これまた少し以前のログですが‥‥
7月12日、僕の大好きな渋谷の書店
SHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERSにて、
雑誌対決!
『広告』×『Libertines』×『ROCKS』
3誌編集長トークセッション
がありました。
あるデジタル系プランナーの日記
これまた少し以前のログですが‥‥
7月12日、僕の大好きな渋谷の書店
SHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERSにて、
雑誌対決!
『広告』×『Libertines』×『ROCKS』
3誌編集長トークセッション
がありました。
去る7月4日(日曜)。
外苑前の東北芸術工科大学・サテライトキャンパスにて、
東京企画構想学舎という新しい「学校」のプレ授業というか、
ワークショップと称した説明会に出席しました。
講師はWeb広告界で超有名な
トップクリエイター・伊藤直樹さん。
Vol.01のつづき。
『TUGBOAT 10 Years』(美術出版社)刊行記念トークショー
「TUGBOATの10年、その“航海記録”」
でのトークを書き起こします。
(速記を起こしているので、僕の要約や言い換えが含まれます。
正確じゃなくてごめんなさい)
質問コーナー。
会場のお客さんから事前に集めた質問用紙から、
司会の川口さんが気になったものをピックアップ。
川口さん:
「質問。岡さんが若い頃に影響を受けたものを教えてください、だって」
岡さん:
「影響‥‥?高校時代に俳句を書き合っていた、小田嶋くんかなぁ。
彼のことは別の所で連載でも書いた(第50回参照)けど、
小田嶋くんには圧倒的な才能を感じたんだよね。
俳句も上手いし文章力もすごいやつで」
次の質問。
川口さん:
「この10年でやめたことを教えてください、だって。」
岡さん:
「やめたこと?お酒とか?ないなぁ。もともと飲めないし。
う〜ん、逆に10年以上つづけていることはあるけど。
毎日100字日記。誰に見せるでもなく書いてるから、
僕のつぶやきは閉じてるんだよね(笑)」
多田さん:
「俺もない」
麻生さん:
「ない」
川口さん:
「ないってことで(笑)」
川口さん:
「じゃ、どんどん行きます。次の質問。
‥‥みんな質問がムズカシイんだよね〜。
ない方がいい広告を振り向かせるためには、
どうすればいいでしょうか?だって。どうすればいいの?」
岡さん:
「かっこつけてると難しい。でもかっこ悪いと話も聞いてくれない。
本当のことを言いながら、ブザマにならないようにする。
あらゆる表現は、みんなでマーケティングして
計算されたものよりも、ある個人の、熱の高いものがヒットする。
「念」みたいなもの。
それから、(そのプロジェクトに)求心力のある人がいるかどうか」
多田さん:
「広告が必要不可欠じゃないことをまず自覚する。
どうすれば愛されるかは分からないけど、
どうすれば嫌がられるかは分かるから、
嫌がられることはやらない。
2回目に会ったときにも話を聞いてやろうと思えるか。
あと、自分で自分を褒めないこと」
麻生さん:
「説明すれば理解してもらえる、というのは間違い。
言わない方が伝わることもある」
川口さん:
「はーい、じゃ、続いて。
これからチャレンジしたいことを教えてください」
岡さん:
「あと10年経って、今のクオリティよりも質の高いものを
出していきたい。量はいいけど、質は上げられる」
多田さん:
「もう1回、映画をやりたいですね。
みんなが許してくれたら‥‥(チラリと岡さんを見る)
次は静かな、人の気持ちに焦点を当てたものをね」
麻生さん:
「今の広告より、もうひと越えできた、を連続で行きたい」
川口さん:
「ほんとね、この10年よく持ったなと思います。これからもね」
僕のメモは以上で終わります。
川口さんの口調は脳内再生で書きました。
会場で聞いていて、この人はTUGBOATの「母」なんじゃないか?
と思いました。最も大らかで、全体を見渡している(司会だし)。
オフィスのテーブルの話とか、いくつかのエピソードを
こぼしていますが、メモってないので書けません(汗)。
たくさんの言葉をもらって帰ることができました。
青山ブックセンターで開かれた、
『TUGBOAT 10 Years』(美術出版社)刊行記念トークショー
「TUGBOATの10年、その“航海記録”」
に行ってきました。
TUGBOAT
1999年7月設立。(株)電通から独立した岡康道(クリエーティブディレクター)、川口清勝(アートディレクター)、多田琢(CMプランナー)、麻生哲朗(CMプランナー)の4名によるクリエーティブ(企画・制作部門)に専門特化した日本初の “クリエーティブエージェンシー”。誕生から11年目を迎え、活動の範囲は広告以外(映画・音楽・ファッションなど)のジャンルにも広がっている。
トークショーは、AD川口さんの司会進行で進められました。
備忘録として、会場でのメモを書き起こします。
会場は200人の満員状態。
やっぱり彼らはスターでした。
以下、録音したわけじゃないので、
若干、僕の「つなぎ」文が含まれます。
岡さん:
「TUGBOATをつくる前に、ヨーロッパの
クリエイティブエージェンシーを見て回った。
彼らは、面白くない広告をつくるのが一番の悪だと言う。
そして自信を持って、たとえ今月も来月も仕事がないとしても、
その次の月に面白い広告がつくれたら食べていけるんだよ、と言う。
しかし日本のクライアントは面白い広告を求めてはいない。
つくる我々も、3ぶんの1はヒットを目指すが、
3ぶんの2は苦痛の仕事。
海外のクリエイティブエージェンシーを見て、
自分もそっちに行きたいと思った。自分でつくって。
そして1999年6月の末に電通を辞め、7月1日、
電通の創立記念日にTUGBOATをスタートさせた」
岡さん:
「TUGBOATとは、曳舟(ひきふね)。
大型船を引っぱり、出入港を助ける船。
電通からは『お前達に引っぱってもらうつもりはない!』という声も
あったが、『そんな小さなものを引っぱるつもりはないですよ』と答えた(笑)。
日本の広告界を引っぱるために会社を辞めて、つくったのがTUGBOAT」
多田さん:
「(なぜ電通を辞めようと思ったか?)‥‥電通は好き。恵まれていた。
社風も自由だし。ただ、どんどん年を経ていくうちに管理職に
なるのはイヤだった。ずっとプレーヤーでありたいから」
麻生さん:
「岡さんと多田さんがTUGBOATになる。
2人のいない電通で1番になっても、
本当の1番じゃないなと思った。
TUGBOATになるってことは、仕事の純度が高まる。
岡さん、多田さんとガチでやれる。そう思って、
入社して3年3ヶ月で電通を辞めた‥‥」
川口さん:
「ぼくは多摩美卒で、美大を出た人間だから、
いつまでも一社にいようなんて
ハナから思っていなかったんだよね」
ここからは、4人がそれぞれ印象に残っている仕事を
振り返るコーナー。
岡さん:
「15社くらいを同時にやっている日々で、印象に残っているもの‥‥
やっぱり、朝日新聞の30段広告(※)だなぁ。
みんなどう思うんだろう?ってすごい気になった。
自分たちが広告主であり、制作であり‥‥」
(※TUGBOATは、『TUGBOAT 10 Years』の刊行に
合わせて朝日新聞に30段広告を出した)
川口さん:
「(印象に残っているのは)バーバーリーの仕事。
プレゼンからドットパターンと服の開発、販売まで3年ごしだった。
ふつう、広告はそんなに時間をかけてつくったりしないんだよね。
それから、マグライトの仕事。
途中でライセンサーが変わっちゃったんだけど、
ライセンサーが変わっても広告は変わらない。
息の長い仕事。大事にしたいですね」
多田さん:
「やっぱり目の前の仕事がいつでもいちばん印象的というか。
今はダイワハウスのダイワマンかなぁ。
いつも、『もしもの世界』が企画の原点。
あれも、『もしも不毛地帯の唐沢さんがダイワマンになったら‥‥』
が発端だったし」
麻生さん:
「競輪のCM。結局、人間が見たい。だからこそロケでやる。
人でやる。出来事を起こして、画(え)にする。
あと、ライフカードの仕事。ライフカードは店舗受付じゃなく
Webで申し込みを行う。Webへ連れて行くことがお題だった。
Webに行かせるCMは、CMに力がないとダメ。
いろいろ言われているが、TVの力を疑うことはない」
‥‥ちょっと長くなっちゃいました。
vol.02につづきます。
先日、「宝島」の広告や「UNIQLO」のトータルコンセプトワーク、「amadana」「キリン」ほか数多の広告コピーを手がけているコピーライター・クリエイティブディレクター、前田知巳さんの講義を受講しました。
前田さんとは、幸運にも以前にお仕事をご一緒させていただいたことがあります。僕らWebチームは残念ながらフィニッシュ前に撤退することになったのですが、まさに目の前でトップクリエイターの仕事を垣間見る、貴重な経験でした。その日々を思い出しつつ‥‥
この日の講義タイトルは『広告の未来』。
仕事で「なるほど!」と唸りたくなるコピーをどんどん発していた前田さんが、何を考えて取り組んでいるのか?混沌とする(と言われている)広告の今と未来をどう見つめているのか?
以下、その発言を僕なりに起こしました。
「〆切を守れない人は、
次から打席に立つチャンスを
永遠に失うということです」
サントリー伊右衛門やソニー、ユニクロなどを手がけるCMディレクター・中島信也さんから5月に聴いた内容をメモします。
ちなみに信也さんはムサビの大先輩&先生でもあります。
「一流になるための極意は、何やと思う?
ふっふっふ、それはな、“提出”することやねん」
なんてシンプル!でもって当然!
でも、それが一定のレベルを超えて、コンスタントに、期日以内に提出できるってこと?
僕はしばしば、その難しさに直面しています。
「“提出”はすべての始まりやね」
「トップクリエイターも“提出”をして人に見てきてもらったんやね」
「大事なのは、“提出”することで次の打席に立たせてもらえるっちゅーこと。打席に立てんとホームランなんて打たれへんがな」
「プロとは、次の仕事を呼び込める人のことやねん」
「プロは、つぎ頑張ればいいや、なんてないねん。地獄やねん」
なるほど‥‥地獄‥‥。
「“提出”した次に、こいつオモロイぞと思ってもらえるかどうかや」
「オモロイ奴かどーかは、目立つかどーかとちゃうねん。
“提出”したものに光るものがあるかどーか、これや」
提出もしてないのに自分が面白いなんて思い込むのは負け犬の遠吠えよりも始末が悪いってことですね?
「よーするに、ハート提出!ハートのある提出をするこっちゃ」
「〆切を守る。ハート提出する。宿題やない。ぜんぶ自分のためや」
ははぁーーーーーっ!!!
広告批評のファイナルイベント
『クリエイティブ・シンポシオン 2009』「広告のこれから」に行った。
秋山具義、石井うさぎ、伊藤直樹、井村光明、太田麻衣子、荻原ゆか、門田陽、神谷幸之助、黒須美彦、黒田秀樹、小霜和也、権八成裕、斉藤太郎、佐倉康彦、澤本嘉光、鈴木康之、関口現、高崎卓馬、高田雅博、高松聡、谷山雅計、手島領、照井晶博、直川隆久、中治信博、中島信也、中村聖子、中村洋基、中村勇吾、福田敏也、稗田倫広、前田康二、水口克夫、森本千絵、箭内道彦、山崎隆明、横澤宏一郎、吉岡虎太郞、米村浩
(敬称略)
日本の広告界を牽引する40名が一堂に会する3時間‥‥
とあって、ほとんどの方が2言3言しゃべって精いっぱい。
壇上のライトが熱そうで、みなさんツラそう‥‥。
でも、この大所帯でちゃんと笑いを取りながら進行する
中島信也さんと箭内道彦さんの話術、話芸に恐れ入った。
話の内容はともかく(ってのもどうかと思うけど)、今日は
2人の冴え渡る司会っぷりで元が取れたんじゃないかと思う。
広告学校の恩師、コピーライターの神谷さんや佐倉さん、
鈴木先生の言葉に大きく頷いたり、森本千絵さんの作品に
面白みを感じたりして、相当とっちらかった時間の中にも
個人的にヒットする言葉がいくつかあった。
その渦中で、インタラクティブ組と称された面々‥‥
電通の中村洋基さんやGTの伊藤さん、tha中村勇吾さん、
僕の先輩の師匠、777福田敏也さんといった方々はちょっと
場違いな感じを受けたまま終わった。
他の職能の方々の話術が国宝レベルだからだろうけど。
インタラクティブの方々は話が堅い&長い。これって損だなぁと。
ただ、その中でも、勇吾さんの
才能のある若者はiPhoneAPPで儲けたりするので
会社にいるより個人でやった方が割がよかったりもする。
ゆえに会社という組織に縛りつけておくのが自分の仕事‥‥
だけど、個人でも儲けられる仕組みが出来てきているのが今
という話には、なるほどなーと思った。
それに対してではないけれど、別の方が
本当に世の中を変えたいなら、広告なんて(代理業は)やめてメーカーで新商品をつくるか政治家になった方が手っ取り早い
と言っていて、結局、iPhoneのアプリで儲けられる世の中というのも
Appleといういち企業が創り出した流通の仕組みなわけで、これら企業や
政治の持つ仕組みづくりのパワーをいかにいい方に引き出すか。
そのお手伝いをしている上にアプリでも儲けさせてもらってると考えるのが
構造的に正しいのかなと思ったり。いや、どーでもいいか。
モバゲーが注目されるのは、モバゲーの広告キャンペーンを手がけた
伊藤直樹さんがすごいというよりはモバゲー自体が「すごい仕組み」なのかな、とか。
伊藤さんのように「すごい」を伝える側に立てたらいいなと思う。
さらに上の、「すごい」の仕組みづくりから関われたら最高。
でもそこへ行ったらもう「広告」じゃないじゃん、とか。
混沌としたまま、シンポシオンはその名のとおり「自在な放談会」のまま、
天野校長の御礼の言葉をもらい、終わった。
本当に終わっちゃうのかなぁ。
「広告批評の最終号を創刊準備号と言って、もういっぺん
立ち上げたらいいじゃないですか、インタラクティブの
人らもいてることやし。ねえ、天野校長」by 中島信也
『広告も変わったねぇ。』出版記念トークショー
天野祐吉×中島信也の「CMも変わっていくねぇ。」
に参加。青山ブックセンター本店。
約90分間、最前列でメモしながら聞き入った。
・「テレビ」という響きに懐かしさすら感じる
・「上から下へ」のテレビが崩壊しつつある
・つよい巨人軍がいるから阪神ファンは熱くなれる
・権力者としてのテレビがあるから批評も成り立った・テレビは夢も希望もない、身も蓋もないメディア
・だからこそ面白い。昭和天皇がほっぺたをポリポリ掻いているところも、災害地で「住民は怒りと不安の声を口々に」とレポートする背後でピースする子どもも映してしまう猥雑なメディア・窓の外に木が生え室内には蔵書がある、というワイドショーお決まりのセットはテレビ側が抱く夢。あんなものはなくていいのに、ないと不安なテレビ局
・リーマンショックは第二の9.11…広告への影響は年明けから
・「軍縮」ならぬ「産縮」、産業の縮小が必要ではないか?
・過剰から適正にソフトランディングする時代へ
・だが、企業は生産か倒産しかしていない。適正化に踏み込めない
・給料が半分になっても幸せな社会って描けないだろうか
・麻生内閣、あれはダメ・生活者の空気感に比べて広告はまだ脳天気
・その先を見せる装置がテレビCMだったのに
・ジョーンズ調査員(BOSS)やホワイト家族(SoftBank)はいまの面白いCMの極限ではないか。これを追うことは無理で勝てっこない。若者は別の新しいアプローチを!
・眠り薬で催眠させる広告ではなく、目を覚まさせる広告を・広告は現状へのちょっかいだったから面白い。そのために制作者は買い手視点であること
・だが、いまのCM制作はネガティブチェックの嵐…・サッカーのパブリックビューイングにテレビの新しいカタチ?
・ネットは個人のもの。テレビは生の、みんなのメディア
・ネットによる文化の多層化が進み、豊かになっている面も・2008年後半から激変した(といわれる)世界、温暖化が進む地球環境、日々降り注いでくる常識を疑ってみること
どうしても聞きたい質問があったのに、言葉にまとめることが瞬時にできず、断念。上手く言う必要なんてなかったのに。あ〜!一生後悔するなこれ。
それにつけても良書です。
微力ながら広告しておきます。
ggg(銀座グラフィックギャラリー)にて、
『がんばれニッポン、を
広告してきたんだそう言えば、俺。
応援団長佐々木●宏』展
を観る。
シンプルで強いアイデア。
見る人へ鮮烈な印象を残す数々のTVCMや新聞広告など
メジャーな広告キャンペーンを次々に世に送り出し、
ヒットを連発するクリエイティブディレクター、佐々木宏。今回の展覧会では、広告一筋30年、CD佐々木宏のこれまでの
仕事を通し、キャンペーン広告の進行や創造過程、その中で
果たすクリエイティブディレクターの役割、広告が果たす効果、
広告という仕事の面白さや魅力をご紹介します。数多くのTVCM映像、新聞やポスターなどのグラフィックにより、
表現・検証するとともに、企業や商品を応援することを通じ、
それがニッポンの応援にもなり、ニッポンのブランド活性にも
なっているという視点でプレゼンテーションしていきます。
いやあ、面白かった!
一見大げさな展覧会タイトルは、観ているうちに
まったく大げさとも言えない気になってくる。
この人の手がけるCM、グラフィック、コミュニケーションは
どれも一篇の「作品」と呼べる水準なのに、機能する「広告」
であることが大前提で、バランス感覚が卓越している。
浜崎あゆみが歌うBOSSも、LIVE/中国も、そうだ京都、も、SMAPも、
ぜんぶ日本の応援コマーシャルになっているんだ!という15秒回答集。
分かりやすいところではTSUBAKIとSoftBankの犬のお父さん。最強。
アイデアは最終的には人柄、人間力に結実する!とは恩師N島信也氏の
お言葉だが、佐々木さんの人柄が伝わる文章にすっかり魅せらた。
大学の先輩(現デザイナー)が話してくれたことも思い出した。
「佐々木さんのプレゼンって、他がものすごくダメに
見えるプレゼンテーションなんだって。怖いよね‥‥」
SoftBankの「=」、
ANA「ニューヨークへ、行こう。」、
資生堂TSUBAKI「日本の女性は、美しい。」。
競合他社以上に大きな概念、メッセージを「ずっと以前からあった」
かのように投げかけ、他を寄せつけない。なるほど、怖い。
帰り道、ギャラリーG8で『JAGDA新人賞受賞作家作品展2008』も鑑賞。
「世界のKitchenから」も「UNO」も、同年代の人の仕事なんだなぁ。
インタラクティブ広告の領域で最も刺激的なキャンペーンを展開している「バーバリアン・グループ」のCEO、ベンジャミン・パルマー氏のセミナーに参加しました。
▼サイト上でさまざまな単語を入力すると画面上のチキンがその単語に応じた動きをし始めるという「Subservient Chicken(従順なチキン)」。
▼女性の胸元をチラ見するだけという、ビールメーカーのアホな ゲーム。
▼ビールの大砲をYoutubeで流す「だけ」のBeer Cannon。
▼旅客機の機体名をネット上から募集して、実際に機体にスプレーするVirgin Americaのキャンペーン。
その他、マジメなものから一見バカバカしいものまで、あくまでその企業に沿った「ブランディング」と「オーディエンスフレンドリー」という立場から考えられたクリエイティブをたっぷり紹介してもらいました。
英語のジョークに会場がわっと賑わうことが何度かありましたが、うーん、わからん、English(何でみんな分かるの!?)。
ただ、僕らWeb制作者がお客のことを「ユーザー」というのに対し、パルマー氏は「オーディエンス」と呼んでいたのが印象的でした。彼のアイデアの志向をとても象徴している。
ところで、そのバーバリアン・グループが独自に作ったiTunesビジュアライザがかなりかっこよかったです。
「Appleのデフォルトのビジュアライザがクールじゃなかったから、自分たちで作ってしまった。音楽のダウンロードとセットで落とせるような、ミュージシャンとコラボした販促ツールにできないかと提案中」
だとか。
(ここからDLできます。オススメ)
ただ作るだけならセンスある学生でもやってしまいそうだけど、あたらしいビジネスモデルとして捉えているところが違う。また、業界の垣根を越えた発想の自由さにも舌を巻きました。
どんなアイデアも最後は商品スペックの“自慢”へと落とす日本の悪しき常識(=自分の仕事)にイライラしていたので、どのケーススタディも“真っ当”すぎて目から鱗でした。
「クライアントのブリーフィング(与件)はよく読む。その次にやることは、
ブリーフから離れること。オーディエンスにとって何がフレンドリーかを
考えることだ」
文化の違い、ですませたくないなぁ…。 がんばらねば。
バーバリアン・グループ
http://www.thebarbariangroup.com/v3/
宣伝会議 スペシャルカレッジ
青山「書く」院大学@青山学院大学に参加した。
日本を代表するコピーライター、プランナー、
クリエイティブディレクターたちが青学に集い、
広告にまつわる18の講義が繰り広げられる。
林真理子さん、秋元康さん、眞木準さんの講義と
児島令子さん、佐倉康彦さん(恩師)、中村禎さんという
3大コピーライターによる授業がとくに興味深かった。
「いかに気付くか」
「嘘はいいけどズルはダメ」
「楽になる、自分事として書く」
どうでもいいけど、安齋肇氏が53歳だったとは!
秋元氏の話が面白かったのだが、
長くなるのでつづきはまた今度。
アートディレクター・石岡瑛子氏のレクチャーに参加した。
午後4時~、六本木ヒルズ49階。満員御礼。
石岡瑛子
グラフィックデザイナー、アートディレクターとして資生堂、パルコ、角川書店などの広告キャンペーンを成功に導き、1970年代にセンセーションを巻き起こす。1980年代に入ってN.Yに活動の拠点を移し、映画、演劇、オペラから展覧会、ミュージックビデオ、サーカス、そしてオリンピックまで、幅広いプロジェクトの創り手として国際的に活躍。アカデミー賞、グラミー賞、ニューヨーク批評家協会賞、カンヌ国際映画祭芸術貢献賞など、国際的な賞を多数受賞。1992年、ニューヨーク・アートディレクターズクラブ名誉殊勲賞により殿堂入り。2002年、紫褒褒章受賞。作品集に「EIKO BY EIKO」「EIKO ON STAGE」。
(略歴より抜粋)
第一部:映画『MISHIMA』鑑賞
第二部:レクチャー(進行・小池一子)
かつて、大学でもこれほどパワフルで刺激的な講義を受けたことはないと言っても過言ではないと思う。素晴らしかった。
Timeless,
Originality,
Revolutionaly
普遍的、
独創的、
革新的であるために心がけること。
自分ひとりの力と数百人の能力を掛け合わせること。
女はダメだと言わせない、
日本人はダメだと言わせない、
年寄りはダメだと言わせない。
そう心に掲げてデビューから今まで走ってこられたという。闘争の歴史。
ご本人から語られたエピソードは一冊の本にまとめられている。
極めて個人的な情熱に端を発するアーティスティックな仕事でありながら、広告や映画といったショービジネスを「デザイン」する。
そんな石岡さんのお仕事の中で僕が最も惹きつけられたのが、ソルトレイク冬季オリンピックのコスチュームデザイン。
スピードスケート用の、肌に密着したレーシングウェア。
石岡さんはこれを
「1,000分の1秒を争う人が着るものだから、当然、機能性も重視されるけれど、闘争心を着るという側面もあるに違いないと考えました。だからガッツポーズをした瞬間が最も美しく見えるデザインにしたんです」
と説明してくれた。
このスーツを着たカトリオーナ選手は金メダルを取り、『TIME』の表紙を飾った。
そこには、深紅のスーツに身を包み拳を突き上げるアスリートの姿があった。
完璧なデザインというものがあるかどうか僕には分からないけど、完璧を見た思いだった。