「お元気ですかァ?」
の挨拶に笑いが起こるのは日本広しといえど神無月とこの方くらいじゃないだろうか?今日はホンモノ!
「みなさんのご支援の下、40周年を迎えまして‥‥。高いところからではありますがお礼を申し上げたく、本日の運びとなりました、フフ」
僕にとっては2年ぶり、ご本人にとってはデビュー40周年を記念する、
井上陽水
40th Special Thanks Live in 武道館
に行ってきました。ひとりで。
「10周年のときも20周年のときも特に何もしなかったのですが‥‥
まぁ、40周年でね、なんかやるかという話になりまして。
これもみなさんのご指導ご鞭撻あっての‥‥何度も言いますが。フッ」
「新しいラプソディー」を皮切りに、「嘘つきダイヤモンド」、「飾りじゃないのよ 涙は」、「心もよう」、「リバーサイド・ホテル」、「氷の世界」、「傘がない」、「夢の中へ」、「帰れない二人」、「いっそ セレナーデ」、「少年時代」など、いくつもの名曲をたっぷりと。
こう言っては失礼だけど、61歳とは思えない声量。透き通るような声。70年代の歌も余裕の貫禄でまろやかに歌い上げる。CDに収められている当時の鋭利な印象を一周して、より怖い歌詞に聞こえる。
冷たい雨が 今日は心に浸みる
君の事以外は 考えられなくなる
それはいい事だろ?
(「傘がない」より)
歌の発表から30年経って、今は「いい事だろう」と、より他人ぶった突き放した印象にも聞こえて、面白い。若者の利己的で切羽詰まった余裕のなさを感じる昔の歌い方も大好きなんだけど。
くるりやPerfumeやBjorkや林檎やRadiohead、武道館ではさまざまなアーティストのLIVEを観てきましたが、終始座りっぱなしは初めて。両隣が白髪のおじさま。周りを見渡してもだいたい父母の年代。そんな人生の先輩たちが「陽水ーーっ!」と叫び、「闇夜の国から」のイントロで「キターーーー!」と喜ぶさまにも圧倒されました。
みんな目がキラキラしている。頭も若干。
あぁ、両親にこそ観てほしいなぁ。リアルに「人生が二度あれば」を歌わなきゃいけないのは僕です。
ありがとう、陽水様。
あなたを聴き込んだ高校時代がありありと蘇る2時間は、あっという間に終了。50周年では親を連れて行きます。