、以上です。

漫画家と編集さんの関係性って、プランナーとクリエイティブディレクターの関係性なんだなぁ。編集者は作るところにもどんどん介入するし、送り届けるところにもあらゆる工夫を施す。CDでもありPRマンでもあり。

佐渡島さんの「100万部売れると潰れそうな作家だと思ったら10万部売れた段階でプロモーションから手を引く」という話が聴けただけでも価値ある回でした。

成功より成長。

(デザイナーだろうが何だろうが)自分でプレゼンをして挫折を味わうことでしか人は伸びない。自分で責任を持つ。だけど挫折=失敗の一歩前で上司が助け船を出して半端に成功しがち。しかも自分の成功だと勘違いする…と、その時点で伸びしろが潰される。アイデアを自分で語って玉砕できた方がいい

自分のTwitterより。

 

8月18日の夜に、インタラクティブ系の広告、キャンペーンを手がける制作会社「BIRDMAN」さんの納涼祭りへ行ってきました。そこでお会いした、PARTYの中村洋基さんが仰っていた言葉をメモしたものです。ご本人はだいぶ酔ってました。

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GEOGRAPHIC

会社の元後輩で、グラフィック、
ウェブ、アプリ、ロゴ、など数々の
デザインを世に送り出している
デザイナー、有馬トモユキくんが
GEOGRAPHICというレーベルを
立ち上げたそうで。

GEOGRAPHIC

 

GEOGRAPHIC(ジオグラフィック)は「好奇心のためのエンターテイメント」をテーマに、領域を問わない制作を実践するためのグループです。

メディアの環境が大きく変化してきた状況の中で、改めて良い形で制作を続けることが本来どうあるべきなのか一から考え、それに相応しい価値観を、だれもが手に入れられるほどに身近なものにすることを目指しています。

音楽・デザイン・プログラム・ストーリーテリングなど、異なる知識や背景を持ったメンバーが集まっています。私たちは場所や専門領域も離れたところで活動していますが、そうした事によらない気軽なコミュニケーションが普通のものになった今、こうした形で制作を行うことに大きな意味が出てきたと考えています。

(公式サイトより)

 

「音楽」に限定しないレーベルなんですね。
なるほどー、なんか面白そう。

 

で、

 

[soundcloud url=”http://soundcloud.com/geographic/geog1001-visibility-crossfade”]

 

最初に出す「作品」は、音楽かよ!
visibilityっていうそうです。

サイトもかっこいい。
こないだ久々にバスキュールで会ったときに
「デザインがしたいんです」って
語気を強めて言っていたのを思い出します。

デザイナーなのに改めてそれを宣言するって、
べつに「デザインが好きなんです」ということじゃなくて
「いいデザインを作って世の中をハッピーにしたい」とか
そういうことだと僕は受け止めました。

 

visibility

 

そして彼らの世の中へのアプローチは
まず自分たちの欲しいモノ・コトに正直になることだった。
賛同者がいればうれしいし、一人くらいはいるだろうと。
そんな感覚だと思います。まずその感覚に賛同します。

 

実際、音楽もかっこいいし、
僕には一銭も入りませんが
応援することに決めました。

Amazonでも今日から発売だそうです。
僕には一銭も入りません。

連想ミュージックビデオ 02

不定期連載の「連想ミュージックビデオ」。

初回のラストはTOWA TEIの『FREE』でした。

スタジオの中に部屋を用意して、その中で完結する。
この作り、ミュージックビデオの王道ですよね。

時間がないとか予算が限られているとか
いろいろ理由があるんだと思います。

 

そんな「部屋撮り」でも魅了させるものの
ひとつが、ダンスパフォーマンス。

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連想ミュージックビデオ

“The Burning Plain” TOWA TEI with Yukihiro Takahashi & Kiko Mizuhara

 

水原希子ですよ。今年は。

ってことが言いたいんじゃなくて。
この絶妙な色使いとテロップのタイミング、
そしてとぼけた手作りロボットが好物です。

もちろん、モノクロのおじさまに
色を与える、水原希子が創り出す
シュワッとした世界観!
これがすべてを規定している。

ってことではなくて、
ロボ人形いいなぁって話。

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Blogを書く理由

僕のBlogでは、気をつけていることがあります。
それは、僕が書こうとしている内容、世界について
知らない人にもなるべく分かる言葉で説明すること。

 

このBlogは2003年に始めました。
当時23歳の僕は、長い入院期間を経て
大学の休学期間から復学した頃でした。

 

在学中(2004年)の大学。左に見える図書館はリニューアルされてもうない。
在学中(2004年)の大学。左に見える図書館はリニューアルされてもうない。

 

僕の体調を心配した父が、生存確認‥‥
と言えば大げさですが、元気かどうかを
遠い田舎からも確認できる方法として
Blogを書いたらどうか?と勧めてきたのです。
(今はその必要もないほど健康です)

時を同じくして、専攻していた写真コースで
「デジタル写真を発表する場として
個人WebSiteをつくりなさい」という課題が
出され、その時から、長い休眠を挟みつつも投稿を
続けています(その後、映像コースへ鞍替えしますが)。

 

なので、このBlogは今となっては自分の
職種である広告やクリエイティブ、または
ソーシャル、デジタルに関する内容が多いですが、
常に僕の頭には想定読者として郷里の父がいます。

このTwitter、Facebook全盛の時代に
半死半生でも(僕がじゃなくてBlogがね)
続けているのは、そういう理由からです。
親はソーシャルにはいませんから。

 

そして、父にも分かるように書く。
それがこのBlogの裏テーマなんです。

ターゲットに分からない言葉で書くコピーや、
クライアントに理解されない説明の企画書は
ダメでしょう。そういう感覚です。

 

2004年のムサビ2
※写真と本文は関係ありません。

 

実際、うちの母などはあまり
読んでいないようですが、代わりに(?)
母の妹である叔母がわりとチェックしているようで、
母は叔母をRSSとしてBlogに触れています。

えっと、RSSというのはニュースや
ブログなど各種のウェブサイトの更新情報を‥‥

やめておきます。
60を超えてプログラミングもするPCオタクの
父には必要のない話だから。釈迦に説法。
こういうところでだいぶ楽です。

 

いいこともあります。

面白い!と思った広告やキャンペーンを
取り上げるとき、なぜそれが面白いのか?を
親にも伝わるように書こうとするので、
必然的にその企画の旨味をあぶり出す
トレーニングになります。

 

あ、なんでこんなことを書こうと
思ったかというと‥‥忘れました。

最近、TwitterやFacebook経由で読んでくれる人も
徐々に増えてきて、初対面の制作会社の方からも
「Blog読みました」と言われたり(ありがたや)。

そういう同業者や、僕などよりずっと経験を積んだ
方にしてみればこのBlogは読みづらいだろうなぁと
思ったから‥‥かもしれません。
そういう気持ちは常にあります。

ですが、そんな言い訳をするためじゃなかったんだけど、
何だったっけ。本当に忘れてしまいました。あはは。

 

父さん、母さん、たまには東京にも遊びに来てください。

studious – 創造の磁場

先日、インタラクティブを中心とした広告/キャンペーンを得意とする制作会社、BIRDMANさんのFWA webTV(※)を見て思ったこと。
ダラッとモードで書きます。

 

FWA TV
 世界中の素敵サイトを収集しているFWAが
 たまに、きまぐれで(?)世界の制作会社をダダ漏れ中継。
 ユニークなオフィスが見られて楽しい。

 

僕らはサラリーマンだけど、ものをつくるところにいる。
つくるといっても製造・生産ではなくて創造。
だから創造性をとじこめる空気や環境は極力吹き飛ばして、風通しのいい、クリエイティビティを発揮したがってる人を迎え入れる【場づくり】をしないと(と、ワイデンのCDも言ってた )。

そして何よりも、スタッフみんなが【場を維持したい】と思う空気が大事。
週1だったけど、宣伝会議コピーライター養成講座・中村組の空気は最後まで良かった。場はハコとヒトがつくるんだな。

 

オフィスが“かっこいい”のも大切なポイント。

FWA TVに出るBIRDMANさんやワンテンさんのような制作系だけでなく、GoogleやApple、Facebook、ユニクロのオフィスにそれぞれのアイデンティティがあるのも、きっと【場のチカラ】を信じ、各社なりの理念のもとに場ヂカラを理解しているからだろう。

そもそも彼らはサービスや商品をいい感じに提供する【場】=サイト、iPhone、SNS、売り場で成り立っているから、よく分かっている。社員の士気を高め、離職率をへらすための工夫というか礼儀でもある。

つまり単なるおしゃれオフィスって話でもないのだ。それが表面上は「かっこいー」になってるだけで。美意識を持て!ってこと。

 

権威を借りるわけではないけれど、以前、佐藤雅彦さんが仰っていたこと。

 

熱中している時ってどういう時かというと、自分がない状態なんですよ。で、自分がないってことほど幸せなことはないんで。ぼく、その幸せな状態を「ステュディオス(studious)」っていう状態だと思うんです。

「ステュディオス」から派生した言葉の「スタディ(study)」は、単に「勉強」って直訳されますが、一般的に「勉強」って言葉ってすごく義務的な語感があると思います。そうじゃないんですよ、本来のstudiousは。夢中になって、のめりこむような状態。たぶんラテン語だと思うんですけど。

たとえば白金スタジオでもナントカスタジオでも、「スタジオ(studio)」ってのは、みんながあるものを撮影する‥‥あるものを作るときにみんな熱中して、みんなが集中して自分を忘れて作る場ですよね。(中略)生き生きしている状態が自分がない状態ってのは変なんですけどね。(中略)Crazyですね。

 

「熱中する、夢中になる」を意味するstudiousから派生したstudio(スタジオ)は【夢中になる場】だったのか!なんて素敵な言葉なんだと思いました。目から鱗。

あなたの、僕のいる“スタジオ”は、なにかに熱中する場ですか?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

後日、縁あって実際にBIRDMANへお邪魔しましたが、縦長のらせん階段状のオフィスが「創造のるつぼ」に見えました。